ダンジョンの魔王は最弱っ!?

ダンジョンの魔王は最弱っ!?

日曜の小説『ダンジョンの魔王は最弱っ!?』のコミカライズ作品。人間と魔族の戦いを憂える神様の力によって、少年は「アムドゥスキアス」として異世界「イム・ナヴァール」に転生した。人間と魔族のあいだに起こる争いを減らすため、最も多くの死者を出しているエリア「魔王の血涙(けつるい)」の魔王となり、難攻不落のダンジョンを築くべく奮闘するアムドゥスキアスの姿を描いた転生ファンタジー。コミックス第1巻には、原作者の日曜による書き下ろしショートストーリーが掲載されている。2018年12月、KADOKAWA「Comic Walker」にて配信。

正式名称
ダンジョンの魔王は最弱っ!?
ふりがな
だんじょんのまおうはさいじゃくっ
原作者
日曜
作者
ジャンル
転生
レーベル
MFC(KADOKAWA)
巻数
既刊4巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

異世界で難攻不落のダンジョンを築くことになったアムドゥスキアス

現代の日本に住んでいたごくふつうの少年は、神様の力によって異世界「イム・ナヴァール」に転生し、アムドゥスキアスという名を与えられる。「イム・ナヴァール」では人間と魔族の戦いが日常的に起こっており、未来を悲観して命を粗末にする者も増え、神様はこの現状を憂えていた。そこで神様は、アムドゥスキアスを人間と魔族の戦いで最も多くの死者が出ているエリア「魔王の血涙(けつるい)」を統治する魔王に任命する。神様は「魔王の血涙」に難攻不落のダンジョンを築くことで争いが鎮火していくと考え、半ば強引にアムドゥスキアスに役割を押し付けて消えてしまう。日本で生活していた時の記憶もなく、ほかにどうすることもできないアムドゥスキアスは命じられるがままに魔王になり、スマートフォンアプリ「ダンジョンつくろうぜ」を駆使しながら、少しずつダンジョンを築いていく。とりあえず自らが暮らしていく設備が必要だと感じたアムドゥスキアスは、風呂やキッチンを作るべく、海から水を引く計画を立てる。

アムドゥスキアスの初めての戦い

アムドゥスキアスパイモンという心強い仲間を得て、同じ魔王のエレファン・アサド・リノケロスタイル・ジャーレフ・アルパクティコとも風呂を通じて親しくなる。さらに住処(すみか)を失ったフルフルもいっしょに生活するようになり、着実に難攻不落のダンジョンを築く仲間が増えていく。そんな中、人間と魔族の戦いで最も多くの死者が出ているエリア「魔王の血涙(けつるい)」を勝手に統治し始めたアムドゥスキアスに対して、コションは怒りをあらわにする。自身の力を示すために、コションは大勢の兵を率いて、アムドゥスキアスが築いたダンジョンに乗り込む。

アムハムラ王国からの使者

異世界「イム・ナヴァール」の真(しん)大陸にある「アムハムラ王国」は、コションからの激しい攻撃を受け続けて疲弊していた。しかし、人間と魔族の戦いで最も多くの死者が出ているエリア「魔王の血涙(けつるい)」に新たな魔王が築いたダンジョンができて以来、コションからの侵略行為はなくなる。この不思議な状況を把握するため、アムハムラ王国の第四王女であるトリシャ・リリ・アムハムラ率いる騎士団は、「魔王の血涙」の調査に乗り出す。そこでトリシャは、これまで経験したことのない仕掛けばかりのダンジョンに戸惑う。さらにトリシャは、このダンジョンを築いた魔王であるアムドゥスキアスと顔を合わせた際、奇(く)しくも彼に一目ぼれしてしまう。そしてアムドゥスキアスがコションを倒したこと、さらに人間を滅ぼそうとはしていないことを知ったトリシャは、彼の仲間になりたいと申し出る。

奴隷解放のために動き出すアムドゥスキアス

トリシャ・リリ・アムハムラから異世界「イム・ナヴァール」の真(しん)大陸についての情報を得たアムドゥスキアスは、人間や魔族の一部が奴隷として売買されている事実を知る。アムドゥスキアスは自らの魔王の力を使い、不遇な立場にある奴隷を解放したいと考え、まずは奴隷の一人を召喚してみることにする。こうしてアムドゥスキアスのダンジョンに無作為で選ばれたウェパルが召喚される。ウェパルは瀕死(ひんし)の状態であり、奴隷とはいえ弱っている幼い少女が放置されている事実に、アムドゥスキアスは大きなショックを受ける。ウェパルの頼みもあり、奴隷として扱われていた際に自らを助けてくれたコーロンも召喚される。こうしてコーロンから、理不尽な「奴隷狩り」という誘拐行為に遭って、人身売買された仲間を助けてくれないか、と懇願されたアムドゥスキアスは、行動を起こし始める。

関連作品

原作小説

本作『ダンジョンの魔王は最弱っ!?』は、日曜の小説『ダンジョンの魔王は最弱っ!?』を原作としている。原作小説版は日曜が「小説家になろう」に投稿したもので、新紀元社より刊行されている。

登場人物・キャラクター

アムドゥスキアス

神様の力によって、異世界「イム・ナヴァール」に転生した少年。「イム・ナヴァール」に存在する13番目の魔王。現代の日本で平凡な学生として生活していたが、当時の記憶はほとんど失っている。また、なぜ自分が神様によって、13番目の魔王に選ばれたのかも詳しくは知らされていない。「イム・ナヴァール」に転生してからは、人間と魔族のあいだで最も多くの争いが起こっているエリア「魔王の血涙(けつるい)」を統治する魔王として君臨し、出会った仲間と共に難攻不落のダンジョンを築くことになる。頭の回転は速いものの、魔法や剣術を使うことができないことから、魔王としては最弱の存在でもある。周囲からは「キアス」と呼ばれている。

パイモン

「オーガ」と呼ばれる魔族に属する騎士の少女。剣術に長けている。アムドゥスキアスがダンジョンを築く際、偶然にも「魔王の血涙(けつるい)」エリアを散策していたことで仲間になる。額に角が1本生えている以外、見た目はほとんど人間と変わらない。褐色の肌を持つボーイッシュな容姿から、初対面のアムドゥスキアスからは少年だとカンちがいされた。服を脱ぐと、胸の大きな整った抜群なスタイルの持ち主。オーガの一族は角が2本生えているのが一般的で、1本だけのパイモンは幼い頃から理不尽な扱いを受け、故郷を追い出されている。そのため、パイモン自身を仲間だと迎え入れてくれたアムドゥスキアスには恩を感じており、絶対的な忠誠を誓っている。

エレファン・アサド・リノケロス

異世界「イム・ナヴァール」に君臨する魔王の一人。成人した女性の姿をしている。「イム・ナヴァール」では最強の魔王として恐れられている。新たな魔王としてアムドゥスキアスが誕生したことを知り、タイル・ジャーレフ・アルパクティコと共に偵察にやって来たことで知り合う。ふだんは喜怒哀楽を表に出さないため、何を考えているのかわからないミステリアスな人物として知られている。しかし以前、エレファン・アサド・リノケロスを怒らせた人間がおり、そのせいで「イム・ナヴァール」の真(しん)大陸の一部が粉々になった過去がある。

タイル・ジャーレフ・アルパクティコ

異世界「イム・ナヴァール」に君臨する魔王の一人。幼い少女の姿をしており、背中に付いている四つの漆黒の翼を使って空を飛ぶことができる。新たな魔王としてアムドゥスキアスが誕生したことを知り、エレファン・アサド・リノケロスと共に偵察にやって来たことで知り合う。タイル・ジャーレフ・アルパクティコ自身が統治する領土を広げたいという希望もなく、人間と魔族の戦いには興味がない。エレファンのことを大いに慕っている。

フルフル

「オンディーヌ」と呼ばれる魔族の少女。水辺で暮らす最高位の妖精。住んでいた湖が枯渇し、新しい住処を探していた際にパイモンから保護される。身体が汚れていたためにアムドゥスキアスに風呂を借り、温かく清潔な環境がすっかり気に入ったことで、彼のダンジョン内に住み着くことになった。主に風呂掃除を担当している。胸が非常に大きく、シリアスなシーンでアムドゥスキアスの集中力を途切れさせてしまうことも多い。出会った当初は自己中心的でわがままな性格だったが、パイモンやウェパルとの交流を通して、仲間を思いやる心を学んでいく。

ウェパル

異世界「イム・ナヴァール」に住む魔族の幼い少女。人間と魔族のあいだで起こっている争いに巻き込まれ奴隷となり、不遇な扱いを受けていた。瀕死の状態をアムドゥスキアスに救われ、以降彼のダンジョン内で生活することになる。フルフルと気が合い、いっしょに行動することが多い。また、奴隷だった時に自らをかばってくれていたコーロンを慕っている。ずっと奴隷として生活してきたことから、ウェパル自身の本当の名前も不明で、「ウェパル」という名前はアムドゥスキアスが付けたもの。それまでは「42番」という番号で呼ばれていた。

コーロン

異世界「イム・ナヴァール」の真(しん)大陸に住む少女。「獣人」という種族に属しており、獣と人間のあいだの姿をしている。人間たちが住む真大陸でおとなしく生活していたところ、「奴隷狩り」という誘拐行為に遭い、奴隷として人身売買をされた過去がある。以降、奴隷として扱われており、ウェパルと共に劣悪な環境で生活していた。アムドゥスキアスがコーロン自身のダンジョンに召喚したことで、そのまま住むことになる。過酷な運命にありながらも明るく前向きな性格で、思いついたことはすぐに口に出してしまう。アムドゥスキアスとも軽口を叩(たた)き合える関係を築いている。

コション

異世界「イム・ナヴァール」に君臨する魔王の一人。鋭い牙を持つ屈強なモンスターの姿をしている。性別は男性。突然現れ、人間と魔族のあいだで最も多くの争いが起こっているエリア「魔王の血涙(けつるい)」を統治し始めたアムドゥスキアスのことを快く思っていない。魔王の中でも序列が低いことから、人間たちが住む真(しん)大陸を侵略し、コション自身の力を周囲に示そうとしている。そのため、エレファン・アサド・リノケロスやタイル・ジャーレフ・アルパクティコなどの一部の魔族からは疎まれている。

トリシャ・リリ・アムハムラ

異世界「イム・ナヴァール」の真(しん)大陸にある「アムハムラ王国」で、騎士団長を務める人間の少女。王族の父親と平民の母親のあいだに生まれた娘で、第四王女でもある。人間と魔族のあいだで最も多くの争いが起こっているエリア「魔王の血涙(けつるい)」に突然現れたダンジョンを偵察するため、訪れた先でアムドゥスキアスと出会う。初めて顔を合わせた瞬間にアムドゥスキアスに恋をしてしまい、仲間になることを決意する。

シュタール・ゲレティヒカイト

異世界「イム・ナヴァール」の真(しん)大陸で、魔族から人間を守る勇者として活躍している青年。アムドゥスキアスが「ズヴィーリ帝国」を訪れた際、金銭目的の暴漢に襲われそうになったところを助けたことで親しくなる。アムドゥスキアスが魔王だということは知らない。勇者としての資質はあるものの、つねにテンションが高いことから、仲間たちを呆(あき)れさせており、やや人望に欠けている。

セン・ザーチャミン

異世界「イム・ナヴァール」の真(しん)大陸にある「ズヴィーリ帝国」で暮らす、キツネの姿をした生物。性別は不詳。輸入品の売買を行う「ザーチャミン商会」という店を経営しており、アムドゥスキアスが奴隷たちを解放する術を探しにズヴィーリ帝国を訪れた際に知り合う。見た目はキツネではあるものの、人間と同じ立ち居振る舞いをする。頭の回転が速く、セン・ザーチャミン自身が損することを絶対に許さない商売人気質の持ち主。

神様 (かみさま)

異世界「イム・ナヴァール」に君臨している神。実体も性別もなく、声だけが存在している。「イム・ナヴァール」では人間と魔族による争いが日常的に起こっていることから、命を粗末にする者が多く、現状を嘆いている。そこで現代の日本で暮らしていたアムドゥスキアスを「イム・ナヴァール」に転生させ、最も多くの争いが起こっているエリア「魔王の血涙(けつるい)」を統治する魔王を任せた。「魔王の血涙」に難攻不落のダンジョンを築けば、人間と魔族の戦いも減少するだろうと考えている。

場所

イム・ナヴァール

かつて現代の日本に住んでいた少年が、「アムドゥスキアス」として転生した異世界。大きく分けて二つの大陸が存在しており、人間が住む「真(しん)大陸」と魔族と魔王が支配する「魔大陸」がある。人間と魔族による争いが日常的に起こっており、真大陸と魔大陸の中間地点にあるエリアが双方共に最も多くの死者を出していることから、「魔王の血涙(けつるい)」と呼ばれている。人間も魔族も自らの命を粗末に扱っていることを憂える神様が、「魔王の血涙」に難攻不落のダンジョンを築けば人間と魔族の戦いも減少するだろうと考え、アムドゥスキアスをエリアを統治する魔王として転生させた。

その他キーワード

ダンジョンつくろうぜ

神様がアムドゥスキアスに託したスマートフォンに、唯一インストールされていたアプリ。スマートフォン上で「ダンジョンつくろうぜ」を操作することで、現実にダンジョンを築くことができる。人工知能が搭載されており、アムドゥスキアスが話しかけると返答する機能を持つ。アムドゥスキアスが死亡すると自らも消滅する運命にあることから、基本的に彼の味方をするが、アムドゥスキアスのことを自身より知能が劣った存在だと認識しており、辛辣な言葉を口にすることも多い。人工知能は自らのことを「アンドレ」と名乗っている。

クレジット

原作

日曜

キャラクター原案

nyanya

書誌情報

ダンジョンの魔王は最弱っ!? 4巻 KADOKAWA〈MFC〉

第1巻

(2019-04-22発行、 978-4040655956)

第2巻

(2019-09-20発行、 978-4040640310)

第3巻

(2020-03-23発行、 978-4040644738)

第4巻

(2020-12-23発行、 978-4040659626)

SHARE
EC
Amazon
logo