概要・あらすじ
南アフリカ共和国のサンドバルジの村にある病院で原住民の治療にあたる山本院長夫妻は、村で流行している「斑点病」の特効薬を求めて、秘境に出かけたまま消息を絶っていた。山本夫妻の一人娘である山本律子は、仲間の少年たちとともに両親を探す旅に出る。旅の途中で、律子たちは猛獣や凶暴な原住民に行く手をさえぎられるが、幾多の苦難を乗り越えてようやく目的地にたどり着く。
しかしそこでは、さらに恐ろしい事態が待ち受けていた。
登場人物・キャラクター
山本 律子 (やまもと りつこ)
両親とともにサンドバルジの村にやって来た11歳の少女で愛称は「リコ」。おてんばで気が強く、猛獣にも動じない大人顔負けの勇敢さを持っている。消息不明となった両親たちを探すため「こども探検隊」の隊長となり、コンブンチャンを目指して冒険の旅に出る。
チン ヒナオ
サンドバルジの村に住む中国人探険家の息子で、「こども探検隊」の隊員の少年。父親は行方不明で母親は「斑点病」で寝たきりという気の毒な境遇にある。父親を探しに山本律子たちとともにコンブンチャンへの旅に出る。律子のわがままに文句を言いながらも付き合う、良き相棒でもある。
おじいさん
サンドバルジの村に住む山本律子の祖父で医師。律子の両親が留守のあいだ、病院に通院してくる村人たちの診察や薬剤の調合を行っている。たった1人で大勢の患者に対応しているため、いつも疲れきっている。
ジャック・カーター (じゃっくかーたー)
サンドバルジの村に住むアメリカ人探険家の息子で、「こども探検隊」の隊員の少年。父親を探しに山本律子たちとともにコンブンチャンへの旅に出る。大柄な大食漢だが気が弱く、ピンチになると大泣きしてしまう。常識知らずで、探検にテレビやラジオを持っていこうとするほど。
チャールス・ロベルト (ちゃーるすろべると)
サンドバルジの村に住むイギリス人探険家の息子で、「こども探検隊」の隊員の少年。父親を探しに山本律子たちとともにコンブンチャンへの旅に出る。いつも生意気な口調で話すおませな金髪少年で、ピンチになるとジャック・カーターとともに大泣きする気の弱い性格。
トートー
サンドバルジの村に住む原住民で「こども探検隊」の隊員の少年。探険家の案内をして行方不明となった父親を探しに山本律子たちとともに秘境への旅に出る。ジャングルの地理に詳しく目的地であるコンブンチャンまでの案内役を務める。迷信を否定して現代文明に理解を示す利発な性格。
ヒデバロ
ジャングルに住むタムタム族の酋長の息子。おかっぱ頭でいつも鼻をたらし鼻づまり声で話す、少し頭が弱いが正義感の強い少年。探検中の山本律子たちのピンチを救ったことがきっかけで仲良くなり、「こども探検隊」のメンバーに加わってコンブンチャンを目指す。
キムばあ
ジャングルに住むタムタム族の妖術師の老婆。古代から一族に伝わる迷信を信じきっており、酋長の病気を治すためと称して山本律子たちを生け贄にしようとする。迷信を信じないヒデバロと激しく対立する。
酋長 (しゅうちょう)
ジャングルに住むタムタム族のリーダーでヒデバロの父親。奇病にかかり病床に伏している。温厚な性格で山本律子たち一行を大事な客人として温かく迎え入れ、彼らを生け贄にしようとするキムばあと対立する。
山本医師 (やまもといし)
山本律子の父親で、サンドバルジの村にある「YAMAMOTO HOSPITAL」の院長。村に蔓延する「斑点病」の特効薬を探すために、探検家や商人たち、妻の山本医師夫人と一緒にコンブンチャンに旅立つ。未開地の人々の命を救うという崇高な精神を持って行動する正義感の強い医師。
山本医師夫人 (やまもといしふじん)
山本律子の母親で、山本医師の妻。看護師として「YAMAMOTO HOSPITAL」で働いている。コンブンチャンへと向かう夫の旅に同行し、「斑点病」の特効薬完成のために献身的に尽くす意志の強い女性。一方で、村に残してきた律子のことは常に気にかけている。
パクパク
コンブンチャンの沼に生息する恐竜。古代に栄えた水棲首長竜の生き残りで、巨体で水中を泳ぎ回り沼に近づく者たちを威嚇する。コンブンチャンにそびえ立つ活火山の守り神的な存在でもある。
場所
サンドバルジ
アフリカ大陸の最南端、南アフリカ共和国の南部の港「サンドバルジ港」周辺の地域。南部中央には原住民の村落があり、そのすぐ北側には広大なジャングルが広がっている。南東部には捕獲した動物を飼っておく動物園とその近隣に商人や探検家たちの居住地があり、南西部の小高い丘に山本医師が経営する村唯一の病院「YAMAMOTO HOSPITAL」が建っている。
コンブンチャン
サンドバルジの北にあるジャングルを越えて砂漠を渡り、さらに密林を過ぎた奥地に位置する島。噴煙を上げる活火山島であり、いつ大噴火するか分からないという危険な地帯で、周辺には恐竜が住む沼がある。島のいたるところに生えている緑色のコケが「斑点病」の特効薬の原料とされる。