バイパスの夜

バイパスの夜

現金輸送車を襲ってきたと語るタクシーの乗客と、浮気した妻を殺したと告白する運転手の、息詰まる心理的駆け引きを描くサスペンス。「週刊ポスト」1969年10月10日号に掲載された作品で、手塚治虫漫画全集の『時計仕掛けのりんご』に収録されている。

正式名称
バイパスの夜
ふりがな
ばいぱすのよる
作者
ジャンル
サスペンス
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概要・あらすじ

ある夜、一人の男がタクシーを止めた。ひどく無愛想な運転手に気分を害した男は因縁をつけ始め、それでも無言を貫く運転手に自分は現金輸送車から一億円を強奪した犯人だと語る。さらに銃を持っているとほのめかし、お前が訴え出たら女房子供がどうなるか分からないぞと脅す。やっと口を開いた運転手は、自分には女房はもういない、浮気現場に出くわして殺してしまい、トランクの中に入れたのだと告白する。

真相が定かにならないまま、2人のドライブは続く。

登場人物・キャラクター

乗客 (じょうきゃく)

深夜、高架下でタクシーを止めた男。箱根越えで吉原まで行くように頼む。一言も返事をしない運転手の対応に気分を害し、なにかと嫌味を言ったり、タクシーナンバーを覚えて会社に電話すると脅したりする。ついには自分は現金輸送車から一億円を強奪した犯人だと語り出す。大きめのアタッシュケースを持っており、それには決して触らせようとしない。

運転手 (うんてんしゅ)

タクシーの運転手。ひどく無愛想で、乗客の男が行き先を告げた時も、雑談をしてきても、一言も返事をしない。男が自分は現金輸送車から一億円を強奪した犯人だと言い出し、さらに持っている銃で運転手を殺すことすらほのめかすと、やっと口を開いて、浮気をした女房を殺して後ろのトランクに入れたのだと語る。

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