ドロヘドロ

ドロヘドロ

林田球の代表作で、『魔剣X ANoTHER』に続く長編連載作品。魔法使いが住む「魔法使いの世界」と、彼らの実験台となる人間たちが住む「ホール」という二つの世界を舞台に、魔法によって頭部をトカゲに変えられ記憶を失った主人公のカイマンが、相棒の二階堂(ニカイドウ)とともに自分に魔法をかけた犯人を探す物語。カイマンとニカイドウによる魔法使い狩りから始まり、やがて魔法使いの世界の実力者である煙ファミリーとの対立へと発展する。さらに物語が進むにつれ、カイマンの正体、ニカイドウの過去、そして二つの世界の関係性が明らかになっていく。本作は、グロテスクな暴力描写と退廃的な世界観を特徴としたダークファンタジーである。一方で、コメディ要素やほのぼのとした日常描写も描かれており、残虐な描写と緩い雰囲気の対比が本作の大きな特徴となっている。小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ増刊イッキ」2000年1号から13号まで連載。その後「月刊IKKI」(2003年~2014年)、「ヒバナ」(2015年~ 2017)を経て、「ゲッサン」2017年12月号から2018年10月号まで連載。アニメ化され、Season1が2020年1月から3月までTOKYO MXほかにて放送。Season2は2026年4月から各配信プラットフォームにて配信。

正式名称
ドロヘドロ
ふりがな
どろへどろ
作者
ジャンル
ダークファンタジー
レーベル
IKKI COMIX(小学館)
巻数
既刊23巻
関連商品
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作品の概要

基本情報

林田球の代表作で、『魔剣X ANoTHER』に続く長編連載作品。

要旨と舞台設定

魔法使いが住む「魔法使いの世界」と、彼らの実験台となる人間たちが住む「ホール」という二つの世界が舞台。主人公のカイマンは、魔法使いによって頭部をトカゲに変えられ記憶を失った男性で、相棒の二階堂(ニカイドウ)とともに自分に魔法をかけた犯人を探している。

ストーリー展開

物語はカイマンとニカイドウによる魔法使い狩りから始まり、やがて魔法使いの世界の実力者である煙ファミリーとの対立へと発展する。カイマンの口の中には謎の男が存在し、この男の正体と目的が物語の核心となる。物語が進むにつれて、カイマンの正体、ニカイドウの過去、そして二つの世界の関係性が明らかになっていく。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、グロテスクな暴力描写と退廃的な世界観を特徴としたダークファンタジーである。魔法という超自然的な力を軸としながら、現代的な要素も多く取り入れられており、コメディ要素やほのぼのとした日常描写も描かれる。

作品固有の表現技法と特徴

残虐な描写と緩い雰囲気の対比が本作の大きな特徴となっている。例えば肉体が破壊され血が飛び散る戦闘が描かれる一方、ニカイドウが大葉ギョーザを作りおいしそうに食べるなど、のどかな日常シーンも描かれている。また、登場人物の多くがマスクや特殊な外見を持つデザインとなっており、視覚的なインパクトを重視した表現手法が用いられている。

世界観の構築と設定

本作の主な舞台は、「魔法使いの世界」とドアでつながっている「ホール」と呼ばれる町。魔法使いたちは魔法の実験・練習のため、ドアを介してホールに現れては住人に魔法をかけ続けており、その結果ホールは退廃的なスラム街と化している。魔法使いは、黒い煙状の物質「ケムリ」を精製する器官と運搬する管を体内に持っており、ケムリを媒介に、様々な不可思議な現象「魔法」を行使する。また、悪魔という第三の存在も登場し、物語の重要な要素となっている。

連載状況

小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ増刊イッキ」2000年1号から13号まで連載。その後「月刊IKKI」(2003年~2014年)、「ヒバナ」(2015年~ 2017年)を経て、「ゲッサン」2017年12月号から2018年10月号まで連載。

メディアミックス情報

テレビアニメ・アニメ(配信)

Season1:2020年1月から3月までTOKYO MXほかにて放送。アニメーション制作はMAPPA。カイマンを高木渉、ニカイドウを近藤玲奈が演じる。

Season2:2026年4月から各配信プラットフォームにて配信。

あらすじ

トカゲの頭を持つ、記憶喪失の男カイマンと彼のパートナーである二階堂は、彼の頭をトカゲの姿に変えた魔法使いを探し出すために毎晩のようにホールと呼ばれる魔法使い達の実験場と化した町で、そこに現れた魔法使いを次々と襲う魔法使い狩りをしていた。カイマンらによって友人である松村を残忍に殺害された藤田は復讐を誓い、魔法使いの世界のドンであるに彼らの殺害を懇願する。

仲間を殺害された事に憤慨したは、煙ファミリーに属する能井の二人にホールの調査を依頼し、カイマンらを殺すよう命じる。カイマンの姿を変えた魔法使いは誰なのか、またカイマンの正体とは。物語は混沌に混沌を呼びながら怒濤の展開を繰り広げて行く。

登場人物・キャラクター

カイマン

魔法使いによってトカゲの頭に変えられ、ホールの路地で倒れている所を、ホールの住民である女性ニカイドウによって発見されその後行動を共にする。変身前の記憶は全くなく、自分が何物であるのか、また誰によってトカゲ頭に変えられたのかまるでわからない。記憶の断片を思い出そうとすると、謎の頭痛に襲われる事がある。 外出時はガスマスクをかぶる事が多く、体格は大柄で筋肉質。怪力の持ち主で格闘慣れしており、ナイフの使い手でもある。ニカイドウからも「ナイフを持ってこそ強い」と評される。見た目通り態度がでかく横柄な所もあるが、明るく屈託のない性格。ビールとギョーザが大好物でお化けが苦手。

ニカイドウ

ホールの路地で倒れていたカイマンを見つけ介抱した女性。パートナーとしてカイマンの魔法使い狩りを手伝っているが実は魔法使い。とある事件をきっかけに自らの魔法を封印し、人間を装いホールで暮らしている。彼女の魔法は時を操る魔法であり、大変貴重な魔法であるため、後に魔法使い界のドン煙から狙われる事になる。 カイマン同様、怪力の持ち主で格闘慣れしている。武器は持たず手刀や蹴りで相手を倒す。空腹虫(ハングリーバグ)という定食屋を営んでおり、彼女の手作り餃子はカイマンをはじめ、ホールの住民に好評だが、常に赤字。

カスカベ博士 (かすかべはかせ)

魔法使い研究に余念のない医者。魔法使いによって少年の姿に変えられてしまったが実年齢は60歳ほど。魔法使いの能力や世界に並々ならぬ興味を持っており、その研究はもはや彼の生き甲斐となっている。魔法使いであるハルを妻に持っているが現在は別居中。魔法使いの死体を使ってホールと魔法使いの世界をつなぐドアや、ゾンビを造り上げたりする。 煙ファミリーの一員である心に、かつて魔法が使える手術を施した事があり心は彼を恩人として慕っている。

(えん)

魔法使いの世界のボス。名実ともに大きな影響力を持つカリスマ的存在。赤い髪を逆立てており、マスクは歯茎をむき出したようなデザイン。吐くケムリによって全てのものをキノコに変えてしまう魔法を持つ。もちろんキノコが大好物で、屋敷内で栽培、収集している。人間から見ればただの冷酷非道な魔法使いではあるが、部下達の面倒見も良く、煙ファミリーメンバーだけでなく下っ端の話も直接聞いてやるなどするため、大変尊敬され慕われているが、唯一従姉妹である能井にはナメられ気味。 また、ペットであり煙ファミリーの一員であるキクラゲを赤ちゃん言葉で接するなど、大変かわいがっており、糞の始末や餌やりなどかいがいしく世話をしている。

(しん)

煙ファミリーメンバーの一人で煙にとって邪魔な相手を殺害する掃除屋。生きたまま何でもバラバラにする魔法を操る。武器は釘抜き付きのハンマーで、基本的には魔法を使わずに処理していく。強い者と戦う事を生き甲斐としており、カイマンを執拗に追う。普段はメガネをかけておりスーツ姿にスニーカーを着用。 魔法使いと人間のハーフで、人間の魔法使い狩りによって両親を殺害された事から、人間を憎むようになる。カスカベ博士の手術によりケムリを出せるようになり恩義を感じている。

能井 (のい)

煙ファミリーメンバーの一人で煙の従姉妹。心のパートナー。修復系の魔法を操る。マスクを外した外見はグラマーで美しい女性でありながら大柄な体格で心同様、好戦的。性格は裏表のないカラっとしており、一人称は「俺」。心を先輩と呼び慕っている。かつて悪魔になるための試験を受けており、一年間魔法を使う事を禁じられていたが、自分を守って瀕死状態になった心を救うために魔法を使ったため失格。 その後煙ファミリーに所属し、心と共に掃除屋として活躍。

恵比寿 (えびす)

魔法使い。ホールでカイマンに襲われた所を藤田に救助されたが、その際に顔の皮が剥がれてしまった。能井によって修復されたものの、それ以来記憶が曖昧になり、言動がおかしくなる。そのまま煙ファミリーメンバーと共に屋敷に住む事となった。トカゲに変える魔法を扱うため、カイマンの過去に何か関わっているものと思われる。 小柄で胸のない事を気にしており、藤田の事を小馬鹿にしつつも恋心に近いものを抱いているようである。

藤田 (ふじた)

魔法使い。ホールで友人の松村と共に実験対象を探していた際にカイマンたちの魔法使い狩りに遭う。復讐を誓い、煙ファミリーらと共に行動を共にする。弾丸状となるケムリを飛ばす魔法を持っているものの、威力が弱くあまり役に立たないため、常に下っ端でメンバーからもぞんざいに扱われているが、本人もそれを自覚しており、常に何かに役立とう等躍起になる。 恵比寿と行動を共にする事が多く、言動のおぼつかない彼女の保護者のような立ち位置。

キクラゲ

『ドロヘドロ』のに登場するキャラクター。体はヤギ、顔は犬、鳴き声は猫という謎の動物。死体を生き返らす事ができるケムリを出せるため、煙から寵愛を受けている。「んにゃんにゃ」鳴き、人なつこい。煙から刃が出る防犯装置を備えた首輪を付けられる。恵比寿からも大変かわいがられており、一緒にでかける事が多い。

鳥太 (ちょうた)

魔法使い。煙ファミリーメンバーの一人。常に半裸で過ごし、鳥のマスクをかぶっている。筋肉質で女性言葉を話し、煙の事を恋愛的な意味で慕っており、しつこく求愛したりパートナーを自称するため煙には煙たがれている。かけられた「魔法を解く」魔法を使う。

ターキー

魔法使い。煙ファミリーメンバーの一人。常にローストターキーの形状のマスクをかぶっており、素顔はいまだに不明。写真や記憶を元に、その本人と全く同じ姿形をした人形を作る事できる魔法を操る。出来上がった人形は、オリジナルのいる場所に向かうため行方不明者を探し出す際役に立つ。

(しょう)

魔法使い。煙ファミリーメンバーの一人。マスクはせずに包帯をぐるぐる巻きにした姿で顔を隠している。何でも透明にする魔法を操り、ホールや適地へ偵察する際など役に立つ。古いメンバーではあるが、魔法同様本人の存在も薄いためか、忘れ去られる事も多い。紳士的な丁寧な言葉遣いで温厚な性格。

栗鼠 (りす)

十字目のメンバーの一人。魔法使いの世界にいながらケムリを出す事ができないため、ザガン魔法訓練学校に通っていた。その際会川と友人となるが、彼の事は住所はおろか個人的な事は何も教えてもらえなかった。カイマンの口の中にいる謎の男と同じ顔をしており、カイマンの過去に大きく関わっていると見られる。 後に稀少な魔法である、呪いの魔法を扱う事ができるようになった。

毒蛾 (どくが)

十字目のメンバーの一人。毒性の唾液とナイフで相手を攻撃する。無口で無表情な美少年。女装しても気づかれないほど。かつては側近としてボスに仕えていたが、ボスが行方不明となった後、仲間の鉄条、豚、佐治、牛島田ら五人と共に内職をしながらボスの帰りを待っている。五人の中では一番強く直感力が働くリーダー的存在。

アス

魔法使いから悪魔に昇格したエリート。目の周りを黒く塗っており、チャイナ服のような服装を身にまとっている。魔法使いの頃は川尻という名で、自由に移動できる魔法を持っていた。また、千里眼のような力も兼ね備えていた。ニカイドウが魔法使いの世界にいた頃に一緒に住んでいたが、その頃の出来事はニカイドウの魔法によって時空を改変されたため覚えてはいない。 悪魔に昇格後はアスと名乗り、ニカイドウがピンチに陥った際、何かと手助けしてきたが、悪魔の長であるチダルマにバレ、魔法使いに戻されてしまう。

チダルマ

生まれながらの悪魔で、煙さえも逆らう事ができない最強の存在。魔法使いが悪魔に昇格する際の試験を担当したり、マスクを作ったりするが、基本的には特に仕事はしていない。時々人間を怯えさせたりいたずらをするのが好き。鬼のような恐ろしい風貌に反してお茶目な性格ではあるが、悪魔同士の規律には厳しく容赦がない。

集団・組織

煙ファミリー (えんふぁみりー)

『ドロヘドロ』のに登場する組織。魔法使いの中でも稀少な魔法を持っていたり、力があったりする者達で固めた煙をボスとした組織。煙にとって邪魔者を殺害したり、魔法使いの粉を売買する者を消したりしている。その他、ラーメン屋やほうき屋などの事業も展開しており、主に煙が取り仕切っている。ファミリーの一員となった証として協力な魔法を有するキノコを煙から授かり、それがファミリーの証となっている。

十字目 (じゅうじめ)

『ドロヘドロ』のに登場する組織。魔法使いでありながらケムリを出せなかったり、魔法が使えない者達が集まった組織で、メンバーは目に十字の入れ墨がある。稀少な魔法使い達の出すケムリを目的に、魔法使い達を数多くを殺害してきたため、煙から目の敵にされている。ケムリを製造し、それを売る事で資金を得ていたが、ボスが行方不明となり、組織そのものが衰退。 側近達は共同生活をしながら森の中のほったて小屋で節約しながらほそぼそと暮らしている。

場所

ホール

『ドロヘドロ』に登場する街。魔法使いたちが住む世界に繋がる、人間たちが住む街。魔法使いたちがしばし訪れ、人間達を自分の実験台として魔法をかけていく。そのためにカイマンのように異形と成り果てた者たちが多く、またケムリのせいで暗く淀んだ空気が漂っており、陰気な雰囲気。雨にはケムリの成分が混じっており、人体に有害。 かつてはホール側の人間達も魔法使いに対して抵抗を見せており、大規模な魔法使い狩りを実行した。その際心は両親を殺害されている。

書誌情報

ドロヘドロ 23巻 小学館〈IKKI COMIX〉

第1巻

(2002-01-30発行、978-4091882714)

第2巻

(2002-09-30発行、978-4091882721)

第3巻

(2003-06-30発行、978-4091882738)

第4巻

(2004-01-30発行、978-4091882745)

第5巻

(2004-08-30発行、978-4091882752)

第6巻

(2005-02-28発行、978-4091882769)

第7巻

(2005-10-28発行、978-4091882776)

第8巻

(2006-05-30発行、978-4091882783)

第9巻

(2007-01-30発行、978-4091882790)

第10巻

(2007-07-30発行、978-4091882806)

第11巻

(2008-02-29発行、978-4091882837)

第12巻

(2008-09-30発行、978-4091882844)

第13巻

(2009-05-29発行、978-4091882851)

第14巻

(2010-01-29発行、978-4091882868)

第15巻

(2010-11-30発行、978-4091882875)

第16巻

(2011-10-28発行、978-4091882882)

第17巻

(2012-09-28発行、978-4091886057)

第18巻

(2013-06-28発行、978-4091886255)

第19巻

(2014-06-30発行、978-4091886569)

第20巻

(2015-09-30発行、978-4091886842)

第21巻

(2016-09-30発行、978-4091886897)

第22巻

(2017-06-30発行、978-4091886927)

第23巻

(2018-11-12発行、978-4091886934)

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