下ネタ×ギャグ×本格SFストーリー
本作の舞台となるのは、地球が消滅してしまった後の宇宙である。ジャンクヒープとホッパーは、地球跡を訪れた際、宇宙ポッドを拾うが、中には最後の地球人・バブが入っていた。こうして三人は出会い、ポンコツ宇宙船で果てなき宇宙を旅することになる。記憶喪失のバブは、過度に働いた種族保存本能のせいで性欲が抑えきれず、とにかくいい女を求めて星々を訪ねる。子供をつくることと記憶を取り戻すことを目的に旅するうちに、バブは少しずつ記憶を取り戻し、やがて地球滅亡の真相に近づいていく。本作は、下ネタとギャグ満載のコメディだが、しっかりしたSFストーリーを軸にしている点が特徴である。
SF設定を下敷きにした奇想天外なエピソード
三人組が立ち寄った、宇宙に浮かぶ「ビッグクランチズシ」という回転寿司店は宇宙一のレーンの長さを誇り、板前が握ってから客の席に届くまで、119万年を要する。また、バブが飲酒運転で捕まり、投獄された監獄星は、非常に重力が大きい星である。時間の流れる速度は重力の大きさで変わるため、たった3時間という刑期だったはずが、実際は10年が経過していた。本作はこういったSF要素が強いギャグエピソードが魅力の一つである。さまざまな奇想天外な体験を経て、バブは全宇宙の歴史を保管している「アーカーシャ」に到達。しかし、断片的な記憶しか取り戻せなかったため、時間を超越した存在だという「四次元人」を探すことになる。
登場人物・キャラクター
バブ
地球最後の生き残りの青年。おかっぱ頭が特徴。地球が消滅した後、宇宙ポッドでさまよっていたところを、絶対生物の宇宙人、ホッパー、機械生命体のジャンクヒープに拾われる。記憶を失っており、「スポンジバブ」というキャラクターのTシャツを着ていたことから「バブ」と名付けられるが、本当はイングランドのマインヘッド出身のダニエル。日本のアニメやフィギュアを愛するオタク青年だった。最後の地球人となったことから、過度に種族保存本能が働き性欲が強い。オーバーロード人の女性、カレルレンと結ばれる。10年後にカレルレンと再会した際、双子が生まれていたことを知る。ナノマシンによる生体構造手術を受けたことから、時々女性になる。
カレルレン
オーバーロード人の女性。褐色の肌、2本の角、しっぽが特徴。発展途上の星々を巡り、進化を促すボランティアをしている。ヒッチハイクの旅の途中、バブと知り合い結ばれる。バブと離れている間に双子を生んで育てていた。
ジャンクヒープ
バブ、ホッパーと共に宇宙を旅する機械生命体。体はすべて金属で、細い手足やハサミ状の手などが特徴。少量のオイルで長期間の活動が可能。「ロボット」と言われると怒る。宇宙船の運転を担当しているが、医者でもあり、ナノマシンで生体構造を書き換え、バブに性転換手術を施した。
ホッパー
バブ、ジャンクヒープと共に宇宙を旅する生物。2.5頭身ほどのかわいらしい外見だが、宇宙空間で飲み食いせずに1000年生きられるという「絶対生物」。宇宙船の持ち主でもある。