ハイポジ

ハイポジ

『赤灯えれじい』『ケッチン』他で知られる、きらたかしの連載作品。舞台は現代の日本。46歳の冴えない中年男性、天野光彦は、ひょんなことから1986年にタイムスリップする。16歳に戻った光彦が、2度目の青春を謳歌する姿を描いた恋愛ドラマ。双葉社「漫画アクション」2017年1月17日号(No.2)から2018年11月20日号(No.22)まで連載。テレビドラマ化され、2020年1月から3月まで放送された。

正式名称
ハイポジ
ふりがな
はいぽじ
作者
ジャンル
青春
 
タイムトラベル
レーベル
アクションコミックス(双葉社)
巻数
全5巻完結
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冴えない中年男性が青春をやり直す

光彦は、2週間前にリストラされ、妻には離婚を迫られている46歳の中年男性である。人生に行き詰まった光彦は、22年ぶりに風俗店を訪れるが、そこで火事に遭ってしまう。煙の中を逃げる途中、足をすべらせて転倒した光彦はそのまま気絶。そして気がつくと、16歳の肉体を得て高校2年生のときの教室にいた。光彦は、記憶と心は46歳のまま、1986年にタイムスリップしていた。本作は、夢も希望も失った冴えない中年男性が、もう一度青春を謳歌し人生をやり直そうと奮闘する姿をコミカルに描いたタイムスリップストーリーである。

初恋の人と運命の人

高校時代の光彦の憧れは、クラスメイトの小沢さつきだった。休み時間になると、中庭でウォークマンを聴くさつきを眺めては癒やされていたのだ。タイムスリップした光彦は「あの頃の自分ができなかったことをしてやろう」と決意。思い切ってさつきに声を掛ける。こうしてさつきと交流を持ち、様々な出来事を経て、ついにはデートに漕ぎつける。しかし、問題は後の光彦の妻で同級生でもある司幸子の存在だった。幸子とは、高校在学時は話したこともなかったが、卒業後に同じ会社に就職し結婚したのだ。光彦は、ついつい16歳の妻の姿を凝視してしまい、それがきっかけでお互いを意識するようになってしまう。さつきと結ばれれば、幸子との間に産まれた娘とも会えなくなる。光彦は、初恋の人と後の妻との間で揺れ動くことになる。

80年代の音楽やファッションが魅力

本作の大きな魅力は、ノスタルジックな1986年の文化やファッションである。登場人物たちの会話に、当時流行した映画やテレビ番組、雑誌の話題がのぼり、バブル景気でイケイケの不動産屋やワンレンボディコンの美女も登場する。また、作中の音楽再生機器はウォークマンやラジカセであり、幸子や光彦はレンタルレコードやラジオで録音した曲で作ったオリジナルのカセットテープを交換する。本作では、中村あゆみの『翼の折れたエンジェル』や、レベッカの『フレンズ』など当時のヒット曲が登場し、ストーリーにも大きな関わりを持っている。なお、こういった80年代のカルチャーについては、単行本の巻中・巻末のコラム「80's Words私的解説」で、作者自身がコメントを書いている。

登場人物・キャラクター

天野 光彦 (あまの みつひこ)

薄毛の頭が特徴の冴えない46歳の男性。妻と娘と三人で暮らしているが、会社からリストラされ、妻にも離婚を迫られる。ひょんなことから1986年にタイムスリップし、16歳の高校2年生になる。青春をやり直そうと初恋の人、さつきと交流を深める。髪を茶色に染めてイメージチェンジした他、さつきの実家である喫茶店でアルバイトを始める。

小沢 さつき (おざわ さつき)

16歳の高校2年生で、天野光彦のクラスメイトの女子。ポニーテールが特徴の美少女で、両親は離婚しており、祖母の元で妹と暮らしている。実家は喫茶店でよく店を手伝う。高校入学時に他県から引っ越してきたため、友達が少なく一人で過ごしていることが多い。空手の心得があり、不良に絡まれた光彦を助けた。

司 幸子 (つかさ さちこ)

16歳の高校2年生で光彦の同級生の女子。テニス部に所属している。ショートボブカットが特徴の美少女で、高校卒業後、光彦と同じ会社に就職した縁で結婚し「天野幸子」になる女性。高校在学時は光彦のことをまったく知らなかったが、あまりにもジロジロ見られることからトラブルとなり、紆余曲折を経て、お互いに意識し合うようになる。

書誌情報

ハイポジ 全5巻 双葉社〈アクションコミックス〉

第1巻

(2017-06-28発行、978-4575849950)

第2巻

(2017-10-28発行、978-4575850543)

第3巻

(2018-02-28発行、978-4575851106)

第4巻

(2018-07-27発行、978-4575851915)

第5巻

(2018-11-28発行、978-4575852370)

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