廃棄された転移者が女神に復讐(ふくしゅう)を誓う
高校生の三森灯河は突然、女神によってクラスメイトたちといっしょに異世界に召喚されるも、三森は適正ランクが最低評価のEだという理由だけで、女神に廃棄処分されてしまう。そしてクラスメイトたちからも見捨てられ、三森はただ一人、高レベルな魔物が徘徊(はいかい)する危険なダンジョンに放り込まれる。本作は、そんな三森がどん底から這い上がり、女神に復讐を誓うダークファンタジーで、落ちこぼれが最強になっていく過程がカタルシスを生む展開となっている。
ハズレ枠の三種類のスキル
三森が女神から授かったスキルは、「ポイズン(毒)」「パラライズ(麻痺)」「スリープ(睡眠)」の3種類で、敵に状態異常を付与するだけで、直接ダメージを与えることができない。さらに廃棄された迷宮は凶悪な魔物が跋扈(ばっこ)する危険地帯で、すぐに危機的状況に陥ってしまう。だが、自分に有利な状況を作ることでどんな敵でも無力化できることを知り、三森は三つのスキルを駆使して魔物を次々と撃破。そして三森はスキルを使うたびに自らの力を検証し、創意工夫して戦い方を学んでいく。しかし、女神にはあらゆる状態異常が効かないことが判明し、三森は女神を打ち倒す手段を求めて異世界を旅することを決める。
それぞれの思惑が入り乱れる
女神は魔を統率する「大魔帝」に対抗するため勇者たちを召喚したが、同時に人類は国家間でさまざまな思惑が入り乱れ、混沌とした状態となっていた。人類最強と呼ばれる竜騎士、冤罪(えんざい)をかけられた聖騎士など、それぞれの目的がありながらも、彼らは三森とかかわりを持つようになる。また、三森以外のクラスメイトたちも異世界という環境の中で、それぞれ独自の思いを巡らせていき、クラスメイト同士にも不和が発生。混然とした状況はやがて大きなトラブルを生み出し、三森は否応なくその状況に巻き込まれていく。
登場人物・キャラクター
三森 灯河 (みもり とうか)
異世界に召喚された男子高校生。幼少期より両親からネグレクトをはじめとした虐待を受けて育った。女神ヴィシスによってクラス全員が勇者として召喚されたが、一人だけ勇者としての適性が最低ランクのE級だったため、強力な魔物が大量に生息している廃棄用遺跡に放逐された。その際、十河綾香以外のクラスメートたちがまったく意に介さなかったことで、ヴィシスとクラスメートたちに対して強い復讐心を燃やしている。麻痺、睡眠、毒のスキルを所有しており、廃棄用遺跡の中の魔物を実験台にしてスキルを磨いた。廃棄用遺跡を抜けた直後、スライムのピギ丸を仲間にし、その際にミスト・バルーカスとも面識を得た。偽名として「ハティ・スコル」を名乗っている。
セラス・アシュレイン
ハイエルフの女性。腰まで伸びた金髪をハーフアップにしており、菱型を繋げたようなティアラを身につけている。ネーア聖国の騎士団長を務めていたが、現在は単身で逃亡している。風の精霊の協力を得て、他人の言葉のウソと本音を判別することができる。三森灯河と出会った頃は彼を警戒していたが、灯河と言葉を交わすうちに律儀で真摯な人物だと知り、誠実に対応している。偽名として「ミスト・バルーカス」を名乗っている。
クレジット
書誌情報
ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで 11巻 オーバーラップ〈ガルドコミックス〉
第1巻
(2019-12-25発行、 978-4865545937)
第2巻
(2020-06-25発行、 978-4865546880)
第3巻
(2020-12-25発行、 978-4865548143)
第4巻
(2021-06-25発行、 978-4865549492)
第5巻
(2021-12-25発行、 978-4824000743)
第6巻
(2022-05-25発行、 978-4824001993)
第7巻
(2022-12-25発行、 978-4824003744)
第8巻
(2023-06-25発行、 978-4824005373)
第9巻
(2024-01-25発行、 978-4824007223)
第10巻
(2024-06-25発行、 978-4824008695)
第11巻
(2024-11-25発行、 978-4824010056)