シンギュラリティは雲をつかむ

シンギュラリティは雲をつかむ

ヒト型航空機シンギュラリティを操る少年カラコの活躍を描くSF作品。「月刊アフタヌーン」2017年4月号から連載開始。作者の園田俊樹にとっては連載デビュー作。

正式名称
シンギュラリティは雲をつかむ
ふりがな
しんぎゅらりてぃはくもをつかむ
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

各所で紛争が相次ぐ統合歴0042年。シクサラ国のイサ峡谷市に暮らす少年カラコは、ひょんなことからヒト型の大型航空機シンギュラリティを発見する。同時期、隣国のレーンブルグの戦闘機が、協定を無視してイサ峡谷市に空爆を仕掛ける。人一倍「他人に認められたい」という思いが強いカラコは、シンギュラリティに登場して、レーンブルグの戦闘機を撃退するのだった。

登場人物・キャラクター

カラコ

天才的な数学能力を持つ少年。ユーイの仕事を手伝う中で、偶然シンギュラリティを発見し、ひと目で革新的な設計思想を見抜いて興味を持つ。数学能力に関しては政府から表彰されるほどだが、学校では周囲に馴染めずに孤立している。周囲の人間を見下しながらも、内心では他人から認められたいという思いが強い。イサ峡谷市がレーンブルグによる空爆を受けた際には、自分のことを他人に認めさせるため、シンギュラリティに乗りこんでレーンブルグの戦闘機と戦うことを決意する。

ユーイ

エンジニアの男。口は悪いが、カラコのことを高く評価している。前の職場でシンギュラリティの開発に携わったらしく、退職金代わりにシンギュラリティを受け取り、ガレージの中に隠している。ひとりでシンギュラリティの開発を再開し、本来の設計思想どおりの性能を発揮させる、という野望を持っている。

ヒナチカ

カラコのクラスメートであり、級長。イサ峡谷市市長の娘。責任感が強く、周囲から孤立しているカラコにも、分け隔てなく接しようとするが、カラコからは拒絶されている。レーンブルグの襲撃によって、目の前で父親を殺害され、復讐心を抱くようになる。

ヒツギ

レーンブルグの女性武官。20歳前後だが、階級は大佐。外交協議という名目でイサ峡谷市を訪れ、市長を殺害。そのままイサ峡谷市への空爆を指揮する。平和主義者のイサ峡谷市市長を批判し、たびたび侵略行為を楽しんでいるような素振りすら見せる。

場所

イサ峡谷市 (いさきょうこくし)

シクサラ国の峡谷にある小さな街。他国からは渡航が困難なほどの辺境にある。そのため、大戦後の半世紀近くは紛争に巻き込まれることがなく、平和主義者の市長のもとに軍縮傾向にあったが、隣国のレーンブルグによる空爆を受けてしまう。

その他キーワード

シンギュラリティ

巨大なヒト型をした航空機。30もの可動部分から機体全体で揚力を得て、柔軟な姿勢制御を行える設計になっており、従来の航空機とは一線を画した機動性能を有する。エンジン工学、航空力学、材料化学それぞれの分野での天才が3人集まって開発に携わったが、性能を引き出すための複雑な操縦システムを開発することができず、開発は中断されている。 コクピットには通常の戦闘機と同じ操縦室のほかに、それぞれの可動部を独立してコントロールするためのスライダ盤が備えられている。しかし、これはあくまでも動作確認用であり、人力によるコントロールは想定されていない。

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