概要・あらすじ
高知の工業高校を卒業した宮川正太は上京してツルモク家具に就職し、その独身寮で杉本京介と田畑重男という先輩と同室になる。四国にはひとつ年下の桜井ともみという彼女がいるが、隣の女子寮の姫野みゆきと出会い強く魅かれてしまう。一方、ナンパの達人杉本京介は大財閥の令嬢、白鳥沢レイ子にとり憑くようにつきまとわれて困惑するが、その一途さにいつしか心が傾いていく。
報われない恋を繰り返す田畑重男も趣味の「のぞき」がきっかけで、女子寮の野沢あけみと喧嘩しながらも距離が縮めていく。それぞれが恋に悩み、人生に傷つき、挫折しながら仲間と共に成長していくのだった。
登場人物・キャラクター
宮川 正太 (みやがわ しょうた)
18歳で四国から上京してツルモク家具に入社。将来はインテリア・デザイナーを目指している。純粋ので優しい性格だが、優柔不断で、四国の彼女桜井ともみとツルモク家具の社員姫野みゆきの間で揺れ動く。お酒を飲むと性格が豹変する。ツルモク独身寮では杉本京介と田畑重男と同室。
姫野 みゆき (ひめの みゆき)
ツルモク家具の総務課所属。宮川正太の先輩でツルモク独身寮の女子寮に住んでいる。ロングヘアーが似合う美人。元同僚でロックミュージシャンになったサトシの恋人だった過去がある。
杉本 京介 (すぎもと きょうすけ)
宮川正太と独身寮で同室の三年上の先輩。ツルモク家具では一番のプレイボーイ。常に女性と遊んでいるが、容貌は良くないが財閥の令嬢である白鳥沢レイ子につきまとわれる。ギャクタマの欲もあり、交際を続けているうちにいつしか本気で心魅かれるようになっていく。
田畑 重男 (たばたけ しげお)
宮川正太と独身寮で同室の先輩で部屋長。正太が入社した時に27歳。生まれて一度も彼女が出来たことがない。容貌はサルにそっくり。趣味は女子寮の「のぞき」で、その行為を野沢あけみに抗議されたことをきっかけに、ふたりの仲は深まっていくことになる。
桜井 ともみ (さくらい ともみ)
宮川正太が四国に残してきた一年下の彼女。ショートヘアでキュート。活発で明朗な性格にみえるが、酔うとナイーブな面をみせる。正太との遠距離恋愛が不安で1年後に上京してきてOLになるが、姫野みゆきと三角関係になり悩むことに。
白鳥沢 レイ子 (しらとりざわ れいこ)
白鳥沢財閥の令嬢で、スタイルは抜群だが容姿は良くない。しかし当人に自覚症状はない。頬骨とエラが尖っていて、家族全員が同じ顔をしている。杉本京介に想いを寄せしつこくつきまとう。
野沢 あけみ (のざわ あけみ)
ツルモク家具の社員で女子寮に住んでいる。メガネにそばかす、カリアゲにおかっぱ頭で女っぽくない地味なタイプ。女子寮を覗く田畑重男といつも揉めるが、田畑の素朴で不器用な一面に魅かれていく。
鶴谷 ヒサ子 (つるや ひさこ)
ツルモク家具の新工場長として赴任してきた社長の姪。東京大学首席卒業という経歴を持つ29歳。宮川正太の家具デザイナーとしての資質を見出す。スタイル抜群の色っぽさで田畑重男や京介を悩殺するほどだが、仕事に厳しくいっさいの甘えをゆるさない。
山本 吾助 (やまもと ごすけ)
世界的評価の高い家具デザイナー。ツルモク家具をより確立化するために呼ばれたスタッフ。キザで女好きで姫野みゆきを秘書にする。家具デザイナーをとったらただのデバガメ。宮川正太に家具デザイナーとしての才能を見い出す。
三反田 春彦 (さんたんだ はるひこ)
終戦後のツルモク家具創設時の社員で、定年退職後に独身寮の寮長になった。おっとりとした人の好い老人だが、ミュージシャンに変身したり踊ったりと異常な身体能力をみせる。若い頃は宮川正太と同じように優柔不断で二人の女性を二股にかけ悩んだ過去がある。
矢崎 コージ (やざき こーじ)
宮川正太の出身高校の一年後輩。ツルモク家具の新入社員として上京してくる。生意気で度々先輩たちとトラブルを起こし、おまけに姫野みゆきにモーションをかける。作業場の不注意で平田はじめをケガさせたことで正太と殴り合いのケンカになるが、それをきっかけに心を入れかえる。
平田 はじめ (ひらた はじめ)
青森から来たツルモク家具の新入社員。宮川正太を先輩として尊敬する生真面目な青年。夢を抱き、故郷に彼女を残して上京してきたが、父親の入院を知り、自分の居場所は実家のリンゴ農園を継ぐことだと気づいて退職する。
青井 ツクモ (あおい つくも)
宮川正太の一年後に入寮してきた新入社員。小柄で誠実ひと筋の青年。野沢あけみに恋をして、猛アタックする。お似合いのカップルにみえる二人だったが、デートをしていても野沢あけみの心はいつも上の空。あけみの心中には田畑重男がいることがわかって破局した。
場所
ツルモク独身寮 (つるもくどくしんりょう)
戦後から立ち上げた大手家具メーカーツルモク家具の独身寮。男子寮と女子寮は隣り合わせで建っているため、田畑重男の「のぞき」の格好の場になっているが、同時にそれぞれの私生活の一面を知る機会にもなっている。
書誌情報
愛蔵版ツルモク独身寮 5巻 小学館クリエイティブ
第1巻
(2021-10-27発行、 978-4778038458)
第2巻
(2021-10-27発行、 978-4778038465)
第3巻
(2021-11-26発行、 978-4778038472)
第4巻
(2021-12-22発行、 978-4778038489)
第5巻
(2022-01-26発行、 978-4778038496)