概要・あらすじ
全国でも指折りの超進学校の私立彰英高校に通う間島紗矢は、感情を表すことが苦手で、いつも無表情でクール。ゾンビ映画以外に一切興味を示さない彼女は、ある日、前の席の彬良航が芸能人であることを知る。初めて彼の出演するドラマを見るが、作中に彼を見つけることができず、オーラがなく華がないと発言したことで関係がこじれてしまう。
それでも懸命に航を研究し続けた紗矢は、ついに釈明の機会を得る。そして彼女の言葉は、想像以上に航を喜ばせることになるのだった。(エピソード「コメットさんにも華がある」)
登場人物・キャラクター
佐倉 水樹 (さくら みずき)
エピソード「その理屈には無理がある」に登場する。私立彰英高校1年E組の女子生徒。身長163センチ、体重49キロ。自分と同じ身長、体重の花村瑞記に親近感を持ち、仲良くなる。瑞記のミスで水をかぶり、制服が水浸しになったことから、仕方なく瑞記の制服を着用して生活する。その時に不破一晟に瑞記だと勘違いされてしまう。 ゲームやスポーツの趣味が合うことから一晟と親しくなった佐倉水樹は、ゲームを借りたい一心で、一晟に「下僕になる、セバスチャンと呼んでくれ」と言ったことから、その名で呼ばれることになった。
月島 水音 (つきしま みなと)
エピソード「その科白には嘘がある」に登場する。私立彰英高校3年A組の女子生徒。入学時に寮を希望したが抽選に外れ、徒歩15分の家賃格安アパートを借りている。2年生の冬にアパートの階段から落ちたのをきっかけに、霊感体質になった。自殺した霊のユキエ、小学生の霊のマサオなどと親しくなる。隣室に越してきた新城理人の守護霊のあまりの神々しさに、彼を見ると、頭の中でQUEENが奏でる映画「フラッシュ・ゴードン」のテーマ曲が流れてしまう。 理人があまりにも料理下手なので、食事を作ってあげている。
山吹 みちる (やまぶき みちる)
エピソード「グレシャムには罠がある」、「コメットさんにも華がある」に登場する。私立彰英高校3年E組の女子生徒。元々は社長令嬢であったが、1年生の時に両親が破産、夜逃げをし、1人で私立彰英高校に残された。常にトップ10以内の成績を維持することを条件に、授業料免除と奨学金を得ている。しかし貧乏で寮費を払えないため、「鹿梨荘(かなしそう)」というぼろアパートに暮らしている。 アパートの廊下を掃除することを条件に家賃を値切っている。ある日、自分の部下にならないか、と陣内斎に誘われ、あまりの空腹に耐えかねて承諾してしまう。
間島 紗矢 (まじま さや)
エピソード「コメットさんにも華がある」に登場する。私立彰英高校3年E組の女子生徒。色白で長い黒髪で無表情なことから、彬良航にはエジプトの壁画や、髪が伸びる日本人形のようだと言われている。中学時代は「ツタンカーメン」、小学生時代は「お菊」というあだ名だった。航の後ろの席になったことがきっかけで仲良くなるも無神経な発言をし、航を傷つけてしまう。 ゾンビ映画が好きで、ゾンビ映画の監督であるジョージ・メローメとも文通をする仲。ゾンビ映画を吹き替えや字幕なしで楽しむために、英語の勉強をし、英検1級を持つ。
花村 瑞記 (はなむら みずき)
エピソード「その理屈には無理がある」に登場する。私立彰英高校1年E組の男子生徒。身長163センチ、体重49キロ。同じ身長、体重の佐倉水樹と親しくなる。文芸部に所属し、「仔リス」の異名を持つキューティ系男子。サッカー部のキャプテンの小野と、水泳部の副部長の寺尾から謎の取り合いをされている。水樹に間違えて水をかけたことから、彼女の制服を水浸しにしてしまい、自分の予備の制服を貸すことになった。
不破 一晟 (ふわ いっせい)
エピソード「その理屈には無理がある」に登場する。私立彰英高校2年A組の男子生徒で生徒会長。1年時は寮で生活をしていたが、今は1人でマンションに住んでいる。生徒会でも噂になっていた「仔リスのように可愛い、魔性の少年」という触れ込みの花村瑞記に興味を持っていたが、たまたま男子の制服を着ていた佐倉水樹を瑞記と勘違いしてしまう。 水樹とはゲームやスポーツの趣味が合うことから、男性と勘違いしたままどんどん親しくなっていく。水樹のことは、仔リスというよりも元気なアヒルのようだと捉えており、心の中では「アヒル」と呼んでいる。
山下 (やました)
エピソード「その理屈には無理がある」に登場する。私立彰英高校1年E組の男子生徒。私立彰英高校生徒会執行部。佐倉水樹、花村瑞記のクラスメイト。水樹が瑞記に制服を借りる際、女子が男子生徒の制服を着用しても校則違反にはならないと教えた。水樹が不破一晟に瑞記と勘違いされていることにも気づいているが、面白そうだからと黙っていた。
新城 理人 (しんじょう りひと)
エピソード「その科白には嘘がある」に登場する。月島水音の隣室に越してきた24歳の青年。私立彰英高校のOB。T大理学部大学院生だったが、途中でやめて私立彰英高校に化学教師として赴任し、3年A組の副担任になる。水音にとってはまばゆくて直視できないほどの強い守護霊に守られており、近づいただけでマサオが浄霊されてしまうほど。
ユキエ、マサオ
エピソード「その科白には嘘がある」に登場する。ユキエは月島水音の部屋に住む自縛霊で、マサオは水音の通学路で亡くなった小学生の霊。ユキエは部屋から出られないが、マサオは学校までついてきたりもする。新城理人が近づくと、その守護霊の強さにマサオは浄霊され、ユキエは部屋の隅へ逃げてしまった。
メガネ先輩 (めがねせんぱい)
エピソード「その科白には嘘がある」に登場する。T大学医学研究室の新城理人の先輩。理人の研究データを盗み、それを自分の博士論文とし発表した。そのことでT大学での指導教授の石川にも絶賛される。同じ研究室で研究テーマも近い理人の方が、自分より高度で斬新な研究を行っていたことを妬んでの犯行だった。
陣内 斎 (じんない いつき)
エピソード「グレシャムには罠がある」に登場する。私立彰英高校3年E組の男子生徒。戦前から続く有名大企業・陣内グループのオーナー会長の孫。名門の育ちの良さがにじみ出て、高貴で穏やかと評判。後継者争いをしている従兄弟の春彦に対しては、自分の方がすべてにおいて勝っているが、ただ一点、親友とも腹心ともいえる人間がいないことでのみ遅れを取っていると感じている。 そのため、自分に媚びることなく、成績も優秀な山吹みちるを部下にしようと画策し、松坂牛のステーキ弁当で釣ろうとする。
春彦 (はるひこ)
エピソード「グレシャムには罠がある」に登場する。私立パトリック学園の男子生徒。陣内斎の従兄弟で、戦前から続く有名大企陣内グループの後継者候補の1人。公家のような穏やかな顔立ちなので、斎には「まろ」と呼ばれている。成績、容姿、野心など、すべてにおいて斎に劣るが、腹心とも呼べる優秀な親友の山下がいることだけは、斎に羨ましがられている。
彬良 航 (あきら わたる)
エピソード「コメットさんにも華がある」に登場する。私立彰英高校3年E組の男子生徒。父親は有名映画監督、母親と姉は有名女優、という芸能一家のサラブレッド。自身も若手俳優としてテレビに出演しているが、他の家族と比べると実力はあるものの、地味で華がないことを本人も気にしている。将来は本場イングランドのシェークスピアの舞台にも立ちたいと、英語を勉強している。 TOEIC900点、TOEFL100点の実力を持ち、発音もネイティブに近い。
文香 (ふみか)
エピソード「コメットさんにも華がある」に登場する。彬良航の姉。キャリアを積み重ねて一流の地位を確立した実力派女優。「お嫁さんにしたい女性タレント」3年連続1位。選ばれた理由が「知的」「家庭的」「包容力がありそう」であったが、弟の航に言わせると、実際の姿は「乱暴」「王様」「自由気儘」であるという。航に「あんたの演技は固すぎて面白くない」と言い放つ。
場所
私立彰英高校 (しりつしょうえいこうこう)
県下で指折り、全国での有数の超進学校で偏差値は85を超える。全国から生徒が集まるため学生寮があるが、入れない生徒もいるため、近隣に下宿する者もいる。寮から外出する際には外出許可が必要。エピソード「その理屈には無理がある」で、佐倉水樹が不破一晟へゲームソフトを借りに行く際、一人暮らしの男子生徒の家に女子生徒が行くのは少し問題がある、と難色を示されたほど審査が厳しい。 なおこの時は最終的に、相手が生徒会長で真面目な一晟であることを理由に、許可されている。