コロポックル

北の大地を舞台に、少女と妖精、コロポックルとの不思議な旅や蒸気機関車を描いたメルヘン。4つのエピソードがあり、「地底探検の旅」は「COMICモーニング増刊パーティー」1989年7月18日NO.24から1990年9月28日NO.37、「北土星」は1990年11月27日NO.38から1991年1月25日NO.40にかけてそれぞれ連載された。「コロポックルくん」は「COMICモーニング」1989年12月14日NO.53から1990年4月5日NO.16にかけて掲載された作品。「原始の峠の美しいモノ」は「COMICモーニング増刊パーティー」1989年6月20日NO.23に掲載された読み切り。完全版には単行本未収録シリーズだった「北土星」が初収録されている。

あらすじ

地底探検の旅

北海道で暮らす少女は、河原で出会った不思議な妖精、コロポックルと仲良くなる。ある日、少女はコロポックルさんに頼まれて、蒸気機関車C62(シロクニ)・ニセコに乗って、倶知安の羊蹄山の深部から湧き出す日本一の味の名水を汲みに行く。その道中、少女は1人で汽車の旅を存分に楽しむのだった。その後、少女はコロッポクルに体を小さくしてもらい、一緒に亀の背中に乗り、地底世界へ探検に行くことになる。地底世界では巨大なセミやアリ、奇怪な怪物との遭遇など、不思議な体験が待っていた。

北土星

少女コロポックルは、地底世界にあるコロポックルの国で復活させた蒸気機関車、北土星(ほくどせい)の運転を楽しんでいた。走行中、ザリガニに襲われている石炭の精を助けた少女は、石炭の木を見つける。石炭の精の話によると、その石炭の木を汽車の燃料にすれば、地平線のかなたまで行けるという。石炭の木を手に入れた少女は、羯諦(ぎゃーてい)洋菓子店が販売する羯諦ケーキのチラシを見つける。般若心経でデコレーションされたそのケーキは10円という格安価格で、しかも、食べると来年はパーティに招かれて、そこではすばらしい恋人にも巡り会えて幸福になれるという。恥ずかしがり屋の赤面症で、羯諦ケーキを買えずに泣いていた恐竜も汽車に乗せ、少女はケーキ屋へと北土星を走らせる。

コロポックルくん

不思議な妖精、コロポックルは、街中で仲間のコロポックルに出会ったり、冬眠ができずに困っている不眠ガエルに、あったかい甘酒を振る舞ったりして、日々を過ごしていた。まもなく冬も終わりを迎える頃、コロポックルは、山から転げ降りて来たウんぐり君と一緒に、春の到来を告げる巨大な手が山から出てくるのを待ちわびる。

原始の峠の美しいモノ

とある男は、函館本線稲穂峠の線路わきのクマザサの中に座り、まもなくやって来る機関車C62(シロクニ)・ニセコを待ちわびていた。そして、ついにやって来たC62・ニセコの力強さ、美しさを目にし、生きる力が湧いてくるのを感じるのだった。

登場人物・キャラクター

少女 (ショウジョ)

北海道の地で母親と暮らす少女。年齢は10歳未満で、父親を亡くしていると思われる。短めの髪を左右のこめかみのあたりで結び、目の大きな活発そうな女の子。植物の名に詳しくて鋭い観察力を持ち、オオイタドリの花が咲いたところを想像して、縄文人が通りかかる姿をイメージするなど、想像力が豊か。河原を探索したり、機関車に乗ってお使いに行ったりと、1人で行動することが多い。 コロポックルを見つけても驚くこともなく、すぐに仲良しになり、一緒に地底世界を旅する。

コロポックル (コロポックル)

北の大地にはるか昔から住むと伝えられる不思議な妖精。大きなフキの葉の下でブツブツと独り言をいいながら食事をしているところを、少女に見つかった。15cmほどの身長で、まん丸い頭に眉毛のない大きな目をしており、縦縞の袖のない着物を着ている。神界に迷い込んだ少女と再会し、仲良くなる。その後も亀をUFOのように乗りこなして少女の家へやって来ては、少女にお使いを頼んだり、一緒に地底世界を旅したりしている。 少女からは「コロポックルさん」と呼ばれている。

土の精

少女が土から掘り出した土の精。七福神の大黒天のような姿の小さな像になっている。中に永久マグマと呼ばれるものが入っていて、像からは蒸気が噴き出す。この像を新聞紙に包んでポケットに入れておくと、体中がポカポカするし、肌が蒸気によってみずみずしく保たれる。少女のお気に入りの品となる。眠る時は枕元に置いておくと蒸気を出し、部屋の中が乾燥するのを防いでくれる。

モグラさん (モグラサン)

少女とコロポックルが地下世界で出会ったモグラの女性。コロポックルの知り合い。パーマのかかった髪でサングラスをかけ、真珠のネックレスに洋服を身に着けている。少女とコロポックルを家に招き、ケーキと紅茶でもてなす。コロポックルは昔からウソつきで、ダマされていると少女に吹き込み、また、離婚して寂しいから、ケーキをすべて食べ終わるまで少女に家に泊って行ってほしい、と泣きつく。

アリ (アリ)

巨大な羽蟻。少女とコロポックルが、地下世界で見つけた温泉につかっている時に出会った。コロポックルの術で少女が小さくなっていることもあり、とても巨大に見える。その姿を見て、思わず少女が「ほんぎょろへえ~っ!」と驚いたほど。多数の子アリと一緒に温泉に入っていた。少女とコロポックルに、機関車乗務員の服をプレゼントしてくれる。

ささやきカベ (ササヤキカベ)

少女とコロポックルが地下世界で遭遇した怪物。カベから悪口などをブツブツとささやき、その声を無視して通り過ぎれば問題ないが、相手にしてしまうと正体を現す。四つ足で頭部に複数の人間の女性のような口があり、下にある口から糸のようなものを出して相手を絡めとる。しかし、その頭部に見えるものは実はお尻で、尻尾に見えるほうが頭。

石炭の精

全身がビカビカと黒光りし、細い米粒のような頭部をした石炭の精。ザリガニに襲われているところを、少女とコロポックルによって助けられた。歌い踊りながら話す、とても陽気な性格。少女とコロポックルを、石炭の木のある場所へと案内してくれた。

不眠ガエル

眠れなくて困っているカエル。他のカエルが冬眠しているのに、自分1人だけ眠ることができない。滝に打たれてお祈りもしているが、冷血動物だから、寒いと体の自由がきかなくなり、難儀している。コロポックルと一緒にあったかい甘酒を飲んだ後に、やっと眠れそうだと、土の中へ入っていった。

コロポックルが深夜に街中で見かけた鬼。チリチリの髪に2本角で、虎の毛皮のパンツを履き、腕と脚に金の輪をつけ、棍棒を持つという典型的な日本の鬼の姿をしている。正月に生まれた娘が可愛いあまり、じっとしていられず、山から降りて人の家を訪問し、涙を流して娘を愛していることを住民に訴える、という迷惑な鬼。

ウんぐり君

ドングリの頭をした生物。「ウんぐりコロコロ ウんぐり こ」と言いながら坂を転げ降りて来た。山から春を告げる合図の手が出てくるのを、コロポックルと一緒に見る。春が来ると、山の麓から巨大な人の両手が出てきて、パァーンパァーンと手を叩いて知らせる。その後の手の形を見て、今年は豊作だと、コロポックルと一緒に喜んだ。

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