アイスホッケー初心者は、フィギュアスケート界の天才
白川朗は、全日本ジュニア選手権大会で優勝するが、なぜか突然会場で暴れ出し、フィギュアスケート界から永久追放されてしまう。「凶犬王子」と呼ばれるようになった朗は、双子の妹・春名と共に祖父の住む苫小牧に身を寄せる。苫小牧はアイスホッケーが盛んな街で、至る所に大自然が作り出した天然の池リンクがあった。当初、ナルシスト気質で美しさにこだわりを持つ朗は、アイスホッケーを美しさの欠けた野蛮なスポーツだと考えていた。その後、宮森中学校の弱小アイスホッケー部の助っ人として試合に出場したことで、強く速く美しいアイスホッケーの魅力に気づき、高校入学後はアイスホッケー部に入部してインターハイ優勝を目指す。
まずはアイスホッケーを知れ
朗はこれまで母親の期待を一身に背負って、好きでもないフィギュアスケートを続けていた。しかし、母親の事故死をきっかけに自らの心と向き合い、フィギュアスケートと決別する。その後、辿り着いた苫小牧はアイスホッケーが盛んな地域で、この地で氷上の格闘技と呼ばれるアイスホッケーと出合う。そして、進学した狼之神高校でアイスホッケー部に入部し、インターハイ出場を目指していた。だが、フィギュアスケート界では名の知れた朗でも、幼少期からアイスホッケーに慣れ親しんできたほかの部員たちとのレベルの差は歴然だった。そこで朗はアイスホッケーの基本ルールから学び、ラフプレーにも耐えられる体力作りを始めることになる。
かつての最強アイスホッケー部を目指す
朗が進学した狼之神高校のアイスホッケー部は、インターハイで19連覇という偉業を成し遂げた強豪チームで、北陵中学アイスホッケー部のキャプテンだった源間慶一も所属している。しかし朗たちが入学する前年、青森の鮫王高校に敗北して20連覇を逃してしまう。大正時代からアイスホッケーを応援し続けてきた苫小牧市民の期待を背に受け、朗と慶一は反目し合いながらもインターハイ王者奪還を目指す。
登場人物・キャラクター
白川 朗 (しらかわ ろう)
狼之神高校1年生の男子。中学時代は日本フィギュアスケート界の期待の星として注目され、航空会社がスポンサー契約を検討していたほどの有望選手だった。しかし、母親の事故死直後に開催された全日本ジュニア選手権大会で、歴代最高点を叩き出して優勝を決めた瞬間、椅子をリンクに投げ入れる暴挙に出て、フィギュア界から無期限出場禁止処分を受けた。その後、双子の妹・白川春名と共に祖父のいる苫小牧に引っ越した。この事件からは、「凶犬王子」という異名で呼ばれている。当初はフィギュアスケートに未練がある様子で、アイスホッケーに野蛮なイメージを持っており、源間慶一との出会いでそのイメージを強固なものにした。だが、中学卒業まで通っていた宮森中学のアイスホッケー部から助っ人を頼まれたのをきっかけに、アイスホッケーの魅力に取りつかれる。妹の春名もフィギュアスケートの選手だったが、二人分の衣装や振付を一人で担当していた母親の疲労を考えた朗の進言により、母親がハルナの監督を降りた。その結果、ハルナからフィギュアスケートを奪ってしまったことに負い目を感じている節がある。
源間 慶一 (げんま けいいち)
狼之神高校1年生の男子。アイスホッケー部のゴーリーを務める源間浩一の弟で、近所の子どもたちからは「源間弟」と呼ばれている。アイスホッケーを心から愛している熱血漢。短気な性格で喧嘩っ早く、小学校6年生の時に高校生を殴り倒し、その血で練習場の池のリンクにゴールラインを引いたという伝説を持つ。白川朗と初めて出会ったのもこの池のリンクで、リンクのゴール付近で朗がスケートをしていたことに激怒し、ケンカとなった。その後、宮森中学校アイスホッケー部の助っ人として試合に出場した朗と再会し、高校入学後は共に狼之神高校アイスホッケー部に入部する。当初は朗を初心者扱いし、アイスホッケーに対する覚悟もなく遊び程度にやっていると決めつけていたが、朗がほかの部員たちをサポートする姿を目にし、考えを改める。
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スピナマラダ! (すぴなまらだ)
野田サトルの初連載作。高い才能を持ちながらも、母の死と共にフィギュアスケートからの撤退を余儀なくされた白川朗が、引越し先の苫小牧でアイスホッケーに出会い、名門勇払高校アイスホッケー部でインターハイを目... 関連ページ:スピナマラダ!
書誌情報
ドッグスレッド 3巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉
第1巻
(2024-01-18発行、 978-4088930862)
第2巻
(2024-02-19発行、 978-4088930879)
第3巻
(2024-07-18発行、 978-4088933092)