スーパーベイビー

スーパーベイビー

東京都町田市で暮らす派手な黒ギャルの朝光玉緒は、地味でまじめな青年の山田楽丸に恋をした。猛アプローチの末に結ばれたピュアな玉緒と、恋愛初心者の楽丸とのほのぼのとした日常を描いたラブコメディ。芳文社「ラバコ」に掲載されたのち、同社「コミックトレイル」で2019年3月8日から配信の作品。

正式名称
スーパーベイビー
ふりがな
すーぱーべいびー
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
芳文社コミックス(芳文社)
巻数
既刊5巻
関連商品
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あらすじ

田舎から上京して東京都町田市で暮らしている黒ギャルの朝光玉緒は、都会と田舎のちょうど中間といえる街でのんびりと生活を送っていた。そんなある日、玉緒が勤務している駅ビルに入っているスーパーで買い物をしていると、ほかの店員と比べて丁寧にレジを打っている男性の姿を目撃する。なんとなくその男性が気になった玉緒は、休憩室で偶然彼と再会し、さらに自らが苦手な鳥から守ってくれたことで好意を抱くようになる。その男性は山田楽丸という名前であると知った玉緒は、彼のシフトを探り、たびたびスーパーを訪れるようになる。ギャル全般が苦手な楽丸は玉緒とのかかわりを避けるが、彼女はいっさい気にせず、猛アプローチを開始する。楽丸は強引なアプローチを繰り返す玉緒に圧倒されつつも、次第に彼女のペースに巻き込まれていく。(エピソード「episode01」「episode02」)

玉緒の一途な恋心はみごと成就し、玉緒と楽丸の交際がスタートした。楽丸は黒ギャルの外見からは想像できない玉緒のピュアな内面に心惹(ひ)かれていき、デートの時間を楽しむようになる。そんな中、玉緒と楽丸は買い物の時にもらった福引券で、特賞の新型タブレット端末を当てるが、玉緒が1等の温泉旅行を狙っていたことを知っていた楽丸は、肝心なところで運を発揮できないと落ち込んでしまう。そして楽丸は、実家で楽丸の姉をはじめ、家族から虐げられて暮らしていた過去を思い出す。(エピソード「episode07」)

元彼氏の上原央太からの嫌がらせを乗り越え、玉緒と楽丸はますます距離を縮めていく。玉緒は楽丸の部屋に泊まる機会も多くなり、このまま中途半端な状態を続けていても仕方がないと思い立った二人は、正式に同棲を始めることを決意する。こうして新居を求めて不動産会社に向かった玉緒と楽丸だったが、黒ギャルと地味な男性の二人組を見た不動産会社のスタッフは、美人局とその被害者なのではないかと疑い、なかなか話が進まない。また、近年では東京都町田市の賃貸物件の相場が上昇していることもあり、新居探しは難航する。(エピソード「episode12」)

登場人物・キャラクター

朝光 玉緒 (ともみつ たまお)

熊本県荒尾市出身で、現在は東京都町田市に住んでいる女性。駅ビルのテナントに入っているアパレルショップに勤務しており、彼女の接客目当てで来店するファンも多い。こんがり焼いた肌に派手な化粧を施したいわゆる「黒ギャル」。顔もスタイルも抜群で、何度かギャル雑誌の読者モデルとしてスカウトされている。容姿や言動から軽く見られがちだが、内面はピュアな世間知らずで、外見と内面のギャップが大きい。基本的に優しい性格ながら、一度熱くなると周囲が見えなくなり、暴走してしまう悪癖を持つ。また、料理上手で家庭的な一面もある。同じ駅ビルのスーパーで働いている山田楽丸を好きになり、猛アプローチの末に両思いになる。鳥が大の苦手ながら、なぜか鳥からは好かれるため、怖い思いをするることが多い。

山田 楽丸 (やまだ らくまる)

東京都町田市の駅ビルに入っているスーパーでアルバイトをしている男性。将来の夢は小説家であり、生活費を稼ぐためにスーパーのスタッフをしている。同じビルのアパレルショップに勤務している朝光玉緒から好意を抱かれ、猛アプローチを受けることになる。ギャル全般が苦手なため、最初は玉緒を避けていたものの、次第に一途でピュアな彼女を好きになり、交際を決意した。地味で目立たず、冴えない容姿の持ち主。性格は誠実でまじめながら、気が弱いところがある。代々医者の厳格な家系に生まれ育ち、山田楽丸だけが文系であることにコンプレックスを感じながら育った過去を持つ。さらに楽丸の姉からはストレスを発散させるための相手として扱われていることもあり、家族とのつながりが薄い。玉緒からは「やまぴ」と呼ばれている。

影山 佐和 (かげやま さわ)

東京都町田市に住んでいる女性。ハンドメイド作家として活動している。駆け出しの作家だった頃、生活費のためにコールセンターでアルバイトを始め、同時期に入社して来た朝光玉緒と親しくなる。最初は派手な黒ギャルの玉緒に圧倒されていたが、ピュアで人柄もいい彼女の優しさに触れ、以降親友としてなんでも話せる間柄になる。地味な外見で、さらに小柄で華奢(きゃしゃ)なことから、小学生に間違われることが多い。まじめで常識的な考え方の持ち主で、玉緒の暴走を止める役割を担っている。玉緒が山田楽丸と交際していることを肯定的に受け止めており、二人を応援している。鳥が好きで、将来の夢はフクロウといっしょに暮らすこと。

山田 ともみつ (やまだ ともみつ)

東京都町田市の駅ビルに入っているスーパーに勤務している男性。山田楽丸の後輩にあたり、彼から指導を受けている。強面(こわもて)かつ屈強な身体つきによりアウトローな雰囲気を漂わせているが、根は素直でまじめな性格をしている。高校時代にはピッチャーとして活躍していたものの、ケガのために志半ばで夢をあきめた過去を持つ。父親は楽丸が投稿している有名文芸誌の編集長をしており、厳格な家庭で育った。ジュリと交際しており、彼女からは「トモティー」と呼ばれている。

ジュリ

東京都町田市の駅ビルのアパレルショップで働いている女性。朝光玉緒の後輩で、プライベートでも親しくしている。玉緒と同じく派手なギャルで、言葉づかいも振る舞いも軽い印象を受けるが、頭の回転が速く機転が利くタイプ。また、一般常識もあり、世間知らずでピュアな玉緒をフォローすることも多い。楽丸の姉と同じビジュアル系バンドのファンで、本来気難しい性格の彼女を完全に手懐けている。山田ともみつと交際しており、彼からは「ジュリエット」と呼ばれている。

楽丸の姉 (らくまるのあね)

山田楽丸の姉。ビジュアル系バンドのライブのために東京都町田市を訪れ、偶然朝光玉緒と顔を合わせたことで知り合いになる。代々医者の家系に育ち、厳しくしつけられてきたプレッシャーから、幼い頃から頼りない楽丸を虐げてストレスを発散している。楽丸が小説家を目指していることも快く思っておらず、罵倒することも多い。気難しい性格ながら、なぜかギャルには弱く、玉緒やジュリが絡むと何も言えなくなってしまう。

上原 央太 (うえはら おうた)

東京都町田市に営業所があるコールセンターで、エリアマネージャーを務める男性。以前、朝光玉緒がコールセンターでアルバイトをしたことで知り合いになり、そのまま恋人関係に発展した過去がある。一見まじめで温厚な人物に見えるものの、実際はモラルハラスメント気質で、男尊女卑の考え方を持つ。玉緒に対しても激しく束縛して見下した発言をし、ついに彼女を監禁したことで警察沙汰になった。玉緒のせいで自分が社会的な信頼を落としたと恨んでいる一方で、付き合った当初は自分に従順だった彼女と復縁したい気持ちもあり、複雑な感情を抱えている。玉緒からは「おびきゅ」と呼ばれている。

書誌情報

スーパーベイビー 5巻 芳文社〈芳文社コミックス〉

第5巻

(2023-07-13発行、 978-4832203129)

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