ストリートファイターZERO

ストリートファイターZERO

「真の格闘家」を目指す若き格闘家のリュウが、自身の中に潜む殺意の波動に苦悩しつつ、格闘家として大きく成長していく姿を描く格闘アクション漫画。アーケードゲームのヒット作である「ストリートファイターZERO」を原作としており、作中には同ゲームのキャラクターも数多く登場する。「ゲーメスト」1995年8月15日号から1996年7月3号まで掲載された。

正式名称
ストリートファイターZERO
ふりがな
すとりーとふぁいたー ぜろ
作者
ジャンル
バトル
レーベル
復刊ドットコム
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概要・あらすじ

東南アジアの地でムエタイの帝王サガットを倒した格闘家のリュウは、己の中に秘められた恐るべき力について思い悩み、格闘家としての人生を終わらせようとする。しかし、用心棒として付き添った麻薬取引の現場でICPO(国際刑事警察機構)との戦闘が発生。バーディーをかばって銃弾をその身に受けたリュウは、目に見えるものすべてを見境なく蹂躙する、凶悪な殺意の波動へと目覚めてしまうのだった。

登場人物・キャラクター

リュウ

白い胴着とハチマキがトレードマークの男性格闘家。暗殺拳を始祖とする流派を体得しており、「真の格闘家」を目指すために世界各地を巡ってストリートファイトをしていた。帝王と称されたムエタイの使い手サガットを倒した直後から、己の心に潜む殺意の波動に苦しみ、格闘家としての道にピリオドを打とうと苦悩する。己に対しては常に厳しいが、打ち倒した相手にはその手を差し伸べる穏やかで優しい性格。 練った気を構えた両腕から放つ「波動拳」、天に向かってジャンプしながら拳を突き上げる昇竜拳などの強力な技を使いこなす。

ケン・マスターズ (けんますたーず)

リュウの同門の男性格闘家で、リュウの親友にして永遠のライバル。赤い胴着を纏い、私生活では派手なスポーツカーを乗り回す軟派な性格だが、格闘家としての能力は一流。殺意の波動に怯えるリュウを心配し、彼と手合わせした時に師匠のゴウケンによって禁止されていた昇竜拳を使うように指示する。

春麗 (ちゅんりー)

ICPO(国際刑事警察機構)の麻薬捜査官を務める新人の女性刑事。多彩な足技を駆使する格闘術の達人で、バーディーたちの麻薬取引現場に踏み込んだ際に、殺意の波動に目覚めたリュウの恐るべき力を目の当たりにする。気を練る能力を持ち、高めた気を瞬時に放出して相手に叩きつける「気功掌」などの技を使いこなす。過去に行方不明になった父を今も探している。

ベガ

世界中に根を張る巨大犯罪組織シャドルーの総帥。「サイコパワー」と呼ばれる超能力を自在に操り、宙に浮いたり壁をすり抜けるなどの芸当を難なくこなす。「世を乱すこと」を目的とする唯我独尊な性格で、自分に逆らった者や弱者に対しては一切容赦しない。殺意の波動に目覚めている格闘家・豪鬼を目障りな存在であると危険視しており、のちに殺意の波動のコントロールに成功したリュウとも激突することになる。 得意技はサイコパワーを全身から放出しつつ突進する「サイコクラッシャー」。

サガット

ムエタイの帝王と称される隻眼の大男。リュウとの戦いで圧倒的な力を見せるつけるも、昇竜拳の一撃で敗れ去り、胸に大きな傷を負ってしまう。格闘家としてのプライドは人一倍高く、リュウに対する復讐を餌にしてベガの配下になるように誘われたが、自身のみの力でリュウに打ち勝つためにこれを一蹴した。

ガイ

忍者のような風貌をした男性格闘家で、各地の犯罪組織を単身で潰していた猛者。一対多を前提とした武術「武神流」を極めており、殺意の波動に目覚めたリュウとも互角以上の戦いを繰り広げる。喋り方は古風で「ムエタイ」を「ムエッタイ」と言うなど、特に外来語の発音がおかしい。

ローズ

イタリア出身の高名な占い師の女性。ソウルパワーという超能力を扱い、リュウの「波動拳」やベガの「サイコパワー」すら吸収する能力を備えている。タロットカードを使って未来を予知することができ、殺意の波動に思い悩むリュウへ進むべき道を指し示した。

豪鬼 (ごうき)

自らを「拳を極めし者」と呼ぶ拳法の達人。リュウとは同門の格闘家で、殺意の波動に目覚めた男の1人。格闘家としては比肩する者がいないほどの強者であり、その恐るべき力はリュウの師匠であるゴウケンをも打ち倒すほどだった。

ゴウケン

リュウとケン・マスターズの師匠であり、日本の廃寺で修行をしていた男性格闘家。始祖のゴウテツから受け継いだ格闘術を弟子の2人に伝え、暗殺拳へと通じてしまう昇竜拳を決して使うなと厳命する。のちに殺意の波動に目覚めた同門の格闘家・豪鬼と戦い命を落とす。

バルログ

犯罪組織シャドルーの一員で、長髪の美しい男性。総帥であるベガの右腕的な存在を果たしており、裏の格闘大会ブラッディフォレストバトルの主催や、新宿上空に出現した移動要塞の指揮を任されていた。

アドン

サガットの一番弟子で、ムエタイの使い手である男性格闘家。サガットの敗北で地に落ちたムエタイの誇りを取り戻すため、バルログの誘いに乗ってブラッディフォレストバトルに参加。あとから来たリュウと死闘を繰り広げる。

キラービー

ブラッディフォレストバトルに参加していたシャドルーが遺伝子操作によって作り上げた少女。精神を制御されており、人間らしい心を失っている。ソドムとの戦いの最中に春麗に助けられたことで人間性を取り戻すがベガによってさらわれてしまう。

さくら

運動が大好きな女子高生。新宿を襲ったシャドルーの移動要塞の攻撃から逃げ遅れ、リュウとベガの決戦に巻き込まれてしまう。リュウの格闘家としての揺ぎない戦いぶりを目の当たりにし、その心を奪われていく。

バーディー

麻薬密売に手を染めるモヒカンの格闘家。巨漢で、自身をストリートファイトで打ち破ったリュウを組織の用心棒として雇っている。リュウと出会ったことで、破れかぶれだった生き方が少しだけ軌道修正された。

ナッシュ

アメリカ空軍の男性軍人で、階級は中尉。リュウたちを基地内に引き入れ、春麗に犯罪組織を狙って単身で壊滅に追い込んでいるというガイという人物の情報を伝える。

ヒビキ・ダン (ひびきだん)

カリブ海周辺で行われていた格闘大会に参加していた男性格闘家。反則スレスレの攻撃で勝ち上がっていたが、ケン・マスターズの新技「昇竜裂破」の前に敗れ去れる。ケンからは自分によく似た技を使う男だと認識されていた。のちにブラッディフォレストバトルにも参加する。

ソドム

ブラッディフォレストバトルに参加していたパワフルな男性格闘家。少々誤解の入った日本の鎧武者を髣髴させる格好をしており、シャドルーが送り込んだキラービーを敗北寸前まで追い詰めた。

集団・組織

シャドルー

ベガを総帥とし、世界征服を狙っている巨大犯罪組織。その影響力はアメリカ軍や国連の上層部にまで及んでおり、ナッシュたちの捜査の妨げになっている。世界中の格闘家をスカウトして配下にするなど、組織の拡大に腐心していた。世界征服の手始めとして新宿上空に浮遊する移動要塞を出動させ、周辺の街を地獄絵図へと変貌させる。

イベント・出来事

ブラッディフォレストバトル

アマゾンのジャングル地帯にあるバルログの屋敷で密かに行われていた裏の格闘大会。参加者のレベルもさることながら、会場に3人以上が乗ると天井が落ちてくるなどのしかけが施されており、勝ち抜くのは至難の業。

その他キーワード

昇竜拳 (しょうりゅうけん)

ジャンプしながら敵の顎を拳で打ち抜く奥義。非常に強力だが殺意の波動へ通じる技とされ、ゴウケンは弟子のリュウとケン・マスターズに対し、禁じ手であることを申し渡す。のちにケンはこの技を発展させ、新技「昇竜裂破」を開発する。

殺意の波動 (さついのはどう)

暗殺拳を源流とする格闘術を体得した者が、生命の危機に陥った時に発動する殺戮と狂気の力。殺意の波動に目覚めたものは強大な力を得る代わりに自我を失い、周りの者をすべてを見境なしに破壊するようになる。豪鬼のみ、この力を我がものとしてコントロールしている。

書誌情報

ストリートファイターZERO 新装版 復刊ドットコム

(2018-10-18発行、 978-4835456010)

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