無職転生~異世界行ったら本気だす~

無職転生~異世界行ったら本気だす~

理不尽な孫の手によるライトノベルのコミカライズ作品。34歳で交通事故死した日本人が異世界に赤ん坊として転生し、第2の人生を送りながら成長していくさまを描いたファンタジー。KADOKAWA「月刊コミックフラッパー」2014年6月号から連載の作品。原作小説は、小説投稿サイト「小説家になろう」でオンライン小説として2012年9月から2015年4月まで連載。なろう系ラノベの先駆者的作品といわれている。このライトノベルがすごい!2017単行本・ノベルズ部門第4位、2013年10月から2019年2月まで小説家になろう累計ランキング1位を維持。2021年1月のテレビアニメ化ほか、ゲーム、ステージなど多数メディア化されている。

正式名称
無職転生~異世界行ったら本気だす~
ふりがな
むしょくてんせい いせかいいったらほんきだす
原作者
理不尽な孫の手
作者
ジャンル
転生
レーベル
MFコミックス フラッパーシリーズ(KADOKAWA)
巻数
既刊21巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

現代の地球で、ある一人の無職の男性が家を追い出された末に交通事故死した。しかし彼は、ルーデウス・グレイラットとして異世界で第2の生を受ける事になる。幼い頃から魔術について類まれな才能を示すルーデウスのために、両親のパウロ・グレイラットゼニス・グレイラットは、ロキシー・ミグルディアを家庭教師として雇用した。そして2年が経ち、ロキシーの教育によってルーデウスは魔術の技能についても、精神的にも大きな成長を遂げていた。また、ルーデウスは同じ村の少女、シルフィエットと知り合い、彼女に魔法を教えるようになる。そんな中、ゼニスの妊娠中にパウロの仕業により、メイドのリーリャも妊娠した事が発覚する。リーリャは責任を取るために暇乞いをするが、ルーデウスがこれを取り成し、結局リーリャは第二夫人として迎えられる事になる。

第2巻

シルフィエットとの親しすぎる関係を心配されたルーデウス・グレイラットは、パウロ・グレイラットの判断によって、城塞都市ロアを治める名門貴族のボレアス・グレイラット家に5年間の約束で預けられる事になった。当主であるサウロス・ボレアス・グレイラットが非常に厳格な老人であり、家庭教師をする事になった令嬢のエリス・ボレアス・グレイラットは非常に凶暴なわがまま娘である事に仰天するルーデウスだったが、信頼を得るために一計を案じる。狂言で誘拐事件を演じ、自分が颯爽とエリスを救出して見せる事で好印象を与えよういうものだった。しかし、ほかの貴族と通じた執事の陰謀により、誘拐事件は狂言ではなく本当に起こってしまう。ギレーヌ・デドルディアと共に命がけでエリスを救出したルーデウスは、エリスと良好な関係を築く事に成功。そして、エリスの10歳の誕生日パーティーが開催される。

第3巻

ルーデウス・グレイラットがダンスパートナーを務め、エリス・ボレアス・グレイラットの10歳の誕生日パーティーはつつがなく終わった。それからしばらしくて、ルーデウスの10歳の誕生日パーティーも開催される事となった。その席上で、パウロ・グレイラットの出身家門であるノトス・グレイラット家の当主にルーデウスを就けようとする陰謀が話し合われ、エリスの母親はルーデウスとエリスを婚約させようとしていた。正式な婚約には至らなかったが、まんざらでもない様子を見せるエリスに対し、ルーデウスは心ときめいていた。ところが、その翌日に突如として発生した謎の光球が、アスラ王国のフィットア領を飲み込んでしまう。これがのちの世に言う、フィットア領転移事件であった。

第4巻

フィットア領転移事件に巻き込まれて魔大陸に到達したルーデウス・グレイラットは、夢の中で人神を名乗る正体不明の存在に出会う。そして人神はルーデウスに、最初に出会った人間を頼り、またその人物を助けるようにと告げる。しかしルーデウスは、その人神をどうしても心から信じる事ができないでいた。そしてルーデウスは、共に転移に巻き込まれたエリス・ボレアス・グレイラットと共に、スペルド族の戦士、ルイジェルド・スペルディアによって魔物から助けられ、その知遇を得る。ルイジェルドは義理堅い人物で、ルーデウスとエリスを故郷まで送り届けようと言い、ルーデウスはそれに応えるため、ルイジェルドがスペルド族に注がれた汚名を晴らすための手伝いをしようと申し出る。こうして、エリスを含めた三人は冒険者パーティー「デッドエンド」を結成し、近くのリカリスの町で新人冒険者として活動を開始する。

第5巻

フィットア領転移事件が起きた時、シーローン王国で王子のパックス・シーローンの家庭教師をしていたロキシー・ミグルディアは、ルーデウス・グレイラットらの身を案じて急遽フィットア領に向かった。そこで事件がもたらした惨状に衝撃を受けた一行は、偶然出会ったパウロ・グレイラットのかつての冒険者仲間であるエリナリーゼ・ドラゴンロード厳しき大峰のタルハンドと共に、パウロの家族を探すべく魔大陸へと旅出つ。一方、ルーデウスらデッドエンドは、道中さまざまなトラブルに巻き込まれながらも、どうにか魔大陸南部の港町、ウェンポートに辿り着く。実はここでルーデウス達はロキシー達とすれ違っていたが、お互いそれに気づく事はなかった。

第6巻

港町、ウェンポートで、ルーデウス・グレイラットデッドエンドには困った事態が発生していた。スペルド族はその悪名のために、船に乗るにも極めて高額の料金を支払わなければならなかったのだ。そんな中、ルーデウスはひょんな事から町をさまよっていた魔界大帝キシリカ・キシリスに出会い、予見眼を授けられる。しばらく予見眼を使いこなすための訓練をこなしたのち、ルーデウス達は結局、密航という手段を選択する。こうして、魔大陸からミリス大陸へと渡る事に成功するが、ルーデウスはタチの悪い密貿易商人とかかわった事で獣人族から誤解を受け、仲間からはぐれて一人牢屋に入れられてしまう。しかし、牢屋で出会ったギースに助けられ、何とかエリス・ボレアス・グレイラット達と再会を果たしたルーデウスは、ギースと共にさらにミリス大陸を西へと向かう。

第7巻

ミリス神聖国の首都、ミリシオンへと辿り着いたルーデウス・グレイラット達は、ここでギースと別れ、捜索団を率いてミリシオンに滞在していたパウロ・グレイラットと再会を果たす。しかしパウロは、なかなかうまくいかない捜索活動に疲れ果てて酒に溺れてしまい、自分がルーデウスに託したメッセージが伝わっていなかった事を知ると、ルーデウスを激しくなじる。しかしルーデウスも負けてはおらず、二人は大喧嘩を始めるが、その場にルーデウスの妹、ノルン・グレイラットが割って入って来る。さらにギースから説教を受けた事もあって、パウロはルーデウスに謝罪し、二人は仲直りをするのだった。一方、魔大陸を冒険中のロキシー・ミグルディアら一行は、魔大陸においてルーデウス達の足跡についに辿り着き、自分達が行き違いになっていた事を知って落胆する。

第8巻

アスラ王国アリエル・アネモイ・アスラ王女のもとに、守護術師として仕える「無言のフィッツ」と呼ばれる人物がいた。男装し、髪を白く染めて本来の素性を隠してはいたが、無言のフィッツの正体はフィットア領転移事件に巻き込まれた事で記憶を失ったシルフィエットであった。アリエルを暗殺者からかばった際に、シルフィエットは過去の記憶を取り戻すが、そのままアリエルの部下でいる事を自ら選択。そしてアリエルは、シルフィエットを連れて王城から行方をくらます。一方、魔大陸を旅しているロキシー・ミグルディアら一行は、偶然にも魔界大帝キシリカ・キシリスと出会う。そしてその魔眼の能力によって、ルーデウス・グレイラットパウロ・グレイラットと再会した事を教えられるのだった。

第9巻

人神の夢のお告げによってリーリャアイシャ・グレイラットが、シーローン王宮に捕えられていると教えられたルーデウス・グレイラットは、ロキシー・ミグルディアに宛てて手紙を書く。ルーデウスはロキシーが自分達を探して旅をしている事など露知らず、まだシーローン王国で家庭教師をしていると思っていたのである。返事はロキシーからではなくシーローン王国第七王子のパックス・シーローンから届いたが、そのパックスこそリーリャとアイシャを軟禁の身に置いている張本人であった。パックスは暗愚な人物で、部下からも愛想を尽かされていた事から、救出は無事成功。アイシャとリーリャはルーデウス達とは別れ、パウロ・グレイラットのもとへ向かって旅立つ。ルーデウス達はその旅の途中、オルステッドと名乗る謎の旅人に出会う。ルーデウスが人神の話をするとオルステッドは不穏な態度となり、襲い掛かって来る。そしてルーデウスは、オルステッドの右腕で胴体を貫かれてしまう。

メディア化

テレビアニメ

原作小説『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』のテレビアニメ版が、2021年1月11日よりTOKYO MX、KBS京都ほかで放送された。放送に先立って特番と第1話、第2話の完成披露先行配信が、YouTubeLiveやdアニメストア、ニコニコ生放送で2020年12月に行われている。分割2クール形式を取ったこちらは、第1クールを3月に終えると、第2クールを2021年10月より開始した。監督は岡本学が務めている。キャストは、ルーデウス・グレイラットを内山夕実、ルーデウスの内面もある前世の男を杉田智和、ロキシー・ミグルディアを小原好美、エリス・ボレアス・グレイラットを加隈亜衣、シルフィエットを茅野愛衣が演じている。制作を担当したアニメーション制作会社であるスタジオバインドは、原作である『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』をアニメ化するに際して、プロジェクトを継続的、長期的、計画的に進めていく必要があると判断し、WHITE FOXとEGG FIRMの共同出資で2018年11月に設立された経緯がある。

ドラマCD

原作小説『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』のドラマCD版『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 転移迷宮編』が、フロンティアワークスより発売されている。ドラマCD+小説という形式を取っており、内容は原作小説版の迷宮編・対ヒュドラ戦に焦点が当てられたものとなっている。特典には初回特典として著者である理不尽な孫の手による書き下ろし小説のほか、店舗特典として対応する店舗ごとに著者書き下ろしのショートストーリーや、イラストカードが付いた。キャストは、ルーデウス・グレイラットを下野紘、ロキシー・ミグルディアを広橋涼、パウロ・グレイラットを竹本英史が演じている。

Webラジオ

前世の男役の杉田智和によるWebラジオ『無職転生 心の声ラジオ』が2021年1月4日よりYouTube TOHO animationチャンネルにて配信された。

スマートフォンゲーム

原作小説『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』は、企画・配信をビーグリー、開発・運営をAimingが担当する形で『無職転生 ~ゲームになっても本気だす~』としてスマートフォンゲーム化されている。2021年3月27日より配信された本作は、原作者である理不尽な孫の手の監修のもと、原作ストーリーに加え、ルーデウス・グレイラットの父親であるパウロ・グレイラットに焦点を当てた「パウロ外伝」などが描かれた。

ステージ

2021年3月7日「「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」ライトノベルEXPO2020でも本気だす」ステージを開催

出演:内山夕実、加隈亜衣、大原ゆい子

2021年3月28日 AnimeJapan2021「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」関連ステージを開催

出演:内山夕実、杉田智和、小原好美、茅野愛衣、加隈亜衣 

登場人物・キャラクター

ルーデウス・グレイラット

現代日本から異世界に、赤ん坊として生まれ変わった人間の男性。前世の記憶が残っており、転生当初から精神的には大人である。幼い頃から魔術に高い素質を示し、剣も扱う事ができる。エリス・ボレアス・グレイラットの家庭教師になったのち、10歳の時にフィットア領転移事件によって魔大陸に飛ばされる。そこで冒険者パーティー「デッドエンド」を結成し、エリスを実家に無事送り届けるべく旅を続けている。冒険者としての異名は「デッドエンドの飼い主」。親しい者達には「ルディ」と呼ばれている。

ロキシー・ミグルディア

ミグルド族の魔術師の女性。ルーデウス・グレイラットが幼い頃、魔法の家庭教師をしていた。ミグルド族が長命の種族であるために姿は若いが、実年齢はルーデウスよりも30歳ほど上。ミグルド族ならば誰でも使えるはずの「念話」の能力が何故か使えない。フィットア領転移事件のあと、ルーデウスを探して魔大陸へと向かう。ルーデウスからは「師匠」と呼ばれている。

エリス・ボレアス・グレイラット

アスラ王国の名門貴族であるボレアス・グレイラット家の令嬢。ルーデウス・グレイラットの遠縁の親戚にあたり、年齢はルーデウスより少し上。ルーデウスと知り合ったばかりの頃は乱暴者のわがまま娘であったが、その後は精神的にも長足の進歩を遂げている。冒険者としての異名は「デッドエンドの狂犬」。

シルフィエット

ルーデウス・グレイラットと同郷で、幼なじみの女性。複雑な混血で、エルフの血も引いており、髪の色はエメラルドグリーン。ルーデウスから魔術の手ほどきを受けており、治癒魔法の扱いに関してはルーデウス以上の才能を持つ。親しい者からは「シルフィ」と呼ばれている。フィットア領転移事件に巻き込まれて記憶喪失となり、アスラ王国の王女であるアリエル・アネモイ・アスラの知遇を得てその部下となる。本名も忘れていたため、「フィッツ」もしくは「無言のフィッツ」と呼ばれていた。

ルイジェルド・スペルディア

スペルド族の戦士。スペルド族は極めて長命の種族であるので、少なくとも数百年は生きているが、外見は人間でいえば青年くらいに見える。義理人情に厚く、スペルド族の世間的悪名ほどの悪人ではない。しかし、状況によっては平然と人を殺めるなど、アスラ王国の人々とはかなり異なる価値観を持つ。かつては魔神ラプラスに仕える戦士長であった。長年にわたるその行状から魔大陸において「デッドエンド」の異名で恐れられ、ルーデウス・グレイラットらと共に冒険者パーティーとしての「デッドエンド」が結成されて以降は「デッドエンドの番犬」と呼ばれている。

パウロ・グレイラット

ルーデウス・グレイラットの父親で、騎士。アスラ王国の名門貴族であるノトス・グレイラット家の出身で、実家からは勘当されている。かつては剣士として冒険者パーティー「黒狼の牙」に所属していた。昔から女癖が非常に悪い。フィットア領転移事件のあと、捜索団を率いて活動している。

ゼニス・グレイラット

ルーデウス・グレイラットの母親。かつては冒険者パーティー「黒狼の牙」に所属していた。夫であるパウロ・グレイラットの女癖の悪さには手を焼いているが、メイドだったリーリャが妊娠した際には、第二夫人としてのその立場を認めた。フィットア領転移事件以後、行方不明のままになっている。

リーリャ

ゼニス・グレイラットに仕えていたメイド。パウロ・グレイラットとの不倫によってアイシャ・グレイラットを身籠り、その後、ゼニスに認められてパウロの第二夫人となった。ゼニスとの仲をとりなしたルーデウス・グレイラットに深い感謝を捧げており、アイシャをルーデウスに仕える部下とするべく厳しく教育している。

ノルン・グレイラット

パウロ・グレイラットとゼニス・グレイラットの二人目の子供で、ルーデウス・グレイラットの同腹の妹。フィットア領転移事件に際してパウロと共にアスラ王国南部に飛ばされ、以後はそのまま行動を共にしている。

アイシャ・グレイラット

パウロ・グレイラットとリーリャの子供で、ルーデウス・グレイラットとノルン・グレイラットの異腹の妹。フィットア領転移事件に際して母親のリーリャと共にシーローン王国に飛ばされ、以後は母親と行動を共にしている。

サウロス・ボレアス・グレイラット

アスラ王国の名門貴族であるボレアス・グレイラット家の当主を務める老人。エリス・ボレアス・グレイラットの祖父、パウロ・グレイラットの叔父、ルーデウス・グレイラットの大叔父にあたる。厳格な性格ながら、孫娘のエリスには非常に甘い。フィットア領転移事件のあと、その責任を取る形で処刑された。

ギレーヌ・デドルディア

猫のような大きな耳を持つ獣人の女剣士。かつての冒険者パーティー「黒狼の牙」のメンバーの一人で、剣王の異名で知られる。黒狼の牙の解散ののち、ボレアス・グレイラット家に仕え、エリス・ボレアス・グレイラットの護衛や剣の教師を務めていた。

エリナリーゼ・ドラゴンロード

エルフの女戦士。かつての冒険者パーティー「黒狼の牙」のメンバーの一人。男性と交わり続けないと死んでしまう特殊な呪いをその身に受けており、趣味と実益を兼ねて日々男漁りに興じている。フィットア領転移事件のあと、昔のよしみからパウロ・グレイラットの家族を探して厳しき大峰のタルハンドと共に冒険の旅に出る。

厳しき大峰のタルハンド

ドワーフの魔術師の男性。かつての冒険者パーティー「黒狼の牙」のメンバーの一人。大酒飲みで、非常に酒が強い。フィットア領転移事件のあと、昔のよしみからパウロ・グレイラットの家族を探してエリナリーゼ・ドラゴンロードと共に冒険の旅に出る。

ギース

かつての冒険者パーティー「黒狼の牙」のメンバーの一人である男性。フィットア領転移事件のあと、ほかの旧・黒狼の牙メンバー達とは別れてパウロ・グレイラットの家族を探しに向かい、獣人の村で檻に入れられていたルーデウス・グレイラットを救出。その後もしばらくルーデウスらデッドエンドと行動を共にしていた。

パックス・シーローン

シーローン王国の第7王子。ルーデウス・グレイラットのもとから去ったあとのロキシー・ミグルディアから魔術の教えを受けていた。性格にはかなり難があるが、陰謀らしい陰謀を企むほどの才覚もない暗愚な人物。フィットア領転移事件で転移して来たリーリャとアイシャ・グレイラットの親子を、一時軟禁していた。

アリエル・アネモイ・アスラ

第3位の王位継承権を持つアスラ王国の王女。フィットア領転移事件の際、城に転移して来た魔物に襲われたが、同じく転移して来たシルフィエットによって命を救われ、以来彼女を部下として厚遇している。表向きは隠しているが、アスラ王国の王位を密かに狙う野心家。

グラーヴェル

第1位の王位継承権を持つアスラ王国の王子。アリエル・アネモイ・アスラから見て兄にあたるが、アリエルは正妻腹、グラーヴェルは妾腹であるため母親は違う。アリエルを王位継承争いの強力なライバルとみなしており、その抹殺のためには暗殺なども含めて手段を選ばない。

オルステッド

人神について知っている正体不明の存在。姿は人間の男性だが、種族や年齢は不明。ルーデウス・グレイラットを「人神の使徒」と呼び、殺意を向ける。戦闘能力は極めて高い。長い黒髪の、仮面で顔を隠した謎の人物を連れて歩いている。

魔界大帝キシリカ・キシリス

かつて人魔大戦において人族に敗れた魔族の指導者。外見は頭に2本の角がある以外は人間の少女の姿だが、不死身で年齢は不詳。現在は政治的な地位はすべて失い、日々の食事にも事欠く状態のまま魔大陸を放浪している。数種類の魔眼を使いこなせるほか、他者に魔眼を与える能力も持つ。

魔神ラプラス

かつて魔族を統一し、世界を巻き込む大戦争を起こした存在。性別や年齢は不詳。「魔神殺しの三英雄」との戦いに敗れ、現在は封印されている。かつて戦士長として仕えていたルイジェルド・スペルディアと、その配下のスペルド族に魔槍を与えてその心を狂わせ、スペルド族が悪名をもって恐れられるようになる元凶を作った。

人神 (ひとがみ)

ルーデウス・グレイラットの夢の中に現れ、自ら人神と名乗る正体不明の存在。人間に似たシルエットをしているが、性別や年齢は不明。ルーデウスが異世界人であるという事実を知っており、さまざまな助言を与えるが、ルーデウスからは胡散臭い信用のならない相手と認識されている。

集団・組織

デッドエンド

ルーデウス・グレイラット、エリス・ボレアス・グレイラット、ルイジェルド・スペルディアらが魔大陸からアスラ王国を目指すに当たって結成した冒険者パーティー。デッドエンドとはもともとルイジェルドの異名であるが、この「デッドエンド」は「ルイジェルドの名を勝手に名乗っている偽物」というのがコンセプトであり、ルイジェルドも自らの素性を隠していて、その真相を知る者はほとんどいない。

黒狼の牙

ルーデウス・グレイラットの両親であるパウロ・グレイラット、ゼニス・グレイラットらがかつて所属していた六人組の冒険者パーティー。往時はかなりの勇名を馳せていた。パウロとゼニスの結婚引退を機に解散したが、旧メンバー同士では今でもさまざまな交流がある。

ピーハンター

魔大陸のリカリスの町で活動していた中堅どころの冒険者パーティー。元は三人組だったが、小悪党めいた仕事をしていた時にデッドエンドに捕縛され、一人はルイジェルド・スペルディアに殺害される。残ったジャリルとヴェスケルは、しばらくのあいだデッドエンドの三人と協力関係を持った。

場所

魔大陸

世界地図で北東に位置する大陸。食糧も乏しく、強力な魔物が多数生息する過酷な土地。海を隔ててミリス大陸と接する。フィットア領転移事件によってルーデウス・グレイラットはエリス・ボレアス・グレイラットと共にこの魔大陸に飛ばされ、帰還のため長い冒険の旅を始める事になる。

アスラ王国

中央大陸の北西部を治める大国。ルーデウス・グレイラット、エリス・ボレアス・グレイラット達の出身国。国王が老齢である事から、王女であるアリエル・アネモイ・アスラ、その兄のグラーヴェルらのあいだに後継者争いが勃発している。

その他キーワード

スペルド族

魔大陸に暮らす魔族の一種族。人間より長命で、エメラルドグリーンの髪と、額についた赤い宝石のようなものが特徴。ミグルド族とは近い種族の関係にある。400年前の戦争で敵味方問わず多くの犠牲者を出し、今もなお忌み嫌われる存在となっている。生まれつき生えている尻尾が成長すると硬くなって抜け落ちるので、それを槍として用いる風習がある。ルイジェルド・スペルディアは、スペルド族の戦士である。

ミグルド族

魔大陸に暮らす魔族の一種族。人間より長命で、スペルド族とは近い種族の関係にある。「念話」の能力を持ち、同族同士ならば言葉を発さずにコミュニケーションを取る事ができる。ロキシー・ミグルディアは、ミグルド族の魔術師である。

魔槍 (まそう)

魔神ラプラスがかつての大戦の際に、ルイジェルド・スペルディアと彼が率いるスペルド族達に与えた禍々しい槍。強力ではあるが、使い手の心を狂わせる性質があり、これを持ったスペルド族の戦士達はいつしか味方をも襲うようになってしまう。

予見眼

魔界大帝キシリカ・キシリスが行きずりに出会ったルーデウス・グレイラットに与えた能力。「魔眼」と呼ばれるものの一種で、ルーデウスの右目に収まっている。少し先の未来を視る事ができ、うまく用いれば戦闘にも応用する事ができる。

フィットア領転移事件

ルーデウス・グレイラットの10歳の誕生日の翌日、アスラ王国のフィットア領において突如として発生した原因不明の魔力災害。多くの生物や物体が巨大な光に飲み込まれ、世界各地に散らばった。事件に巻き込まれてそのまま行方不明になった者、死亡した者も少なからずいる。

クレジット

原作

理不尽な孫の手

キャラクター原案

シロタカ

関連

無職転生 ~ロキシーだって本気です~ (むしょくてんせい ろきしーだってほんきです)

理不尽な孫の手の小説『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』のスピンオフ作品。原作におけるヒロインの一人であるロキシー・ミグルディアの過去に焦点を当てた物語で、彼女が故郷であるミグルド族の村を出てから... 関連ページ:無職転生 ~ロキシーだって本気です~

書誌情報

無職転生~異世界行ったら本気だす~ 21巻 KADOKAWA〈MFコミックス フラッパーシリーズ〉

第1巻

(2014-10-23発行、 978-4040668840)

第2巻

(2015-03-23発行、 978-4040672939)

第3巻

(2015-09-19発行、 978-4040678085)

第4巻

(2016-03-23発行、 978-4040682266)

第5巻

(2016-09-23発行、 978-4040685410)

第6巻

(2017-03-23発行、 978-4040691091)

第7巻

(2017-09-23発行、 978-4040694184)

第8巻

(2018-03-23発行、 978-4040697765)

第9巻

(2018-10-23発行、 978-4040651002)

第10巻

(2019-03-23発行、 978-4040655765)

第11巻

(2019-10-23発行、 978-4040640464)

第12巻

(2020-03-23発行、 978-4040644691)

第13巻

(2020-08-20発行、 978-4040648163)

第14巻

(2021-01-21発行、 978-4046801135)

第15巻

(2021-06-23発行、 978-4046806703)

第16巻

(2021-11-22発行、 978-4046808851)

第17巻

(2022-06-22発行、 978-4046813855)

第18巻

(2022-12-22発行、 978-4046819857)

第19巻

(2023-07-22発行、 978-4046826077)

第20巻

(2024-02-22発行、 978-4046832757)

第21巻

(2024-08-22発行、 978-4046838476)

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