概要・あらすじ
放課後に年上の彼氏である片岡誠一郎とデートをしていた池之内実紅は、次の日、学校の友達から「順調な青春を送っている」と絶賛されるが、実紅には恋愛が楽しいものなのかどうかすらもよく分からず、あまり実感はなかった。その日の放課後、職員室へ日誌を届けに行った実紅は、見知らぬ男子生徒からの視線を感じ、それがなぜだか妙に気になってしまう。
そんなある日の帰り道、実紅は誠一郎から不意にキスをされ、複雑な気持ちになる。自分の青春は順調だと思い込もうとしていた実紅は、両親から突然「下宿を始めたい」と告げられる。この申し出に対し、他人が自分たちの生活の中に入り込んでくるという不安から強い拒絶反応を示すものの、事態は実紅の思いとは逆の方向へと進んでいくのだった。
登場人物・キャラクター
池之内 実紅 (いけのうち みく)
高校1年生の女子。学校生活も恋愛もすべて順調で、何も悩むことがない毎日を送っていた。しかし一大決心をした両親によって、ある日突然自宅が学生用の下宿になってしまう。年の離れた兄の池之内雅史を慕っており、楢橋草平をはじめとする下宿人たちとの付き合いのなかで、次第に自分がブラザー・コンプレックスということを自覚していく。 本当の恋がどういうものなのかよく分からずに片岡誠一郎と付き合い始めたため、次第に自分の本心に気づいて悩むようになる。
片岡 誠一郎 (かたおか せいいちろう)
池之内実紅と同じ高校に通う3年生で、実紅と付き合っている男子。アルバイト先のカフェで実紅と一緒に働くうちに、自然と彼女に惹かれて交流を深めていった。トレードマークの眼鏡がクールさをより一層引き立たせているが、その内面には熱いハートを秘めている。性格はとても優しく落ち着いており、いつも実紅を一歩リードするよう紳士的に振る舞う。
小澤 みゆき (おざわ みゆき)
池之内実紅と同じ高校に通う1年生で、学校内でも飛び抜けてかわいいと有名な女子。あまりのかわいさゆえに、女子から嫉妬を買い、男子に媚びるような態度を揶揄されて「ウザミユ」と陰口を叩かれている。そう言われていることを本人は聞こえないふりをしているが、それがさらに周囲の反感を買う要因になっている。うっかりしたところがあり、すぐに物を壊してしまうことから「天然デストロイヤー」の異名を持つ。 同じ学年の楢橋草平と付き合っている。
楢橋 草平 (ならはし そうへい)
池之内実紅と同じ高校に通う1年生で、家庭の事情により池之内家に下宿することになった男子。学校内で一番かわいいと言われる小澤みゆきと付き合っており、学校中の男子生徒たちからうらやましがられている。辛いことがあっても本心を隠し、周囲に悟られないよう作り笑いで無理をしてしまう性格。下宿先で仲良くなった実紅には時折、本音を言うこともあるが、その本音が知らないうちに実紅を苦しめてしまうことになる。
谷山 清佳 (たにやま きよか)
芍薬(しゃくやく)女学院大学に通う2年生で、池之内実紅の自宅に下宿することなった女子。非常にスタイルが良く、美人なうえに勉強もできるという非の打ちどころのない人物。成績が芳しくない実紅の家庭教師を務めることになるが、実紅をはじめ他の下宿人たちの相談相手も務める姉のような存在。実は複雑な家庭の事情を抱えており、誰にも打ち明けられず胸に秘めている。
滝川 直治 (たきがわ なおはる)
樅ヶ岡(もみがおか)大学大学院に通う2年生で、池之内実紅の自宅に下宿することになった24歳の青年。工学部に所属しており、自室にはコンピュータ関連の機器がたくさん置かれている。美少女との疑似恋愛が楽しめる「らぶ♡ロケット」というシミュレーションゲームに登場する「るりか」を恋人としており、あらゆる関連グッズを大量に所持している。
池之内 雅史 (いけのうち まさふみ)
池之内実紅の24歳の兄で、現在は仕事のため、アメリカで暮らしている。実紅とは年齢が離れていることもあり、何かと彼女を心配しては国際電話をかけて様子をうかがっている。男気があってたくましく、実紅にとっては心の底から頼れる唯一の存在。楢橋草平の名前がなかなか覚えられずに、いつも「草太」と呼んでは、実紅にさりげなく訂正されている。
池之内実紅の父 (いけのうちみくのちち)
池之内実紅の父親。勤務している会社の早期退職優遇制度を利用し、定年前に会社を退職した。一念発起して、長年の憧れだった下宿を自宅で始めることになった。楢橋草平たち下宿人を自分の家族のように温かく迎え、居心地よく過ごせるように色々と配慮をしている。
池之内実紅の母 (いけのうちみくのはは)
池之内実紅の母親。池之内実紅の父とともに、自宅で下宿を始めることにした。家族の生き方に対してはとても理解があり、それぞれの考えを尊重している。家族のみならず、下宿人たちにも細やかな配慮を忘れず、行き届いた掃除やおいしい食事の用意を欠かさない。
書誌情報
スプラウト 7巻 講談社〈講談社コミックス別冊フレンド〉
第1巻
(2006-01-12発行、 978-4063414615)
第2巻
(2006-06-13発行、 978-4063414745)
第3巻
(2006-11-13発行、 978-4063414943)
第4巻
(2007-03-13発行、 978-4063415155)
第5巻
(2007-07-13発行、 978-4063415339)
第6巻
(2007-12-13発行、 978-4063415537)
第7巻
(2008-05-13発行、 978-4063415759)