センチメンタル キス

センチメンタル キス

これまでの人生を、自分より家族を優先してきた女子大生の夏川佑菜と、彼女にピュアな恋心を寄せる男子高校生の久瀬日和との、年の差恋愛を描いたラブストーリー。「マーガレット」2020年No.10・11合併号から掲載の作品。

正式名称
センチメンタル キス
ふりがな
せんちめんたる きす
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
既刊11巻
関連商品
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あらすじ

佑菜と日和の出会い

大学生の夏川佑菜は多忙な佑菜の母を支え、反抗期真っただ中で生意気盛りの妹、夏川菜々の世話を焼いていた。さらに佑菜は生活費を稼ぐために複数のアルバイトを掛け持ちしており、自分の時間も持てない忙しい毎日を送っていた。そんなある日、菜々は高校生のイベントに年齢を偽って参加し、心配した佑菜は菜々を連れ戻しにイベント会場に向かう。飲酒を勧められていた菜々を助けるため、佑菜はそのアルコールを一気飲みし、意識を失ってしまう。そして目覚めた佑菜は、久瀬日和に助けられたことを知り、お礼を伝えてその場をあとにする。そんな中、日和は佑菜が、自らが通っていた高校の制服を着ていたことから、佑菜が3年生の先輩だとカンちがいする。佑菜のことが気になった日和は、3年生のクラスに彼女を探しに行くが、その姿はどこにもなかった。

佑菜と接点を持ちたい日和

夕食の買い物帰りの夏川佑菜は、久瀬日和と偶然再会し、日和はなんとか佑菜と接点を持とうとする。そして日和が黒柴(しば)を飼っていることを知り、佑菜は自らが勤務するペットの同伴が可能なカフェに誘う。しかし当日、佑菜のスマートフォンに妹の夏川菜々が万引きしたとの連絡が入り、アルバイトを急遽(きゅうきょ)休んで菜々のもとへと向かう。菜々は、今日は休むと店に日和へのメッセージを託したもののうまく伝わらず、二人にすれ違いが起きてしまう。

日和の告白

久瀬日和との約束を破ることになってしまった夏川佑菜だったが、彼のもとに謝罪に行ったことで仲直りし、日和と連絡先を交換する。そんな中、佑菜は夏休みにテーマパークで短期間のアルバイトをすることになる。それを知った一馬の企画により、日和をはじめクラスメイトたちと、佑菜が働くテーマパークに遊びに行くことになる。そしてひょんなことから、日和は欠員したアルバイトの代わりに働くことになり、思いがけずに佑菜といっしょの時間を過ごすこととなる。佑菜に心惹(ひ)かれていることを確信した日和は、一日の疲れもあり勢い余って告白してしまう。

日和との関係に悩む佑菜

これまで久瀬日和を異性として意識したこともなく、さらに年下の高校生ということもあり、夏川佑菜は日和からの告白を断ってしまう。そして佑菜は、日和が自分のどこが好きなのか理解できずにいた。そんな中、恭子は知人との食事に佑菜も誘うが、そこは合コンの会場だった。恭子も騙(だま)されるような形で参加することになったものの、周囲が盛り下がらないように、二人はそのまま楽しいフリをしていた。しかし佑菜は、参加した男性にアルコールを飲まされ、言葉巧みに外へと連れ出されてしまう。佑菜は男性に襲われそうになるが、偶然居合わせた亜蘭に助けられる。さらに佑菜から連絡が途切れたことを心配した日和も駆けつけ、亜蘭と日和は初めて顔を合わせる。そこで幼なじみの佑菜と亜蘭の仲のよさを見せつけられ、日和はいたたまれない気持ちになってその場をあとにする。

日和に会いに行く佑菜

夏川佑菜は酔いつぶれて亜蘭に介抱される姿を目撃され、久瀬日和からそんな佑菜の姿は見たくなかった、とはっきり言われてしまったことで、モヤモヤとした気持ちを抱いていた。佑菜は日和に連絡したい気持ちはあるものの、告白を断った手前、いまさら連絡しても仕方がないとの気持ちもあり、何も行動を起こせずにいた。思い悩む佑菜の様子を見た恭子は、自分たちの母校であり、日和が通う高校の文化祭に行かないかと誘う。そこで女子と楽しそうに会話する日和を見た佑菜は、やはり年上の自分ではなく、同学年の女子と交際した方がいいと思うようになる。しかし、このまま日和との関係が終わってしまうのも嫌だと感じた佑菜は、彼と改めて話をするために声をかける。

佑菜と日和の初デート

仲直りした夏川佑菜久瀬日和は、日和の愛犬の獅子丸(ししまる)を連れてドッグランに遊びに行く計画を立てる。改めて二人だけで外出するのは初めてのため、日和は気合いが入っていた。一方の佑菜は、ドッグランに行くだけだと思いつつも、浮足立っている自分に気づく。こうしてデートの日、二人は獅子丸を交えて、楽しい時間を過ごす。しかし、佑菜がふと目を離したスキに獅子丸がいなくなってしまう。

二人のクリスマス

二人で過ごす時間を重ねていく中で、夏川佑菜久瀬日和を恋愛対象として意識し始めていた。日和は相変わらず佑菜に思いを寄せているものの、どう彼女と距離を縮めていけばいいのかわからずにいた。そんな中、もうすぐクリスマスの時期となり、佑菜と日和はその日にデートの約束を交わす。しかしクリスマス当日、日和が参加する剣道の大会が催されることが判明し、デートは中止となるが、日和は大会で見事優勝を果たす。そして大会後、日和はすぐに佑菜に電話をかけ、少しでも会えないかと話している最中、運悪くスマートフォンのバッテリーが切れてしまう。

ますます縮まっていく二人の距離と亜蘭の思い

夏川佑菜久瀬日和は以前よりも気軽に連絡を取り合ったり、日和が佑菜の働くカフェに遊びに行ったりと、確実に距離が縮まっていた。そんな中、佑菜は日和から剣道の大会に応援しに来て欲しいと頼まれる。どんな風に応援するべきか戸惑う佑菜だったが、日和から誘われたことで浮足立っていた。そんな佑菜の様子を見た亜蘭は、いまだに高校生とイチャイチャしているのかと不機嫌になる。

登場人物・キャラクター

夏川 佑菜 (なつかわ ゆな)

とある大学に通う2年生の女子。年齢は20歳。幼い頃に父親が亡くなり、多忙な母親の佑菜の母と妹で反抗期真っ只中の中学生、夏川菜々の三人で暮らしている。生活費を稼ぐためにカフェや、学童クラブでのアルバイトに励んでおり、自分の時間が取れない生活を送っている。明るく朗らかな性格で、母親から長女としてしっかりやって欲しいと教育を受けてきたこともあり、同年代よりも落ち着いており、責任感も強い。しかしふとした瞬間に、誰にも甘えられない環境に寂しさを抱くこともある。菜々が勝手に参加したイベントを介して、久瀬日和と出会う。当初は日和に対して年下の男子高校生としか認識していなかったが、日和からの不器用なアプローチを受けるうちに、次第に恋心を抱くようになっていく。整ったかわいらしい容姿のため、決してモテないタイプではないものの、これまで自分の時間がなかったために恋愛経験はない。動物が大好きで、日和が飼っている黒柴の獅子丸(ししまる)をかわいがっている。

久瀬 日和 (くぜ ひより)

かつて夏川佑菜が通っていた高校に在籍する2年生の男子。実家は剣道場を経営しており、自らも選手として活躍している。偶然参加したイベントで佑菜と出会い、彼女が久瀬日和自身が通う高校の制服を着ていたことから、先輩だとカンちがいしていた。酒に酔った佑菜を介抱したことで知り合いになる。大人びているようで、どこか寂しそうな様子の佑菜に思いを寄せるようになり、それからは不器用ながらもアプローチを繰り返している。整ったクールな顔立ちで、背も高くスタイル抜群ながら、喜怒哀楽を表に出すのを苦手としている。学校の成績も優秀で、クラスメイトたちからは文武両道男子と一目置かれている。愛犬である黒柴の獅子丸(ししまる)をかわいがっている。

亜蘭 (あらん)

夏川佑菜と同じ大学に通う3年生の男子。佑菜とは幼なじみで、年齢は違うものの小学校から大学までいっしょの学校に通っている。さらに、佑菜と同じマンションに住んでいる腐れ縁。高身長かつ整ったルックスの持ち主で愛想もいいが、意外と計算高く腹黒い一面を持つため、佑菜からは外面だけは最強と評されている。小学生の頃は家庭内が荒れており、その際に夏川家に助けられた過去がある。以降、佑菜をはじめ妹の夏川菜々のことも気にかけている。キャンパスライフを謳歌(おうか)しており、同じ大学に通う彼女がいる。

恭子 (きょうこ)

夏川佑菜と同じ大学に通う2年生の女子。年齢は20歳。佑菜、亜蘭とは小学校時代からの付き合い。佑菜の親友で、なんでも話し合える仲である。黒髪で清楚(せいそ)なお嬢様風の佇(たたず)まいで、実際に裕福な家庭に育つ。ふわふわとした天然系タイプながら、毒舌で物事の核心を突いた発言をする。年下の久瀬日和と、複雑な家庭の事情を抱えた佑菜との交際は難しいだろうと考えているが、彼のピュアな気持ちを応援している。見た目も内面も美しいモノが大好き。

一馬 (かずま)

久瀬日和と同じ高校に通う2年生の男子。クラスメイトで、日和といっしょに行動することが多い。日和を介して夏川佑菜と知り合いになり、彼女からも人懐っこい人物だと好感を抱かれている。表向きは明るい性格のお調子者ながら、周囲にいる人をさりげなく観察し、気配りができる。日和が佑菜に好意を抱いていることにもいち早く気づき、彼の恋が成就するように応援している。

佑菜の母 (ゆなのはは)

夏川佑菜と夏川菜々の母親。中学校の教師を務めている。今年度から受験を控えた3年生の学年主任になったこともあり、非常に多忙な毎日を送っている。佑菜が小学生の時に夫と死別し、以降女手一つで二人の娘を育ててきた。家事や菜々の世話を佑菜に任せきりにしていることを気にしつつも、二人のために時間が取れずにいる。また、幼い頃から佑菜に対しては長女だからしっかりするようにと、言い付けている。

夏川 菜々 (なつかわ なな)

夏川佑菜の妹で、女子中学生。幼い頃に父親が亡くなり、佑菜の母と佑菜の三人で暮らしている。反抗期真っ只中で、家族に対する当たりが非常に強い。深夜に自宅を抜け出したり、つねにスマートフォンを操作して話を聞かなかったりと、家族よりも友達とのつながりを優先している。たびたび佑菜や母親に迷惑をかけて振り回しているものの、二人のことを嫌っているわけではない。中学生ながら派手なメイクと服装を好む、いわゆるギャル。

書誌情報

センチメンタル キス 11巻 集英社〈マーガレットコミックス〉

第1巻

(2020-08-25発行、 978-4088443683)

第6巻

(2022-07-25発行、 978-4088446851)

第7巻

(2022-12-23発行、 978-4088447285)

第8巻

(2023-04-25発行、 978-4088447681)

第9巻

(2023-09-25発行、 978-4088448145)

第10巻

(2024-02-22発行、 978-4088448602)

第11巻

(2024-08-23発行、 978-4088448831)

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