概要・あらすじ
映画研究会に所属する運動オンチの高校生・鷹田春樹は、兄である天才サッカー少年・鷹田夏樹と比べられることに辟易しながらも、それなりに楽しい日々を過ごしていた。ある日、映画の撮影中に出会った少女・宮前葉月から夏樹と勘違いされた春樹は、彼女に扇動され、公園を我が物顔で闊歩していた三ッ河高校サッカー部の部員と、サッカーボールで空き缶を倒した数を競う勝負を強いられてしまう。
得意のハッタリと強運で、かろうじて勝利をものにした春樹は、その翌日ケガをした夏樹の替え玉として、サッカーの試合でのベンチ入りを、教師に要求されてしまうのだった。
登場人物・キャラクター
鷹田 春樹 (たかだ はるき)
一ノ瀬高校の映画研究部に所属する男子高校生。年齢は17歳。ハッタリを得意とする、口ばかり達者な運動オンチ。超高校級のサッカー選手である兄・鷹田夏樹と顔立ちがよく似ている。そのため、兄と比較されてしまうことが多い。映画研究部の撮影でも、夏樹の弟という、ただそれだけの理由で、エースストライカーの役を与えられていた。強運の持ち主。 公園での撮影中に出会った少女・宮前葉月と、ワルで有名な三ッ河高校サッカー部員のトラブルに巻き込まれた。その時も、夏樹としてサッカーボールを使った勝負を強いられ、運のみで勝利を収めていた。進級と引き換えに、ケガをした夏樹の替え玉として、サッカー部の試合に参加することになるが、そこでも持ち前の強運を発揮。 シンデレラストライカーとして活躍することになる。
鷹田 夏樹 (たかだ なつき)
一ノ瀬高校サッカー部に所属する男子高校生。鷹田春樹の兄で、超高校級の天才ストライカーでもある。容姿は春樹とよく似ているが、唯我独尊かつクールで、人を人とも思わぬ性格をしている。ケガをした自分の替え玉として、サッカー部の練習に参加することになった春樹には、「オレの価値を下げたそんときは、おめえ生きちゃいねーぞ」とまで言い切っていた。 サッカー選手としての資質は超一流で、ドア越しに蹴ったボールを大きく曲げ、廊下の端にいる人間に当てることができるほど。
宮前 葉月 (みやまえ はづき)
鷹田夏樹の大ファンの少女。公園で会った鷹田春樹を夏樹だと思い込み、公園で我が物顔をしていた三ッ河高校サッカー部員をこらしめるように誘導する。サッカー選手としての夏樹を絶対的に信頼しているため、しばしば春樹に無理な要求をしていた。無自覚なトラブルメーカーであることから、春樹には「厄病女神」呼ばわりされていた。 「超爆裂ウットリ」「爆裂キタイ」など言語センスも独特。正義感が強い。
土方 (ひじかた)
三ッ河高校サッカー部に所属する男子高校生。大柄で、チンピラのような風貌をしている。1年前に行われた一ノ瀬高校サッカー部との試合で、鷹田夏樹の策略にはまり、暴力沙汰を起こして、一年間の出場停止処分を受けた。そのため、彼を強く恨んでいる。公園で会った鷹田春樹を夏樹と勘違いし、サッカーボールで空き缶を落とす勝負を挑んでいた。 勝負の際に「指を折る本数」を賭けの材料にするなど、恐れ知らずな性格をしている。非常に粗暴だがプライドは高く、自身の敗北は素直に認める一面も併せ持つ。
滝沢 巧人 (たきざわ たくと)
一ノ瀬高校サッカー部に所属する男子高校生。おどおどした性格。鷹田夏樹の替え玉としてサッカー部にやって来た鷹田春樹に対し、親切に声をかけていた。それは、意中の女性である宮前葉月に、いいところを見せたいがためだった。口ばかりでサッカーが下手な春樹を、快く思っていない。
主将 (きゃぷてん)
一ノ瀬高校サッカー部に所属する男子高校生。キャプテンシーに優れている。ポジションはゴールキーパー。鷹田夏樹の替え玉としてやって来た鷹田夏樹の正体が、他校の選手にバレないように、春樹の稚拙なプレーを、陰に日向にフォローしていた。キーパーとしての技量は高く、連続無失点記録を更新している。
バンダナ野郎 (ばんだなやろう)
三ッ河高校サッカー部に所属する男子高校生。長髪で、頭にバンダナを巻いている。いつも土方とともに行動している。1年前に行われた一ノ瀬高校サッカー部との試合で、鷹田夏樹の策略にはまってしまい、退場に追い込まれた。そのため、今でも彼を恨んでいる。目端が利く性格。
部長 (ぶちょう)
一ノ瀬高校の映画研究部で部長を務めている男子高校生。鷹田夏樹を主役に据え、自称・文芸大作の「地獄のストライカー」という、コンセプトが不明な映画作品の撮影を進めていた。春樹が映画研究部を辞め、サッカー部に入ったため、製作が頓挫してしまう。
クレジット
- 原作
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あや みのる