概要・あらすじ
平三四郎は妻子を持つサラリーマンだったが、飛び降り自殺によって怪人デロリンマンへと変容する。彼は人々を愛によって救済しようとするが、ただ人々に蔑まれ、謎の人物オロカメンからも罵られる。かつての妻子、ママ子と四郎に再会するも、二人は醜く愚かなデロリンマンを三四郎として認めず、彼を苦悩させる。
登場人物・キャラクター
平 三四郎
整った容姿のサラリーマンだったが、自殺未遂の末に、醜い容姿と異常な精神の持ち主、デロリンマンとなった。自らを「神の使い」「魂のふるさと」と称し、人々に幸福をもたらそうとするが、何の力もないため常に独り相撲に終わる。人間の善性を信じて無償の愛を与えようとするが、概ね手酷く裏切られている。 かつての家庭の記憶がありママ子と四郎に再会するが、その度に拒絶され涙することが多い。
平 ママ子
平三四郎の妻にして平四郎の母。夫の自殺未遂を知らず、失踪したと思いその帰りを待っていた。夫を名乗るデロリンマンを単なる狂人と思い、後に変貌した夫であると確信するも、その醜さを受け入れられないでいる。
平 四郎
平三四郎と平ママ子の一人息子。父の自殺未遂を知らず、失踪したと思いその帰りを待っていた。父を名乗るデロリンマンを単なる狂人と思い、自分に無償の愛を示すデロリンマンを利用しては裏切りを繰り返す。デロリンマンに情がわき出した矢先に交通事故に遭い、ファシズムに傾倒する自称独裁者ノーリターンという人格が生まれてしまう。
オロカメン
顔を鉄仮面で覆いマントを着用した、ヒーロー風の出で立ちをした謎の人物で、高所からデロリンマンを見下ろしていることが多い。「力こそ正義」を標榜し、無力なまま愛で人々を救済しようとするデロリンマンを「おろかものめ」と罵る。デロリンマンにのみ見える幻とも、実際に存在する人物とも思える描写がそれぞれあり、その正体は不明。 鉄仮面の目の下に涙のような線が出ることもあるが、実際に涙を流しているのか、単なる模様かは不明。
紅 トカゲ
自らを偉大な天才と信じ、弱者を痛めつけることに快楽を見出す青年。高級車で通りすがりに子どもを轢き、そのまま子どもたちを痛めつけた。そこをデロリンマンに止められ、以後デロリンマンをいたぶることを楽しみとする。
紅 孔雀
デロリンマンを愛する美しい女性ゆり子として登場し、紅トカゲからデロリンマンを救う。しかしその正体は、自分を求めて苦しむ男を見て幸福を感じる、歪んだ性癖の悪女である。紅トカゲとは旧知の仲らしく、協力し合いながらデロリンマンを苦しめることに尽力した。
紅男爵
顔の筋肉を自由に動かし、様々な人物に変装する男。立派な身なりをしているが、他人をいたぶり、人間の醜い本性を暴くことを生きがいとしている。平三四郎になりすまして平ママ子と平四郎に受け入れられるが、デロリンマンを追い出したのち二人を虐待し始める。デロリンマンに顔を変える能力を封じられ、敗れた。
青男爵
紅男爵の息子で、顔の筋肉を自由に動かし、様々な人物に変装する少年。平四郎になりすましてデロリンマンを欺くが、最後は父同様、顔を変える能力を封じられてデロリンマンに敗れた。
オコリンボ刑事
デロリンマンの身元を調査していた刑事。非常に短気で、常に激昂している。デロリンマンが平三四郎であることを平ママ子と平四郎に話し、デロリンマンを家庭に迎え入れるよう訴えた。
安次
平四郎の遊び仲間。安次の父が平ママ子と再婚したがっていることを知るも、抵抗を示す。
安次の父
平ママ子に再婚を迫っていた。ママ子とは相思相愛に見えたが、ママ子は安次の父が小さな会社の社長であることに魅力を感じており、安次の父は会社の経営難に際してママ子の貯金を目当てにしていた。四郎がデロリンマンに(演技で)懐くのを見て、再婚話を断念する。
サブ
平四郎の友達の少年。母の容姿が醜く、それを友達から馬鹿にされていた。サブを気遣って化粧した母を罵って家出するが、追ってきた母と和解して帰宅する。
風太
平四郎の友達。頭が悪い子どもとして振舞うことで四郎達の遊び仲間に加わり、酷い扱いを受けても笑っている。だが皆と別れた後、デロリンマンの前で無言の涙を流す。
夕子
公園で野良犬に襲われているところをデロリンマンに救われた少女。盲目のためデロリンマンを恐れず、仲良くなる。だが目の手術が成功し、初めてデロリンマンの顔を見たとき気絶してしまう。
関連
デロリンマン(元祖デロリンマン)