流星群の夜に運命の出会い
ある流星群の夜、天文学部に所属している光は、部員たちと待ち合わせて公園で観測を行おうとしていた。待ち合わせ時間よりも早く公園に着いた光は、偶然天体観測に訪れていた湊人と出会ってなかよくなる。そんな出来事から光はなぜか湊人のことが頭から離れず、次第に恋心を寄せるようになる。お互いに不思議と心惹かれ合う光と湊人だったが、光を溺愛する兄の唯は二人の交際に猛反対する。湊人との恋愛模様だけでなく、光の過去が明かされていくミステリー要素も見どころになっている。
ミステリアスな不良男子×明るく元気な生真面目女子
光は所属している天文部の部員たちからの信頼も厚く、明るい性格でムードメーカー的存在の人気者。幼少時のある出来事から記憶の一部を失っているものの、日常生活に影響はなく、気の合う仲間と自分を溺愛する兄の唯と共に楽しい学園生活を送っている。一方の湊人は、入学当初からその外見から悪い噂が絶えず、周囲からヤンキーと恐れられており、学校の先生からも腫れ物扱いされている。そんな中、光は湊人の携帯から流れてきた鈴のような音を聞き、流れ星に音があるのなら、あの鈴のような音なのかもと感じる。そして光と湊人は不思議と惹かれ合っていくが、そんな中で二人は過去になんらかの形でつながりがあったのではないかと思い始める。
惹かれ合う二人の恋の障壁は実兄と義姉
光は幼い頃の記憶を一部失っており、それが原因で兄の唯から溺愛されている。そのため、唯は光と湊人が付き合うことにも大反対で、湊人に対して何かと冷たく当たり、仲のよい友達からも人が違ったような唯の様子を心配されている。しかも、唯はなぜか「湊人だけは絶対ダメだ」と光に念を押すのだった。光は大好きな唯に祝福されたいと願う一方で、湊人への思いを止められずに苦悩する。また、湊人には血のつながっていない義姉の朝日奈静香がおり、彼女は湊人を愛している。そして静香は、光に対して湊人を誰にも渡さないと宣戦布告する。また、静香は光の過去の失った記憶を知っているような素振りを見せるなど、謎が深まっていく。
登場人物・キャラクター
南 光 (みなみ ひかる)
星空が好きな女子高校生。天文学部に所属している。天文学部の先輩からは「空バカ」と呼ばれている。流星群の夜、公園で天文学部員たちと待ち合わせをしていたところ、不思議な少年、湊人と出会う。以降、なぜか湊人のことが気になり、彼とまた会いたいと願うようになる。そんな中、学校で湊人と偶然再会するが、彼は「問題児」として有名な人物だった。しかし湊人の優しさを知るにつれ、彼に恋心を寄せるようになっていく。天然気味で明るく元気な性格ながら、幼少時のショックな出来事から記憶の一部を失っている。兄の唯から溺愛されており、兄妹関係は良好。
麻生 湊人 (あそう みなと)
光と同じ高校に通う男子。流星群の夜、天体観測のためにやってきた公園で光と言葉を交わし、彼女と知り合いになる。ホワイトシルバーの長髪に長身痩軀で、両耳にピアスを開けている。学校では一匹狼的な存在で、一部の生徒と教師からは不良や問題児扱いされており、距離を置かれている。友達になろうと何かと声をかけてくる光に対して、最初は拒絶していたものの少しずつ心を開いていく。義姉に有名ピアニストの静香がおり、好意を抱かれている。湊人自身もピアノを弾くが、ある事故がもとでピアノを辞めている。