概要・あらすじ
南陽太は高校の修学旅行で、広島平和記念資料館に来ていた。ガンバレル型原子爆弾や被災写真の展示を見たあと、何気なく開けた扉の先に、着替え中の見知らぬ少女がいた。慌てて外に飛び出した南の耳に、けたたましいサイレンと「空襲警報発令!」という叫び声が響く。わけが分からずに立ちすくんでいると、防空頭巾をかぶった先程の少女が現れた。彼女に手を引かれ、防空壕に入る南。やがて、空襲警報は解除され、二人は外に出る事ができた。少女におそるおそる今日の日付を聞くと、昭和20年8月6日だという。南は原爆投下直前の広島にタイムスリップしていたのだ。南の挙動に不信を抱いた少女は、南から逃げ去ってしまう。途方に暮れる南だったが、偶然自転車に乗って学校へ行く途中の少女と再会を果たす。そこで南はある事に気がついた。原爆投下は8時15分。あと15分で街が核の炎に包まれるのだ。南は、少女を後ろに載せ、爆心地である産業奨励館(原爆ドーム)と逆方向に向かって走り出した。