あらすじ
第1巻
山形県から引っ越してきた安孫子時生は、東京都立津々浦中学校への編入早々、地元はどこかと聞いてくるおかしな少年、日ノ本ジャパンに絡まれる。ジャパンは、日本全土が自分の地元であると考えるほどの生粋の日本好きで「都道府拳(とどうふけん)」という、謎の拳法の修行に励んでいるのだという。時生はそんなジャパンについていけず一度は距離を置こうとするが、田舎者を馬鹿にするいじめっ子の菊池益荒男に絡まれているのをジャパンに助けられたのがきっかけで考えを改める。そして、ジャパンが部長を務める「都道府拳部」に入部を決意。ジャパンと共に都道府拳を極めるため、各地域への知識を学ぶことを始める。その直後、都道府拳部にヒデという男子がやって来る。埼玉県出身のヒデは、地元を「ダ埼玉」と馬鹿にされがちなことから、自分に自信が持てずに校内でも肩身の狭い思いをしていた。そこでジャパンに、埼玉県をどう思っているのかを聞きにやってきたのである。そんなヒデにジャパンは埼玉県のよさを熱弁するが、卑屈になっているヒデはこの言葉を受け入れられず、部をあとにする。ヒデを心配する二人だったが、その直後、ヒデが益荒男たちにいじめられている場面を目撃する。
第2巻
とある休日、買い物をしていた安孫子時生は、クラスメイトの湯瀬こまちに偶然出会う。こまちは先日交通事故に遭いかけたところを日ノ本ジャパンに助けられて以来、ジャパンに思いを寄せており、ストーカーと化していたのである。これを知った時生は、ジャパンの休日の過ごし方が気になることもあり、思わずこまちに同行するが、結局ジャパンに見つかってしまう。しかし、これをきっかけにこまちは、「都道府拳(とどうふけん)」部の部員ではないにもかかわらず、地元秋田県にちなんだ、氷の技を用いた都道府拳を使えるようになる。その直後、美術の課題のスケッチに取り組んでいた時生とヒデは、ジャパンの提案で、都道府拳の一つ「福井拳」を用いて1億5000万年前の世界にタイムスリップする。そこで出会ったのは、当時福井県に存在したとされる小さなフクイサウルスだった。その身体の小ささのためにいじめられているフクイサウルスを案じたジャパンは、フクイサウルスが気弱なのは近眼であることが理由であると見抜く。そこで、福井県特産の眼鏡をフクイサウルスに与え、「あつし」と名づける。そしてあつしと共に、福井県を支配しようとする暴力的な恐竜たちを倒す決意をする。
第3巻
2019年の3学期が始まったばかりのある日、日ノ本ジャパンたち「都道府拳(とどうふけん)」部のもとに、クラスメイトの鈴木がやって来る。鈴木は冬休みに帰省中、偶然フタバスズキリュウの卵を拾い、これを話題にジャパンたちとなかよくなろうとしていたのである。しかし、すでに1億5000万年前の世界にタイムスリップしたことがあり、今では部でフクイサウルスのあつしを飼っている安孫子時生は今一つ興味をそそられず、ジャパンに至ってはほかのことに夢中で、意気消沈した鈴木は部を去ってしまう。それから1週間後、ジャパンたちの街に突如として超巨大生物が現れる。その頭には鈴木が乗っており、ジャパンはこれを鈴木の歪んだ地元愛が、フタバスズキリュウに影響を及ぼした結果だと推測する。そこでジャパンたちは巨大化して対抗しようとするが、鈴木の暴走が単に地元の話題をきっかけに友人が欲しかったことだと知り、鈴木にはジャパンたちが、そしてフタバスズキリュウにはあつしという友達が、それぞれできたことで事態はあっさり解決する。それからしばらく経ったある日、東京都立津々浦中学校1年の面々は修学旅行に向かう。しかし最初に到着した京都駅で、同じく修学旅行に来ていた、若尾春樹をはじめとするほかの地域のヤンキーたちに絡まれてしまう。
第4巻
修学旅行の夜、安孫子時生たちは、日ノ本ジャパンの提案で、現在いる地域にまつわる怖い話「百ジモ物語」をすることになった。これは百物語に似たルールで、100本のろうそくにつけた炎を1話話し終えるたびに消していき、100話目が終わるとなんらかの怪異が起きるというもの。しかし、今夜の宿は奈良県であるため、ジャパン以外はまるで怖い話ができない。さらに湯瀬こまちのように怖がっている仲間もいる中、ジャパン一人だけが話し続ける形で99話を迎えてしまう。そんなジャパンの姿に、時生は違和感を覚える。ふだんのジャパンであれば、人の嫌がるようなことはしないし、そもそも彼は怖い話が苦手なはずだったからである。この推理は的中し、100話目を話し終えると衝撃の事実が判明する。これまで一人でしゃべり続けていたのは、ジャパンのふりをした「ジモ行燈」という妖怪だった。ジモ行燈は時生たちに地元の怖い話をすることでエネルギーを貯め込み、悪さをしようとしていたのだ。しかしここで本物のジャパンが現れ、ジモ行燈を打ち倒す。時生は偽物を見抜けなかったことを申し訳なく思うが、事件が解決した途端、ジャパンは今度は怖くない奈良県の話をしようと言い出し、結局時生たちは朝まで付き合わされる羽目になる。
第5巻
梅雨の季節となり、日ノ本ジャパンたちも今一つ元気の出ない日々を送っていた。そこで「都道府拳(とどうふけん)」部の面々は、現在ハワイに遊びに行っている菊池益荒男に対抗して、年間快晴日数が日本で2番目に多い宮崎県へ遊びに行くことにする。こうして宮崎県の海で楽しく過ごすジャパンたちだったが、実は益荒男も宮崎県にやってきていた。宮崎県には益荒男の祖母がおり、益荒男は今回仕方なく遊びにきていたのである。しかし、田舎嫌いで知られる益荒男はこの事実を隠すために、ハワイに行っていると噓をついていたのである。どうしてもジャパンたちに見つかりたくない益荒男はどうにかしてやり過ごそうとするが、突然の雨で流されそうになっている船を発見し、ジャパンと協力して救助に向かう。これによって救助は成功するものの、益荒男はジャパンの都道府拳で激しく吹き飛ばされてしまい、一人ハワイにたどり着くのだった。それからしばらくが経った2学期のある日、安孫子時生は、ジャパンから突然都道府拳の全国大会に出場することを宣言される。予選はジャパン一人で突破したが、全国大会からは団体戦があるので、部員全員で参加する必要があるのだという。時生たちはわけもわからぬまま全国大会の会場に向かうが、そこは全国から集まった都道府拳の使い手たちが集う、恐ろしい場所だった。
第6巻
「都道府拳(とどうふけん)」の全国大会中、日ノ本ジャパンたちは北北海道代表校のボスの都道府拳「デッカイドー」の力で吸い込まれ、その体内に取り込まれてしまう。彼の体内は、デッカイドーによってもう一つの北海道「腹海道(ふっかいどう)」と化しており、脱出方法が見つからないジャパンたちは、この腹海道で過ごすことを余儀なくされる。しかしここで生活するうちに、ジャパンたちは他校の代表選手たちもまた、腹海道送りにされていることに気づく。デッカイドーの発動条件は、ボス以外の誰かが「デカい」と口にすることなのだが、すでに体内に取り込まれている人間が「デカい」と言うと、ボスの近くにいる人間が、無作為に吸い込まれてしまうのだ。これを利用してジャパンたちは「デカい」を連呼し、ボスのキャパシティを超える数の人間を腹海道に取り込ませると、耐え切れなくなったボスは体内の人間たちを吐き出し、ジャパンたちは脱出に成功するのだった。こうして元の世界に戻ったジャパンたちはその後も順調に全国大会を勝ち進むが、準決勝で対戦相手の都道府拳が時生に当たり、死亡してしまう。
メディアミックス
テレビアニメ
本作『ジモトがジャパン』のテレビアニメ版『ジモトがジャパン』が、2019年4月から2020年3月にかけて、テレビ東京系列「おはスタ」内で放送された。監督は上野勇、キャラクターデザインは野原早夏と上原史之が担当している。キャストは、日ノ本ジャパン役を高山みなみ、安孫子時生役を西山宏太朗、湯瀬こまち役を上田麗奈が務めた。
登場人物・キャラクター
日ノ本 ジャパン (ひのもと じゃぱん)
東京都立津々浦中学校1年J組に在籍する男子。のちに2年J組に進級する。「都道府拳(とどうふけん)」部に所属し、部長を務めている。真っ赤な髪の毛をリーゼントにして「J」の形になった前髪を一筋垂らしており、小柄な体型でまつ毛が長い。また、胸から腹部にかけて、日本列島の形の傷跡がある。明るく物おじしない性格で、日本全土を愛し、自分の地元は日本全域であると考えるほどの日本好き。これが高じて「都道府拳(とどうふけん)」という、各都道府県由来の47の拳法を使う格闘技に励んでおり、津々浦中学校でも都道府拳部を設立した。この都道府拳の鍛錬には終わりがないと考えており、一人で各地域を旅して知識を深めながら、その場所にちなんだ新技を開発する毎日を送っていた。そんなある日、安孫子時生をはじめにヒデ、湯瀬こまちが都道府拳部に入部。彼らと共に都道府拳を極める活動をしている。47都道府県すべてによいところがあり、地域に貴賤はないと考えているため、東京都以外の地域を見下す傾向にある菊池益荒男とは対立しがち。誕生日は「建国記念の日」である2月11日。身長は162センチ。人の名前を覚えるのは苦手だが出身地を覚えるのは得意で、クラスメイトのことも、名前ではなく、出身地がどこかで把握している。昼食は必ずご当地弁当を食べると決めており、毎日違う地域のお弁当を食べている。成績は学年320人中296位で、地理以外の科目は苦手。
安孫子 時生 (あびこ ときお)
東京都立津々浦中学校1年J組に在籍する男子。のちに2年J組に進級する。「都道府拳(とどうふけん)」部に所属している。真っ白な髪の毛を刈り上げマッシュヘアにしており、耳にはピアスを付けた、近寄りがたい雰囲気を漂わせたヤンキー。出身地は山形県で、まじめで義理堅い山形県民の特性を持つ。また家事全般が得意で、家族を大切にしている家庭的な一面がある。中学1年生のある日、父親の単身赴任について行くため、母親や妹の安孫子紗和と離れて東京都に引っ越すことになり、周囲に甘く見られないように気を張っていた。そんな中、山形県民であることを菊池益荒男に馬鹿にされ傷つくが、そこに割って入ってかばってくれた日ノ本ジャパンに関心を持つ。これをきっかけにジャパンが部長を務める都道府拳部に入部し、拳法と呼ぶにはでたらめな都道府拳に困惑しつつも、ジャパンと共に日本全域への理解を深めていく。常識人のため、ジャパンたちといる時はつっこみ役を担っている。誕生日は8月11日の「山の日」で、身長は179センチ。成績は学年320人中142位。
湯瀬 こまち (ゆぜ こまち)
東京都立津々浦中学校1年M組に在籍する女子。のちに2年J組に進級する。「都道府拳(とどうふけん)」部に所属している。黒髪ストレートロングヘアの、清楚な雰囲気を漂わせた小柄な美少女。出身地は秋田県で、ふだんは標準語で話しているが、興奮すると秋田弁になる。一見おとなしそうな印象だが、実は思い込みが激しく、猪突猛進な性格をしている。中学1年生の時に津々浦中学校に転校するが、その直後に交通事故に遭いかけたところを日ノ本ジャパンに助けられる。以来ジャパンに思いを寄せるようになるが、当初は彼に近づくことさえできず、ストーカー行為を繰り返していた。しかしその直後「都道府拳(とどうふけん)」部の部員ではないにもかかわらず、地元秋田県にちなんだ、氷の技を用いた都道府拳を使えるようになり、これをきっかけにジャパンたちと親しくなる。ふだんは恥ずかしがり屋で控えめだが、敵とみなした相手には容赦なく攻撃的になる。特に都道府拳の使い手になってからは、ジャパンに危害を加えた相手に陰で報復したりしている。また精神的に追い詰められると、都道府拳を使って湯瀬こまち自身を凍らせて冬眠してしまう。誕生日は9月23日の「秋分の日」で、身長は142センチ。成績は学年320人中67位。
ヒデ
東京都立津々浦中学校に通う1年生の男子。のちに2年J組に進級する。「都道府拳(とどうふけん)」部に所属している。髪の毛を肩まで伸ばしてニットキャップをかぶり、太めの体型をしている。温和な性格で、気が弱いところがある。出身地は埼玉県で、地元を「ダ埼玉」と馬鹿にされることから、地元にもヒデ自身にも自信を持てずにいる。そんな中学1年生の時、都道府拳部を訪れ、日ノ本ジャパンと安孫子時生に出会う。その後、菊池益荒男にいじめられているところを二人に助けられたのがきっかけで、都道府拳部に入部。二人と活動しながら、地元愛を深めていくことになる。自己評価は低いながらも実は器用で、あらゆる分野の知識が豊富で、解説を得意としている。また物事への理解力が高く、都道府拳にまつわる難解な専門用語もすぐに使いこなし、飛び入りで参加したイベントでも解説者席に座っていたりと、その場になじむ対応力に長けている。一時期、湊未来と交際していたが、すぐに別れてしまった。誕生日は1月22日。実は少食ながら、なかなか痩せられずに悩んでいる。地元のサッカーチーム「浦和レッドダイヤモンズ」が大好き。学年320人中でトップの成績を収めている。
菊池 益荒男 (きくち ますらお)
東京都立津々浦中学校1年M組に在籍する男子。のちに2年J組に進級する。ボサボサのボブヘアで頭頂部は禿げ上がっており、口ひげを生やしている。長身でがっしりとした体型の、中学生とは思えないような老けた容姿をしている。バイクに乗っている時の異名は「右ウィンカーのマスラオ」だが、この名で呼ばれると恥ずかしがる。一人称は「ワシ」で、古めかしい口調で話す。出身地は東京都世田谷区で、自らをシティボーイと称し、都会育ちであることに強い誇りを持っている。そのため、これに恥じぬよう自分磨きを怠らない勤勉な努力家だが、田舎者を馬鹿にしがちな嫌味な一面もある。それゆえに津々浦中学校でも、ほかの地域出身の安孫子時生、ヒデ、望月などをいじめており、日ノ本ジャパンとも対立していた。しかし、秋田県出身の湯瀬こまちに一目ぼれしたことで考えを改め、次第にほかの地域にも理解を示すようになっていく。誕生日は10月1日の「都民の日」で、身長は333センチとされているが、時と場合によって変化する。趣味はセレクトショップ巡り、ジム通い、レコード漁り。ファッションや音楽には強いこだわりを持つ。成績は学年320人中2位。
萱原 ナオ (かやはら なお)
東京都立津々浦中学校1年M組に在籍する女子。のちに2年J組に進級する。金色のロングヘアをサイドテールにして耳にピアスを付けた、派手で長身の目立つ容姿をしている。出身地は香川県で、うどんが大好き。明るく面倒見のよい心優しい性格で、姉御肌。そのため周囲から非常に慕われているが、それゆえに頼まれ事を多く抱え込んでしまうところがある。また、恋愛面には疎く、湯瀬こまちが日ノ本ジャパンに思いを寄せていることにも気づいていない。ジャパンとは、かつて彼が香川県を訪れた際に出会い、自宅に泊めたことがきっかけで親しくなる。のちに津々浦中学校で再会し、再び友人として付き合うようになる。誕生日は7月2日の「うどんの日」で、身長は167センチ。成績は学年320人中214位。寝相が非常に悪く、自然と香川県直山にあるアート作品を形態模写した寝姿になってしまう。
望月 (もちづき)
東京都立津々浦中学校1年J組に在籍する男子。のちに2年J組に進級する。肩まで伸ばしたボブヘアで、一見落ち着いて見えるが、実は熱くなりやすく涙もろい。精神的にもあまり強くないため、混乱すると自分でも予定外の行動を取ってしまうことがある。出身地は静岡県で、ものづくり大国である静岡県民らしく、地元産のバイクとサッカーが大好き。しかしバイクレースで菊池益荒男に敗北し、愛車を壊されてしまうが、偶然通りがかった日ノ本ジャパンたちに助けられ、リベンジマッチをすることになる。地元愛は非常に強いが、地元産のお茶をがぶ飲みしたり、みかんの汁をあえて自分の目にかけ、その痛みに耐えたりすることで愛を表現するなど、その愛情が空回りしがち。誕生日は8月21日の「静岡県民の日」で、身長は168センチ。趣味はツーリングと釣り。
花形 (はながた)
東京都立津々浦中学校1年J組に在籍する男子。のちに2年J組に進級する。野球部に所属しており、1年生にして部のエースを務めている。坊主頭で眉毛を全剃りしている。出身地は山梨県で、地元で大人気の野球をこよなく愛する熱血漢。毒舌家で喧嘩っ早く、譲れないことがあるとすぐに争いになってしまうため、人望がまったくない。クラスメイトの望月と、富士山は静岡県と山梨県のどちらに位置するかで喧嘩になってしまう。しかしこれがきっかけで、仲裁に入った日ノ本ジャパンたちと友人になった。誕生日は11月20日の「山梨県民の日」で、身長は170センチ。趣味は筋トレとキャンプ。成績はそこそこながら、スポーツ万能で野球以外のスポーツも得意。
鈴木 (すずき)
東京都立津々浦中学校1年J組に在籍する男子。のちに2年J組に進級する。スポーツ刈りのがっしりとした体型で、目が細くあごがしゃくれ気味の朴訥な人物。出身地は福島県で、人付き合いが苦手な不器用な性格をしている。そのため、中学1年生の冬になっても友人らしい友人ができないことに悩んでいた。冬休みを利用して地元に帰省した際に、偶然フタバスズキリュウの卵を拾う。これをきっかけに友人を作ろうと考え、日ノ本ジャパンたちの「都道府拳(とどうふけん)」部を訪れ、のちにジャパンたちと友人になった。誕生日は8月21日の「福島県民の日」で、身長は174センチ。好きな食べ物はラジウム卵で、祖母と非常に仲のいいおばあちゃんっ子。地元のお菓子「ままどおる」のCMソングを歌うのが得意。
胡桃沢 ケー子 (くるみざわ けーこ)
東京都立津々浦中学校で教師を務める若い女性。年齢は28歳。担当教科は家庭科で、日本パティシエランキング3位の実力を誇り、「クイーンオブパティシエール」の通称でも知られている。日ノ本ジャパンたちが2年生に進級した際は、2年J組の担任となった。腰まで伸ばした巻き髪ロングヘアで、サングラスをかけている。口の左下にほくろのあるセクシー美女で、スタイルも抜群。出身地は長野県佐久市で、地元が日本三大スイーツであることを誇りに思っている。そのため、なんでもお菓子を中心に考えてしまうなど、ややずれた一面がある。一見近寄りがたい印象を与えるが実際は面倒見がよく、自分にも他人にも甘い。バレンタインには、湯瀬こまちと萱原ナオにチョコレート作りを教えた。誕生日は3月12日の「スイーツの日」で、身長は171センチ。
あつし
1億5000万年前の福井県に暮らすフクイサウルス。性別はオス。年齢は3歳。小型犬ほどの大きさで、恐竜というよりは小さな手足の生えた魚のような姿をしている。視力は0.02しかなく、日ノ本ジャパンたちに出会ったことがきっかけで福井県特産の眼鏡を与えられ、日常生活に困らなくなった。また、ジャパンたちと出会った当初は、福井弁である「やざぁ」と鳴くことしかできなかったが、次第に日本語を覚えてしゃべれるようになった。身体が小さいこと、目が悪いことを理由に周囲の恐竜たちからいじめられる鬱屈とした日々を送っていたが、ある日、1億5000万年後の世界からタイムスリップしてきたジャパンたちに出会い、親しくなる。そして、ジャパンたちと共に福井県を支配しようとする悪い恐竜たちを倒すが、ジャパンたちとの別れを惜しみ、現代へとついてきた。その後は「都道府拳(とどうふけん)」部で飼われることになる。誕生日は4月17日の「恐竜の日」で、全長は45センチ。好きな食べ物はらっきょう。
雨貝 一臣 (あまがい かずおみ)
津々浦インターナショナルスクールに通う中学1年生の男子。髪全体を立てたツンツンヘアに眼鏡をかけた、長身でいかつい容姿のヤンキー。出身地は茨城県ながら極度のアメリカかぶれで、英語交じりに話す。しかし、地元愛がないというわけではなく、茨城を「いばらぎ」と誤読されると非常に怒る。クールな知性派だが周囲を自分好みにしようとする強引な一面があり、突如東京都立津々浦中学校に現れ、いきなり生徒をアメリカナイズする「アメリ化(あめりか)」を行う。しかし、これに対抗した日ノ本ジャパンに敗北。それでもアメリ化をやめることはなく、以降はジャパンとライバル関係になっていく。誕生日は7月4日の「アメリカ独立記念日」で、身長は187センチ。ドクターペッパーと、ゾンビやお化けといったホラー作品が大好き。
湊 未来 (みなと みらい)
神奈川県横浜市の看護大学に通う大学生の女子。ヒデと付き合っている。ロングヘアで、おっとりとした雰囲気を漂わせている。菊池益荒男に思いを寄せられたことがあるが、湊未来がヒデと付き合っていることを知って益荒男が身を引いたため、益荒男の思いは知らなかった。ヒデとはのちに別れてしまう。誕生日は6月2日で、身長は165センチ。好きな俳優は向井理。
竹石 景虎 (たけいし かげとら)
東京都立津々浦中学校のすぐ近くにある商店「竹石商店」の店主を務める年老いた男性。年齢は84歳。禿げ頭にあごひげを長く伸ばし、左右の眉毛がつながっているほど濃くて長い。出身地は新潟県で、あだ名は「竹じい」。日ノ本ジャパンたちが中学1年生の冬、竹石商店が閉店の危機に追い込まれるが、ジャパンたちの奮闘で立て直おし、これを機に商売への意欲を取り戻していく。誕生日は10月1日の「日本酒の日」で、身長は151センチ。
若尾 春樹 (わかお はるき)
中学生の男子。パンチパーマに無精ひげを生やしてサングラスをかけている。大柄の体型で、実年齢よりも老けた強面のヤンキー。出身地は岐阜県で、「岐阜のT字カミソリ」の異名を持ち、「T・K」と呼ばれることもある。修学旅行で京都府を訪れるが、京都駅でほかの地域の中学生とさっそくケンカとなる。これを日ノ本ジャパンにいさめられるが、そんなジャパンが気に入らず、さらに喧嘩を売る。怒りっぽい性格ながら、根は優しい。つねに剃刀を携帯しているが肌が弱く、すぐに剃刀負けしてしまう。誕生日は11月8日の「刃物の日」で、身長は173センチ。体重は94キロ。
戸丸 純平 (とまる じゅんぺい)
東京都立津々浦中学校に通う1年生の男子。バスケットボール部に所属している。日ノ本ジャパンたちが2年生に進級した年に入学したため、学年は一つ下にあたる。ふんわりとしたマッシュヘアで、中性的でかわいらしい容姿をしている。出身地は群馬県で、入学式の日に早速田舎者であることから上級生に絡まれる。これを安孫子時生に助けられたことで時生にあこがれるが、「都道府拳(とどうふけん)」を学ぼうという気にはなれず、バスケットボール部に入部した。誕生日は10月28日の「群馬県民の日」。身長は162センチだったが、バスケットボールを始めて197センチとなる。
安孫子 紗和 (あびこ さわ)
東京都立津々浦中学校に通う1年生の女子。安孫子時生の妹で、日ノ本ジャパンたちが2年生に進級した年に入学したため、学年は一つ下にあたる。顎の高さで切り揃えたぱっつんボブヘアのヤンキー。出身地は山形県で、時生と同じ中学校に通いたいという理由で上京する。小学生時代は山形県を中心に覇権を握るレディースチーム「威喪Ⅱ會(いもにかい)」の初代総長を務めていた。突っ張っているが、家ではとても素直で甘えん坊というギャップの激しい性格をしている。時生を慕っているため、時生が「都道府拳(とどうふけん)」部という、よくわからない部活動を始めたことを快く思っていない。そこで、菊池益荒男と結託して、ジャパンたちに勝負を挑む。誕生日は9月6日の「妹の日」で、身長は150センチ。趣味はステゴロ、ボンタン狩り、テディベア集め。特技はメンチを切ることと、お礼参り。