ダンガンロンパ害伝 キラーキラー

ダンガンロンパ害伝 キラーキラー

TVゲーム『ダンガンロンパ』のスピンオフ作品。世界を壊滅状態に追い込んだ人類史上最大最悪の絶望的事件により混乱する日本を舞台に、猟奇殺人事件を追う第6支部特殊事件捜査課の麻野美咲と聖原拓実の活躍を描く。

正式名称
ダンガンロンパ害伝 キラーキラー
ふりがな
だんがんろんぱがいでん きらーきらー
原作者
スパイク・チュンソフト
漫画
ジャンル
推理・ミステリー
レーベル
KCデラックス(講談社)
巻数
既刊3巻
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あらすじ

第1巻

かつて、江ノ島盾子が起こした人類史上最大最悪の絶望的事件により混沌と化した世界は、未だ混乱の中にあった。異常犯罪に対応すべく作られた未来機関第6支部特殊事件捜査課に配属された麻野美咲は、先輩捜査官・聖原拓実と共に僧侶アイドル伊東桃道の脅迫事件を捜査する事になる。そんな中、伊東のライブで使われるセットの阿修羅像が、バラバラに解体された遺体とすり替わっている事が発覚。犯人を捜す美咲を尻目に、単独行動を取る聖原は伊東を呼び出す。美しさを保つために血を欲した伊東が、この事件の犯人である事を看破した聖原は、殺しに対する愛情「殺し愛」のない今回の殺人に低評価をつけ、殺人鬼を殺す殺人鬼キラーキラーとして彼を殺害する。子供の頃に目撃した大量殺人事件犯に魅了された聖原は、自分もカッコいい殺人鬼になる事を夢見ていたのである。その後、とある事件を解決した直後、聖原のもとに「元・超高校級の花火師テッド・チカチーロ」を名乗る人物から電話が入る。美咲と葛城めくるを拉致していると告げられた聖原は、二人を助けるため指定された場所に向かう。

第2巻

拉致された麻野美咲は、殺人鬼同士の殺し合いの場「殺人鬼賭博」に連れて来られていた。そこに現れた聖原拓実テッド・チカチーロと戦いを始める。しかし戦いの最中、本物のチカチーロを名乗る人物が現れる。美咲を拉致したのはチカチーロのふりをした未来機関の逆蔵十三で、すべてはチカチーロをおびき出すための芝居だったのである。こうして本物のチカチーロと戦う事になった聖原は、彼の使う芸術的な花火の技に魅了されそうになるが、目を閉じる事でこれを回避しチカチーロを殺害する事に成功する。後日、聖原と共に温泉宿を訪れた美咲だったが、そこでも首切り殺人事件が発生。聖原は犯人が温泉ツアーに参加していた歴史マニアの富沢みみこである事を看破し、彼女を殺害する。一方その頃、美咲のもとに聖原の中学生時代の同級生・不死川周二が現れ、聖原がキラーキラーである事、キラーキラーになるきっかけとなった事件の事を伝える。聖原がキラーキラーになった事に責任を感じる不死川は、美咲に聖原の殺人をやめさせる手伝いをしてほしいと告げる。そこに、それまで隠れて話を聞いていた聖原が姿を現すが、その直後、聖原があこがれる殺人鬼・戦刃むくろが現れたと連絡が入る。

第3巻

死んだはずの戦刃むくろが現れたと聞いた聖原拓実ら三人は、急いで未来機関第8支部に向かう。そこにはむくろの姿をした多数の女性が待ち構えていたが、その女性達がむくろの偽物だと知った聖原は全員を殺害する。聖原がキラーキラーである事を目の当たりにしてショックを受ける麻野美咲は、その直後、不死川周二に刺されてしまう。もう一人のキラーキラーであった不死川は、殺人という醜い行為を聖原にやめさせたいと語る。そして、世界から殺人をなくすためには世界中の人間を消す必要があると考え、全国に爆弾を設置した事を告げる。爆弾を止めるには、美咲の首につけられた解除装置を作動させなければならないため、彼女を殺害する必要があると明かすのだった。美咲を殺そうとする市民と、美咲を守って爆弾を作動させようとする絶望の残党が争う中、美咲は爆弾を止めるために自分を殺してほしいと聖原に頼む。しかし聖原は、不死川をなんとかしたあとに一生をかけて殺してやると美咲に告げる。美咲を確保しようとする未来機関からも逃亡する二人は、不死川との決着をつけるため、始まりの場所である聖原と不死川の母校へと向かうのだった。

登場人物・キャラクター

聖原 拓実 (ひじりはら たくみ)

異常犯罪を捜査する未来機関第6支部特殊事件捜査課に所属する青年。葛城めくるからは「ひーくん」と呼ばれている。狭いところが好きで、ロッカーや賽銭箱の中などによく潜んでいる。実は世間を騒がすキラーキラーの一人であり、殺人に対する愛情「殺し愛」のない醜い殺人を憎み、愛のない殺人方法に点数をつけたあと、その犯人達を殺害していた。 キラーキラーになった原因は、中学生時代に突然学校に現れた戦刃むくろが、ロッカーに隠れた自分と不死川周二以外の人間を皆殺しにした「宜保浦中学校大量殺人事件」がきっかけ。殺人を目撃した際に、美しい殺人を行うむくろにあこがれて、自分もカッコいい殺人鬼になりたいと考えるようになった。狭いところが好きになったのも、この事件の際にロッカーに隠れていたためである。 相手ごと建物を切り裂くなど、殺人の手腕は超一級。麻野美咲に対しては、彼女が特殊事件捜査課に所属してすぐに自身のバディになって以降振り回してはいるものの、狭いところ好きな同士と認めたり、温泉に誘うなど憎からず思っている様子。

麻野 美咲 (あさの みさき)

異常犯罪を捜査する未来機関第6支部特殊事件捜査課に新人として配属された女性。葛城めくるからは「あさみん」と呼ばれている。捜査官としての使命感に燃えているが、変わり者である聖原拓実のバディに指名されてしまった事で彼に振り回される事になる。聖原の奇想天外な人間性や捜査方法などにとまどいながらも、温泉に誘われた際には喜んだり、酔っぱらった聖原に抱き着かれた際にはキスを許しそうになるなど惹かれている。 不死川周二から、聖原がキラーキラーだと告げられた時も、その目で彼の殺人を見るまでは信じていなかった。爆弾の解除装置を首につけられた際、生きる事をあきらめ聖原に自身を殺すよう依頼するが、彼の言葉で生きる希望を見出した。 未来機関に対して、自分は聖原を愛しており、彼になら殺されてもいいとまで公言している。元・超高校級の探偵で、現・未来機関第14支部支部長の「霧切響子」にあこがれており、彼女を前にした際には興奮しながら握手を求めていた。

不死川 周二 (ふじかわ しゅうじ)

聖原拓実と同じ中学に通っていた男性。中学生時代はよく聖原と行動を共にしていた。戦刃むくろによる「宜保浦中学校大量殺人事件」の際には聖原をロッカーに押し込み、不死川周二自身もとなりのロッカーに隠れて彼を救っている。しかし、ロッカーから見た光景が原因で、聖原がキラーキラーになってしまった事に責任を感じている。 実は自身も殺人を止めるために殺人鬼を殺害しており、世間で話題になっているキラーキラーの事件のいくつかは彼によるもので、聖原よりも先にキラーキラーと呼ばれていた。殺人をなくすためならば殺人も辞さないという歪んだ考えを持っており、最終的にはすべての殺人をなくすために世の中の人間を全員殺そうとしている。そのために全国に爆弾をばら撒き、麻野美咲に爆弾の解除装置を付け、世界中を混乱に陥れた。

葛城 めくる (かつらぎ めくる)

異常犯罪を捜査する未来機関第6支部特殊事件捜査課に所属する少女で、別名「眠りのめくる」。事件の情報を仕入れて眠るという、特殊な推理法「睡眠推理」を使用し、起床と同時に犯人の居場所を知る事ができる。未来機関第6支部特殊事件捜査課のエースであり、解決した事件の数は100件を越えている。聖原拓実とは長い付き合いで、彼がキラーキラーではないと証明するために逆蔵十三の計画に協力した事もあった。

逆蔵 十三 (さかくら じゅうぞう)

世界を再建する事を目的とする未来機関の第6支部支部長を務める男性で、元・超高校級のボクサー。未来機関きっての武闘派であり、拳一つで多くの絶望の残党を仕留めている。キラーキラーの捜査の際には、元・花火師であるテッド・チカチーロのふりをして、麻野美咲や葛城めくるを拉致したうえで殺人鬼賭博に潜入している。 聖原拓実がキラーキラーである可能性も視野に入れつつ、絶望の残党である可能性はないと結論づけ、うまく使えば役に立つと考えている。

堂上 幾絵 (どうがみ いくえ)

異常犯罪を捜査する未来機関第6支部特殊事件捜査課の課長を務める女性。冷静沈着な性格で、捜査官時代は「かんざしの鬼」とも呼ばれた武闘派。着任初日の麻野美咲がロッカーに入っていた聖原拓実を見つけた際には、二人をバディとして任命している。美咲の首に爆弾の解除装置が付けられた際には、葛城めくるの睡眠推理の力を借りて美咲を助けに駆けつけている。

テッド・チカチーロ (てっどちかちーろ)

元・花火師の男性。現在は殺害した死体を花火のように打ち上げるという殺人鬼。殺人鬼賭博では、自分をおびき寄せるために自身の名を騙っていた逆蔵十三の前に姿を現し、人々を殺害した。殺人に美しさを求めており、自身の打ち上げた死体の花火にも点数を付けている。元・花火師だけあり、打ち上げる花火は人を魅了する力があるようで、彼が打ち上げたクマのキャラクター花火を見た麻野美咲は心奪われていたほど。 その技術で聖原拓実さえも無力化したかに見えたが、目を閉じる事でこれを回避した聖原によって、撃ち込んだすべての花火を撃ち返され殺害された。聖原に付けられた殺人の点数は65点。

伊東 桃道 (いとう ももみち)

巷で話題になっている僧侶系アイドルの男性。キャッチフレーズは「いま解脱できるアイドル」。自身の開催するライブに脅迫状が届くが、ライブを決行中に死体が発見されてしまう。実は脅迫状も自作自演のもので、ライブ中に殺人を犯した張本人。アイドルとして永遠に美しさを保つために被害者の血を求めていた。血を摂取する際には哺乳瓶に入れてから吸うという猟奇性を見せている。 最後は聖原にすべてを看破され、20点の採点を受けたうえで、原型を残さないほどバラバラにされて殺害された。

志水 礼 (しみず れい)

犯人が遺体から内臓を持ち去ったとされる、部分欠損殺人事件があった病院で働いている看護師の女性。この殺人事件の犯人で、被害者の内臓を狙っていた。寄生虫を愛しており、被害者の臓器に1年以上前から寄生虫を仕込んで、殺人の際にその臓器を持ち去っている。被害者の体内に寄生虫を仕込むだけでなく、自身の身体にも寄生虫を飼っている。美しい容姿をしており、聖原拓実から殺人方法以外は愛してやまないとまで言わせている。 殺人に関しては聖原に30点の採点をされており、最後には「超強盗殺人」と称して殺害され、志水礼本人だけでなくパソコンのデータ上の存在そのものが消されている。

斉山 栄一郎 (さいやま えいいちろう)

ドキュメンタリーマンガを執筆しているマンガ家の男性。手掛けているマンガは雑誌「コミックポンポン」で1年間連載している。単行本もそこそこ売り上げているが、称賛する声があまり聞こえない事に不満を持っている。ファンである聖原拓実からは、リアリティのある殺人シーンを評価されているが、実はリアルな殺人シーンを描くため、実際に多くの見立て殺人を犯している。 手掛けるマンガの題材は人類史上最大最悪の絶望的事件であり、聖原の手で江ノ島盾子に扮した戦刃むくろの最期に見立てて殺された。聖原に付けられた殺人の点数は20点。

鶴橋 賢治 (つるはし けんじ)

未来機関特攻部隊小隊長を務める男性。逆蔵十三の指示に従い、殺人鬼賭博の摘発に参加した。その際に起きたラミエカ連邦国防長官殺害の犯人。上司である逆蔵を苦しめ、国際問題を起こしてその地位から追い落とすためだけに殺人を決行しており、聖原拓実には人を大切に殺せない殺人鬼と称され0点を付けられている。最後には聖原の手によって高層ビルの屋上から首を吊られ殺されている。

富沢 みみこ (とみざわ みみこ)

聖原拓実らが訪れた温泉旅館に宿泊していた女性で歴史マニア。地下グラビアアイドル「椚田きなり」のファンで、彼女との温泉ツアーに参加するため旅館を訪れていた。表には出さないが、きなりに対し異常ともいえる執着を持っており、彼女を守る侍を自称している。そして、きなりに対してなれなれしい態度を取っていた「武田伸男」を殺害して晒し首にしている。 殺人に対し12点を付けた聖原に対し、きなりに対する愛が侮辱されたと激高し襲い掛かるが、彼の手で旅館の屋根ごと首をはねられ殺害される。

戦刃 むくろ (いくさば むくろ)

超高校級の軍人の少女。超高校級のギャル、および超高校級の絶望である江ノ島盾子の姉である。聖原拓実の通っていた中学校で、のちに「宜保浦中学校大量殺人事件」と呼ばれる事件を起こしている。事件を起こした理由は、海外帰りで鈍った腕の力試しのためである。圧倒的な殺人技術に反し、盾子を前にした際の性格は引っ込み思案となる。 聖原は彼女の圧倒的なまでの殺人技術を目にしたせいで、かっこいい殺人鬼を目指すようになっている。

集団・組織

第6支部特殊事件捜査課 (だいろくしぶとくしゅじけんそうさか)

江ノ島盾子の起こした人類史上最大最悪の絶望的事件に対処するために生まれた、未来機関に属する部署。異常性及び猟奇性があると判断された事件を専門に扱う。通称は「特査」で、堂上幾絵が課長を務めている。捜査における危険性は非常に高く、新人である麻野美咲の前任者は配属3日で死亡している。

キラーキラー

街中で話題になっている殺人鬼。特殊なルールで殺しを行なっており、殺人したあとは犯行現場にかわいい便箋で丁寧なあいさつの言葉を残している。単独犯であると考えられていたが、実際は聖原拓実と不死川周二の二人の犯行で、聖原は殺し愛が足りない殺人鬼を殺すため、不死川は殺人鬼を止めるため、それぞれ別の思惑で殺人を重ねていた。

クレジット

原作

スパイク・チュンソフト

シナリオ

小高 和剛 , 小泉 陽一朗

書誌情報

ダンガンロンパ害伝 キラーキラー 3巻 講談社〈KCデラックス〉

第1巻

(2016-07-08発行、 978-4063957013)

第2巻

(2016-11-09発行、 978-4063931037)

第3巻

(2017-05-09発行、 978-4063932027)

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