あらすじ
第1巻
アフリカで獣医をしていた日本人の田中ヒロキは、フィールドワーク中に一風変わった野生動物のカラカルに出会う。カラカルは、親や兄弟とまるで異なるぬいぐるみのような丸っこい体型で、人間の言葉を理解し、しゃべることができたため、ヒロキのもとで暮らすことになった。ヒロキの両親が送ってくる日本の食材をいたく気に入ったカラカルは、日本に対するあこがれを募らせ、ヒロキに日本へ行きたいと相談する。そこで、ヒロキから自分の実家に行くように勧められたカラカルは、さっそくヒロキにパスポートを手配してもらい、飛行機で単身日本へと向かうのだった。(1章「変な動物現る」。ほか、7エピソード収録)。
登場人物・キャラクター
カラカル
アフリカのサバンナで暮らしているネコ科の野生動物、カラカルの子供。性別は不詳。ふつうのカラカルと異なり、毛玉のように丸っこく、ぬいぐるみのような姿をしている。非常に明るく、純粋な性格をしている。とてもパワフルで、じっとしていられないタイプ。人間の言葉を理解してしゃべることもでき、空を飛ぶことも可能。日本人医師の田中ヒロキがフィールドワーク中に発見し、いっしょに暮らすようになった。ほかのカラカルと異なる姿をしていることから、ヒロキはポメラニアンがカラカルの親子にまぎれていたのではないかと思っていた。食べることが大好きで、ヒロキの母親が送ってくる日本のお菓子やレトルト食品に魅了される。日本へのあこがれが高じ、日本で暮らしたいとヒロキに相談する。ヒロキにパスポートを手配してもらい、単身での訪日を果たす。それ以降、ヒロキの実家で暮らすことになった。日本に来た当初はその寒さにとまどっていたが、居酒屋やリゾート地でのアルバイト、漢字検定の試験などにもチャレンジし、友達もたくさん作って、日本での暮らしを存分に謳歌する。スマホゲームも大好きで、布団に入ってからもひたすらプレイを続けるため、いっしょに寝ていた田中ひとみに布団から追い出されることもあった。
田中 ヒロキ
アフリカで獣医をしている青年。フィールドワーク中にカラカルと出会い、いっしょに暮らすようになる。里帰りした際に、カラカルがヒロキの名前を一瞬忘れていたことに軽くショックを受けていた。カラカルの情報を保護動物の経過観察レポートとしてまとめていたが、学会に発表するのをあきらめた。
田中 ひとみ
若い女子学生で、田中ヒロキの妹。今は実家を出て暮らしている。実家に一時帰宅した時にカラカルと出会い、猛烈に懐かれていた。カラカルの個性的な言動や、独特な笑いのツボに若干とまどっていた。
宇琉歩 (うるふ)
小学生の男子で、一人で遊んでいる時にカラカルと出会い、友達になった。かなり珍しい名前から、友達にからかわれるのを嫌い、人間とは遊ばずにいた。真冬でも半そで短パンで過ごしている。
店長
居酒屋の店長を務める男性で、優しい性格をしている。仕事を求めて面接にやって来たカラカルを店に迎え入れる。カラカルの体力や安全面に配慮して、月曜17時から18時までの短時間のシフトを組んでくれた。
山本
居酒屋でアルバイトをしている青年。アルバイト仲間のカラカルと仲がいいが、カラカルからは名前をずっとうろ覚えにされている。そのため、たびたび名前を「山村」と言いまちがえられていた。アルバイト仲間の吉田ちかに思いを寄せている。
吉田 ちか
居酒屋でアルバイトをしている若い女性で、朗らかな性格をしている。アルバイト仲間のカラカルとはとても仲がいい。ネイルが大好きで、女の子に人気のジェルネイル検定を取ろうとしている。アルバイト仲間の山本から思いを寄せられていたが、すでに彼氏がおり、山本にショックを与えた。
長谷川
東大卒の青年で、現在引きこもり中。年齢は25歳。生活のため、淡路島でリゾートバイトをすることになった。同じアルバイト仲間のカラカルと行きのバスでとなりになり、なかよくなった。賢いのでホテルのフロント業務に就いていた。
お母さん
ごくふつうの主婦で、田中ヒロキの母親。来日したカラカルにまったく動じることなく自然と自宅に迎え入れた。非常に優しい性格で、日々アクティブに動き回るカラカルのことを暖かく見守っている。
お父さん
会社員の男性で、田中ヒロキの父親。来日したカラカルにまったく動じることなく自然と自宅に迎え入れた。のんびりとした性格で、カラカルの言動を広い心ですべて受け止めていた。読書家で、本棚には難しい本がたくさん並んでいる。
タシラ
アフリカに住んでいる少女。田中ヒロキの知人で、日本に一時帰省したヒロキから、お土産のウィッグをもらって大喜びしていた。なお、ヒロキのことはグッドパーソンだと思っているが、恋愛対象としてはまったく見ていない。