概要・あらすじ
ダンドリくんは人生を何事も段取りよく済ませようとするポリシーの青年。仕事に向かうときに帰省するときも引っ越しするときも段取りよくしようとするが、思わぬ出来事に巻き込まれて失敗することも多い。
登場人物・キャラクター
ダンドリくん
石川県の金沢出身で、実家の両親も段取りにこだわっている。頭髪はイガグリ坊主で、ホームベースのようにエラの張った五角形の顔とドングリまなこが特徴的。当初はサラリーマンだったが、やがて荻窪の四畳半風呂無しトイレ共同のアパートを住まいとする漫画家志望のフリーターになっている。電車に乗ったときの座席、横断歩道の渡り方など、常に段取り良く生活するかを考えている。 段取りに一切こだわらない豪快さんにしばしば段取りを全否定されるが、そんな豪快さんに憧れている節もある。一方、行動がなにかとズボラなズボライモのことは苦手としている。ちなみに仙川工業大学在学中に知り合った、水野ミドリという彼女がいる。
大文字 虎男 (だいもんじ とらお)
「豪快さんだっ!!」の回で初登場。本名はあるが、自ら「豪快さん」を名乗る。『美味しんぼ』の海原雄山を思わせる風貌で、衣服も羽織袴とそれっぽくなっている。細かい段取りをつぶやくダンドリくんを「しゃらくさい」と笑い飛ばすも、その豪快っぷりもよく見ると小市民レベル。しかし、本人は全く気にしていない。 アフリカでは、アフリカゾウ相手にデカグソ対決もしていた。ダンドリくんも何かと自分の前に立ちはだかる豪快さんの生き様に抵抗することはあるが、ときに意気投合することもある。同作者の『豪快さんだっ!』では主人公。
ビンボリくん
ダンドリくんの友人の一人。本名は「新堀」だが、なんとなく貧乏神っぽいという理由でビンボリくんと呼ばれている。ダンドリくんがアフリカに旅立っている間、一度だけ主役になったこともある。身長は170cmで体重は49kg、ウエストは65cmと、とても細身で、プロレスラーの高田延彦の体格にあこがれている。 家族揃ってあだ名の通りの貧乏性で、高校時代は両親の貧乏性が嫌だったけれど、今では「貧乏性は物に対する愛」だと悟っている。もっとも、ダンドリくんに言わせると彼の貧乏性も段取りに比べればまだまだ甘いそうである。トイレットペーパーの包み紙コレクターでもある。
水野 ミドリ (みずの みどり)
ダンドリくんの彼女で23歳の独身。受話器カット(おかっぱ頭に受話器の紐のような三つ編み)と呼ばれる髪型とポヨヨン毛がチャームポイントで、あだ名は「水呑み鳥」。貧乳で尻も薄く背も小柄、足首にくびれはなく、目はゴマのようで頬も少し赤らんでいるが、性格がサッパリしていていつも明るいため、男性に人気があった。 福島出身で、荻窪女子大学の短大、通称「オジョタン」に在学していた頃、仙工大こと仙川工業大学の旅行研究会にいたダンドリくんと知り合う。一度は福島に帰京したが、妹が荻窪大学に進学したのに合わせてまた上京する。漫画家を目指すダンドリくんを応援しており、何度かデートを重ねている。
ズボライモ
仙川工業大学の旅行研究会時代からのダンドリくんの知り合い。見た目は軽いパーマの髪型に恰幅の良い体格で、物怖じしなさそうな感じである。しかし、性格はがさつかつズボラで、自分だけ楽をしようとしがち。段取りも無視して好き勝手に振る舞うため、ダンドリくんには敬遠され気味である。 ダンドリくんとビンボリくんの飲み会に割り込んだときは、散々好き勝手に飲み食いしたが、ダンドリくんの策略で割り勘ではなくズボライモのクレジットカード払いにさせられていた。もっとも、本人はそれに懲りず、その後もダンドリくんたちとつるんでいた。
ミナちゃん
ミドリちゃんこと水野ミドリの妹。姉より4歳年下だが、見た目はボディコンの似合う美女である。本人いわく「姉は母似で、自分は父親似」とのこと。自分の名前の響きが「水飲みなよ」になることをとても気にしている。福島に住んでいたときは都会に憧れて、雑誌HANAKOを毎週購読したり、服装もボディコンばかり着ていた。 荻窪大学に合格し、姉と一緒に上京して同じマンションで暮らすようになり、ダンドリくんたちとの飲み会にも、姉と一緒に参加している。
ニドデマくん
仙川工業大学の旅行研究会時代からのダンドリくんの知り合い。見た目は地味な眼鏡青年だが、髪型や顔の形はやはり眼鏡青年であるビンボリくんとは異なる。要領が悪く、何をするにしても二度手間になりやすい。ダンドリくんにその行動を箇条書きのように並べ立てられることもあった。ただし、仲間のカイグリくんにフォローしてもらうことも少なくない。 大学卒業後もミドリちゃんの引っ越しを手伝ったり海に行ったりするなど、ダンドリくんたちとつるんでいる。
カイグリくん
仙川工業大学の旅行研究会時代からのダンドリくんの知り合い。見た目は小さくて、栗のような頭の形をしている。人の良い性格で、何かあると自分から進んでしようとする。また、ルールなどを口でいちいち説明するような細かい一面もある。ただし、坊主頭をなでられるのはあまり好きではない。大学卒業は漫画家の中友勝一のプロダクションでアシスタントをしており、ダンドリくんに仕事の手伝いを振ることもある。 それ以外でも、ダンドリくんたちとはよくつるんでいる。焼き物で好きなのは銀杏。
ホンゴー
仙川工業大学の旅行研究会時代からのダンドリくんの知り合い。いつも金がないくせに、何かとハードボイルド風にかっこつけてばかり。大学卒業後はトレンチココートと帽子をいつも着ている。夏場だと「サマー引っ越しコーディネート」と称して、コートの下にタンクトップとトランクス姿になることもある。 パッと見は二枚目だが、どこか抜けたところがある。ミナちゃんに気がある素振りを見せている。泉昌之のデビュー作『夜行』以来、あちこちの作品に出てくるキャラクターでもある。
中友 勝一 (なかとも かついち)
西荻窪の材木倉庫に中友プロを構える有名漫画家。カイグリくんが中友プロでアシスタントをしている。ダンドリくんは高校生の頃からのファンで、カイグリくんからの手伝いの依頼には問答無用で飛びつく。漫画だけでなく、SFアニメ映画『ARARA』を作って大ヒットさせてもいる。 アニメの次回作はアフリカを舞台とした『ジャングル大帝オレ』で、そのロケハンスタッフとしてダンドリくんを起用した。
ダンドリくんの両親 (だんどりくんのりょうしん)
金沢に住むダンドリくんの父親と母親。家の表札には「段取」とあるが両親の名前は不明。父親は顔がダンドリくんに似ているが、『サザエさん』の磯野波平みたいな髪型でチョビ髭を生やしている。父親は性格が短気で、息子と同様に段取りにこだわっている。しかし、その段取りとこだわりはダンドリくんとは正反対。 また、日常生活向けの発明品をいくつも自作している。母親は金沢の方言が強い女性で、父親の発明品を「みっともない!」とばっさり斬り捨てることがある。
集団・組織
仙川工業大学 (せんかわこうぎょうだいがく)
ダンドリくんが在籍していた私立の工業大学。ダンドリくんは当初、漫画研究会に入ろうとしたが、会員が全員暗そうという理由で止めて、旅行研究会に入っていた。ここで彼はビンボリくんやズボライモ、ニドデマくんやカイグリくん、ホンゴーらと出会った。旅行研究会は女子大との交流もあり、後にダンドリくんの彼女になるミドリちゃんや、あかぬけない雰囲気の磯部マキ(いそべまき)、セクシーでアンニュイな中田ルミ(なかだるみ)らは荻窪女子大の短大からサークルに参加していた。
中友プロ (だんどりくんのりょうしん)
西荻窪の材木倉庫の二階にある、漫画家の中友勝一の制作プロダクションで漫画だけでなく、アニメ映画も手がける。アシスタントはカイグリくん以外に、大ちゃんという男性アシスタント、ヨーコという女性アシスタントがいる。アニメ『ジャングル大帝オレ』のプロデューサーで語尾に「キシシ」とつける秋山、中友の担当編集者である中島もアフリカはケニアのロケハンに参加した。