概要・あらすじ
異次元空間に新天地を求めて移住した人々は、地球から分離独立をもとめて武装蜂起した。地球連合軍は今までの兵器の攻撃を無力化できる「女子攻兵」を戦線に投入。巨大な女子高生の頭のコックピットに兵隊が乗り込んで操縦するというものだった。ところが乗っていると精神汚染され、次第に自らを女子高生そのものだと思いこむようになってしまう危険があった。
タキガワ中尉は精神汚染が進み暴走した女子攻兵を始末する猟隊「ハイエナ部隊」の隊長。彼がピンチになると、なぜか搭乗している女子攻兵のケータイに「ツキコ」という謎の人物からメールが届き、的確な指示を出してくる。タキガワたちのハイエナ部隊は、ツキコの指示に頼りながら異次元の奥地に進んでいく。
登場人物・キャラクター
タキガワ
第13独立女子攻兵猟長の隊長。女子攻兵「ラブ・フォックス」シリーズに搭乗。客観的に女子攻兵と搭乗者の精神汚染度を見て、危険性を察知している指揮官。自分がマトモかどうかに常に不安を抱いている。ある日突然ケータイに謎の存在「ツキコ」からメールが届き、その指示に従うと何もかもがうまくいくことに気付かされる。 自分の精神汚染を恐れながらも、あまりに的確なツキコの指示の力を借りて、精神汚染した女子攻兵をつぶす「ハイエナ部隊」を率いて前線に赴いていく。精神汚染を防ぐために精神安定剤を服用している。
ハラダ
メガネをかけた女子攻兵に乗っている。タキガワを慕っている部下。いい加減な性格のチームのムードメーカー。汚染度5で、ケータイからいるはずのない友人からの電話を受信するようになり、戦闘中もケータイをいじることが多い。
ツネフサ
タキガワと共に戦う、凶暴な言動を取る女子攻兵乗り。強力な電圧銃を持つ遠距離担当。少しずつ汚染度が進んでおり、毎日彼氏と別れ話をしている。戦闘においては冷静沈着で、頼れる戦力となる。
J子 (じぇーこ)
タキガワの部隊の、近距離戦担当の女子攻兵乗り。気が弱く、いつもお面をかぶっている。時折、女子攻兵のセーラー服以外にも、フリフリな衣装を着たり、クッキーを焼いたりと少女趣味。人間が入ってはいけない「預言者管理区域」に立ち入ってしまったため、殺される。
軍司令部大佐 (ぐんしれいぶたいさ)
顔中に傷のある軍人。タキガワとは作戦のやりとりを直接行っている。ツキコについても理解し、独自のルートでその秘密をタキガワと情報交換している。女子攻兵「ラブ・フォックス」に性的興奮を抱いている。
ツキコ
タキガワに的確な指示をメールで送り続け、勝利に導く謎の存在。予言のみならず、テレポーテーションさせたこともある。タキガワが多くの敵に囲まれ、最終兵器の次元気化爆弾を投下された時、ツキコは彼だけを転送するなど、かなり特別扱いをしている。
ヨシコ
タキガワの妻。鬱のケがあり、発作が頻繁におきる。実生活では、入院を嫌がり何度も自殺を試みた。
ナオミ
傷ついたタキガワの女子攻兵「ラブ・フォックス」を回収し、メンテナンスした女子攻兵。独自のプラントを管理して暮らしている。元はタキガワと同じ、汚染女子攻兵の猟隊。精神汚染は生き延びるための一つの可能性だとして受け入れ、女子攻兵から得る感覚を喜び楽しんでいこうという思想の持ち主。
イナミ
目隠しをした全裸の女子攻兵。第百騎兵旅団の軍曹。改造された居合刀で戦う。戦闘時に判断を即働かせ、機敏に戦うことができる有能な戦士。精神汚染を防ぐために精神安定剤を服用している。タキガワには懐疑の目を向けつつも、ともに戦う程度には信頼している。
モリオカ
ぽっちゃり体型の女子攻兵に乗る、第三伝令部隊所属の伝令兵。苦労している母親を助けるため、女子攻兵搭乗に志願した。
グレフェンベルク
幼稚園児型の女子攻兵に乗る大佐。見た目に反し、敵対関係にあるものを残虐に抹殺する権力者。精神汚染が進んでおり、時折言動が、見た目通り子供っぽくなることがあるため、精神安定剤を服用している。
ヨシオカ
女子攻兵に完全に汚染されきった中尉。機体に身体が完全に融合してしまい、精神汚染も激しく、他の女子攻兵を手当たり次第に殺している。女性の身体を組み合わせたような外観の女子攻兵になっており、分離合体することができる。謎の「親友からのメール」に従って行動している。
その他キーワード
預言者 (よげんしゃ)
『女子攻兵』の用語。医療、福祉、治安、経済、教育、政治、戦争などのデータを集積し、異次元に新世界を作ったコンピューター。自然物は存在していない空間で、ダミー形成した世界を司っている。預言者管理区域は人間が見てもわからない地形をしており、入るとセキュリティシステムで消去されてしまう。
女子攻兵 (じょしこうへい)
『女子攻兵』の用語。女子高生の姿をした、直立型の次元兵器。今までのあらゆる兵器の攻撃を受け付けない。そのため女子攻兵を倒すには女子攻兵がいなければならない頭部にコックピットがあり、女子攻兵乗りが操縦して動く。戦闘は近接型から、銃器による射撃型までバリエーションは多数。乗り続けていると精神汚染を受け、来てもいないメールや電話を見聞きしたり、自らを女子高生だと勘違いしたりするようになる。 汚染されている場合、他の女子攻兵を攻撃すると汚染が伝染する。本来であれば定期的メンテが必要だが、前線では物資不足で規定通りの運用ができていない。搭乗しているのは志願兵と懲罰兵だけ。
ハイエナ部隊
『女子攻兵』の用語。女子攻兵の汚染した機体を始末する殺し屋としての、タキガワたちの部隊の通称。無理やりコックピットを開けて救済することもできるが、殆どの場合は機体ごと抹殺することが多い。