ディア マイン

ディア マイン

借金返済のため、母親が交わした約束に則り、10歳の少年と結婚することになった女子高生、倉田咲十子。そんな彼女の複雑な恋愛事情を描く、年の差ラブストーリー。「花とゆめ」平成12年6号から平成13年10号にかけて不定期に連載された。

正式名称
ディア マイン
ふりがな
でぃあ まいん
作者
ジャンル
その他恋愛・ラブコメ
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概要・あらすじ

高校1年生の倉田咲十子は、女手ひとつで自分を育てる母親の倉田三津子と、貧しいながらも幸せな暮らしを送っていた。しかしある日、三津子の勤め先が倒産したうえ、三津子が会社の借金の連帯保証人にされてしまう。そんな2人を救ったのは、大企業和久寺産業グループの総帥を務める和久寺風茉であった。そして三津子の借金を肩代わりしてもらう代わりに、かつて三津子と風茉の父親が交わした約束により、咲十子はまだ10歳の風茉と結婚することになってしまう。

登場人物・キャラクター

倉田 咲十子 (くらた さとこ)

県立猫丸高校1年B組に所属する女子生徒。前髪を真ん中で分け、肩につくほどに伸ばした茶髪セミロングヘアをしている。おっとりとしているが非常に肝の据わった前向きな性格で、亡くなった父親の代わりに懸命に働く母親の倉田三津子と支え合って暮らしていた。しかし三津子の勤め先が倒産したうえに、三津子は借金の連帯保証人にされてしまう。 そして借金を肩代わりした和久寺産業グループの子息であり現総帥の和久寺風茉と結婚することになる。元々はクラスメイトの町田洋平に憧れていたが、次第に風茉と親しくなっていく。実は社長令嬢で、会社が倒産し、その後すぐに父親が亡くなるまではお嬢様だった。父親の形見の指輪を、お守りとして非常に大切にしている。

和久寺 風茉 (わくでら ふうま)

倉田咲十子の婚約者。10歳にして和久寺産業グループの総帥を務める優秀な少年。前髪を真ん中で分け、黒髪ストレートヘアをしている。釣り目が特徴。亡くなった父親の遺言により会社と一族の全権を所有し、総帥として社を率いて休みなく働いている。そのため非常に落ち着いており、容姿以外はとても10歳には思えない大人びた性格の持ち主。 さらに頭も良く、高校レベルの物理の問題もたやすく説いてしまう秀才。咲十子との婚約は前向きに考えており、会うのを楽しみにしていた。しかし結婚に消極的な咲十子にショックを受け、思うように気持ちを伝えられずにいる。意地悪に見えるが、実際は誠実で心優しい。

藤田 鋼十郎 (ふじた こうじゅうろう)

和久寺風茉の秘書を務める26歳の男性。前髪を真ん中で分けて後ろへ流し、肩につかない長さの茶髪ストレートヘアをしている。風茉からは名前の頭文字をとって「鋼」と呼ばれている。いつも笑みを絶やさぬ落ち着いた性格で、風茉に対等に意見できる人物でもある。幼い子供が大好きという意外な一面があり、風茉や和久寺寿千代のみならず、倉田咲十子の子供の頃の写真まで「自分のコレクションに加えたい」と語っているほど。

和久寺 一美 (わくでら かずみ)

和久寺風茉のもう一人の婚約者でいとこの少女。年齢は風茉と同じ10歳。前髪を目の上で切り揃え、姫カットにしている。丁寧な口調で話し、一人称は「ボク」。一見可愛らしく物静かな雰囲気だが、実は毒舌家でやや意地悪な性格。特に風茉は昔から一美の被害に遭っており、恐れている。一方で女性をいじめる趣味はなく、倉田咲十子には好意的。 風茉のことも、実際は深く理解している。藤田鋼十郎に憧れており、彼の前でだけはおとなしくなってしまう。藤田九鉄からは「一姫」と呼ばれている。

藤田 九鉄 (ふじた こてつ)

藤田鋼十郎の兄。和久寺風茉の祖母の屋敷で働いている。容姿は鋼十郎に非常によく似ているが、前髪を分けずに長く伸ばしているのと、下まつげが長いのが特徴。和久寺一美のお守役も務めており、一美の希望で倉田咲十子に会いにやってくる。やや皮肉屋でからかい好きな性格で、女性関係も派手。

倉田 三津子 (くらた みつこ)

倉田咲十子の母親。前髪を真ん中で分け、腰のあたりまで伸ばしたロングウェーブヘアをしている。咲十子が8歳の頃に夫を亡くし、以来女手ひとつで咲十子を育てた。友人の経営する人材派遣会社で働いていたが、会社が倒産したうえに友人が姿を消し、1億円もの借金の連帯保証人になってしまう。しかし以前和久寺産業グループの前総帥の秘書を務めていた縁で借金を肩代わりしてもらい、かつて前総帥と交わした「咲十子と和久寺風茉を結婚させる」という約束を果たすことになる。 楽天家でやや派手好きな性格。

町田 洋平 (まちだ ようへい)

倉田咲十子の想い人で、県立猫丸高校1年B組に所属する男子生徒。ふんわりとした髪を刈り上げている。太い眉が特徴。部活動はサッカー部に所属している。明るく親しみやすい性格で咲十子とも親しかったが、実は交際相手がいた。

和久寺 寿千代 (わくでら ひさちよ)

和久寺風茉の8歳年下の弟。前髪を左寄りの位置で斜めに分けたふんわりとした髪の毛をしている。明るく無邪気な性格で風茉とも仲が良く、気に入った女性のことは皆「ママ」と呼ぶ。倉田咲十子を慕っており、風茉に代わって咲十子の危機に駆け付けることもある。

和久寺 浪砂 (わくでら ろうざ)

和久寺風茉と和久寺寿千代の祖母。ふんわりとした前髪を目の高さで切り、胸のあたりまで伸ばしたウェーブヘアをしている。「親切な少女」と言おうとして「金的な処女」と言うなど、誤字や言い間違いの多い独特の口調と、少女趣味なフリフリした服装が特徴。身分違いの結婚はつらいものだと捉えており、風茉と倉田咲十子の結婚には反対している。

大田 晃子 (おおた あきこ)

倉田咲十子の友人で文通相手。前髪を目の高さで切り、ふんわりとしたショートカットヘアをしている。咲十子とは小学生時代からの付き合いで、家も近所だったため非常に親しくしていた。しかし中学校入学前に父親の仕事の都合でアメリカ合衆国のニューヨークへ引っ越してしまい、以来手紙でのやり取りが続いていた。しかし国見浩志との交際を機に日本に戻ることを希望し咲十子と再会した。 浩志のことを強く想っているが、年齢が離れているため子供扱いされているように感じている。名前は「あきこ」と読むが、咲十子からは「晃」の文字だけとって「こうちゃん」と呼ばれている。

国見 浩志 (くにみ ひろし)

大田晃子の恋人で、商社に勤める23歳の男性。前髪を眉上で短く切り、髪を刈り上げている。細い目が特徴。晃子がアメリカ合衆国のニューヨークへ留学していた際に知り合った。倉田咲十子が晃子の家を訪問した際、3人で出かける予定だったが、突如休めなかったと謝罪に現れ、晃子を怒らせてしまう。特技は物まねで趣味はゲーム。 無類のお菓子好きでもある。

和久寺 総二郎 (わくでら そうじろう)

和久寺一美の父親。和久寺風茉にとってはおじにあたる人物。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、撫でつけ髪にしている。一見柔和な雰囲気だが抜け目のない性格で、優しいのは身内に対してだけの嘘つきな人物。仕事が非常に忙しいため、一美に淋しい思いをさせている。倉田咲十子のことは取るに足らない存在と捉えていたが、咲十子の意外と手強い一面に驚かされることになる。

中村 さよ (なかむら さよ)

倉田咲十子が、和久寺風茉の親族が集まるパーティで出会った幼い少女。前髪を上げて額を全開にし、頭頂部で2つのお団子にしてまとめている。母親が咲十子を嘲笑していたのを真に受け、咲十子を悪気なく傷つけてしまう。しかし咲十子の人柄に触れ、考えを改めるようになる。

和久寺一美の母親 (わくでらかずみのははおや)

和久寺一美の母親。前髪を真ん中で分け、癖のあるロングヘアをひとつにまとめている。三白眼が特徴。倉田咲十子とは、和久寺風茉の親族のが集まるパーティで出会った。伯爵家の生まれだが祖父の代で没落しており、以前は団地で暮らしていた。和久寺総二郎と結婚してからも、自分自身ではなく家柄ばかりを重視する周囲に辟易しており、「上流階級が大嫌い」と公言している。 そのため咲十子の境遇に共感し、アドバイスをする。

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