神さまのつくりかた。

神さまのつくりかた。

悪神遊風稜(ゆせみ)を倒すべく育てられた生神(いきがみ)の少女小春が、強大な敵たちと闘う過程で、自らの出生の秘密や、敵を裏からを操る存在とその邪悪な意図を知って成長し、真の敵を滅ぼそうとする姿を描く現代和風神話ファンタジー。

正式名称
神さまのつくりかた。
ふりがな
かみさまのつくりかた
作者
ジャンル
和風ファンタジー
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概要・あらすじ

生神の少女小春は、悪神遊風稜(ゆせみ)を倒す存在「戦神子」(いくさみこ)として、神聖な力に満ちた閉鎖空間一神殿(いっしんでん)にて修行をしていた。しかし一神殿の閉塞感と修行だけの日々に倦んだ小春は、外界に脱出してしまう。とたんに彼女は戦いの渦に巻き込まれ、さらに遊風稜の襲撃を受ける。

己の至らなさを知った小春は、修行を行い仲間を増やし、より大きな闘争へ向かっていく。戦闘の中で彼女は、自分と遊風稜の関係、出生や一神殿とその上部存在の秘密を知る。世界を巻き込む巨大な悪意に対し、小春は仲間や多くの人々とともに戦おうとするのだった。

登場人物・キャラクター

小春 (こはる)

『神さまのつくりかた。』の主人公。一神殿で悪神遊風稜を倒す生神「戦神子」として15年修行をしてきた少女。だが、こらえきれずに現実界へ脱出する。人間界での便宜上の苗字として「更級」姓を用い、高校2年生として学校に通っている。身長150㎝。「空間の神」で「風打ち」という神術を使って闘う。後に修行と飛行アイテムで飛べるようになった。 最初は未熟な術しか使えなかったが、強い敵と出会ったり仲間に触発されて激しい訓練を行い、神としての能力を飛躍的に向上させていく。

八歳 (やつとせ)

『神さまのつくりかた。』の登場人物。一神殿で8歳の頃から小春のお付きの者で教育係だった女性。23歳。8歳以前の記憶が無い。一神殿より命を受け、ただ一人小春の後を追い、地上でも小春の世話をする。北九州市のマンションの一室に居を構え、小春と姉妹として暮らしていた。物語当初は男性恐怖症であった。 千里眼の能力があり、神の気配を遠くから感知できる。また、一神殿からのアイテムで、傀儡の兵士を3体同時に遠隔操作して小春を守ることが可能。

遊風稜 (ゆせみ)

『神さまのつくりかた。』の登場人物。小春が倒すべき悪神として教えられてきた存在。身長172㎝の女性。270センチの長刀と16の刃を操り、マッハ5で飛行する。「重力の神」で、物質の性質を変える能力を持つ。本能のままに攻撃し、百何十人という人間や航空自衛隊のF-15J、2機を体内の広大な精神世界に取り込んだことがある。 小春もそこへ飲み込まれてしまい、遊風稜が凶暴で破壊的になった恐ろしい理由を知ることになる。その後、小春の身を捨てた行動で遊風稜の呪いは抑えられるようになった。これにより取り込まれた人々と小春たちも現実世界に戻り、遊風稜は小春たちと行動を共にすることになる。

都家 弥十郎 (つげ やじゅうろう)

『神さまのつくりかた。』の登場人物。小春が地上で出会った少年。九州弁で喋る。高校で剣道部に入っていた。硬派な性格で、女性の扱いは不器用。努力家で、厳しい剣道の鍛錬も嬉々として行う。彼の住むマンションに小春が引っ越してきて、同じ高校で同じクラスとなる。小春にはじめは反発していたが、やがて好意を抱くようになった。 小春が繰り広げる神や人外との戦いに対し、己の無力を感じていたが、家に戻ってきた風来坊の姉に鍛えられ、さらに終盤に凄まじい修行を行い、自分のポテンシャルを極大までに高めた。

鴨井 芥佐二郎 (かもい けさじろう)

『神さまのつくりかた。』の登場人物。人狼であり、山の隠れ里で暮らしていた「阿曇一族」の重鎮。「阿曇八人衆」(あずみはちにんしゅう)を束ねる。彼らは、遊風稜を自分たちの神にいただき、戦国時代から彼らを迫害し続けた人間たちに打撃を与えることで、「阿曇一族」を再興しようとしていた。鴨井は五百年前の人狼狩りの際に妻と子を殺され自分も死にかけるが、工作栄(にわさか)によって命を与えられ、復讐の機会を伺っていた。 小春襲撃の指示も、工作栄に従ってのことであった。

阿曇八人衆 (あずみはちにんしゅう)

『神さまのつくりかた。』の登場人物。「阿曇一族」の中でも、「七里乾房」(しちりけんぼう)という特別な場所で行うすさまじい修行の末に能力を得た8人のこと。メンバーは、羽成宣篤(はなりのぶあつ)、十八騎景経(とどろきかげつね)、小刀禰(ことね)、土門一角(どもんいっかく)、影縫いの太楽(かげぬいのたらく)鋼の郷之丸(はがねのごうのまる)、隠拓磨(なばりたくま)、十八夜(かなぎ)ら。 「阿曇一族」の再興と人間への復讐のために戦う。

工作栄 (にわさか)

『神さまのつくりかた。』の登場人物。「阿曇一族」の黒幕として鴨井を支援していたが、それだけではなく、恐ろしい企みをもっていた。古くからいる女性の生神。過去に一神殿に惨劇をもたらしており、その元凶であるが、実はより大きな悪意からの指示を受けているにすぎない。非常に強力な戦闘能力を持つ。

都家 千鳥 (つげ ちどり)

『神さまのつくりかた。』の登場人物。弥十郎の姉。剣の修行の旅に出ていた。弟と同じく九州弁をしゃべる。優れた剣の使い手で、上住微心流(かすみびしんりゅう)という剣術を使い、母の形見の刀で戦う。右手に刀、左手にナイフの変形二刀流。弟を厳しく鍛えている。

都家 平四郎 (つげ へいしろう)

『神さまのつくりかた。』の登場人物。千鳥と弥十郎の父。陸上自衛隊特将補。一神殿と自衛隊の特殊混成団の指揮を執り、最後の敵と戦う。

集団・組織

阿曇一族 (あずみいちぞく)

『神さまのつくりかた。』に登場する集団。人狼の一族、人よりは神に近いとされる。海の神の末裔だったが、千二百年前、朝廷での失脚が元で山奥に追われた。今は七つの隠れ里しか残っていない。一族再興と人間への復讐のため、工作栄の指示に従い、遊風稜を自分たちの神にいただこうとする。

天御門 (あまのみかど)

『神さまのつくりかた。』に登場する組織。一神殿の上部組織であり、一神殿に神の育成を命じた。非常に冷酷な管理を行う。

場所

一神殿 (いっしんでん)

『神さまのつくりかた。』の舞台。閉鎖空間内の巨大神殿。八百人の女の「清く明らき力」を小春に吸収させ、戦神子としての神格を上げるシステム、「八十乙女結界」(やそおとめけっかい)がある。女性しか居住していない場所。時間の流れを外界と変えることができる。「天御門」(あまのみかど)という上層組織からの命令で行動し、神の生成や育成を行う。 十二人巫(じゅうににんふ)の老婆達によって運営され、いくつもの部署がある。

その他キーワード

風打ち (かぜうち)

『神さまのつくりかた。』に登場する技。戦神子である小春が用いる。生神のエネルギーである「魂」(みたま)を使う神術。魂を空気にぶつけてジャンプする第一座「跳」(はね)に始まり、空気を蹴りこんた衝撃波と魂を相手にぶつける第ニ座「切」(きり)、魂を高圧縮して弾丸となし、敵を貫く第三座「貫」(ぬき)などが初歩の技。 ほかに、魂を物質化して盾とする第六座「弾」(はじき)、遠く離れた2点の空間を繋げ、テレポートや物体引き寄せを行う第九座「繋」(つなぎ)、空間の光の反射をコントロールして姿を消す第十二座「離」(はなれ)などがある。

翅返蜉蝣 (しぞりかげろう)

『神さまのつくりかた。』に登場するアイテム。1メートルほどの昆虫の透明な羽のような器具で、背中に装着する。生神のエネルギー「魂」(みたま)をこの器具に伝達し、飛翔する。あくまで練習器具であり、最終的にはこれなしでも飛行が可能になる。マニュアル兼教官として、カエルの姿の飛才時(ひさとき)がセットになっている(飛行時は肩に乗って、解説並びに叱咤激励する)。 戦神子である小春はこれで特訓を行い、飛べるようになった。

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