スマッシュをきめろ!

スマッシュをきめろ!

元プロテニスプレイヤーの父親を持ちながら、性格や生い立ちがまったく異なる、生き別れの姉妹を中心に、物語が展開されるテニス漫画。登場人物たちは、何らかの葛藤を抱えていることが多く、特に試合シーンでは、人の負の感情と、その克服が中心に描かれる。

正式名称
スマッシュをきめろ!
ふりがな
すまっしゅをきめろ
作者
ジャンル
テニス
関連商品
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世界観

テニスを通じ、槇さおり東城真琴の精神的な葛藤を中心に描いている。主にさおりは、メンタルスポーツにおける自分の弱さを克服し、真琴は、才能のある姉を持つ劣等感を払拭する、というところを重点的に描いている。そのため、対戦相手以外の登場人物たちは、主に2人の精神的な支えとなる役割を果たすことが多い。主人公が強力な必殺技を持つことも特徴の1つだが、この必殺技の存在こそが、主人公を悩ませる精神的な葛藤の根幹ともなっている。

あらすじ

中学生の槇さおりは、テニス界期待のホープと呼ばれる天才少女。ある日さおりは、母親から生き別れとなった妹が存在することを知らされる。その妹が、テニスの練習試合に出場すると聞いたさおりは、いいところを見せようと張り切る。ところが、対戦相手となったさおりの妹・東城真琴は、まるで何かに取りつかれたように、攻撃的なプレイを展開。これまで無敗を誇っていたさおりをストレートで破る。そして、父親を裏切った母親に育てられた娘として、真琴がさおりを恨んでいたことを知るのだった。さおりはそんな真琴との再戦を誓い、彼女を倒すために猛練習を開始する。

メディアミックス

TVドラマ

1971年9月から1972年8月まで、本作『スマッシュをきめろ!』を基にしたTVドラマが、「コートにかける青春」というタイトルで、フジテレビ系列にて放映された。登場人物は基本的に本作を踏襲しており、槇さおり役を紀比呂子、東城真琴役を森川千恵子が演じた。

登場人物・キャラクター

槇 さおり (まき さおり)

紫苑学園に通う女子生徒。明日のテニス界を背負うホープ、と呼ばれる天才少女。雑誌や新聞にも取り上げられるほど有名で、テニス界ではその知名度は非常に高い。根気よくラリーを続けて相手のミスを誘い、スマッシュで相手をねじ伏せる――このプレイスタイルは完璧と称され、特にその強烈なスマッシュは、防ぎようがないとまで言われている。 のちに父親譲りの変化球を身につけ、変化球の名手となる。

東城 真琴 (とうじょう まこと)

西第一中に通う女子生徒。槇さおりの1つ違いの妹。父親の東城博之から離れていった槇さおりの母のもとで育ったさおりを、快く思っていない。父親から学んだテニスで、さおりを叩きのめすことを目標としている。何の不自由もなく、ちやほやされて育ったさおりを非常に憎んでおり、絶えず挑発的なセリフをさおりに浴びせ続ける、好戦的かつひねくれた性格。

甲山 (こうやま)

日本のトップテニスプレイヤーの男性。7回連続全日本チャンピオンの座に輝いている。東城博之をプレイヤーとして尊敬している。練習中の槇さおりを見て、その姿を博之と重ね、実力と潜在能力を一目で見抜いた。

大石 哲也 (おおいし てつや)

槇さおりにテニスを指導している大学生の青年。大学ではテニス部のキャプテンを務め、大学の大会では優勝経験もある。さおりとは物心のつく前からの付き合いで、家にも頻繁に顔を出していた。そのため、幼い頃の東城真琴も知っている。

東城 博之 (とうじょう ひろゆき)

槇さおりと東城真琴の父親。さまざまな変化球を操るプレイスタイルで、現役当時は人気と実力を併せ持つテニスプレイヤーだった。その後は長野県で教師を務め、生徒たちに慕われ愛されていたが、ほどなくしてこの世を去った。生前は、娘姉妹が手を取り合って、世界に通用するプレイヤーとして活躍することを夢見ていた。

槇さおりの母 (まきさおりのはは)

槇さおりと東城真琴の母親。2人の物心がつく前に、当時夫であった東城博之と離婚。以後は、女手ひとつでさおりを育ててきた。お嬢様育ちなのでお金に困っている様子はなく、巨大な屋敷に住んでいる。

田淵 (たぶち)

東城真琴の通う西第一中テニス部の顧問を務める男性。東城博之の親友で、昔は博之と共にテニスに打ち込んでいた。「打倒槇さおり」を掲げており、その目標を達成するべく、真琴と共に連日練習に励んでいる。全国大会での優勝経験もあり、テニスの実力も確かな人物。

清水 (しみず)

東城真琴の通う西第一中の女子生徒。テニス部でキャプテンを務める。槇さおりを宿敵としているが、今まで一度も勝ったことはない。テニスはスポーツマンシップに則って、正々堂々とプレイしなければならない、という考えの持ち主。相手の動揺を誘ってさおりと戦った真琴のやり方に、苦言を呈する。

校長先生 (こうちょうせんせい)

東城真琴の通う西第一中の校長を務める老人。名門として名高い自分の学校のテニス部を気にかけている。コートに顔を出しては、顧問である田淵に練習内容の確認を取るなど、テニス部の活動を熱心に見守っている。

森田 (もりた)

槇さおりが通う紫苑学園テニス部の顧問を務める男性。テニス部のエースであるさおりを気にかけている。劣勢になった場合は、声を荒げて叱責するなど、指導者として厳しい一面も持ち合わせている。

沢田 (さわだ)

女性テニスプレイヤー。パブリック・テニスクラブの会員で、ウィンブルドンにも出場して活躍をしている。甲山に好意を抱いており、強引にアプローチをかけている。甲山に実力を認められている槇さおりに対しては、敵意をむき出しにし、勝負を挑む。

青木 (あおき)

女性テニスプレイヤー。パブリック・テニスクラブの会員。既に10年以上在籍しているベテランで、クラブ会員をとりまとめる立場にある。最近クラブに入ってきた槇さおりが、自分の立場を危うくしていると感じ、さまざまな嫌がらせを仕掛けている。

川上 (かわかみ)

女性テニスプレイヤー。パブリック・テニスクラブの会員。初めて実戦で戦った相手が、槇さおりと東城真琴のペア。当初は、実戦から離れていて勘の戻らない真琴を煽るような言動も見られた。しかし、その後の試合で真琴の実力を認める。

高岡 英子 (たかおか えいこ)

高岡美津子の妹。養女なので、実際には血のつながりはない。美津子からは「機械人形」として扱われており、普段は口を利くことを禁止されている。そのため、話しかけられても返事をしない。シングルスでは普通のプレイヤーだが、ダブルスになると、姉の言うことを完璧にこなす優秀なプレイヤーへと変貌する。

高岡 美津子 (たかおか みつこ)

高岡英子の姉。かつてジュニア戦のシングルスで、槇さおりと対戦して敗北を喫している。ダブルスでは英子を操りながら、自分の頭の中で構築したプラン通りに相手を追い詰め、最後はパワーで押し切る戦い方を得意としている。

会長 (かいちょう)

テニス協会の会長を務める老人。甲山に怪我を負わせたため、槇さおりの必殺技ローリングフラッシュの危険性を問題視し、使用を禁止した。甲山が禁止令を取り下げるよう食い下がるも、一向に態度を崩さない、頑固な性格の持ち主。しかし、さおりのテニスの実力を認めた後は、彼女のファンとなり、よくパブリック・テニスクラブに顔を出すようになった。

水島 ジョージ (みずしま じょーじ)

アメリカのプロテニスプレイヤーであるエル・フラッシャーの息子。エルのチームに所属しているテニスプレイヤー。その打球は、普通のプレイヤーでは受けきれないほどに強烈。父親のエルが打つことのできるローリングフラッシュを、自らも打つことができる。槇さおりに好意を抱き、会って2日目で自分の愛を伝えた。

エル・フラッシャー (-、ちょうじんえる)

元男性プロテニスプレイヤー。水島ジョージの父親。現役当時は「超人エル」の愛称で世界を沸かせた、獲得賞金ランキング世界1位の名プレイヤー。現在は引退し、プロテニスチームのコーチを務めている。指導者としても優秀で、彼が育てた選手は必ずタイトルを獲得している。本名は「エドワード・マイケル」だが、普段は「エル・フラッシャー」のコートネームを使用している。

藤沢 悦子 (ふじさわ えつこ)

大学テニス界の女王。大石哲也と並ぶ大学生チャンピオン。大学の学長の娘のため、哲也もまったく逆らうことができない。槇さおりを一目見た瞬間から、自分の存在を脅かす潜在能力を持っていると直感。重いボールと軽いボールを入れ替えるなど、汚い手段を用いて潰そうと画策する。プレイスタイルはオールラウンダーで、どんなプレイもこなす器用なプレイヤー。

小泉 敬子 (こいずみ けいこ)

宮田女子大のテニス部に所属する女子学生。槇さおりが、チャンピオンタイトルマッチの一回戦で対戦した。昨年度東日本選手権準優勝者でランキングは第8位。シュート気味で手元で深く伸びるサーブと、バックハンドからクロスに打つ打球を得意としている。

ニック

練習熱心な少年。エル・フラッシャーが指導している、未来のプロテニス界を背負って立つジュニア・チームに所属する。非常に練習熱心で、時間があれば練習をしている。また、暗闇でもボールを追えるほどの動物的な勘に優れており、槇さおりのローリングフラッシュを破るための練習も取り入れている。

ジョン・スミス (じょんすみす)

コーチを務める男性。エル・フラッシャーが指導している、未来のプロテニス界を背負って立つジュニア・チームの専任。一度見た選手のフォームや打球を覚えて、それを再現する特技を持つ。テニスに関する膨大な量のデータが、頭の中に入っている。そのため、彼に指導を仰ぐ者は、いつでも世界の一流プレイヤーのプレイを見ることができる。

ジャッキー

正体不明の少女。エル・フラッシャーの海外遠征には必ずついてくる。槇さおりをも凌ぐと言われるほどの変化球の使い手。ほとんど弾まない打球を打つことができる。両打ちで、右手では、美しいフォームで堅実なボールを打つが、左手で打つ際には、荒々しいパワーテニスに変貌する。

ハル

サブの母親。東城真琴が長野にいたときに、母親代わりとなっていた女性。真琴を自分の娘のように大事にしている。テニスの勝負をするため、真琴が長野から姿を消したときには、非常に心配していた。その後、真琴が長野に帰って来たときは、涙を流すほどに喜んだ。

サブ

ハルの息子。東城真琴の良き理解者。真琴とは兄妹同然で育ったせいか、真琴の性格をよく把握している。また、幼い頃の真琴に、ケンカのやり方を教え込んだ男性でもある。

場所

紫苑学園 (しおんがくえん)

槇さおりが通う私立の中学校。お嬢様学校として名高い。西第一中とはテニス部がライバル関係にある。さおりが入学してからは、紫苑学園は負け知らずの戦績となっている。

西第一中 (にしだいいっちゅう)

東城真琴が通う公立の中学校。テニス部は昔から名門として知られている。校長先生がたびたび見学に訪れるほどの力の入れよう。槇さおりが紫苑学園に入学してからは、ずっと優勝を逃している。

パブリック・テニスクラブ (ぱぶりっくてにすくらぶ)

甲山が会員兼ジュニアコースのコーチを務めているテニスクラブ。15面ものテニスコートを有する巨大な敷地を誇る。初心者クラス、ジュニアクラス、Aクラスと、実力と年齢に合わせた3つのコースにクラス分けされている。

イベント・出来事

グリーン・リーグ (ぐりーんりーぐ)

槇さおりと東城真琴が、ダブルスを組んで出場した大会。日本全国から腕に自信のあるプレイヤーが出場するが、その大半は高校生。優勝者は日本代表として、世界大会への挑戦権が得られる。

チャンピオンタイトルマッチ

槇さおりが甲山に勧められて出場したテニスの大会。1年間に行われた高校、大学、全日本の公式戦で、1位になったプレイヤーだけを集め、クラスを超えて総合優勝を争うというもの。中学生チャンピオンが参加することも可能だが、さおりが参加するまでは中学生が出場したことはなかった。

その他キーワード

Vカット (ぶいかっと)

変化球の名手である東城博之が、現役時代に使用していた技。一見、平凡なサーブから放たれる球だが、跳ねる際にVの字を描くように超変化する。Vには「勝利への秘密兵器」という意味が込められている。

ローリングフラッシュ

変化球の名手である東城博之が、現役時代に使用していた技。Vカットの応用技で、全身の力を使ってボールに高速回転をかけることにより、空中でVの字に変化する。その軌道は、甲山に「信じられない変化」と称賛された。

ブラインド・フラッシュ (ぶらいんどふらっしゅ)

ローリングフラッシュの応用技。打球がネット上部のベルトの陰に隠れた後にホップし、急激に曲がりながら相手のコートに落ちる技。相手にボールを見失わせる効果があり、ボレーを決めるのも難しい。

両手打ち (りょうてうち)

東城真琴が使用する技。両手でボールを打つことによって、片手で打つ以上の力を込め、強烈な打球が相手を襲う。その威力はラケットを破壊したり、直接体に当たれば怪我を負うほどに凄まじい。

銀色のラケット (ぎんいろのらけっと)

銀色に輝くラケット。変化球の名手である東城博之が、現役時代に使用していた。このラケットがあれば、ローリングフラッシュが打てると言われている。現在は、東城真琴が博之から譲り受けて使用している。中学生女子が扱うには重いラケットとされている。

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