トキオ

トキオ

チーマーたちに最愛の兄を無残にも目の前で殺され、その復讐を誓った少年・トキオの姿をシリアスに描いたバイオレンスアクション漫画。復讐に燃えるトキオだけでなく、その周囲の仲間たちの過去の因縁も巻き込み、事態は思わぬ展開を見せていく。「週刊少年サンデー」1992年19号から1993年32号にかけて連載された作品。

正式名称
トキオ
ふりがな
ときお
作者
ジャンル
アクション
レーベル
少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊6巻
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概要・あらすじ

19XX年、東京都渋谷で殺人事件が起こる。シャーク隊に属する3人組のチーマーに絡まれていたアベックを助けようとしたトキオの兄が殴り殺されてしまったのだ。目の前で兄を失ったトキオは大きなショックを受ける。しかも助けたはずのアベックは証言することなく逃げ去り、さらに相手のチーマーたちが未成年だったため少年法が適用され、保護観察処分で釈放されてしまう。

それから5年後、兄の復讐を誓ったトキオは現在シャーク隊の幹部になっていると噂される、兄を殺したチーマー3人組を探し出すため、渋谷の地に降り立つ。

登場人物・キャラクター

トキオ

17歳の少年。父親とトキオの兄は故人であり、さらに亡くなった兄を追うようにトキオの母も亡くなっているため、家族はいない。小学6年生の時に兄と映画鑑賞のために訪れた渋谷で、シャーク隊に属する3人組のチーマーに、目の前で兄を殺害されてしまう。犯人のチーマーたちは警察に対して「相手が先に手を出した」などと自分に有利な証言をし、さらに未成年であったため少年法で守られ、保護観察処分で釈放されてしまう。 トキオは兄の復讐をすべく心身ともに鍛錬し、事件から5年後、唯一の家族である母親を看取った後に、渋谷へと降り立った。小学6年生の頃は幼さの残る少年だったが、17歳になったいまは、クールでつかみどころのない性格へと変貌している。 ただし、兄と同じく正義感は誰よりも強い。

トキオの兄 (ときおのあに)

トキオの実兄で故人。20歳の大学生であった5年前、トキオと映画鑑賞をするために訪れた渋谷で、シャーク隊に属する3人組のチーマーに絡まれていたアベックを助けようとした。しかし、最期はトキオをかばうかたちで、無残にもチーマーたちに撲殺されてしまう。弟想いの優しい性格で、正義感が非常に強い。空手の有段者で実力もかなりのものだったが、武器を持った複数のチーマーたちに反撃することなく亡くなる。

トキオの母 (ときおのはは)

トキオとトキオの兄の母親。夫とは死別している。トキオの兄をシャーク隊に殺され、しかも相手は無罪になってしまったショックで寝込み、事件から5年後に亡くなる。このトキオの母の死が、トキオが復讐のために渋谷へと向かうきっかけになった。

アモンラット・ミトラ (あもんらっとみとら)

フィリピン人の少年。姪のアモンラット・マリアの母親の行方を捜すため日本にやって来た。シャーク隊の最高幹部であるマルを探している最中に、トキオやミーコと知り合い、ともに行動するようになる。普段は真面目で、マリア想いの優しい性格をしている。フィリピン伝統の「シラット」という武術を極めており、喧嘩になると非情な顔を見せる。 主に渋谷界隈でマリアと2人で生活をしている。外国人なので、お金を使おうとしても「偽札ではないのか?」と疑われるなど、差別を受けている。

アモンラット・マリア (あもんらっとまりあ)

アモンラット・ミトラの姪の幼い少女。かわいいものが好きで、ミトラに買ってもらったクマのぬいぐるみを常に抱いている。ミトラのことを慕っており、彼が公園で武術の練習をしている時には付き添っている。行方不明になった母親が、シャーク隊のマルと接触していたことを知り、日本へやって来た。現在は渋谷でミトラと2人で暮らしている。

ミーコ

渋谷界隈に出没する少女。実年齢は不明だが、カズの見立てではトキオより1歳年上。黒髪のセミロングの髪型で、猫のような釣り眼が特徴。シャーク隊などのチームには属していないが、一般的には不良少女の部類に入る。前川正義との戦いで消耗しきったトキオを救い、彼と知り合う。情報通であり、シャーク隊の人物構成に詳しい。 トキオを介してアモンラット・ミトラやアモンラット・マリアとも知り合い、彼らの目的のために手を貸すこととなる。

カズ

シャーク隊に属していた青年。トキオにあっさりと倒され、所持していたポケベルを勝手に使用されてシャーク隊を混乱させたため、除籍されてしまう。以降、シャーク隊に見つかると何をされるか分からないため、気軽に渋谷を歩けない状態にある。トキオが前川正義との喧嘩で警察に捕まった時、自転車窃盗の罪で留置所に入っていたため再会する。 トキオに再会してからは、「危険だからシャーク隊を相手にしない方が良い」など、親身になってアドバイスを送る。実は実家は金持ちで、お坊ちゃん育ち。

前川 正義 (まえかわ ただよし)

シャーク隊の幹部であるチーマーの男性。黒い長髪の巨漢。トキオの兄を殺害した3人組のチーマーの1人。トキオと再会した時に「兄を見殺しにした弟か」「お前がしっかりしていれば兄は死ななかったのに」などと、トキオを挑発する言葉を吐いた。かなりのサディストであり、ゲームになぞらえた仕掛けを造り、シャーク隊に盾突くトキオを殺そうとする。

牧野 (まきの)

シャーク隊の幹部であるチーマーの男性。トキオの兄を殺害した3人組のチーマーの1人。大型バイクに乗っており、トキオと再会した際には、バイクに乗ったまま喧嘩を繰り広げた。前川正義同様、「お前のせいで兄は死んだんだ」などと挑発し、トキオを激怒させる。

横内 (よこうち)

シャーク隊の幹部であるチーマーの男性。トキオの兄を殺害した3人組のチーマーの1人。小柄なため腕力はないが頭脳派で、シャーク隊の指令係のような役割を担っている。同じ幹部であるものの、喧嘩しか能のない牧野を見下している。ゆくゆくはシャーク隊のNo.2の座を狙っており、トップのマルに媚びている。

滝沢 (たきざわ)

シャーク隊に所属するチーマーの青年。黒い長髪でサングラスをかけている。幹部ではないものの、数人のチーマーたちをまとめるリーダー役を担っている。喧嘩は弱くないが、すぐにナイフを取り出す危険人物。シャーク隊に喧嘩を挑んでくるトキオの度胸に惚れ、トキオをシャーク隊に勧誘するが断られる。その際、トキオから血とツバを顔面に吐かれて逆上し、自分たちの部下を動員してトキオを追い詰めようとする。

ジャンク木村 (じゃんくきむら)

シャーク隊に所属するチーマーの青年。元ウェルター級3位のプロボクシング選手でもあり、トキオと殴り合いの喧嘩を繰り広げる。敵はもちろん、仲間に対しても容赦しない非情な性格である。

マル

シャーク隊の最高幹部の男性。謎が多く人前にも出ないため、シャーク隊の下っ端のチーマーたちは、噂でしかその存在を知らない。親が政治力のある人物であるため、警察も自由に動かせる。トキオがシャーク隊に盾突いてくるのを興味深く感じている。

集団・組織

シャーク隊 (しゃーくたい)

渋谷で週末を中心に暴れまわっている凶悪な不良チーム。トキオの兄を殺したチーマーが幹部として所属している。5年前、トキオの兄と揉めた当時は、ゲームセンターで暴れたりアベックに絡む程度だった。トキオが再び渋谷に舞い戻った頃には、ナイフで人を脅すなど凶悪さが増している。その理由は、トキオの兄が殺害された事件で、加害者である前川正義、牧野、滝沢らが無罪放免になったことでハクがつき、周囲から以前にも増して恐れられるようになったからである。 悪事を働いている集団として渋谷界隈では有名ではあるものの、金持ちや親が権力者といった厄介なメンバーがいるため、警察にも黙認されている。

クレジット

取材協力

中村 いくし

書誌情報

トキオ 6巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉

第1巻

(1992-10-17発行、 978-4091231314)

第2巻

(1993-01-18発行、 978-4091231321)

第3巻

(1993-03-18発行、 978-4091231338)

第4巻

(1993-05-18発行、 978-4091231345)

第5巻

(1993-09-18発行、 978-4091231352)

第6巻

(1993-10-18発行、 978-4091231369)

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