概要・あらすじ
仕立屋の息子の少年は、父親である仕立屋を殺害した暗黒街のボス大女ローパーの抹殺を殺し屋アイリン・ラポーナに依頼する。その後少年は、依頼の事実を知った大女ローパーに拉致され、暗殺を依頼した殺し屋の素性について尋問されることになるが、常識を超えた力を持つアイリンはすでにその場への侵入を果たしていた。
こうして少年は、アイリンと大女ローパーの死闘を目撃することになる。
登場人物・キャラクター
アイリン・ラポーナ (あいりんらぽーな)
代々続くイタリアの殺し屋の家系の血を引いている殺し屋の少女。16歳を自称しているが、少女から老婆まで自在に容姿・年齢を変えられる能力を持っている。そのため、どの年齢・どの姿が真の姿なのかは誰も知らない。これは極めて強力な催眠術によるもので、メイキャップを媒介として自分自身に暗示をかけて姿や能力を変える他、使い方によっては他人を操ることもできる。
じいや
アイリン・ラポーナに仕える老僕。リスを操る能力を持っており、その言動からはただの従者ではなく彼もまた殺し屋であるような節があるが、詳細は不明。仕立屋の息子が殺し屋であるアイリンに仕事の依頼をしようとした際、アイリンに対して嘘をついたら自分の手で殺すと警告する。
仕立屋の息子 (したてやのむすこ)
大女ローパーによって殺害された仕立屋の息子の少年。復讐のため、アイリン・ラポーナに大女ローパーの殺害を依頼したが、大女ローパーによって拉致されてしまう。大女ローパーに拷問されてアイリンの能力を話してしまったためアイリンの怒りを買うが、父親に免じて命を救われる。
仕立屋 (したてや)
スウイング・タウンで服の仕立てを生業としている中年男性。過去にアイリン・ラポーナの母親のドレスを仕立てたことがある。大女ローパーから翌日までのドレスの仕立てを命じられるが、生地を取り寄せなければならないから無理だと断った。腹を立てた大女ローパーに暴行された際、友人の新聞記者が大女ローパーの失脚を狙って動いていることを話し、大女ローパーに殺害される。 その生首は見せしめとして新聞記者のもとに送られた。
大女ローパー (おおおんなろーぱー)
スウイング・タウンの暗黒街のボス。先代のボスを殺してその地位についた。名前の通りの巨体の女性だが、女性の召使いしか自宅に置かないなど性格は慎重。またチェーンソーを振り回す怪力の持ち主ながら、その命を狙いにやって来たアイリン・ラポーナも認めるほどの身のこなしの素早さも併せ持つ。
マイケル
プエルトリカンの貧民青年。アイリン・ラポーナが自分の命を狙う刺青の女から逃れて身を隠すため、一時的に行動をともにした。面倒見のいいお人好しとして振る舞い、アイリンのボディガードを務めるが、それはアイリンによって催眠術で操られた結果の行動であり、本来はただのチンピラである。
刺青の女 (いれずみのおんな)
アイリン・ラポーナの命を狙って追跡している、凄腕の殺し屋の女性。背中の刺青から自在に動かせる第3の腕を出したり、人間の頭部に侵入して脳髄を食い荒らす人食いアリを出現させたりといった奇怪な能力の使い手。なお、刺青の女自身はアリを防ぐ薬品を自らの肌に塗っている。
その他キーワード
戦いのメイク (たたかいのめいく)
アイリン・ラポーナは化粧によって自分自身に催眠術をかけることで自由自在に年齢・容姿・肌や髪の色などの人種的特徴までもを変えることができる。成熟した女性の姿に変身して本気で戦闘をする時は、特に「戦いのメイク」もしくは「殺しのメイクアップ」と呼んで区別している。変身時の決め台詞は「ゴージャスアイリン!わたし、残酷ですわよ」。
死の舞踏 (だんすまかぶる)
アイリン・ラポーナの殺し屋としての最大の武器。香水の香り、空気の動き、光、一定のリズムと音、身体の動きなどの諸要素を媒介として、他人を精神的な支配下に置く能力のこと。死の舞踏に捕えられた人間は、動くのをやめろと言われれば動けなくなってしまうし、自分の体をチェーンソーで真っ二つにしろ、と命じられれば、その通りに行動してしまう。
特殊ガム (とくしゅがむ)
大女ローパーの愛用の武器の1つ。ガムのように噛むことができるが、人間の体温を下回る温度になると瞬間的に固まり、金属並みの硬度になる。訓練を積んだ熟練の使い手である大女ローパーは、これをナイフのように尖らせて武器にすることができる。