鉄槌とピエタ

鉄槌とピエタ

15世紀末のイタリアで、大天使のガブリエルと出会ったミケランジェロ・ブオナローティが、歴史に名を残すような彫刻家になるまでの生き様が描かれている。「good!アフタヌーン」の2019年7月号から連載の作品。

正式名称
鉄槌とピエタ
ふりがな
てっついとぴえた
作者
ジャンル
西洋史
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あらすじ

第1巻

1490年、イタリアのフィレンツェ。ミケランジェロ・ブオナローティはメディチ家の当主であるロレンツォ・デ・メディチが支援する彫刻庭園で、同年代の多くの若者と共に芸術を学んでいた。しかし、彫刻庭園で出される課題をこなしたり、見本となる彫刻を見ても理想の美しさを表現できないことに、ミケランジェロはイラついていた。そんなある日、課題を放り出して彫刻庭園の外に出たミケランジェロは、上空から白い翼を付けた大天使、ガブリエルが落ちてくるのを目撃、救助して自室に保護する。ガブリエルのあまりの美しさにミケランジェロは無我夢中で描写するが、意識を取り戻したガブリエルから絵の出来を酷評されてしまう。なんとしてもガブリエルの姿を彫刻にしたいと願うミケランジェロは、ガブリエルに自分のそばにいるように懇願する。そんなミケランジェロに興味を示したガブリエルは、自分の正体が人間やほかの天使にばれないように協力することを条件に、ミケランジェロの守護天使となることを約束するのだった。

登場人物・キャラクター

ミケランジェロ・ブオナローティ

ロレンツォ・デ・メディチが支援する、イタリアのフィレンツェにある彫刻庭園で芸術を学ぶ少年。彫刻家としての技量は同年代でも抜きん出ている。「美しさ」に対する感性が他人と違いすぎるために、つねに一人で新たな表現方法を模索している。ミケランジェロ・ブオナローティ自身が理想とする美しさを表現できないことに日々イラついている。理想の美しさそのものである大天使のガブリエルと出会ったあとは、ガブリエルが納得するような彫刻を作ることを目標にしている。実在の人物、ミケランジェロ・ブオナローティがモデル。

ガブリエル

天の国から下界に落ちてきた大天使の男性。ミカエルの弟。口調は丁寧だが、横暴な性格で人間を見下している。ガブリエル自身のことを「神が創りたもうた芸術」と思っているナルシストで、助けて保護してくれたミケランジェロ・ブオナローティに対しても、絵があまりにも出来が悪いために足蹴にする。その後、ミケランジェロに興味を抱き、条件つきで彼の守護天使となっていっしょに行動するようになる。変身したり、さまざまな現象を起こす能力があるが、太陽が届かない場所では力が弱まる。

フランチェスコ・グラナッチ

ロレンツォ・デ・メディチが支援する、イタリアのフィレンツェにある彫刻庭園で芸術を学ぶ少年。ミケランジェロ・ブオナローティを彫刻庭園に導いた友人で、ミケランジェロの才能にいち早く気づいた人物でもある。なにかと問題を起こすミケランジェロを心配し、さまざまなサポートをしている優しい性格の持ち主。実在の人物、フランチェスコ・グラナッチがモデル。

ロレンツォ・デ・メディチ

メディチ家の当主を務める男性。「豪華王」の異名を持つ。「芸術とそれと生み出す者は大事にしないといけない」という考えがあり、若き芸術家育成のために住居や材料、道具など多くの面でサポートしている。自宅の彫刻庭園でミケランジェロ・ブオナローティの彫刻を見て、ミケランジェロ個人のパトロンになることを申し出る。実在の人物、ロレンツォ・デ・メディチがモデル。

ミカエル

ガブリエルの兄。天の国から部下を連れてガブリエルを追跡している最中に、下界でミケランジェロ・ブオナローティと出会う。太陽が届かない場所では力が弱まるため、日が陰ってきたことで天の国に戻り、それからは部下を下界に派遣しながら天の国からガブリエル捜索の指揮を執っている。

ラファエレ・リアーリオ

ローマ教皇を補佐する枢機卿を務める男性。芸術をこよなく愛しており、部下が自分のために買ってきた古代彫刻を、一目で偽造されたものと見抜くなど目利きにも優れている。偽装彫刻を造ったミケランジェロ・ブオナローティを断罪しようとしたが、ミケランジェロの腕を認めてローマでの活動を許可する。

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