シュガー*ソルジャー

シュガー*ソルジャー

超ネガティヴな女子高生が、好きな人のために強くなろうとする姿を描いた物語。「りぼん」平成23年9月号から平成27年7月号まで連載の全47話で構成され、単行本全10巻が刊行されている。

正式名称
シュガー*ソルジャー
ふりがな
しゅがー そるじゃー
作者
ジャンル
学園
関連商品
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世界観

コンプレックスと心の傷の克服がテーマ。自分を愛せず人の陰に隠れがちだった少女が、理想の自分になるべく自らの弱い心と戦う。その中で周囲の人物も影響され、高校生活がより良い方向へ変わっていく様子が描かれる。

あらすじ

高校入学編(1~7話)

人気読者モデルを姉に持つ如月麻琴は、幼い頃から姉の如月莉華と比べられ続けた結果、すっかり自分に自信を持てない女の子になっていた。高校進学を機に自分を変えるべく意気込むものの、早速失敗が続いてしまう。そんな彼女を助けたのは、華やかな雰囲気のクラスメート・入谷瞬。優しくスマートな彼の手助けに感激した麻琴は、その背中に導かれるように一歩踏み出していく。

春の校外学習のグループ分けで、瞬と同じ班になった麻琴。友人の森永雨季も一緒となり当日に期待を膨らませるが、同じ班の白雪ななみの独特な言動に振り回され不安になってしまう。そして迎えた校外学習の日、麻琴は入谷が女子に告白されている光景を目にする。彼の反応は、くしくも白雪の忠告通りのものだった。

校外学習を終え、瞬との関係も一歩深まった麻琴。しかし今度は、姉の莉華が瞬と会っている現場を目撃してしまう。2人の親しげな様子に傷つき、「どうして自分はお姉ちゃんじゃないんだろう」と落胆する麻琴。沈んだ彼女を救ったのは、意外な人物だった。

遊佐登場編(8~18話)

入谷瞬との誤解も解け、自分に自信をつけるべくさらに奮闘する如月麻琴。だが、入谷が麻琴のために注目を浴びたのを良く思っていなかった同級生の遊佐一誓が現れ、これ以上親しくするなと麻琴を脅しにかかる。だが麻琴は勇気を振り絞り、彼に反論するのだった。

一学期末。白雪ななみから祖母の別荘へ遊びに行かないかと誘われた麻琴は、旅行期間中に瞬の誕生日があることを知り、玉砕覚悟で彼を誘う。想いは実を結び、森永雨季と遊佐を加えた5人で旅行へ向かう一行。しかし万全の準備で迎えた誕生日、麻琴はパーティ直前に大切なものを紛失したことに気づく。

旅行から戻り、改めて自分磨きに精を出すことにした麻琴。そんな折、遊佐から1本の電話が入る。入谷が危機的状況にあると知らされた麻琴は、慌てて部屋着のまま飛び出す。その先には、入谷の過去につながる事件があった。

メディアミックス

平成26年1月にTV番組「おはスタ」内でTVアニメ版全3話が公開された。如月麻琴役を水瀬いのり、入谷瞬役を逢坂良太が演じた。

登場人物・キャラクター

如月 麻琴 (きさらぎ まこと)

ドジで空回りしやすく、ややネガティヴな性格だが、それを乗り越えようと一生懸命努力する少女。「キラキラ高校生」を目指して日々研鑽を積んでおり、周囲に見守られながら少しずつ成長していく。本人は卑下するものの、見た目に細かく気を遣う姿や親しみやすい人柄は、陰で異性に高く評価されている。

入谷 瞬 (いりや しゅん)

如月麻琴が想いを寄せる男性。入学式で起きたトラブルがきっかけで麻琴と知り合い、彼女の何事も前向きに取り組む姿勢に惹かれて親しくなる。華やかな容姿とスマートな性格から男女問わず人気があり、クラスの中心的存在。一方で、他者に過度に気を遣い、自分の意向より相手の望みを優先して行動するところがある。そうなった経緯には、幼少期の思い出が深く関わっている。

森永 雨季 (もりなが うき)

如月麻琴の友人。活発な印象のショートカットに高い身長で、少年のような雰囲気を持つ少女。思ったことははっきりと伝える正直な性格で、ややマイペースで自由奔放な一面もある。麻琴とは小学校以来の親友で、イベントで演じた劇で相手役となったことがきっかけで仲良くなった。スポーツ万能で、バスケットボール部に所属している。同性から非常に人気があり、「うっきー」と呼ばれて慕われている。

白雪 ななみ (しらゆき ななみ)

如月麻琴の友人。1年の時の校外学習で、一緒のグループになったことがきっかけで麻琴と話すようになる。物静かで落ち着いた印象だが、お洒落には並々ならぬこだわりを持ち、ゴシックロリータファッションをこよなく愛している。自分の好みを貫いたことで友人と喧嘩別れした過去がある。長らく友達作りに積極的になれずにいたが、麻琴たちの素直な人柄に惹かれて打ち解けていく。 冷静で客観的な視野を持ち、時に鋭くも暖かい指摘で麻琴をサポートする。祖母ととても仲が良い。

遊佐 一誓 (ゆさ いっせい)

入谷瞬の友人。「西棟の王子」と言われるほどの美形で、長髪をハーフアップにした派手な印象の少年。幼いころから親交のある入谷のことが大好きで、彼を最優先に物事を考えている。彼以外の人間には粗暴に振る舞う幼い部分があり、それを入谷にたしなめられる光景がよく見られる。如月麻琴を一方的にライバル視して近づいて来るが、その過程で森永雨季と親しくなっていく。

如月 莉華 (きさらぎ りか)

如月麻琴の2歳年上の姉。人気ファッション雑誌の読者モデルを務め、周囲からはカリスマと呼ばれるほどの存在。端麗な容姿を鼻にかけない気さくな性格だが、やや強引で気が強いところがある。中学生時代は同性からの嫉妬に悩んで孤立していたが、正直な行動がかえって好感を持たれ、事態が改善した過去がある。非常に妹思いで、日々努力を続ける麻琴の背中を押してくれる。

麻琴の母 (まことのはは)

如月麻琴と如月莉華の母親。美人の莉華を自慢の娘と呼んで可愛がる一方で、麻琴のことは過小評価して構わずにいる偏った見方の人物。お眼鏡にかなわぬ人間を軽視するところがあり、娘たちと親しい異性である入谷瞬と仙田尚樹に対する扱いも大きく異なっている。

遊佐 健 (ゆさ けん)

遊佐一誓のおじで、近隣の警察署に勤める。穏やかで公正な人物で、とある件で疑いをかけられた入谷瞬のことを冷静にフォローする。入谷とは幼いころからの知り合いで、仕事を通じて彼の危機を救ったこともある。母親は養護施設に勤めている。

芹沢 麻里安 (せりざわ まりあ)

入谷瞬がアルバイト先のコーヒーショップで知り合った女性。真ん中で分けた肩までの髪の毛をウェーヴにし、気の強い印象の釣り目が特徴。入谷を気に入り彼に近づくが、意見の相違から衝突。腹いせにあらぬ疑いをかけようとする。

岸野 ヒロ (きしの ひろ)

如月麻琴たちのクラスメート。短い前髪と賑やかな雰囲気が特徴で、入谷瞬とは「いりやん」「ヒロ」と呼び合う仲。学祭準備に奔走する麻琴を気に入り「気が弱く従順そうで、守ってあげたい」と評して積極的に声をかけてくる。

渡瀬 智也 (わたせ ともや)

如月麻琴の中学生時代のクラスメート。当時は麻琴と委員会が一緒で親しく、彼女に想いを寄せていた。しかし、麻琴ではなく姉の如月莉華が好きだと誤解されたことにより疎遠になり、連絡も取れなくなっていた。現在はスポーツ推薦で向学館高校に通っているが、部活動を続けるかどうか悩んでいる。

豊田 志帆 (とよだ しほ)

渡瀬智也の恋人。渡瀬の所属するサッカー部のマネージャーを務めており、彼の不調を誰よりも気にかけている。面倒見がよく、いつも元気なしっかり者と、周囲から認識されている。しかし本当は自分に自信がなく、それを隠すように振る舞っている。口元のほくろが特徴。

仙田 尚樹 (せんだ なおき)

如月莉華の恋人。カメラマンを志し、雑誌の撮影現場では先輩の助手を務めている。ある時偶然莉華の自然な表情を撮ったことで親しくなるが、彼女と釣り合いの取れない自分に悩み落ち込んでいる。やや気が弱く自虐的な性格で、莉華の尻に敷かれがちなところがある。

神代 淳矢 (かみしろ じゅんや)

如月莉華の仕事仲間。莉華とは雑誌「HEAVENTEEN」でもよく共演しており、歯に衣着せぬ性格の彼女をとても気に入っている。自信家でストレートな発言が多く、正面から莉華に迫る。美しい容姿も手伝って異性から人気を集めているが、本人は莉華最優先で、トラブルに見舞われた彼女のもとへも真っ先に駆けつける。

久遠 良明 (くどう よしあき)

2年生の時の如月麻琴たちの担任。伸ばしっぱなしの長い髪に、意欲があるとは言えない発言を繰り返す一風変わった生物教師。一方授業内容の評判は高く、教師として優秀な人物として知られている。森永雨季とは幼なじみで、雨季の兄を通じて親しくなった。彼女からは、細かい干渉をせずに自分を見守ってくれる存在として大切に想われている。

森永 立夏 (もりなが りっか)

森永雨季の兄。妹同様明るく活発な人物で、病気療養で入院していた久遠良明に声をかけたことで友人関係となった。非常に友達が多く、雨季の家にはいつも立夏の友人がおり、個別に覚えていられないと如月麻琴が言うほど。

相田 (あいだ)

如月麻琴たちの2年生の時のクラスメートで、男子バスケットボール部に所属する少年。修学旅行の班が一緒になったことで麻琴と話すようになる。学年一の人気者・入谷瞬と親しい麻琴に一方的に引け目を感じていたが、実際の人柄に触れて一気に関心を持つようになる。一見親しみやすいようたが、あまり麻琴のペースを考えず強引に振る舞うところがある。

入谷 史織 (いりや しおり)

入谷瞬の母親。若くして彼を産んだものの、息子に関心の薄い非常に無気力な女性。子供に暴力こそ振るわないが、頻繁に家から姿を消し、時折食事を持って戻る程度の生活を繰り返したあげく、ある夏とうとう姿を消す。入谷の育ての母である入谷小百合とは姉妹の関係で、中学生ごろまでは仲が良かった。京都出身。

入谷 小百合 (いりや さゆり)

入谷瞬の育ての母親。彼を見捨てて消えた入谷史織の姉でもあり、妹とは対照的に穏やかで優しく愛情深い女性。甥にあたる入谷を引き取って以来実の息子同様に接し、家族仲も良好。しかし、その裏には史織との悲しい過去が隠されていた。

白雪の祖母 (しらゆきのそぼ)

白雪ななみの最大の理解者で「おばあちゃま」と慕われる女性。幼少期から周りと違う雰囲気だった彼女を尊重し、大切に守ってくれた存在。葉山に別荘を持っており、如月麻琴たちの旅行先として提供したのも彼女。白雪同様、手芸が得意。

佐々木 (ささき)

如月莉華の中学時代の教師。長い髪を1つにまとめ、丸眼鏡をかけた若い女性教師。華やかで目立つ存在の莉華を目の敵にし、攻撃していたのは周知のこと。学生がお洒落することを忌み嫌い、過剰に厳しく指導する傾向がある。

つっこみうさぎ

如月麻琴が所有するうさぎのぬいぐるみ。幼少期に家族からプレゼントされたものだが、最初はあまり気に入っておらず、粗末に扱おうとしていた。しかし後日考えを改め、大切にすることを決意。現在に至るまでまめな手入れを繰り返し、非常に丁寧に扱っている。ぬいぐるみではあるものの、麻琴の心象風景ではよくつっこみ役として登場し、動いたり話したりする。 そのため彼女の中では、命あるもの同然の存在となっている。

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