概要・あらすじ
1941年6月、ドイツ第三帝国はソビエト連邦と締結していた不可侵条約を破り攻撃を開始した。作戦指揮はハインツ・グデーリアンが執り、当時強大な兵力を持っていたソビエト軍に奇襲を行うための準備を着々と進めていく。作戦開始の直前、ソビエト連邦との国境には、南方・中央・北方の部隊に分かれた総勢300万人ものドイツ軍兵士が奇襲攻撃開始に備えて待機していたが、ソビエト連邦側の国境では、それを上回る450万人以上の兵士が警備にあたっていた。
開始の時刻になるとすべての部隊が一斉にソビエト連邦に対して攻撃を開始。南方に配置されていたソビエト軍は厳戒態勢が布かれており初日から激戦地となった。北方部隊は空軍の戦闘機でソビエト軍の前線を爆撃。ソビエト空軍もこれを迎撃するが、結果的には2000機以上もの被害を出す惨事となった。
ブーク川からミンスク方面へと侵攻を始めた中央部隊は敵勢力の防衛の厚さにてこずるものの、ついには進路を確保。こうして国境を制圧する事には成功したドイツ軍は、そのままソビエトの中心部モスクワへ向けて進軍していく。だが、道路や鉄道の整備不良、そしてソビエト連邦の気候に翻弄され、戦況は徐々に悪化。
そんな中、ドイツ軍総統であるアドルフ・ヒトラーは侵攻対象の変更を命じるが、その時すでにドイツ軍の勢力は強大なソビエト軍に圧倒されつつあった。
登場人物・キャラクター
ハインツ・グデーリアン (はいんつぐでーりあん)
ドイツ軍の上級大将であり、指揮官でもある初老の男性。口ひげを生やしている。バルバロッサ作戦においては中央部隊にある第2装甲集団で指揮を執っていた。作戦の要である「電撃作戦」を生み出した人物でもある。ソビエト軍との対戦前に行われていたポーランド・フランスとの戦いでも手腕を発揮し勝利へと導いた。自分の考えに確固たる自信を持っており、ほかの者からの進言に対しては強く反論する。 それは総統であるアドルフ・ヒトラーに対しても変わらなかった。実在の人物、ハインツ・グデーリアンがモデル。
アドルフ・ヒトラー (あどるふひとらー)
ドイツ第三帝国の総統を務める男性。小柄な身体に小さい口ひげが特徴。普段は東プロイセンのラステンブルクにある総統司令部にいるが、レニングラード侵攻中のハインツ・グデーリアンへ、レニングラードではなくクリミアやウクライナ侵攻を第一にするように指令を下す。それにグデーリアンが反論するも自らの考えを変える事は一切なかった。 実在の人物、アドルフ・ヒトラーがモデル。
ハンス・ヴォルフラム・クナーク (はんすゔぉるふらむくなーく)
ドイツ軍の青年男性。階級は中尉。短髪で鋭い目つきをしている。バルバロッサ作戦では北方部隊の第8装甲師団の先鋒として戦った。ソビエト軍に扮し、侵攻の要であるドヴィンスクの橋を占領し味方を引き入れるという任務にあたり、それに成功する。レニングラードへ侵略するきっかけを作ったがその戦闘中に戦死した。
ハンス・ウルリヒ・ルーデル (はんすうるりひるーでる)
ドイツ軍の中年男性。階級は中尉。彫の深い丸顔をしている。北方部隊の第2急降下爆撃航空団に所属し、ドイツ軍がスターリン・ラインを突破する頃レニングラード湾の上空にて爆撃し海上警備をしていた「戦艦マラー」と巡洋艦・駆逐艦を撃沈させた。実在の人物、ハンス・ウルリヒ・ルーデルがモデル。
クルト・マイヤー (くるとまいやー)
ドイツ軍の中年男性。階級は少佐。薄い口ひげを生やしている。第1装甲捜索大隊長となりドイツ南方部隊の救援に向かった。ソビエト軍との地上戦を数日間に渡って続け、なんとか危機を回避したのちクリミア半島の手前にあるペレコプへ到着するも、ソビエト軍に迎撃され後退を余儀なくされる。のちに再侵攻を命じられるが、拒否した。仲間内では「パンツァー・マイヤー」の異名で呼ばれている。 実在の人物、クルト・マイヤーがモデル。
ハンス・グラドール (はんすぐらどーる)
ドイツ軍の中年男性。階級は少佐。シワの多い顔をしている。第3装甲師団装甲連隊の第1大隊長を務める。ブリヤンスクへ侵攻する際イェレメンコ軍の司令部を突破、その際にソビエト軍の部隊から補給物資を得て、そのままブリヤンスクを陥落させた。
その他キーワード
電撃作戦 (でんげきさくせん)
航空爆撃機と装甲部隊で一斉攻撃し一点を圧倒的な軍事力で集中的に制圧していく事で敵を迅速に壊滅させる作戦。短期間での侵攻が可能となるので多くの戦いで用いられる作戦となった。