概要
遥か昔、世界には二つの精霊である火の一族と水の一族がいた。しかし、陸を支配する火の女王テミスと海を支配する水の王グラウコスとは激しく反目し合い、その一族達は互いに接触することも無かった。
ある日、水の一族の王子シリウスは、火の一族の王女マルタと出会う。忽ち恋に落ちる二人だが、それは許されぬ恋だった。そんな二人に、海底の長老である大海亀モワルは共に暮らすことの出来る星の存在を教える。
登場人物・キャラクター
マルタ
火の一族の女王テミスの娘で、その後継者。母や自分が暮らす火の宮殿に水の一族を近づけないようにするため、その近くにあるリリカの岬にかがり火を絶やさずに灯す役目を負っている。 偶然、リリカの岬に現れたシリウスに出会い、恋に落ちた。しかし、それは一族の掟を破る行為であり、うっかりかがり火を消したことでその関係を母テミスに知られてしまい、シリウスと引き離される。
シリウス
水の一族の王グラウコスから、次の王に指名された、水の精霊の少年。好奇心旺盛で、いつも一本角の水の精霊チークと共に海の中で遊んでいる。その好奇心から、水の一族 が近づいてはならないリリカの岬へ行くが、火の一族の王女マルタに出会って、恋に落ちる。 しかし、互いの一族の掟を破る行為であり、その障害を乗り越えるため、海の長老である大海亀モワルから、九十年に一度の日食の日にメビウスの丘に咲く巨大な花クライン草の胞子に乗って、火と水がともに生きられる星へ行けると教えられた。 そして、五日後にマルタとメビウスの丘で会おうと誓い合う。
モワル
海の世界の長老である大海亀。世界のあらゆる事に通じた賢者でもあり、一族の掟を破って、マルタと恋に落ちたシリウスに、九十年に一度の日食の日にメビウスの丘に咲く、クライン草の胞子に乗って、火と水がともに生きられる星へ行けると教えた。
水の一族 (みずのいちぞく)
『シリウスの伝説』に登場する種族。水の神である王グラウコスが統べる海に住む妖精の一族。火の女神である女王テミスが統べる火の一族とは激しく反目し合っている。
ピアレ
陸の世界に住む火の一族の少女。マルタを強く慕っており、シリウスに激しい嫉妬の念を抱く。絶やしてはならないかがり火をうっかり消してしまったマルタを救うため、自らの体を燃やして火を灯した。
火の一族 (ひのいちぞく)
『シリウスの伝説』に登場する種族。火の女神である女王テミスが統べる妖精の一族。黄色い肌をした、羽根と触角を持つ少女の姿をしている。水の神である王グラウコスが統べる水の一族とは激しく反目し合っている。
マブセ
海の世界に住むウツボ。子分達を引き連れて、海の世界を荒らすならず者で他の魚達に嫌われている。シリウスとマルタが密かに会っているのを見つけ、海の王グラウコスに知らせた。
チーク
海の世界に住む一角鮫の少年。シリウスを兄貴分と慕い、いつも共に行動する。元気で明るい性格だが、一族の掟を破ってマルタと恋に落ちたシリウスを心配している。
テミス
陸を支配する火の一族の女王。火の宮殿に住む、赤い髪を持つ巨大な女神。 水の一族の王グラウコスの姉であり、仲の良い姉弟だったが、その仲に嫉妬した風の神アルゴンの讒言で仲違いし、憎み合うようになった。 娘のマルタを後継者として育て、愛している。
アルゴン
マントをつけた巨人の姿をした風の神。火の女神テミスと水の神グラウコスの姉弟の睦まじい関係に嫉妬し、双方に讒言を吹き込んで仲違いをさせた。その結果で発生した火の一族と水の一族の戦に怒った天を支配する全能の神によって、海の底に封印された。
グラウコス
海を支配する水の一族の王。水の城に住む、巨大な竜人の姿をしている。火の一族の女王テミスの弟で、仲の良い姉弟だったが、その仲に嫉妬した風の神アルゴンの讒言で仲違いし、憎み合うようになった。 自分の後継者としてシリウスを指名する。
場所
リリカの岬 (りりかのみさき)
『シリウスの伝説』に登場する岬。火の女神である女王テミスが暮らす火の宮殿の近くにある岬であり、水の一族を近づけないためのかがり火をマルタが灯している。
メビウスの丘 (めびうすのおか)
『シリウスの伝説』に登場する丘。水の城と火の宮殿との間にあり、そこに生えている巨大な花クライン草が九十年に一度の日食の日に放つ胞子が火と水がともに生きられる星へ行く事が出来る。 シリウスとマルタは日食の日にここで会うと誓う。
火と水が共に暮らせる星 (ひとみずがともにくらせるほし)
『シリウスの伝説』に登場する星。反目し合う火の一族と水の一族が共に暮らす事が出来るという、天空にある星。九十年に一度の日食の日、水の城と火の宮殿との間にあるメビウスの丘に咲く巨大な花クライン草が放つ胞子に乗れば、行く事が出来る。
イベント・出来事
日食 (にっしょく)
『シリウスの伝説』に登場する天体現象。地球から見て、太陽が月の影に位置し、暗くなる。この世界では九十年毎に起こり、その時ととの間にあるメビウスの丘に咲くクライン草から放たれる胞子に乗って、火と水がともに生きられる星へ行く事が出来るという伝承を、海の長老である大海亀モワルがシリウスとマルタに話した。
その他キーワード
水の城 (みずのしろ)
『シリウスの伝説』に登場する城。水の神である王グラウコスやシリウスが住む海底の宮殿。様々な魚達が集まって暮らしている。マルタと密かに会っている事を、グラウコスに知られたシリウスが地下の牢に閉じ込められた。
クライン草 (くらいんそう)
『シリウスの伝説』に登場する植物。水の城と火の宮殿との間にあるメビウスの丘に咲く巨大な花。九十年に一度の日食の日、天に向かって放つ胞子に乗れば、火と水がともに生きられる星へ行く事が出来る。
火の宮殿 (ひのきゅうでん)
『シリウスの伝説』に登場する城。火の女神である女王テミスやマルタが暮らしている地上の宮殿。近くにあるリリカの岬には、反目する水の一族を近づけないために、マルタがかがり火を灯している。
かがり火 (かがりび)
『シリウスの伝説』に登場する火。火の女神である女王テミスが暮らす火の宮殿の近くにあるリリカの岬に灯されている。火の一族と反目している水の一族を近づけないために、マルタが日々灯している。