不良高校生が幼なじみのボディガードに
威吹荒邦が高校3年生に進級する直前、春休みの最終日に、尽宮組組長の尽宮正人が、荒邦の家を訪ねてきた。組長の用件は、自分の隠し子、赤羽骨子の命を守って欲しいというものだった。荒邦の父、丈夫は、かつて尽宮組のヤクザであり、荒邦と骨子が、同じ錚々児高校に通っていることを知り、やってきたのだ。組長は来春の引退を決めているのだが、骨子の存在がバレてしまい、骨子が跡継ぎだと思い込んだ組の有力者が、腕利きの殺し屋を雇ったという。荒邦と骨子は幼なじみである。小さい頃から乱暴者で嫌われていた荒邦に、骨子だけはおせっかいを焼いてきた。そんな骨子に、密かに好意を抱いている荒邦は、組長の頼みを引き受ける。1年間、骨子に知られることなく、ボディガードとして無事に卒業させてやることを誓うのだった。
クラスまるごとボディガード
錚々児高校3年4組の生徒は全部で24人。じつは、荒邦と骨子を除く22人のクラスメイトは、全員尽宮組が幼い頃から育ててきた護衛部隊。司令塔である染島澄彦を中心に、罠師、変装家、剣士、鍵師、スナイパー、ハッカーなどの特殊技能を持ったスペシャリストたちだった。彼らがいれば、荒邦は無用に思えるが、尽宮組の所有物である澄彦たちは、尽宮組の組員には手を出せない。だから、カタギの荒邦が必要なのだ。3年4組一丸となって任務を遂行していく中、このクラスに、敵に情報を流す裏切り者がいることが判明。荒邦は骨子を守りながら、裏切り者を探し出さなければならなくなる。
思いもよらない三角関係ラブ
骨子の命を狙う勢力はたくさんあるが、真っ先に行動を起こしたのが、組長の実子、尽宮正親である。いくら殺し屋を雇っても埒(らち)が明かず、自ら荒邦と骨子の前に姿を表す。図書館に仕掛けた爆弾のスイッチを口中に忍ばせて脅す正親に対し、荒邦は一気に距離を縮めて強引にディープキスを敢行。スイッチを奪いとり危機を脱する。正親は初めての屈辱に怒り狂うと同時に、不思議な感情にとらわれて悶々(もんもん)とする。正親は男性のように見えるが、じつはさらしで男装した女性であった。やがて、荒邦に恋してしまったことを自認した正親は、骨子をライバル視。こうして、荒邦を巡る正親と骨子の女の戦いの火蓋が切られた。
登場人物・キャラクター
威吹 荒邦 (いぶき あらくに)
錚々児高校3年4組の男子。長身、金髪、ピアスが特徴の不良。小さい頃から短気で喧嘩(けんか)っ早い乱暴者でケンカ慣れしている。赤羽骨子とは幼なじみで、嫌われ者の自分に何かとおせっかいを焼いてくる骨子に好意を抱いている。高校3年生になる直前、尽宮組組長の尽宮正人の訪問を受け、尽宮組の跡目争いに巻き込まれた骨子のボディガードになってくれと頼まれる。その結果、骨子にバレずに、1年間彼女を殺し屋から守る任務につく。
赤羽 骨子 (あかばね ほねこ)
錚々児高校3年4組の女子。生徒会長を務める。頭の左右のお団子が特徴。威吹荒邦の幼なじみで、小さい頃から唯一荒邦を怖がらない女の子。荒邦に好意を抱いている。じつは尽宮組組長の尽宮正人の隠し子。赤ん坊の頃に彼女を引き取った弁護士の両親を本当の親だと信じ込んでいる。正義感が強く将来は弁護士を目指す。組長の引退により跡目争いに巻き込まれて命を狙われているが、本人はそのことをまったく知らない。
書誌情報
赤羽骨子のボディガード 11巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2023-01-17発行、 978-4065302729)
第2巻
(2023-03-16発行、 978-4065309322)
第3巻
(2023-05-17発行、 978-4065315613)
第4巻
(2023-07-14発行、 978-4065321898)
第5巻
(2023-09-14発行、 978-4065328965)
第6巻
(2023-11-16発行、 978-4065335482)
第7巻
(2024-02-16発行、 978-4065345757)
第8巻
(2024-04-17発行、 978-4065351895)
第9巻
(2024-07-17発行、 978-4065358030)
第10巻
(2024-09-17発行、 978-4065367797)
第11巻
(2024-11-15発行、 978-4065374382)