概要・あらすじ
高円寺で勤務する警察官・柴田竹虎は童顔・低身長で中学生にしか見えず、私服だと不良少年に2日に1度はカツアゲをされるほど。彼は生活安全課少年係の刑事に異動することを目標に日々を過ごしていた。ある日、親友のコジローが経営する古着屋で女子高生・宝生美月が万引きをするところを目撃。補導をしたものの、美月は反抗的な態度を崩さない。
仕方なく父親を呼び出すが、美月は異常に怯え、竹虎は美月に絡みつくいくつもの手を見る。実は竹虎にはとある体験により、死の危険が迫っている人間を連れて行こうとする手が見える特殊能力が備わっていた。美月を助けた事件がきっかけになり竹虎は念願の少年係に配属、少年少女達の心を救うため、数々の事件に立ち向かうことになる。
登場人物・キャラクター
柴田 竹虎 (しばた たけとら)
高円寺に勤務する警察官。生活安全課少年係の刑事。童顔かつ低身長で私服だと中学生にしか見えず、周囲からはそれをネタにからかわれることが多く、本人も気にしている。人を信じており、刑事になってからも犯罪に走る少年少女らを更生させることに情熱を燃やす。剣道の腕はかなりのもので、警察学校時代に全日本剣道選手権大会で最年少優勝を果たすほど。 ある体験により、死に近い人間を見ることができる能力を持つ。
藤木 小次郎 (ふじき こじろう)
柴田竹虎とは中学校からの付き合いで親友。高円寺で古着屋の店長をしている。かつては杉並最悪といわれた暴走族ヘルター・スケルターのリーダーで、引退した現在もその影響力は強く、しばしば竹虎に力を貸している。
宝生 美月 (ほうしょう みづき)
コジローの古着屋で万引きをしたところを柴田竹虎に捕まった。最初は竹虎に反抗的な態度をとっていたが、竹虎の人柄に触れ和解。実は薬物中毒者である父親に虐待を受けていた。父親が殺人を犯した際、薬物を止めることを条件に父親の代わりに自首するが裏切られた。そのショックにより父親を殺して自分も死のうとしたが、竹虎に救われる。 以降は竹虎に好意を寄せ、同居している。
白豚 新介 (はくと しんすけ)
コジローの古着屋でバイトをしている。かなりの肥満体型で、周囲からは苗字をもじって「白ブタ」と呼ばれることもある。
千葉 さくら (ちば さくら)
生活安全課少年係係長で、柴田竹虎の上司。竹虎の異動願いを疑問に思い一度は突き返すも、宝生美月の事件を解決したことにより彼に一目置くようになり、竹虎を少年係に引き抜いた。
新庄 徹 (しんじょう とおる)
少年係での柴田竹虎の指導係で先輩。上昇志向が強く少年犯罪を嫌っており、補導した少年らには容赦がない。竹虎とは方向性の違いからよく衝突していたが、楠木裕二の事件を経て少しだが竹虎を認め、自身のやり方にも変化が起きた。
楠木 裕二 (くすのき ゆうじ)
舌にピアスを開けている。自動販売機を破壊して小銭を盗んでいるところを、柴田竹虎に補導された。名門進学高校で成績トップだったが、友人である朝倉茂樹の万引きをかばい、新庄徹に捕まり退学、非行に走るようになる。冤罪で自分を捕まえた新庄と、一度の万引きで自分を退学させた学校を恨んでおり、新庄の殺害と学校の爆破を企てる。 だが、竹虎の最後まで自分を信じてくれる姿勢に折れ、彼の事は信用するように。事件後は朝倉と定時制高校に入学する。
朝倉 茂樹 (あさくら しげき)
楠木裕二の友人で、小学校からの付き合い。昔は体格もよく勉強もできるリーダータイプで、いじめられていた裕二を助けた事もある。しかし、高校では成績が上がらず、ストレスにより万引きを繰り返すようになる。裕二を万引きに誘い、彼が自分の替わりに捕まり退学となったことをずっと後悔していた。裕二が事件を起こした後、自身も退学し同じ定時制高校に入学する。
武良 広海 (むら ひろみ)
高円寺第八中学校3年B組。クラスのボスのような存在で、冷静沈着かつ喧嘩もかなり強い。親の都合で転校を繰り返しており、仲の良いクラスや仲間に憧れが強く、それを乱す者には容赦しない。
河東 学人 (かとう がくと)
高円寺第八中学校3年B組。お調子物でバカのように振舞っているが、実は非常に頭がいい。親からネグレクトを受けており、何年も一人きりで暮らしている。そのせいで大人を信用していない。正体はサイバー強盗団鬼神党のリーダー、鬼神である。
町田 リカ (まちだ りか)
高円寺第八中学校3年B組。一見普通の少女だが、怒らせると手が付けられない。バイト代わりにブログで中年男たちにパンツを売ったりしているらしい。アルコール中毒の母親に虐待を受けていた。柴田竹虎のことは豆柴くんと呼び、懐いている。
鮎川 環 (あゆかわ たまき)
柴田竹虎の同僚で、高円寺署の婦警。なにかと竹虎を気にかけている。宝生美月の事件の時は、一瞬の隙を突かれ勾留中の美月に逃走されてしまう。新庄のことが苦手らしい。
高倉 夏彦 (たかくら なつひこ)
生活安全課少年係の巡査部長。千葉さくら同様、最初は柴田竹虎の配属に疑問を持っていたが、徐々に竹虎を認めアドバイスを与えるようになる。少年犯罪の根っこには必ず腐った大人の影がちらついていると考えている。
集団・組織
鬼神党 (おにがみとう)
『シバトラ』に登場する集団。鬼神をボスとするサイバー強盗団。党員はインターネットを介したメールでしか繋がりがなく、お互いの顔すら知らない。鬼神の指令により強盗を繰り返す。