ザ・キング・オブ・ファイターズ京（漫画）- マンガペディア

あらすじ

格闘大会「キング・オブ・ファイターズ」を終えて日本に戻った草薙京は、和やかな日常を送るはずだった。しかし、大会主催者だったルガール・バーンシュタインがオロチの力を行使したことにより、オロチに興味を持つ者、また、オロチの力を崇拝する者たちが動き始め、京をはるか過去の因縁が取り巻き始める。

単行本の装丁

コミックス全巻の巻頭にカラーページが差し込まれている他、カバー裏には全面を使用して単色のニーショットイラストが描かれており、1巻は草薙京、2巻は八神庵、3巻は京、庵、神楽ちづる3人のキャラクターポスターとして使用することができる。

メディアミックス

TVゲーム

本作『ザ・キング・オブ・ファイターズ京』を原作とするPlayStation用ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ京』が1998年に発売された。内容は、草薙京が格闘大会「キング・オブ・ファイターズ」に出場するためのチームメイトを集めていくアドベンチャーゲームとなっている。また、ゲーム中のイラストは、すべて本作の作者である夏元雅人が担当している。

登場人物・キャラクター

草薙京 (くさなぎきょう)

格闘大会「キング・オブ・ファイターズ」に二度優勝した格闘家の男性。男性にしては長い黒髪と、額に巻いた白いバンダナが特徴。手のひらから自在に赤い炎を生み出し、それを利用して格闘を行う「草薙流古武術」の継承者だが、草薙京本人には継承者としての自覚が薄い。高校に通っているが複数年に渡り留年している。同じ高校に通う彼女のユキを非常に大切に想っており、二階堂紅丸、大門五郎とはチームメイトとして仲が良い。祖先からの因縁がある八神庵からは仇敵のように執着されているが、京自身は庵のことを対等なライバルとして理解しようとしている。作中においては草薙流古武術の技のうち裏百八式大蛇薙と無式を披露している。

八神庵 (やがみいおり)

前髪の長い赤い髪が特徴の男性。手のひらから自在に青い炎を生み出し、それを利用して格闘を行う「八神(八尺瓊)流古武術」を継承する格闘家にして、草薙京の宿命のライバル。インディーズバンドのベーシストとしても名が知られている。血の宿縁により草薙家の人間を殺害し、その家系を絶やそうとして目論んでいるが、京に対して個人的に悪感情を抱いているわけではない。なお、京を殺すことを生き甲斐とするあまりに言動がストーカーじみており、仲間のマチュア、バイスには若干引かれている様子がある。

ユキ

京の通う高校に通う女子高校生で、草薙京の彼女。スタイルが良く性格もさっぱりとしているため友人も多く、異性からも好意を抱かれ、京と付き合っていると理解されながらも前田たかやから告白を受けた。校庭で京と一戦交えようとした八神庵の前に立ちはだかるなど、肝が据わった様子も見られる。

大門五郎 (だいもんごろう)

キング・オブ・ファイターズに草薙京、二階堂紅丸とともに出場した、柔道をメインにした我流格闘術で戦う格闘家の男性。大学で柔道の講師をしており、京の通う高校に前田たかやをスカウトしに来たところ、ユキを巡る京と前田の様子を見て、柔道対決を提案する。

二階堂紅丸 (にかいどうべにまる)

キング・オブ・ファイターズに草薙京、大門五郎とともに出場した、「シューティング」という格闘スタイルで戦う格闘家の男性。帯電体質で、雷を自在に操ることができる。戦闘時は高く逆立てた髪型をしているが、普段は背中までの長い金髪を下ろしている。ナルシストでナンパな性格だが、面倒見は良く、困っている人間には助けの手を差し伸べている。作中においては雷靱拳を披露している。

如月影二 (きさらぎえいじ)

キング・オブ・ファイターズに八神庵、ビリー・カーンとともに出場した、「如月流忍術」を用いて戦う格闘家の男性。ルガール・バーンシュタインや八神庵の話したオロチについて調べようと草薙京の自宅に潜入したところ、草薙静に見咎められて茶を振る舞われて以降、よく草薙家に入り浸るようになっている。

ビリー・カーン (びりーかーん)

キング・オブ・ファイターズにて八神庵、如月影二とともに出場した、三節棍を用いて戦うイギリス人男性。戦闘時は赤と白のストライプ柄のバンダナを頭に巻いており、素肌にオーバーオールを着ている。ギース・ハワードの配下であり、ギースの命令でオロチの詳細やゲーニッツの動向を探る。作中においては超火炎旋風棍を披露している。

麻宮アテナ (あさみやあてな)

キング・オブ・ファイターズにシイ・ケンスウとともに出場した、超能力と中国拳法を使う女性格闘家。アイドルとしても活動しており、雑誌で特集が組まれるほど人気がある。キング・オブ・ファイターズ後は草薙京に興味を持ち、京の通う高校に編入して来る。京と八神庵の戦いに割って入った際、庵の深層心理に精神感応し、それ以降は庵にも関心を示すようになる。作中ではサイコリフレクター、サイコボールを披露している。

シイ・ケンスウ (しいけんすう)

キング・オブ・ファイターズに麻宮アテナとともに出場した、超能力と中国拳法を使う格闘家。アテナに恋愛感情を抱いており、アテナを追って日本にやって来た。草薙京や八神庵に関心を持ち近付こうとするアテナに不満を持ちながらも付き合っている。作中では超球弾を披露している。

マチュア

ルガール・バーンシュタインの秘書を務めている女性。金色の長い髪を後頭部で結い上げ、前髪を一房長く垂らしている。黒のマキシ丈シャツワンピースに青いベスト、リボンチョーカーを身に着けている。正体はオロチ八傑集の1人で、八神庵の監視のために「オロチ一族」から派遣された。京の通う高校の文化祭に向けて、素人ながらサックスを練習させられる。

バイス

ルガール・バーンシュタインの秘書を務めている女性。ベリーショートの赤い髪が特徴。黒のマキシ丈シャツワンピースに赤いベスト、リボンチョーカーを身に着けている。正体はオロチ八傑集の1人で、八神庵の監視のために「オロチ一族」から派遣された。京の通う高校の文化祭に向けて、素人ながらキーボードを練習させられる。

神楽ちづる (かぐらちづる)

「覇王スポーツ」というスポーツ新聞社の記者を務めている女性。正体は古来よりオロチの封印を守る神楽家の当主にして、「神楽(八咫)流古武術」の継承者。本来は長い黒髪をヘアバンドでオールバックにして、着物の袖を思わせる白い上衣を着ている。しかし本作では登場時、ショートカットのウィッグを付け、活動的な新聞記者として草薙京たちに接触し、動向を見守っていた。 10歳にも満たない頃、ゲーニッツによって双子の姉を殺害されている。

草薙柴舟 (くさなぎさいしゅう)

草薙京の父親。当初はルガール・バーンシュタインの吸収したオロチの力によって洗脳されており、京と戦うこととなった。洗脳が解かれてからは京の動向を見守り、技のキレを失った京に対しては変装してユキを誘拐し、直接京と戦うことで力とは、強さとはなにかを教えた。妻である草薙静には頭が上がらない様子が見られる。

草薙静 (くさなぎしず)

草薙京の母親。常に和服を身に着けたおっとりとした女性ながら、如月影二が自宅敷地内に入り込んだ際にはその気配を読んでおり、さらに影二に気取られず背後をとって槍を突きつける実力を見せた。夫である草薙柴舟にも凜とした姿勢を崩さず、尻に敷いている様子が見られる。

ルガール・バーンシュタイン (るがーるばーんしゅたいん)

本作冒頭で草薙京が参加したキング・オブ・ファイターズの主催者の男性。片目がなく、金髪で、赤いスーツを着用している。本作で登場したルガール・バーンシュタインは肉体を機械化している。「オロチの力を吸収した」と自称しているが、八神庵には「使い切れるわけがない」と一蹴される。

お師匠様 (おししょうさま)

麻宮アテナとシイ・ケンスウに修行をつけている老人。中国奥地に住まいを持っており、常に飲酒している。

前田たかや (まえだたかや)

京の通う高校の柔道部キャプテンを務めており、インターハイ全国3位の実力を誇る男子。ユキに好意を抱いており、ユキをかけて草薙京と柔道対決をする。ユキをデートに誘った先で遭遇した二階堂紅丸には、「つまんない男」と一蹴される。

草薙の祖先 (くさなぎのそせん)

草薙京の祖先の男性。京と瓜二つの外見をしており、神楽ちづるは「京の過去」と称している。草薙流古武術を完成させた人物。八尺瓊の祖先とは技を競い合った親友だった。オロチの封印を解いた八尺瓊の祖先を制するため、伝説の技・無式を編み出した。

八尺瓊の祖先 (やさかにのそせん)

八神庵の祖先の男性。庵と瓜二つの外見をしており、「八神(八尺瓊)流古武術」を完成させた人物。草薙の祖先とは技を競い合った親友だった。しかし流派を完成させたことでさらなる強さを求め、オロチの封印を一部解いてしまった。この際、オロチの力を取り込んだことで使用する炎が青くなり、「八神」と姓を改めることとなった。その後、血の宿縁を血族に宿命付けることとなる。

ゲーニッツ

オロチ八傑集の1人にして、「オロチ四天王」でもある、牧師のような服を着用した男性。諭すような口調と礼儀正しい態度が特徴だが、目的のためには大量虐殺もいとわない。オロチ完全復活のために草薙京、八神庵の殺害を目的として京の通う高校の文化祭に乱入した。またオロチ四天王としては「吹き荒ぶ風のゲーニッツ」と呼ばれている。

ギース・ハワード (ぎーすはわーど)

ビリー・カーンの雇い主の男性。オロチおよび草薙京と八神庵の血の宿縁について興味を持っており、ビリーに探らせていた。またゲーニッツの来日についてもいち早く情報を得ており、その目的を探るために空港で部下たちに待ち伏せさせている。

オロチ

1800年前に草薙、八尺瓊の一族が倒したとされる悪鬼。八神庵の夢などに登場しては草薙京の殺害をそそのかしたりしているが、概念として登場しており、実体は登場していない。巨大な木の根に抱かれた巨岩に封じられていたが、オロチが封じられて1140年後、オロチの力を求めた八尺瓊の祖先によって封印の一部を解かれており、自らの力を分け与えた証として「八尺瓊」を八神と改名させている。またオロチの力に魅入られた人間たちの共同体「オロチ八傑集」が存在する。草薙柴舟の語った伝承の中では、「ヤマタノオロチ」の名で登場している。

集団・組織

オロチ八傑集 (おろちはっけつしゅう)

オロチの力に魅入られた人間の共同体である「オロチ一族」の中でも特に力の強い者たちの総称。マチュア、バイス、ゲーニッツが所属している。本来は八神庵も「オロチ一族」に属するが、一族からは「孤高の異端者」として扱われており、庵自身も一族のことを何も知らない。

場所

京の通う高校 (きょうのかようこうこう)

草薙京が通っている高校で、京の彼女であるユキも同じクラスに在籍している。また、キング・オブ・ファイターズから戻った京を追って、麻宮アテナも同じクラスに編入して来る。作中では文化祭も行われている。

豊島二輪 (とよしまにりん)

草薙柴舟の幼なじみが営んでいるバイク店。変装した柴舟がユキを誘拐した際に、この豊島二輪からバイクを借りている。神楽ちづるが初めて柴舟、如月影二に接触した場所でもある。

イベント・出来事

文化祭 (ぶんかさい)

京の通う高校の年次イベントで、草薙京、ユキ、麻宮アテナ、シイ・ケンスウと八神庵、マチュア、バイスによるバンド対決が行われる予定だった。しかし、ゲーニッツの乱入、校舎の破壊により中止となっている。

キング・オブ・ファイターズ (きんぐおぶふぁいたーず)

草薙京たちが出場している格闘大会。3人1組のチーム戦で行われる、ストリートファイト形式の大会。国籍を問わず世界中から腕に覚えのある格闘家たちが参加しているが、開催回によって主催者が変更される。作中では95年度大会が冒頭に描かれており、この時はオロチの力を手にしたルガール・バーンシュタインが主催している。

その他キーワード

血の宿縁 (ちのしゅくえん)

草薙の祖先と八尺瓊の祖先の時代から紡がれてきた、草薙家と八神家の因縁。オロチの封印を一部解いてオロチの力を受け入れた八尺瓊の祖先が、オロチを滅ぼそうとする草薙家の断絶を念願とする呪詛を身に受けたことそのものを指す。

裏百八式大蛇薙 (うらひゃくはちしきおろちなぎ)

草薙京の使う「草薙流古武術」の技の1つで、手のひらから巨大な炎を生み出し、相手に向けて素早く振り払う技。ルガール・バーンシュタインとの戦いでとどめとして使用した。

無式 (むしき)

草薙京の使う「草薙流古武術」の最終決戦奥義。京と相手との間に巨大な火柱を立て、火柱の炎をまとった状態で連続打撃を加える技。草薙の祖先が八尺瓊の祖先を制した際に生まれた伝説の技とされている。ゲーニッツとの戦いでとどめとして使用した。

百式鬼焼き (ひゃくしきおにやき)

八神庵の使う「八神(八尺瓊)流古武術」の技の1つで、手のひらに生み出した炎をまとい、回転しながら上昇して相手を焼く技。ゲーニッツとの戦いにおける初手で使用した。

雷靱拳 (らいじんけん)

二階堂紅丸の使用する技の1つで、激しく帯電する拳を相手に向かって突き出す技。街で女性をナンパしていたチンピラが刃物を取り出した際、それなりの覚悟があるものと見なして使用した。

サイコリフレクター

麻宮アテナが使用する技の1つで、相手の技を跳ね返すシールドの役目をする技。京の通う高校で草薙京と八神庵が戦い始めた際、2人の間に割って入ろうと使用した。

サイコボール

麻宮アテナが使用する技の1つで、超能力で造り出したエネルギー弾を相手に向けて発射する技。京の通う高校の文化祭に乱入し草薙京を殺害しようとしたゲーニッツに向かって使用した。

超球弾 (ちょうきゅうだん)

シイ・ケンスウが使用する技の1つで、超能力で造り出したエネルギー弾を相手に向けて発射する技。京の通う高校の文化祭に乱入し草薙京を殺害しようとしたゲーニッツに向かって使用した。

超火炎旋風棍 (ちょうかえんせんぷうこん)

ビリー・カーンが使用する技の1つで、三節棍を回転させて炎の輪を作り出し、相手を焼く技。オロチの詳細を聞き出そうと草薙京に接触を図った際、あまりに技のキレが失われていることに苛立ち使用した。

カイザーウェイブ

ルガール・バーンシュタインが使用する技の1つで、大きく広げた両腕を勢いよく前へと突き出すことで巨大なエネルギー波を放つ技。草薙京と戦ったキング・オブ・ファイターズ最終決戦にて、初手で使用した。

ギガンティックプレッシャー

ルガール・バーンシュタインが使用する技の1つで、相手の首を掴んで壁に叩きつけ、オロチの力を用いて爆発させる技。草薙京と戦ったキング・オブ・ファイターズ最終決戦にて、京を追い詰める際に使用した。

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EC

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