概要・あらすじ
東京で小学校教師をしているゲームマニアの石原駈は、校長から別の小学校への転任を命じられる。転任先は都内という話だったが、都心から船で25時間半もかかる南の島の分校だった。生徒はたった4人の子供と1体のロボットだけ。テラオというそのロボットは、あらゆるゲームソフトを読み込むことができ、周囲にゲームの世界を反映させるという驚くべき能力を持っていた。
大自然と個性豊かな村民たちに囲まれ、駈の新しい生活が始まる。
登場人物・キャラクター
石原 駈 (いしはら かける)
24歳の小学校教師。幼稚園児の時にPCエンジンを買ってもらって以来、1日たりともゲームをやらない日はなかったという無類のゲームマニア。東京23区内でしか暮らしたことがなく、ゲーム以外に取り立てて長所もないヘタレだが、生徒を思いやる気持ちは人一倍ある。
テラオ
石原駈が転任した小笠浦小学校の分校に通うロボット。おまんじゅうのような大きな白い頭部に青いボディを持ち、空を飛べる。目と目の間にあるスーパーウルトラDXマルチドライブのスロットであらゆるゲームソフトを読み込むことができ、読み込んだゲームソフトの内容で周囲の現実世界に干渉するTROシステムを搭載する。おっとりとした性格の良い子で、学校のない日は防波堤でよく釣りをしている。 テラオ・イーグルアイからは「オリジナル」と呼ばれている。
蓮沼 莉子 (はすぬま りこ)
トーサン島の診療所に勤務する臨床研修医。26歳。つり目の美女で、バスト96センチのGカップ。島の人からは「美人先生」と呼ばれて慕われており、彼女目当てに来院してくる男が後を絶たない。勤務中は白衣姿で、後ろでまとめた金髪のストレートロングヘアーを左首のあたりから前に垂らしている。合気道四段の実力者で、内地でヤ○ザ3人を一瞬で半殺しにしたという噂がある。 医師としては優秀だがドジなところもあり、怒るとすぐに手が出るのが玉に瑕。ブラコンで兄にベッタリな一面もある。
水谷 紗弥 (みずたに さや)
転任前に石原駈が務めていた小学校に通う4年生の女の子。赤っぽい茶髪を後ろで2つに縛っている。学校で携帯電話を駈に没収され、母親が学校へクレームを入れたことで駈が僻地の小学校に飛ばされたと考えており、責任を感じている。わがままな性格だったが、小笠浦を訪れた際に優しい島の人々と触れ合ったことで変わっていく。
水谷の父 (みずたにのちち)
水谷紗弥の父親。六菱重工に勤める技術者で、テラオのメンテナンスを担当している。眼鏡をかけており、髪は短い。都内で妻、紗弥と3人で暮らしている。小笠浦小学校で校長をしている嶋田英子に「水谷君」と呼ばれているが、詳しい関係は不明。
嶋田 英子 (しまだ ひでこ)
石原駈の転任先となる小笠浦小学校で校長と務める女性。首あたりまでのショートカットに優しそうな笑顔で、アロハシャツを着ている。水谷の父とは知り合いで、テラオの開発にも関係しているようだが、詳細は不明。
パトリシア・セーボレー (ぱとりしあせーぼれー)
マイク・セーボレーの娘。石原駈が転任した小笠浦小学校の鯨浜分校に通うアメリカ人の女の子。3年前にニューヨークからトーサン島にやってきたため、日本語はややカタコト。元軍人である父親の影響で、武器に詳しい。金髪を後ろでしばっている。チビTを着て、おヘソを出していることが多い。
マイク・セーボレー (まいくせーぼれー)
トーサン島で暮らす元アメリカ海軍大尉の男性。自宅に石原駈を下宿させており、家事もこなす。左眼に傷跡があり、いつも迷彩の軍服を着ている。軍人時代は「アフガンの砂塵の死神」と呼ばれていた。5年前に軍を退役し、その2年後、祖父が生前住んでいた小笠浦に移住し、現在はフリーの写真家として活動している。敬虔なクリスチャン。
レイチェル・セーボレー (れいちぇるせーぼれー)
マイク・セーボレーの妻で、パトリシア・セーボレーの母親。単身赴任でニューヨークの新聞社ニューヨークプレスで敏腕社員として働いており、多忙なため年に数回しかトーサン島に戻ってこれない。 戦場へ取材に訪れた際にマイクと出会った。自分に正直な性格で、歯に衣着せぬ物言いをするため、出会った当初はマイクとの言い争いが絶えなかったが、いまはラブラブな夫婦。
モアナ・ペペイア (もあなぺぺいあ)
石原駈が転任した小笠浦小学校の鯨浜分校に通う褐色の肌の女の子。先祖代々、小笠浦に住むハワイの先住民の系統。見かけによらず力持ちで、去年の小笠浦相撲大会では準優勝している。駈とテラオが恋人関係だと勘違いし、困惑している。
アリカ・ペペイア (ありかぺぺいあ)
モアナ・ペペイアの父親。トーサン島で民芸品製造業を営む褐色の肌の男性。黒い長髪を頭頂部のやや後ろでしばっている。髭を生やし、アロハシャツとウクレレがトレードマーク。少し長い黒髪をヘアバンドでオールバックにしている。
マカナ・ペペイア (まかなぺぺいあ)
アリカ・ペペイアの妻で、モアナ・ペペイアの母親。夫と共にタクの葉細工や貝を加工した民芸品などお土産を作って暮らしている。ふっくらとしたおだやかな人物。フラダンスの名人で、島の人たちにレッスンしている。
小花 勇人 (おばな はやと)
石原駈が転任した小笠浦小学校の鯨浜分校に通う男の子。女の子のような可愛らしい顔立ちの優等生で、水谷紗弥によって化粧と女装させられた際は、嵐野太壱から一番可愛いと言われたほど。
小花 健人 (おばな けんと)
トーサン島で暮らす植物学者。小花勇人の父親。髪をオールバックにし、眼鏡をかけている。小笠浦の固有種を研究するために10年前に小笠浦に移住してきた。植物学界では有名な人物。家族で「ウィロウ」という名の犬を飼っている。
小花 瞳 (おばな ひとみ)
小花健人の妻で、小花勇人の母親。海洋生物学者で、メインはサンゴの研究だが、クジライルカの生態についても精通している。小笠浦海洋センターの客員研究員でもあり、アオウミガメの保全に尽力している。
嵐野 太壱 (あらしの たいち)
石原駈が転任した小笠浦小学校の鯨浜分校に通う小学4年生の男の子。漁をするため、いつもモリを背負っている。白いランニングに短パン、裸足でいることが多い。わんぱくだが、優しい心の持ち主。女の子の前でフルチンでも気にしない。
嵐野 壱朗 (あらしの いちろう)
小笠浦で生まれ育ち、トーサン島で猟師を営なむ男性。小笠浦漁協に所属。嵐野太壱の父親で、筋肉質の日に焼けた体をしている豪快な男性。かつて海で「小笠浦デビル」と呼ばれる全長8メートルのカジキに左目をやられ、眼帯をしている。小笠浦デビルを倒すことが生涯の夢。
嵐野 由加里 (あらしの ゆかり)
嵐野太壱の母親。29歳。夫、息子と同じくよく日に焼けている。夫とは同じトーサン島で育った仲で、高校生の頃にプロポーズされている。腹筋の割れたスレンダーな美人。
田元 一 (たもと はじめ)
小笠浦村の村長。元力士で三役までいった実力者で、村で開催される小笠浦相撲大会ではここ10年、毎年優勝している。5年前、妻に先立たれている。
蓮沼 瞬 (はすぬま しゅん)
蓮沼莉子の兄。小笠浦在住の外科医。学会や海外離島医療の調査などを終えて、島へ戻ってきた。「ハンサム先生」とも呼ばれる。奥手な妹のことを心配している。
テラオ・イーグルアイ (てらおいーぐるあい)
テラオに似た黒い謎のロボット。テラオが丸っこいフォルムであるのに対し、テラオ・イーグルアイは全体的に鋭角的なデザインで目つきも鋭い。ボディには「TERA-O-E」と書かれており、ブライアンやジェーンからは「イーグルアイ」、モアナ・ペペイアからは「イーくん」と呼ばれる。体に兵器が内蔵されており、あらゆる状況下での戦闘技術を持つ。 また、世界中の兵器に関する知識を持ち、自律機能により自らメンテナンスとカスタマイズを行える。
ブライアン
テラオ・イーグルアイを回収するためにトーサン島にやってきた黒人男性。スキンヘッドに眉毛のない鋭い目つきと髭が特徴。海軍特殊作戦部隊(SEAL)のメンバーで、マイク・セーボレーの元部下。
ジェーン
テラオ・イーグルアイを回収するためにトーサン島にやってきた白人女性。ブライアンの相棒。垂れ目で眼鏡をかけており、バスト120センチという超巨乳。海軍特殊作戦部隊(SEAL)のメンバー。
丸 優奈 (まる ゆうな)
小笠浦小学校の本校に勤務する新米教師。23歳の女性。ショートカットでややふくよかな体型で、学校ではジャージ姿。ご飯をどんぶりで5杯も食べるほどの大食い。体育大学時代は、アマレスで公式戦119連勝の選手に練習試合で勝利したことがある。
グラント大佐
アメリカ海軍特殊作戦部隊(SEAL)のメンバーで、テラオの入手と軍事利用を目論んでいる。ブライアンとジェーンの上官であり、かつてはマイク・セーボレーの上官でもあった。長髪の白人男性。自分の欲望に正直な人物で「エゴイストグラント」の通り名を持つ。あらゆる格闘技に精通しているという噂がある。任務のためには手段を選ばない非情な人物。
TERA-O Lala (てらおらら)
かつてテラオといっしょに住んでいたロボット少女。ヨーロッパに引っ越してテラオとは離れ離れになり、スイスの山間でおじいさんと暮らしていた。テラオの発信した電波を受信し、小笠浦までやってきた。外見はテラオと似ているが、金髪碧眼の少女の顔を持つ。人間の精神に作用し、ケアする能力を持っている。
集団・組織
小笠浦村役場三姉妹 (おがさうらむらやくばさんしまい)
小笠浦村役場に勤める三姉妹。ツインテールにした可愛い3人で、顔はほとんど同じ。小笠浦相撲大会や小笠浦ビーチバレーボール大会など、イベントや行事が行われる際に実況を担当する。長女は山口真魚(やまぐちまな)、次女は奈美(なみ)、三女は真美(まみ)。
場所
トーサン島 (とーさんじま)
小笠浦諸島に属する人口約2000人の島。小笠浦諸島は、都心から南へ約1000キロの位置にある大小30余りからなる亜熱帯の島で、住所は東京都小笠浦村となる。本州とトーサン島との交通手段は、週1便就航の貨客船「おがさうら丸」のみで、東京竹芝桟橋から片道で25時間半かかる。諸島形成以来、一度も大陸と地繋がりになったことがないため、独自の生態系を持ち、「東洋のガラパゴス」と呼ばれている。 小笠浦諸島は小笠原諸島、トーサン島は父島がモデルと思われる。