概要・あらすじ
加治理津子は5年前にデビューした小説家。デビュー作「午睡の国」が新人賞を受賞し、それなりにヒットもしていたが、それ以来新作が書けなくなり、小説家としては半ばリタイア状態で、主婦としての日々を過ごしていた。そんな理津子のもとに、学生時代の友人の中島淳が自殺したという連絡が届く。学生時代から巨大な喪失感を抱えて生きていた中島は、「30歳になる前に死ぬ」と公言していた。理津子はそんな中島を引き止めるために、彼をモデルにした小説を書き始め、それが小説家デビューのきっかけとなった。しかしデビュー後、理津子は中島と疎遠になってしまい、その後中島が自殺したことで、自分は一度助けようとした人間を見放したのではないかと自責するのだった。同時期、新しく理津子の担当編集者になった小出駿平は、中島の死を題材にした新作小説を理津子に執筆してもらおうと考える。理津子と小出は、中島の住んでいた大阪に向かい、彼の死の真相を調べ始めるのだった。
登場人物・キャラクター
加治 理津子 (かじ りつこ)
5年前に「午睡の国」という小説で新人賞を受賞した女性小説家。作家デビューしたものの、以降は新作を書けなくなり、半ばリタイア状態。もともと担当編集者だった野田一史と結婚し、専業主婦をしている。中島淳とは学生時代の友人。デビュー直後に、中島と疎遠になり、それが彼の自殺の一因になったのではないかと自責の念を抱いている。
野田 一史 (のだ かずふみ)
加治理津子の夫で、年齢は36歳。もともとは大手出版社に勤務しており、理津子とは仕事を通じて知り合う。その時期には結婚もしていたが、不倫の末に理津子と再婚。理津子とのあいだに子供を作ることに強くこだわっている。理津子と不倫していたことがきっかけで前妻が職場でトラブルを起こし、そのために退職している。
小出 駿平 (こいで しゅんぺい)
26歳の男性で文芸編集者。以前は週刊誌の編集部に所属していたが、文芸誌に異動となり、それを機に加治理津子の担当編集となる。中島が自殺したことをネタに、理津子に新作小説を書かせようと考えている。理津子と共に大阪に向かい、中島の死の原因を取材し始める。
中島 淳 (なかじま あつし)
加治理津子の学生時代の友人。理津子のデビュー作『午睡の国』の主人公である「アオイ」のモデルになった人物。学生の頃から巨大な喪失感を抱えて生きており、「30歳になる前に何も残さずに死ぬ」と公言していた。実際に30歳になる寸前に自殺を遂げるが、遺書もなく、詳しい動機は謎に包まれている。
書誌情報
サターンリターン 10巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2019-06-28発行、 978-4098603145)
第2巻
(2019-11-29発行、 978-4098604876)
第3巻
(2020-04-27発行、 978-4098605989)
第4巻
(2020-09-30発行、 978-4098607426)
第5巻
(2021-03-30発行、 978-4098610082)
第6巻
(2021-11-30発行、 978-4098611478)
第7巻
(2022-07-29発行、 978-4098613847)
第8巻
(2022-10-28発行、 978-4098614547)
第9巻
(2023-02-28発行、 978-4098615872)
第10巻
(2023-02-28発行、 978-4098615902)