ドラゴンクエスト天空物語

ドラゴンクエスト天空物語

スーパーファミコン、プレイステーション2用ゲームソフト「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」のスピンオフ作品。原作TVゲームの主人公であるグランバニア王の子供・テンとソラたちによる両親を探す旅が描かれている。「月刊ギャグ王」「ステンシル」「Gファンタジー」で1998年から2004年にかけて連載された作品。

正式名称
ドラゴンクエスト天空物語
ふりがな
どらごんくえすとてんくうものがたり
作者
ジャンル
アドベンチャー
関連商品
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世界観

TVゲーム「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」の世界が舞台。原作TVゲーム本編でいうところの、デモンズタワー攻略から双子加入までの空白期間が描かれている。グランバニア王国ラインハット王国サラボナの街など、原作に登場した地域はもちろん、サウスディケの街や港街シューベリーなど、本作『ドラゴンクエスト 天空物語』オリジナルの地域、施設なども多数存在する。

あらすじ

遥か昔、かつて地上に邪悪な力がはびこった時、天空から光輝く武具をまとった勇者が現れ、世界に光をもたらした。人々は永い平和な時を謳歌していたが、時は経ち、世界はまた暗雲に包まれつつあった。のちにグランバニア王となる青年はこの危機を救い、魔界に連れ去られた母親を救出するため、先王パパスの遺言に従って天空の勇者を探し求めていた。旅の途中、幼なじみであるビアンカと結ばれ、テンソラの双子を授かるグランバニア王。しかしそのすぐあと、ビアンカは魔物たちによって連れ去られてしまい、それを救出するために旅立ったグランバニア王も行方知れずとなってしまう。それから6年、テンとソラはふとしたことから行方不明の両親の手掛かりを知り、仲間モンスターたちと共に捜索の旅に出ることを決意する。その矢先、テンはたまたま迷い込んだ宝物庫で、勇者しか扱えないと言われる天空の剣を抜くことができた。テンこそ、グランバニア王たちが探し求めていた天空の勇者だったのだ。

作風

掲載誌によって、作風は大きく変わっている。序盤は「月刊ギャグ王」に連載されていたため、ほのぼの、かつドタバタしたものとなっていたが、「ステンシル」、および「Gファンタジー」に移ってからは、ほのぼのとした雰囲気こそ変わらないが、原作を彷彿とさせる悲痛な点が見受けられるようになっていく。また、当時のドラゴンクエストとしては珍しく、モンスター以上に悪しき人間との対決が描かれているのも、大きなポイント。なお、ソラメラなど、本編では使用不可能な呪文や特技を使用している箇所も多くみられるが、ゲーム本編の雰囲気から逸脱する要素は存在しない。

登場人物・キャラクター

テン

グランバニア王国の王子。王子らしからぬ、いたずら盛りの6歳の男の子。妹のソラや仲間のモンスターたちと毎日を楽しく過ごしている。グランバニア城の宝物庫に安置されていた伝説の武器天空の剣を容易く引き抜いたことで、天空の勇者であることが発覚。両親を探す旅では天空の剣を携帯していないため、その強さは飽くまで人間の域を脱していない。 しかし、伝説の呪文であるライデインを無意識で発動するなど、6歳としてはおろか、人間としても規格外といえる力と魔力を見せることがある。

ソラ

グランバニア王国の王女。テンの双子の妹。心優しい女の子で、テンの悪戯を咎めることはあるが、基本的に兄妹仲はとても良い。テンが天空の剣を使いこなせることが発覚してからは、自分がそれを使えないということに対してコンプレックスを抱くこともあった。しかし、6歳という幼さにも関わらず、失われていた呪文とされるルーラを自力で習得したりと、類稀なる魔法の資質を秘めている。 テンと共に両親を探す旅に出ており、旅先で出会ったさまざまな人を、持ち前の優しさで救っている。

サンチョ

グランバニア王の召使を務めていた中年男性。先代のパパスから仕えている忠臣で、現在はテンとソラの父親代わり。召使という職業上、炊事洗濯などが半ば趣味になっており、気が向けば城の中をモップ掛けしたりしている。年のためか体力が落ちてきてしまっているが、腕力に関しては屈強な兵士すら凌駕しており、並のモンスター程度なら軽くあしらうことができる。 さらに、スクルトやラリホーなどの補助系呪文も得意としている。親のいない子供の寂しさをよく理解しており、テンとソラが両親を探す旅に出ることを希望した際も、真っ先に同行の意思を示している。

オジロン

グランバニア王の叔父。パパスの弟。テンとソラにとっては大叔父にあたる。行方不明となってしまったグランバニア王の代理として政務を執っているが、自分は王の器ではないと常々考えており、グランバニア王の一刻も早い帰還を願っている。一方、テンとソラがグランバニア王を探しに行くことについては、まだ6歳であるという理由で反対している。

ドリス

オジロンの娘。テンとソラの親戚筋にあたる女性。グランバニア城で暮らしているが、お姫様扱いされることを嫌っており、毎日筋力トレーニングをしている。武闘家としての修業も積んでおり、のちにテンとソラの旅に同行している。カデシュとはウマが合わないが、一方で異性として意識している節もある。

グランバニア王 (ぐらんばにあおう)

テンとソラの父親。モンスターと心を通じ合わせて仲間にできる、という不思議な能力を持つ。ゲレゲレをはじめとしたテンの仲間モンスターたちは皆、グランバニア王が旅の最中に仲間にしたモンスターたちである。謎の敵にさらわれたビアンカを追って、デモンズタワーに乗り込んだところで、行方不明となってしまう。

ビアンカ

テンとソラの母親。グランバニア王国の王妃。夫であるグランバニア王とは幼なじみで、サンチョやパパスとも幼い頃から交流がある。グランバニア王が即位する際にテンとソラを身籠っていた。無事出産するが、即位式が終わった夜に、突如魔物たちによって拉致されてしまう。当時、グランバニア地方の北方にあるデモンズタワーに連れ去られた、という情報が寄せられていたが、現在の消息は不明。

ゲレゲレ

テンとソラの旅に同行する仲間モンスター。キラーパンサーと呼ばれる豹のモンスター。本来、人間には決して懐かないというが、幼い頃からの恩人であるグランバニア王とビアンカに絶大なる信頼を置いている。そのため、その子供であるテン、ソラに対しても、命を賭して守り通す決意を固めている。得意の敏捷性を活かした格闘戦を得意とする。

ミニモン

テンとソラの旅に同行する仲間モンスター。ミニデーモンと呼ばれる種族の個体で、「花の妖精」を自称する。高飛車な面があり、お嬢様であることを強調して仲間に迷惑をかけることもあるが、基本的には明るいムードメーカー的存在。カデシュに一目惚れをしており、事あるごとに構ってもらいたがるが、魔物嫌いの彼からはまったく相手にされない。 また、エンプルのことは、自分とキャラが被るという理由で毛嫌いしている。

スラリン

テンとソラの旅に同行する仲間モンスター。スライムと呼ばれる種族に属している。スライムは、初期状態における能力は世界最弱だが、高い成長性を秘めており、スラリン自身は、持ち前の勇気でテンの危機を救っている。

ホイミン

テンとソラの旅に同行する仲間モンスター。ホイミスライムと呼ばれる種族に属している。ホイミをはじめとした多種多様の回復魔法を自在に使いこなす、回復のスペシャリスト。無口であるうえに異様な目つきをしており、一見怖そうだが実際は気さくな性格。それを理解しているテンや仲間たちからは、大いに頼られている。

パパス

グランバニア王国の先代の王。筋骨隆々な身体に、威厳を醸すヒゲを蓄えている偉丈夫。類稀なる剣技と回復呪文の資質を併せ持ち、戦士としても非常に優れた能力を誇る。大魔王にさらわれたという妻のマーサを探し求めて、サンチョやのちのグランバニア王である息子と旅に出ていたが、道中で大魔王の手先によって殺害されてしまう。 その際に、息子に対して母親の救出と伝説の勇者の捜索を託した。

ピピン

グランバニア王国の兵士の男性。幼い頃から兵士に憧れており、修行のために木を削って剣を作ろうとしたところ、誤って怪我をしてしまう。その時通りがかったグランバニア王からホイミで怪我を治してもらい、激励を受けることでさらに奮起。修行の末、念願の兵士になることができた。そのような境遇もあって、グランバニア王には並みならぬ忠誠心を抱いており、行方不明の現状を嘆くこともあった。

プクンパ

デモンズタワーに向かう道中でテンたちと遭遇したモンスター。見た目は可愛いが、プクンパ自身はそれに対してコンプレックスを抱いている。口から高圧の水流を放つことができ、不意打ちとはいえ、ゲレゲレを一撃でノックアウトしている。また、身体の中に大量の空気を蓄えており、その弾力に阻まれて、並の攻撃では通じないという特性を持っている。

アームライオン

デモンズタワー内でテンたちの前に現れたモンスター。8つの手足を持つ凶悪な魔物。テンやソラ、サンチョ、仲間モンスターをまとめて追い詰めるほどの圧倒的な力を持つ。攻撃は打撃一辺倒だが、威力は非常に高く、スクルトを受けたテンですら、大きなダメージを受けるほどである。

カデシュ

魔法使いの青年。グランバニア城を単身で襲撃し、天空の剣を奪おうと目論む。魔物に対して異常なまでの敵対心を抱いており、天空の剣強奪を阻止しようとしたスラリンに怪我を負わせ、テンの怒りを買う。魔物を倒すため、天空の勇者を追い求めていた。テンがそれだと気づくと、訝しがりつつも、その力を見極めるために、テンたちの旅に同行することとなる。 魔法使いとしての腕はソラをしのぐが、重い病に侵されており、長時間戦えないという欠点を抱えている。

ラヴェリカ

盗賊団紫の蜂の首領。コケティッシュな雰囲気を醸す褐色肌の女性で、可愛い男の子に目がない。サウスディケの街を訪れたテンを自分の王子様と認定し、執拗に捕縛しようと追いすがる。マホトーンなどの補助系呪文を得意としているが、それ以上に剣の腕が卓越しており、テンが手も足も出ないほどの実力を見せつける。盗賊らしい欲深かつシビアな面もあり、サウスディケの街の住人から恐れられている。

ヤグナー

賞金稼ぎの青年。インテリ然とした風貌だが、目的のためなら手段を選ばない冷酷な男性。厭世的な面も見られ、囚われの身となったソラに対しては早々に諦めるよう忠告している。シャクバとは傭兵時代からの知り合いで、互いの目的のために再度手を組むものの、彼の凶悪な面には手を焼いている。カデシュとは昔から因縁があり、彼に対して並みならぬ執着と憎悪を募らせている。

ヘンリー

ラインハット王国の元王子にあたる青年。現王であるデールとは血の繋がらない兄弟だが、仲はいい。グランバニア王とは長い間共に冒険をした仲で、固い信頼で結ばれており、勇者が見つかるまで天空の盾をラインハットで預かってほしいと頼まれている。子供の頃はたいそうなイタズラっ子で、現在も時折茶目っ気を見せることがある。

マリア

ヘンリーの妻。かつて光の教団という宗教団体に所属していたシスターだった。グランバニア王やヘンリーと共に行動をしたことをきっかけに、妃へと迎えられている。夫であるヘンリーはもちろん、もう1人の恩人であるグランバニア王にも絶大な信頼を置いており、彼の行方が知れないことには、ヘンリー同様心を痛めている。

コリンズ

ヘンリーとマリアの息子。テンやソラとは同年代の男の子だが、テンに輪をかけたかのような悪戯好きで、特に蛙を使った悪戯を好む。この性格は父親譲りで、コリンズ自身、ヘンリーと遊ぶことを楽しんでいる。そのため、ヘンリーが公務で不在になった時などは途端に不機嫌になり、悪戯でストレスを発散している。

デール

現在のラインハット王。先王の後妻の息子。ヘンリーや先王とも血は繋がっていない。かつてラインハット王国で巻き起こった大事件の末に一時は退位しようとしたが、ヘンリーの頼みによって国王を続けている。立場上、天空の盾を監視する任を追っている。最近になって不思議な発光現象が二度にわたって発生したことを確認し、ヘンリーと共に原因の究明にあたっている。

オーゼルグ

スカルアロウ海賊団の団長。豪快な性格だが情け深い。その人柄から多くの団員に慕われているが、シャクバやエンプルのような自己中心的な性格の持ち主からは、快く思われていない。「K・O・O」という宝を探し求めており、貧乏ながらも高い志を持って、世界を股にかけた航海を続けている。ある事件をきっかけとして、テンとソラの旅に同行することとなる。 知恵は回らないが戦闘能力はすさまじく、格闘技の心得があるドリスすら軽くあしらうほど。

シャクバ

スカルアロウ海賊団のメンバー。団長のオーゼリアとは対照的なまでに義理人情と縁がない。短気で非情、さらには狡猾と、美点をひとかけらも持ち合わせていない卑劣漢。海賊団の中では切れ者であるという評価もあるが、それは実利より義を重んじる団の中にあって、得をすることだけを考えているからにすぎない。実際、エンプルからは考えなしであることを見抜かれており、捨て駒として利用されている。 のちに海賊団のメンバーたちにオーゼルグへの不信を巧みに植え付け、海賊団を乗っ取ることに成功。さらには旧知のヤグナーと組み、「K・O・O」ことストロスの杖を奪い取ろうと画策する。しかし、ヤグナーとの相性は最悪で、事あるごとにいがみ合っている。

エンプル

「エンプーサ」という種族のモンスター。スカルアロウ海賊団のメンバーとして同行している。性別はメス。オーゼルグを「オーちゃん」、シャクバを「シャッくん」、ヤグナーを「ヤッくん」と呼称するなど、とぼけた性格。テンやその仲間モンスターにも友好的な面を見せたが、その裏に欲深く非情な本性を隠し持つ。 密かにシャクバやヤグナーと手を組み、「K・O・O」ことストロスの杖を奪い取るため知恵を働かせている。極めて頭がいい上に戦闘能力も確かなもので、さそうおどりやマホトーンなど、敵の攻撃を封じる手段に長けている。また、声を真似るという特技を持っており、これを使って、テンとソラの仲を引き裂こうとしたこともあった。

フローラ

ルドマンの娘。かつてサラボナの街を訪れた青年に想いを寄せていた。その青年こそ、のちのグランバニア王となる人物であった。しかし、彼とビアンカの想いを知ったことで結果的に身を引き、幼なじみであるアンディと結婚している。少女時代は修道院に預けられ、礼儀作法の勉強やシスターとしての修業を積んでいた。 そのため、べホイミのような回復系呪文を使いこなすことができる。サラボナの街を訪れたテンとソラに、かつて愛した青年の面影を見出す。

アンディ

サラボナの街に住む青年。幼なじみであるフローラに長い間想いを寄せ続けていた。見事想いが実り、現在は夫婦となっている。しかしそのことを除けば、非情に運のない青年で、テンとソラがサラボナを訪れた時も、怪我をした挙句モンスターに襲われるなどの災難に見舞われてしまっている。しかしフローラを守ろうとする意志は本物で、それを知るフローラからも常に頼られている。

ルドマン

サラボナの街で一番の富豪。気さくでのんびりとした性格をしており、街の住民から慕われている。かつて天空の盾を家宝としていたが、ある条件を満たすことで、フローラと結婚する権利と天空の盾を譲り渡す、と公言。これをきっかけとして、グランバニア王となる青年は、フローラとの出会い、およびビアンカとの結婚、といった人生における大きな岐路を、サラボナの地で経験することとなる。 娘と結ばれなかったとはいえ、ルドマンはグランバニア王をとても気に入っており、快く天空の盾を譲り渡している。

集団・組織

紫の蜂 (むらさきのはち)

サウスディケの街に根城を置く盗賊団。そこそこ規模は大きく、いくつかの国に支部を設置している。かつてデモンズタワーで石像を見つけ、それを売り払ったという団員いた。同じくデモンズタワーを訪れたテンやソラたちと偶然居合わせ、不審に感じて密かに始末しようとするが失敗。その後、頭目であるラヴェリカがテンを気に入り、捕縛するために乗り出す。

スカルアロウ海賊団 (すかるあろうかいぞくだん)

「K・O・O」と呼ばれる宝を求めて活動している海賊団。お世辞にも規模が大きいとは言えない。しかし、団長のオーゼルグのもと団結は強く、様々な実績を挙げてきた。ところが最近になって、「K・O・O」を求めて入団したシャクバ、およびエンプルが密かに悪さをしており、これがのちにテンやソラたちとの敵対を招いてしまう。 さらに、エンプルにそそのかされたシャクバによって、団を乗っ取られるという最悪の事態を招いてしまった。

場所

グランバニア王国 (ぐらんばにあおうこく)

世界の南東に位置する国家。首都は城塞都市となっており、城の1階と住民の民家が一体化している、という特殊な構造をしている。かつてパパスが王として統治していた。大魔王によって妻のマーサがさらわれると、パパスは彼女と世界を救うため旅立つこととなり、統治権は弟のオジロンに譲られていた。しかし、オジロンの頼みによって、パパスの息子が王位を継いで新たなグランバニア王となった。 彼の統治が期待されていたが、その矢先にグランバニア王と王妃ビアンカが相次いで行方不明になっており、長らく政情不安が続いている。

デモンズタワー

グランバニア王国の北に位置する謎の塔。かつてグランバニア王が訪れた場所と言われているため、捜索のためにテンとソラ、そして仲間たちが向かう。ところが、めぼしいものは何もなく、紫の蜂と遭遇し、彼らの罠で危機に陥る。しかしテンたちは、その甲斐あって重要な情報を入手することに成功する。

サウスディケの街 (さうすでぃけのまち)

荒くれ者たちの街。罪を犯し逃亡した人間たちが集うといわれる。そのような経緯でできたためか、住民はそろって猜疑心が強く欲深いため、真っ当な人間は近づきたがらない。両親がいるらしいという情報により、テンとソラが訪れるが、案の定大きなトラブルに巻き込まれることとなる。

ラインハット王国 (らいんはっとおうこく)

世界の北東に位置する大国。一時期は暴君によって恐怖で統治された国家と恐れられていた。のちにグランバニア王となる青年とその友人であるヘンリーによって救われる。現在はヘンリーの弟であるデールが国王として即位しており、ヘンリーとマリアの息子であるコリンズが次期国王となることが決まっている。グランバニア王の頼みによって、現在は天空の盾が預けられている。

港町シューベリー (みなとまちしゅーべりー)

グランバニア王国の西に位置する港町。サウスディケの街ほどではないが治安は悪く、貧民の子供たちや海賊が幅を利かせている。テンとソラはこの街で船を調達し、サラボナの街に向かおうとしていた。ところが、カデシュ捕縛に執念を燃やすヤグナーと、彼にそそのかされたシャクバの手によって、トラブルに巻き込まれてしまう。

サラボナの街 (さらぼなのまち)

大富豪ルドマンによって統治されている街。かつて天空の盾を家宝として祭ってあり、グランバニア王とビアンカが結婚式を挙げた場所でもある。テンとソラ、そして仲間たちが、両親やストロスの杖の情報を求めて訪れることとなる。

その他キーワード

天空の勇者 (てんくうのゆうしゃ)

遥か昔の世界で、天から降り立ち、邪悪なる者たちを打ち滅ぼしたという伝説の存在。天空の剣、天空の盾を始めとした武具に身を包み、伝説の魔法ライデインを使いこなすと言われている。現代でも、その生まれ変わりが存在するとされており、パパスと、のちにグランバニア王となるパパスの息子が、長らく探し求めていた。 その正体はなんと、グランバニア王の息子であるテンであった。

呪文 (じゅもん)

「ドラゴンクエスト」の世界における魔法を指す名称。使用者が体内のMP(マジックパワー)を消費させることで、さまざまな現象を引き起こす。炎や吹雪を起こすなど、さまざまな自然現象で敵対者を攻撃する「攻撃系呪文」、傷ついた身体を治療する「回復系呪文」、自分や味方の能力を増強したり敵を弱体化させる「補助系呪文」、目的地への移動を容易にする「移動系呪文」などに大別される。 呪文の資質は人によって個体差があり、中でもソラは6歳という幼さでありながら、さまざまな呪文を使いこなすことができる。

仲間モンスター (なかまもんすたー)

グランバニア王と共に戦うモンスターのこと。世界に蔓延るモンスターたちは、住処や食料を巡って対立したり、邪悪な力に影響されることで積極的に害をなしたりと、基本的には人間と敵対する存在である。しかし、グランバニア王は、母親より受け継がれた不思議な力によって、モンスターと分かり合うことができる。この力によってグランバニア王と共に戦うモンスターたちを仲間モンスターと呼ぶ。 グランバニア王が行方不明になる際に、別行動を取っていた仲間たちはグランバニア王国に滞在しており、テンやソラの遊び相手になっていた。しかし、主となるグランバニア王を探すという2人のために、多くの仲間モンスターが旅に同行することとなる。

天空の剣 (てんくうのつるぎ)

遥か昔から受け継がれてきた伝説の剣。これを使いこなせるのは天空の勇者のみとされている。グランバニア王国の先代王であるパパスによって発見され、グランバニア王が旅の最中に受け継ぐも、彼は装備することができなかったため、長らくグランバニア城に安置されていた。非常に重く、大の大人であっても一人で持ち上げることは難しいとされている。 テンは初めてこれを発見した時に難なく持ち上げ、振り回すことができている。また、テンとソラが旅立つ時も、この剣は安全のために置いて行くことになったが、テンの危機に反応して不可思議な現象を引き起こすことがたびたびあった。なお、真の主が所持すると、刃先の形状が変化する、敵にかけられた補助呪文を完全に無効化する、別の場所から瞬間的に持ち主の前に姿を現すなど、およそ武器としては規格外の機能が多数使用できる。

ストロスの杖 (すとろすのつえ)

スカルアロウ海賊団が探し求めている究極の秘宝。生きとし生けるものすべての魂を司る精霊が、所有していたと言われている杖。先端に「ストロス」と呼ばれる、直径20センチの宝玉が飾られている。また、魂の流れを正常化するという特殊な効果を有しており、オーゼルグとテンたちは、この杖の入手を目的に手を組むこととなる。

天空の盾 (てんくうのたて)

サラボナの街に家宝として伝わっていた伝説の盾。天空の剣同様、天空の勇者にのみ使用できるという。ルドマンよりグランバニア王となる青年に譲られた。しかし、勇者が見つかるまでは、全ての武具が同じ場所にあるのは危険だ、と考えたグランバニア王により、盟友であるヘンリーの所在地であるラインハット王国に、一時的に預けられている。

合体ジャンプ (がったいじゃんぷ)

テンがいたずらをした際によく用いられるとされるジャンプ。スラリンの上に勢いをつけて飛び乗ることによって、その弾力を活かして通常の1.2倍もの跳躍力を発揮することができる。テンはプクンパとの戦いで、このジャンプを利用した攻撃を仕掛けるが、敵の予想外の防御力に阻まれ、大きなダメージを与えるには至らなかった。

ライデイン

攻撃系呪文の一種。勇者のみが使える伝説の呪文。いかに高名な魔法使いや賢者であっても、この呪文を修得することは不可能とされる。それだけに威力は他を圧倒する。テンは魔法の心得がほぼなく、剣での戦闘に長けていたが、絶体絶命の危機に陥った際に天空の剣が反応し、その影響で半ば無意識にこの呪文を唱えている。

メラ

攻撃系呪文の一種。あらゆる攻撃呪文の基本とされている。手の先に小さな炎の弾を作り出し、敵に向かって放つ。基礎というだけのことはあり、威力は心もとないとされるが、卓越した使い手が唱えた場合、並のモンスターなら一撃で仕留められるほどの力を持つ。ソラが得意とし、幾多の危機をこの呪文で切り抜けている。

ギラ

攻撃系呪文の一種。指先から閃光を放射し、範囲内にいる敵にダメージを与える。メラと比較すると、格段に威力があがっている。また、メラ同様、使い手によって威力が大幅に増減する。ソラが新たに覚えた呪文で、その威力はヤグナーにすら大きな痛手を与えるほど。

ルーラ

移動系呪文の一種。一度行ったことのある場所に高速で移動する呪文。瞬間移動とは原理が異なり、飽くまで物理的な移動であるため、屋内など、障害がある地点への移動はできない。特に、屋内でこの呪文を唱えてしまうと、天井に頭をぶつけるという被害を被ってしまう。元は失われた呪文とされており、ある地方におけるグランバニア王の活躍によって現世に蘇った呪文。 血筋における継承なのか、ソラも使いこなすことができる。

ホイミ

回復系呪文の一種。傷をふさぎ、低下した体力を回復させることができる。メラが攻撃系呪文の基本なら、ホイミは回復呪文の基本と言えるもの。傷をいやすという特徴は、戦いにおいて大きなアドバンテージとなるため、この呪文を唱えられる敵は総じて厄介と言われる。テンの仲間モンスターであるホイミンが得意とするほか、パパスやグランバニア王も時折使用していた。

スクルト

補助系呪文の一種。自分自身と周りの味方の、肉体や防具を硬質化させ、受ける衝撃を和らげることができる。複数回唱えることにより、効果を増幅させることができる。デモンズタワーにおける戦闘で、サンチョが使用したが、アームライオンの規格外の腕力に対しては、焼け石に水でしかなかった。

メラミ

攻撃系呪文の一種。メラの上級版と言える呪文。その威力は実にメラの5倍以上と言われている。カデシュが得意とする呪文で、敵に向けて使用するばかりでなく、地面に向けて放つことで、反動を利用して高く飛び上がるといった応用も見られた。

マヌーサ

補助系呪文の一種。敵を幻覚で包むという効果を持つ。幻覚に包まれた敵は、ターゲットとする目標を見失ってしまい、結果として、攻撃の命中率が大幅に下がってしまう。悪戯をした結果モンスターに襲われたコリンズを守るべく、ヘンリーが咄嗟にこの呪文を唱えたことにより、コリンズ、魔物共に被害を免れている。

マホトーン

補助系呪文の一種。敵の呪文を封じる効果を持つ。魔法使いや賢者などは呪文を使った戦いが基本となるため、この魔法は致命傷となりうる。実際、ソラはこの呪文を受けることによって戦う力を失い、囚われてしまったことがある。ラヴェリカやエンプルが得意としている呪文。

マホカンタ

補助系呪文の一種。光の壁を設置し、唱えた呪文をそのまま跳ね返す呪文。マホトーンは時間と共に解けてしまうが、こちらはかなり長い間効果が持続するという特徴を持つ。ソラが囚われた際に、呪文で脱獄されることを防ぐために設置された。

さそうおどり

エンプルが使用する特殊な踊り。この踊りを見てしまうと、どんな時であっても、理由もなく真似して踊りたくなる衝動に駆られてしまう。見るだけで効果を発揮するため、多くの敵に囲まれた時などに特に効果を発揮する。ただし、踊る側も当然ながら行動を制限される。

べホイミ

回復系呪文の一種。ホイミの2倍ほどの治癒速度と回復能力を併せ持つ。使用者によって使われる側の感覚も変わるらしく、テンとソラがフローラから受けた時は、母親の温もりを思わせる優しさと温かさを持ち、2人がフローラを慕うきっかけにもなった。

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