コロとちーちゃん

コロとちーちゃん

愛犬コテツの死を通して「別れがこんなに悲しいならば二度と動物とは暮らさない」と心に決めていた青年の吉田千悠は、ひょんなことからコテツの生まれ変わりだと主張するコロと同居することになった。柴犬でも人間の幼児でもない不思議な生き物のコロとの生活を通して、少しずつコテツの死と向き合っていく千悠の日常を描く。「週刊漫画TIMES」で連載の作品。

正式名称
コロとちーちゃん
ふりがな
ころとちーちゃん
作者
ジャンル
動物擬人化
 
日常
関連商品
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あらすじ

第1巻

アパートで一人暮らしをしている吉田千悠は、大家さんから迷い犬を飼わないかと持ち掛けられた。過去に愛犬コテツを失った悲しみが癒えていない千悠は、その申し出を丁寧に断り、その場はおさまる。しかし、再び千悠の部屋のチャイムが鳴り、自分はコテツの生まれ変わりだと主張するコロが訪ねてくる。コロは、先ほどの大家さんの話に出ていた迷い犬で、千悠の前で犬の姿になったり、人間の幼児の姿になったりと、容姿を自由に変化させる。そしてコロは、転生して千悠とおしゃべりがしたかったと、喜ぶ姿を見せるのだった。犬でも幼児でもない不思議な生き物を目にした千悠は、このまま第三者に引き渡した場合、コロが実験動物にされてしまうのではないかと不安を抱く。そんな中、コロが必死に千悠といっしょに暮らしたいと訴えたこともあり、千悠とコロの同居生活がスタートする。最初は奇妙な生き物だと警戒していた千悠だったが、コロとの生活を通して愛情が芽生えていく。そんなある日、ふだんは在宅勤務の千悠に、月数回の出社日が訪れる。コロにとって初めてのお留守番となるが、出社の意味が理解できないコロは千悠を探しにアパートの外に飛び出してしまう。

登場人物・キャラクター

吉田 千悠 (よしだ ちはる)

社会人の独身男性で、年齢は28歳。デザイン事務所に勤務しており、月に数回出社する以外は在宅で仕事をしている。18歳の時に小さい頃から親友だった愛犬コテツの、命が消える間際にそばにいれなかったことを、今でも夢に見るほど後悔している。また、コテツの死を通して「別れがこんなに悲しいならば二度と動物とは暮らさない」と心に決めている。しかしコロと出会い、一途に自分といっしょに過ごしたいと訴える姿に心を動かされ、再びコロと暮らす決意をする。コロがコテツの生まれ変わりだと主張しているが、今一つ信じていない。まじめな性格で誠実な人柄ではあるが、やや融通がきかない一面がある。また、悩みを一人で抱えてしまいがちで、幼なじみの大翔からも心配されている。コロからは「ちーちゃん」と呼ばれている。

コロ

吉田千悠といっしょに暮らしているオスの柴犬。一匹で歩いていたところを大家さんの息子に保護され、その伝手で千悠と出会う。自分の意思でふつうの犬にも、人間の幼児にもなれる不思議な能力を持つ。ふつうの犬の姿の時は人間の言葉を発することはできないが、幼児の時は拙いながらも話をすることができる。幼児の姿を長時間保つことが難しいこともあり、基本的には幼児の姿に犬の耳と尻尾だけを残し、人間の言葉を話しながら生活している。ご飯も犬用のフードを食べ、スプーンやフォークは使わない。また、遊び道具も犬用の小物を好む。カエルが大好きで、本物のカエルやカエルモチーフのおもちゃを欲しがったりする。コテツの生まれ変わりではあるものの、「人間になって千悠とおしゃべりをしてみたい」と望んでいたこと以外は、前世の記憶もほとんどない。生まれ変わった使命でもある「飼い主の未練や後悔を解消する」ことも、ソラに説明されるまでは知らなかった。また、現世でも大家さんの息子に保護される前の記憶がないなど、非常に謎が多い。

コテツ

吉田千悠といっしょに暮らしていたオスの愛犬。10年前に千悠の留守中に穏やかな最後を迎えた。千悠を心から信頼しており、生前は「人間になって千悠とおしゃべりをしてみたい」と強く願いながら生活をしていた。そして10年後、コロに生まれ変わりをする。

大家さん (おおやさん)

吉田千悠が住むアパートの大家をしている女性。息子が街を徘徊していたコロを保護し、千悠に飼ってくれないかと頼んだことで、千悠とコロが再会するきっかけをつくった。本当は大家さん自身がコロと暮らしたかったが、すでに猫がいるために断念した。

大翔 (ひろと)

吉田千悠と同じデザイン事務所に勤務している男性で、大和の弟。年齢は28歳。千悠の幼なじみでもあり、公私ともに親しくしている。ノリが非常にいいお調子者で、何かと悩みを内側に抱え込んでしまいがちな千悠を、ポジティブな発言で救うことも多い。

大和 (やまと)

吉田千悠と同じデザイン事務所に勤務している男性で、大翔の兄。まじめで優しい性格で、周囲への細やかな気配りも欠かさない。人柄がいいだけでなく仕事もできるため、千悠から尊敬されている。

森 夏実 (もり なつみ)

吉田千悠と大翔の同級生の女性で、年齢は28歳。小学2年生の時に二人と出会ったが、中学生の時に転校した。当時、ひどい天然パーマだったことで、大翔に「鳥の巣」というあだ名を付けられたことを根に持っている。現在はお金に余裕ができたこともあり、ストレートのボブヘアの髪型で、当時の面影はほとんどない。街で偶然にも千悠と大翔と再会し、愛犬のトイプードルのモモもいっしょに交流を深めていく。コロを人間の幼児だと思っており、子供嫌いなモモがコロとまるで仲間のように打ち解けている姿を見て不思議に思っている。モモを溺愛しており、ドッグカフェやフードの情報などに詳しい。

ソラ

黒いメスの猫で、生まれ変わりをして吉田千悠の住む街で暮らしている。通常はふつうの黒猫の姿をしているが、女子高校生の姿に変身して街を散策することも多い。街で偶然コロを見つけ、自分と同じ生まれ変わりをしているとすぐに気づき、声を掛けた。前世の記憶もあり、「飼い主の未練や後悔を解消する使命」を成し遂げようとしている。コロからは「まっくろ」と呼ばれている。

ピー子 (ぴーこ)

メスのセキセイインコで、生まれ変わりをして吉田千悠の住む街で暮らしている。生まれ変わりをしたばかりで元飼い主に再会できずにさまよっていた際、野良猫に襲われそうになっていたところをソラに助けられ、以降ソラと親しくしている。日常ではセキセイインコの姿をしているが、生まれ変わりをしている者と会うときだけは、個性的なファッションをした少女の姿になる。ソラを介してコロと出会い、以降親切に接している。前世の記憶もあり、「飼い主の未練や後悔を解消する使命」を成し遂げようとしている。

長寿郎 (ちょうじゅろう)

オスのニホンイシガメで、生まれ変わりをして吉田千悠の住む街で暮らしている。広い日本家屋の庭の池に住んでおり、ソラとピー子が訪ねてくることも多い。ふだんはニホンイシガメの姿をしているが、生まれ変わりをしている者と会うときには高齢の男性の姿に変身する。生まれ変わりをしてから時間が経過しており、長寿郎自身は転生寿命が長いと考えている。また、複数の動物たちが「飼い主の未練や後悔を解消する使命」を成し遂げた姿を見届けていることから、生まれ変わりに関してさまざまな知識を持つ。ピー子からは「長寿郎っち」と呼ばれているが、長寿郎はその呼称を気に入っていない。

その他キーワード

生まれ変わり (うまれかわり)

一度死んだ動物が使命を持ち、再びよみがえること。生まれ変わりをする動物は、強い未練を残している飼い主のもとに現れ、転生寿命を迎える前にその未練や後悔を解消することを使命としている。飼い主の未練や後悔を解消したあとは、成仏をして天国で暮らすことになる。ソラやピー子のように、通常は前世の記憶も持ち合わせて生まれ変わりをするが、コロはほとんど覚えていないまれなタイプである。前世の記憶があるが、現世で自身が生まれ変わりだと気づくまではどのように暮らしていたのかはわからない。生まれ変わりをしている者同士は通じ合うことができるので、見つけたときには声を掛け合って情報交換をしている。また、生まれ変わりをした者は元の動物の姿と、人間の姿の両方に変身できる特殊な能力を持つ。

転生寿命 (てんせいじゅみょう)

生まれ変わりをした動物に与えられた寿命。生まれ変わりをした動物には「飼い主の未練や後悔を解消する使命」が与えられているが、各々に成し遂げるまでの期限が与えられている。期限が長い者もいれば、短い者もいる。本人にも周囲にも転生寿命の長さはわからないため、生まれ変わりをした動物はできるだけ早く使命を成し遂げようとする。

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