あらすじ
第1巻
70歳の江月夕子が妊娠して4年の歳月が過ぎ、江月みらいは幼稚園児になっていた。夕子の5歳年下の夫である江月朝一が現在抱いている夢は、妻といっしょに孫の顔を見ること。そんなある日、早慶大学病院から朝一に、なるべく早く検査を受けに来てほしいとの電話がかかってきた。朝一が血液検査を行った結果、がんの陽性反応が出て、その後の詳しい検査で胃がんであることが判明したのだ。その後、家族で買い物に行った朝一は、本屋でがんに関する本などを一通り読み漁り、「エンディングノート」という終活のためのノートを購入する。後日、みらいの学期末発表会をかもなん第一幼稚園で見学した朝一は、胃の三分の二を切除する手術を受けるために、早慶大学病院に入院する。
登場人物・キャラクター
江月 朝一 (えづき あさいち)
定年を過ぎた老人で、年齢は69歳。65歳の時に江月みらいの父親となったため、何かにつけてみらいの祖父とまちがえられている。現在は、妻である江月夕子が手荒れ気味のため、時々みらいのお弁当作りをしている。早慶大学病院で受けた健康診断で異常が見つかり、詳しく検査をした結果、胃がんが発見された。5年後の生存率約65%と比較的予後のよいがんではあったが、胃の三分の二を摘出する手術を受けることになる。本屋で「エンディングノート」を購入し、万が一の場合を考えて夕子とみらいへの伝言を書き込んだのち、早慶大学病院に入院する。
江月 夕子 (えづき ゆうこ)
江月朝一の妻で、年齢は朝一より5歳年上。70歳の時に江月みらいを出産しており、何かにつけてみらいの祖母とまちがえられている。みらいが幼稚園に通うようになってからお弁当を作るようになり、少々手荒れ気味なことを気にしている。
江月 みらい (えづき みらい)
江月朝一と江月夕子のあいだに生まれた子供で、年齢は3歳。現在、かもなん第一幼稚園の年少クラスに通っている。高齢出産の末に生まれたが、江月みらい自身は心身共に健康で、言葉や感受性の発達も正常である。
場所
早慶大学病院
江月みらいが生まれた病院。江月夕子とみらいの主治医はこの早慶大学病院の医院長が務めており、胃がんになった江月朝一の担当医を務めているのは医院長の息子である。のちに朝一は胃がんを切除するために、手術を受けることになる。
かもなん第一幼稚園
江月みらいが通っている幼稚園。学期末には子供の発表会が開かれるが、遊戯室が狭いために参加できるのは保護者一名のみ。そこで、江月夕子は遠慮し、江月朝一がビデオカメラを抱えて見学に行くことになった。
その他キーワード
エンディングノート
江月朝一が、自身の胃がんの診断が下されたあと、終活のために本屋で購入したノートのような書籍。遺言状としては使えないが、銀行口座の一覧を書き込んだり、家族にあてたメッセージを書き残す欄などが設けられている。