世界観
当初の物語は、現代の日本を舞台にホビー・バーコードバトラーで戦っていくという作品だった。だが、物語が展開していくにつれ、かつてすべてをバイオバーコードという特殊なバーコードと化して管理していた、古代バーコード文明の存在が世界の根幹にあることが明らかにされていく。
あらすじ
ゲームが苦手な小学生・虎堂烈は、久し振りにゲームセンターに遊びに来たところ、新しいアミューズメント施設「ゲームドーム四鷹店」が開店していることを知る。そこでプレイできるバーコードとシミュレーターを利用したリアルな対戦バトルに魅せられた烈は、幼なじみである有栖川桜のアドバイスを受けてライバルたちと戦いながら、やがてバーコード皇帝ニーズホッグの野望阻止のために戦い始める。
特殊設定
本作『バーコードファイター』は、実在する玩具「バーコードバトラー」をテーマにした作品で、本来ならばバーコードバトラーは両手の平に収まる程度の小型ゲーム機である。だが、作中においてはこのシステムはバーコードシミュレーターという巨大シミュレーターで利用されており、ゲームドームという施設でリアリティ溢れる対戦を楽しむことがメジャーな遊び方となっている。そのため、バーコードバトラーシリーズの本体はあくまでも「ゲームドームで使用するファイターキャラクターにふさわしいバーコードを探すための道具」程度の扱いとなっている。
関連作品
本作『バーコードファイター』の復刻版が、復刊ドットコムから上下巻で発売されている。他に、小野敏洋の別名義である「上連雀三平」として執筆した成人向け作品『アナルエンジェル』『アナルジャスティス』に、有栖川桜が登場している。『アナルエンジェル』では中学生になった桜がヒロインとして登場しており、『アナルジャスティス』では10年後の桜が女性教師として登場している。
関連商品
電子ゲーム機「バーコードバトラー」
1991年にエポック社から実際に販売されていた電子ゲーム機シリーズ。バーコードの左側7桁を生命力、攻撃力、守備力や画面表示されない特殊能力などとして読み取り対戦させるというもので、本作『バーコードファイター』で主に使用されている対戦モードの他、RPG風のストーリーモードなどで1人でも楽しむことが可能。作中でメインに使用されている「バーコードバトラーⅡ」や拡張版である「バーコードバトラーⅡ2 C0」「バーコードバトラーⅡ2 C2」など、シリーズを重ねるごとに能力値の限界や第4能力、ファイターキャラクターのタイプ数が増えていった。
登場人物・キャラクター
虎堂 烈 (こどう れつ)
前髪だけが赤い、熱血少年。基本的にゲーム下手で飽きっぽい性格だが、ゲームドームのシステムやバーコードバトラーの奥深さに次第にのめり込んでいく。有栖川桜の幼なじみで、彼女が性同一性障害のMTFであることを知りながらも一切特別扱いすることなく普通の友人として接している。スティーブ・セコイアからは「おやびん」と慕われている。 阿鳥改とはバーコードファイターとしてライバル関係にある。バーコード皇帝ニーズホッグによって洗脳されかけ、右腕からバイオバーコード化されそうになったところを竜胆岳によって救われ、再度ニーズホッグに取り込まれかけた際には竜胆岳の父親によって救われている。使用するファイターキャラクターは主にダッシュビートルとビートルアトラス。
有栖川 桜 (ありすがわ さくら)
虎堂烈の幼なじみで、バーコードバトラーによる対戦の楽しさをナビゲートした少女。間延びした口調で話し、のんびりとした性格。性同一性障害のMTFであり、幼少時から性自認が女性だったことからよくいじめられたため、ゲームドームでは自身の身体的性別が男性であることを隠していた。掛須巧、阿鳥改から思いを寄せられている。 ファイターキャラクターはアンディーンなど複数存在するが、いずれも有栖川桜自身の顔をモデルにした女性タイプ。
スティーブ・セコイア (すてぃーぶせこいあ)
鼻の頭に絆創膏を貼った、関西弁のような言葉を使うアメリカ人の少年。物語当初は珍しかった合体戦士のファイターキャラクター、「キャプテンU.S.A」で虎堂烈を翻弄したが、敗北を機に子分となることを希望し、烈を「おやびん」と呼び慕い、烈からは名前を簡略化して「すちーぶ」と呼ばれている。また有栖川桜に多少の憧れがあったため、彼女の身体的性別が男性と知った時にはショックで、年末から年明けまで放心し続けていた。
掛須 巧 (かけす たくみ)
虎堂烈が頭角を現すまで、ゲームドーム四鷹店のチャンプとして君臨していた少年。ぴっちりとした八二分けとたれ目が特徴。嫌味な性格だが、弟の掛須穣司のことはとても可愛がっている。烈がゲームドーム四鷹店のチャンプになってからは影が薄くなり、阿鳥改などからも軽視されている。最後まで有栖川桜の身体的性別が男性とは知らないままに想いを寄せ、恋敵にあたる改とも衝突していた。 複数のファイターキャラクターを所持している。
阿鳥 改 (あとり かい)
虎堂烈のライバルの少年。ゲームドーム大阪店では半年もの間チャンプの座を防衛している。有栖川桜の身体的性別が男性と知らずに一目惚れし、のちに性同一性障害のMTFと知った際には強く反発したが、その後も桜に対する思いを断ち切れず苦悩を繰り返す。使用するファイターキャラクターはスタッグビートル。
薬師寺 蘇鉄 (やくしじ そてつ)
威圧的な風貌と厳めしい顔をした坊主頭の中学生の少年。同じ中学の仲間2人と「瑠璃光ブラザーズ」を名乗っており、バーコードバトラーⅡを導入したばかりのゲームドーム四鷹店では他のプレイヤーを追い出して、仲間内だけでゲームドームを占拠しようとしていた。「弱いやつは嫌い」と公言している。仏像マニアで、仲間を連れて寺巡りをするのが趣味。 使用するファイターキャラクターはヤプラバラージャ。
御沙吾 真 (みさご しん)
肩までの長髪にパーマをかけた中学生の少年。ゲームドーム筒井ヶ浜店の常連で、全戦全勝の記録保持者。行きずりの少女たちに一緒に写真を撮ってほしいと頼まれるほどの美形だが、自身は女性嫌いで無愛想。虎堂烈に負けた後、電話回線を使用してゲームドーム四鷹店のバーコードシミュレーターにアクセスし、烈に再戦を申し込むなど極端な負けず嫌い。 なおこの時、烈が負けた場合は有栖川桜をもらい受けるという賭けをしていた。この理由は、桜を烈の彼女と勘違いしており、人の一番大切なものを奪う快感を得るためだと語っている。使用するファイターキャラクターはフィッシャーキング。
清白 彩 (すずしろ あや)
竜胆岳の妹であり、虎堂烈に挑戦してきた男勝りな少女。自分のことを「おいら」と称する。プロレスを愛好しており、有栖川桜に絡んでいた不良中学生をまとめて3人退治できるほど強い。猪突猛進な動きばかりのダッシュビートルに、細やかなキーボード入力の大切さを教えた。岳とは長い間離れて暮らしていたが、一年ほど前に偶然再会し、記憶を失っていた岳を介抱して以降、思惑や行動意図を知らないままに時々会って協力している。 使用するファイターキャラクターはリングスター。
竜胆 岳 (りんどう がく)
清白彩の兄であり、バーコード皇帝ニーズホッグとの戦いに備えて鍛錬を積んでいる青年。額に、バンダナのようにベルトを巻いている。強いバーコードファイターを探していたところ、雑誌に取り上げられていた虎堂烈に興味を持ち、手始めに彩と対戦させて実力を測った。バーコードを見ただけで、相手の生命力、攻撃力、守備力に加えて特殊能力や特性までも正確に読み取る能力を持ち、「バーコードマスター」と呼ばれる。 以前記憶喪失になっており、その際にはバーコード皇帝ニーズホッグの名前だけを覚えていた。彩の献身的な看護によって感情面以外のほとんどの記憶は取り戻していたが、烈と出会って以降、感情の起伏も取り戻しつつある。
宮垣 俊二 (みやがき しゅんじ)
眼鏡をかけた少年で、バーコードファイター全国バトル選手権ではベスト4に進出を果たした実力者。東京から大阪に向かうゲームドームエクスプレスで虎堂烈と対決した。鉄道に乗ることが趣味の「乗り鉄」であり、夏休みを利用して日本国内のほとんどの鉄道を制覇している。使用するファイターキャラクターはナイトスワロー787。
樹雷 竜牙 (じゅらい りゅうが)
樹雷渓、樹雷翼の兄。ゲームドーム吉祥寺店では名を知られた存在で、肩までの長髪とキャップ帽が特徴の少年。強いバーコードを求めていたところ草鴫令法に出会い、対戦者のバーコードを奪うファイターキャラクターカードを渡され、代わりにバイオバーコードを喉に入力されて声を奪われた。本来は弟妹や他人を思いやる温厚な性格で「あんちゃん」と呼ばれているが、額にバイオバーコードを入力された際には、暴力的で自己中心的な人格にされた。
樹雷 渓 (じゅらい けい)
樹雷竜牙の弟で、樹雷翼の兄。ゲームドーム吉祥寺店では名を知られた存在で、兄妹に対しても常に敬語で話す少年。奪われた竜牙の声を取り戻すために、草鴫令法に命じられるまま掛須巧など多くのバーコードファイターにバトルを申し込み、バーコードを奪っていた。
樹雷 翼 (じゅらい つばさ)
樹雷竜牙、樹雷渓の妹。ゲームドーム吉祥寺店では名を知られた存在で、自分のことを「あたい」と称する強気な少女。奪われた竜牙の声を取り戻すために、草鴫令法に命じられるまま薬師寺蘇鉄など多くのバーコードファイターにバトルを申し込みバーコードを奪っていた。しかし竜牙の人格が変えられて以降、令法の命令に従うことが本当に兄を取りもどすことになるのか疑問を抱くようになる。
権田原 夏樹 (ごんだわら なつき)
ゲームドーム四鷹店のアルバイトにして、メインスタッフを務める21歳の女子大学生。ゲームドームエクスプレスの添乗員も務めており、虎堂烈たちと行動をともにすることも多い。竜胆岳に一目惚れし、密かに思いを寄せている。
伊豆谷 優子 (いずたに ゆうこ)
ゲームドーム四鷹店の店長を務める23歳の女性。大人びた雰囲気を持つ、ゲームドーム四鷹店唯一の正社員で、他のスタッフからも頼られている。虎堂烈のファイターキャラクターのプログラム入力などもこなし、プレイヤーたちからの信頼も厚い。
草鴫 令法 (くさしぎ りょうぶ)
強面にフォックスタイプのサングラスをかけた男性。樹雷竜牙たちに強いバーコードを集めさせることでバーコード皇帝ニーズホッグを復活させ、地球のすべてをバイオバーコード化し、データを管理し改竄できる唯一の王として君臨する野望を抱いている。体のどこかに身体機能を強化するバイオバーコードを入力しており、都心の大通りも軽く飛び越えることができる。
竜胆岳の父親 (りんどうがくのちちおや)
竜胆岳と清白彩の父親。考古学が趣味で、古代バーコード文明の遺跡を偶然発見した後は、研究に没頭するあまり仕事も辞め家庭も捨てた。バーコード皇帝ニーズホッグの端末の役割を果たす遺跡に岳とともに入った際、ニーズホッグのバイオバーコードに吸収されてしまう。しかしその後もニーズホッグのバーコードの一部として生き長らえながら研究を進めており、ニーズホッグに取り込まれかけた虎堂烈を呼び寄せ、ニーズホッグの力に唯一対抗できる反Eコードを烈の精神に入力した。
バーコード皇帝ニーズホッグ (ばーこーどえんぺらーにーずほっぐ)
古代バーコード文明のシステムで、すべてのバーコードを管理・支配する絶対の存在を自称している。現実世界には現れることができず、デジタル空間にのみ顔面だけの姿で現れる。ことあるごとに「くるっくー」と鳴くのが特徴。デジタル空間内にニーズホッグの城を作っており、その中に住んでいる。すべてのものを自由にバイオバーコード化することができる唯一の存在で、虎堂烈も洗脳、バイオバーコード化しようとしたが、これは竜胆岳によって阻まれた。 自身も、Eコードという特殊なバイオバーコードによって構成されている。
PモデルNo.5 (ぴーもでるなんばーふぁいぶ)
秘密結社バーコード友の会が極秘裏に開発していたという、ヒューマンタイプの戦闘ロボット。バグが生じたことで開発者である秘密結社バーコード友の会に反旗を翻し、とある国の王女を人質にとってビルに立て籠もったとされる。またPモデルNo.5はバーコードバトラーマニアであり、倒す方法は試作段階のバーコードバトラーⅡでのバトルに勝利するしかない。
掛須 穣司 (かけす じょうじ)
掛須巧の幼い弟で、顔が非常に巧と似ている。かねてより巧から虎堂烈の悪口を聞かされ、それを真実だと思っていた。烈からは「コカケス」と呼ばれている。ゲームドーム四鷹店で開催された新春バーコード大会で、店内に落ちていたダッシュビートルのファイターキャラクターカードを拾い、無料開放されていたバーコードシミュレーターに乗り込んでしまう。
集団・組織
瑠璃光ブラザーズ (るりこうぶらざーず)
薬師寺蘇鉄をリーダーとする三人組。蘇鉄のファイターキャラクターであるヤプラバラージャを中心に、ゲッコウ、ニッコウという魔法使いタイプのファイターキャラクターを使用し、自分たちだけでゲームドーム四鷹店を占領しようとしていた。虎堂烈に敗北した後も仲はいいままで、蘇鉄の趣味である寺巡りも一緒に行っている。
秘密結社バーコード友の会 (ひみつけっしゃばーこーどとものかい)
虎堂烈たちを誘拐した、黒ずくめの格好をした男たち4人が所属している組織。リーダーの男のマスクにはタヌキのマスコットキャラクターが描かれている。戦闘ロボットであるPモデルNo.5を極秘裏に開発していたが、突如バグが生じて反乱を起こされたと語っている。
関西バーコード連合 (かんさいばーこーどれんごう)
虎堂烈が大阪で出会った青年男性4人組。小さな子供からバーコードをカツアゲしたり、ゲームドームを占領したり、強いバーコードを買い占めてプレミアをつけて売りさばいたりしていたため、阿鳥改に追いされた。その後はバーコードチャンピオンという別の店に拾われて客寄せのアルバイトをしていたが、その一環として虎堂烈を策略に嵌め、ダッシュビートルを奪って大会優勝者への景品にした。
場所
ゲームドーム四鷹店 (げーむどーむよたかてん)
虎堂烈たちが頻繁に利用しているゲームドーム。複合型アミューズメントビル「アミューズメントゾーン ドラゴン」の屋上にある。伊豆谷優子が店長を、権田原夏樹がメインスタッフを務めている。バーコードシミュレーターによる対戦だけでなく、新春バーコード大会なども行っている。
ゲームドーム筒井ヶ浜店 (げーむどーむつついがはまてん)
御沙吾真が利用しているゲームドーム。海水浴会場の近くにあり、他のゲームドームにない特徴として、足下が巨大な球体状の水槽となっている。また本来天井部分を円形に覆っているはずの巨大ディスプレイはその水槽に取り付けられており、水中でのバトルを楽しむことができる。
ニーズホッグの城 (にーずほっぐのしろ)
バーコード皇帝ニーズホッグがデジタル空間に作り上げた城。巨大なロボットの頭部に見える形状をしている。内部には大量のバイオバーコードを収めたデータベースがあり、それぞれのバイオバーコードには、各々人間1人分のDNA・記憶・人格などすべての情報が詰まっている。
ゲームドームエクスプレス
夏休み期間中のみ東京―大阪間で運行している電車。2日で一往復しており、通常の車両と同じ客席の他に、準ハイデッカー構造のバーコードシミュレーター車両である「サシ24」を備えている。この車両は使われなくなったブルートレインの食堂車をベースに改造されたもので、このシミュレーター車両にはトイレも併設されている。
バーコードチャンピオン
ゲームドームとは別系列の、バーコードシミュレーターでの対戦を楽しめるアミューズメント店。「ゲームドームより過激なバーコードシミュレーター」を売り文句としており、過度の攻撃を受けるとシミュレーター内に電流が迸る。ひげ面の厳つい店長が運営しており、関西バーコード連合が客引きを担当している。
古代バーコード文明の遺跡 (こだいばーこーどぶんめいのいせき)
竜胆岳の父親によって偶然発見された古代の遺跡群。世界中のどの遺跡とも類似しない生物的な特徴を持っており、「四号遺跡」と名付けられた場所は特にその特徴が顕著に表れているとされる。またこの四号遺跡はバーコード皇帝ニーズホッグが人間をはじめとする生物をバイオバーコード化して吸収するための端末となっており、竜胆岳の父親はこの場所でニーズホッグに吸収された。
イベント・出来事
バーコードオリエンテーリング
山を使用して開催されたオリエンテーション型のバーコードバトラーⅡの大会。12のポイントを自由なコースで回るタッグ戦。ただし各ポイントでバーコードバトラーⅡによる対戦を行い、勝利しなければ次のポイントに進むことができない。虎堂烈と掛須巧、有栖川桜とスティーブ・セコイアがそれぞれタッグを組んだ。
新春バーコード大会 (しんしゅんばーこーどたいかい)
元日にゲームドーム四鷹店内で行われた小規模の大会。バーコードシミュレーターによる対戦だけでなく、読み上げた数字に該当するバーコードの札を取る「バーコードカルタ」、目隠しした状態で決められた数字の通りにバーコードを並べる「バーコード福笑い」、バーコードバトラーⅡに入力した数値によって紐を引っ張る力が変わる「バーコードコマ回し」など、さまざまな催しを楽しむことができる。
バーコードファイター全国バトル選手権 (ばーこーどふぁいたーぜんこくばとるせんしゅけん)
ゲームドーム主催の全国大会。日本各地に点在する支店から各6名出場することができ、トーナメント形式の大会だった。しかし100人を超える出場者の中からベスト5が出揃ったタイミングで出場者の1人がバーコード皇帝ニーズホッグであることが判明し、ジャックされた結果バトルロイヤルに変更される。
その他キーワード
バーコードバトラー
市販されている商品についているバーコードの左側7桁を生命力、攻撃力、守備力や画面表示されない第4能力などとして読み取り、その数値をもとに、プレイヤー同士が対戦して楽しむことができる電子ゲーム機。生命力の上限は「19900」、攻撃力、守備力の上限はそれぞれ「9900」だったため、プレイヤーから上限の引き上げを求められていた。 バーコードバトラーにおいては、ファイターキャラクターは戦士タイプのみとなっている。バーコードバトラーのプレイヤーのことは「バーコードファイター」と呼ぶ。エポック社から実際に販売されている電子ゲーム機である。
バーコードバトラーⅡ
本作『バーコードファイター』でメインに使用されている電子ゲーム機で、バーコードバトラーの後継機。バーコードバトラーよりもバトルステージや第4能力などが大幅に増加しており、それまで戦士タイプしかいなかったファイターキャラクターに、魔法使いタイプが追加された。バーコードバトラーと比べ、生命力の上限が「99900」、攻撃力、守備力の上限がそれぞれ「19900」に跳ね上がっている。 また作中ではゲームドームエクスプレス以降、販売されていた拡張版「バーコードバトラーⅡ2 C0」の機能にソフトウェアのアップデートが行われており、聖戦士タイプと僧侶タイプのファイターキャラクターを使用できるようになっている。バーコードバトラーと同じく、プレイヤーのことを「バーコードファイター」と呼ぶ。 エポック社から実際に販売されている電子ゲーム機である。
ダッシュビートル
虎堂烈が使用する、カブトムシのような長い一本角を持ったファイターキャラクター。のちに「ダッシュビートルⅡ」にパワーアップする。カブトムシの幼虫を模したサポートロボ「マックスクローラー」と合体すると合体戦士の「剣豪ビートル」に、甲虫型魔法使いタイプのサポートロボと合体すると「アクテオン」に、潜水艦型サポートロボと合体すると「ネプチューン」に、有栖川桜所有のアンディーンと合体すると巨大な「ハイパービートル」に、阿鳥改所有のスタッグビートルと合体すると「カイザービートル」にバージョンアップする。 またダッシュビートルが合体する際には、多くの場合一度さなぎのような形態を取る。
ビートルアトラス
虎堂烈が使用する、カブトムシのような長い一本角を持った聖戦士タイプのファイターキャラクター。高機動ブースターを使用したことによって飛行することが可能となっている他、多数の機能を追加したことにより烈は「ダッシュビートルの30倍は強い」と自称している。
キャプテンU.S.A
スティーブ・セコイアが使用する、マスコットキャラのような外見の「ピルグリム」と、いかついヒーローロボのような外見のサポートロボ「メイフラワー」が合体したファイターキャラクター。作中に初めて登場した合体戦士。
ヤプラバラージャ
薬師寺蘇鉄が使用する、袈裟を掛けた僧侶のような姿をした、魔法使いタイプのファイターキャラクター。仲間に「ニッコウ」「ゲッコウ」という名の魔法使いタイプファイターキャラクターがいる。武器は錫杖を主に使用している。作中で初めて登場した魔法使いタイプのファイターキャラクターでもある。
フィッシャーキング
御沙吾真が使用する、イカをモチーフとした魔法使いタイプのファイターキャラクター。左腕が鞭のようにしなるイカの足のようになっている。海中ステージにおいては、周囲に小さな渦を作り出すことによって対戦者の攻撃をそらすことができる。サポートアイテムの「エネルギーボール」を吸収することによって巨大化し、「スーパーフィッシャーキング」にバージョンアップする。 なお陸戦時には「フィッシャーキング陸戦仕様」として登場する。
アンディーン
有栖川桜が使用する、人魚の姿をしたファイターキャラクター。虎堂烈と御沙吾真のバトルに乱入した際に使用され、ダッシュビートルと合体して、巨大な合体戦士「ハイパービートル」にバージョンアップさせることができた。
リングスター
清白彩が使用する、凹凸のはっきりした女性ロボットの姿をしたファイターキャラクター。使用されているバーコード自体はさほど強いものではないが、彩の細やかなシミュレーター操作によって一度ダッシュビートルを下している。
スタッグビートル
阿鳥改が使用する、クワガタムシをモチーフとした2本の角を持つ、黒いファイターキャラクター。2本の角の間で雷を発生させ、それを攻撃時に使用する。バーコード皇帝ニーズホッグとの戦いにおいてはダッシュビートルと合体して、合体戦士「カイザービートル」にバージョンアップした。
グラヴヴィトニル
オープン前であるはずのゲームドーム千葉店の代表者を騙ったバーコード皇帝ニーズホッグが、バーコードファイター全国バトル選手権に出場した際に使用した、狼のような姿をしたファイターキャラクター。対戦相手のファイターキャラクターを食いちぎる攻撃で、参加者たちに不気味さを感じさせていた。
ナイトスワロー787
宮垣俊二が使用する、電車をモチーフとした聖戦士タイプのファイターキャラクター。バーコードファイター全国バトル選手権ではバーコード皇帝ニーズホッグの突然の大会ジャックの際、スタッグビートルたちと協力して戦った。
バーコードシミュレーター
バーコードバトラー及びバーコードバトラーⅡをヴァーチャルリアリティの世界で、対戦するためにゲームドームに設置されているシミュレーター。プレイヤーは巨大なポッド型シミュレーターの中に入り、ヘッドマウントディスプレイやモーショントレースシステムを身につけることによって、実際に自分が設定したファイターキャラクターに乗って戦闘を行っているような感覚を味わうことができる。 後にヴァーチャルリアリティをさらに活用し、頭部全体を覆う巨大なヘッドギアを装着することで、搭乗しているファイターキャラクターから降りたデジタル空間を生身で体感できるようにもなる。
ゲームドーム
「株式会社ミッドガルズ」が運営しているバーコードバトラー及びバーコードバトラーⅡの対戦アトラクション施設。全国に支店があり、バーコードバトラーに最新のヴァーチャルリアリティシステムを組み合わせた「バーコードシミュレーター」が人気。またこのバーコードシミュレーター内で行われる戦闘はゲームドーム内の天井部分を円形に覆う巨大なディスプレイに映し出されるため、プレイヤー以外も観戦して楽しむことができる。
ファイターキャラクター
ゲームドームの「バーコードシミュレーター」で使用する、各プレイヤーごとのオリジナルキャラクター。気に入ったバーコードと、オリジナルキャラクターの図案をゲームドームのスタッフに提出して登録を行うことにより、使用することができる。初期のバーコードバトラーでは戦士タイプのキャラクターしか作成できなかったが、バーコードバトラーⅡでは魔法使いタイプが追加され、拡張版である「バーコードバトラーⅡ2 C0」からはさらに聖戦士タイプと僧侶タイプが追加された。
第4能力 (だいよんのうりょく)
ファイターキャラクターに付与される、画面上に表示されない特殊能力。代表的なものとして他のキャラクターと合体できる能力や、ダメージを半減させる能力、必ず先制攻撃できる能力などがあり、この第4能力の存在により、表示されている数値だけでは対戦結果が予想できない。ファイターキャラクター同志が合体すると第4能力も変化したりと奥が深く、バーコードバトラーⅡ以降はこの第4能力も大量に増えている。
合体戦士 (がったいせんし)
ファイターキャラクター同士やサポートとして入力されたカードと合体して誕生する、カード化されていない一時的なキャラクター。キャラクターとしての造形がどうやって決定されるかは明らかにされていないが、突発的な合体にも対応した新たな姿でデジタル空間に登場する。また使用者が違うファイターキャラクター同士の合体戦士は、双方のプレイヤーが同時に動かすことができるため、息が合わなければ不自然な動きになってしまう。 その場合、操縦と技の入力などを分担することもできる。
ゾンビカード
生命力が「0」のファイターカードの総称。生命力が最初から0と表示されている特殊なバーコードをファイターキャラクターとして登録したカードで、ルールでは、ダメージを受けるまでは「生きている」ということになっている。このカードでも、先攻を取って一撃で相手を倒せれば、戦いに勝利することは可能。
古代バーコード文明 (こだいばーこーどぶんめい)
竜胆岳の父親によって偶然発見された古代文明。メソポタミアやエジプトに文明が起こるより前にバーコードを生み出していた巨石文明とされる。人間をはじめとする生物をバイオバーコード化して管理していたとされ、その変換を唯一自由にでき、変換されたバイオバーコードを管理していた存在がバーコード皇帝ニーズホッグだった。
バイオバーコード
古代バーコード文明が生み出したとされる、普通のバーコードよりもはるかに高密度の情報量を持つバーコード。1つのバイオバーコードの中に、人間1人分のDNA・記憶・人格をはじめとするすべての情報が記録されており、数値を入れ替えれば洗脳や支配することが可能で、性別や身体機能、能力の変更までが可能となる。バーコード皇帝ニーズホッグはこれを管理するためのシステムとして生み出された。 またこのバイオバーコードは肉体など形あるものを数値化した「マテリアルバーコード」と、魂や感情などの無形物を数値化した「メンタルバーコード」に大別することができる。
Eコード (えんぺらーこーど)
バーコード皇帝ニーズホッグを構成している特殊なバイオバーコード。反Eコードを除いたすべてのバイオバーコードを服従させ、管理する能力を持つ。破損・崩壊した場合でも大量の強いバーコードを取り込むことによって復元することが可能で、草鴫令法は樹雷竜牙たちを利用してEコードの復元を企んでいた。
反Eコード (はんえんぺらーこーど)
バーコード皇帝ニーズホッグを構成しているEコードに、唯一対抗することができる特殊なバイオバーコード。草鴫令法によってニーズホッグが復活した際、バイオバーコード化されニーズホッグの内部に取り込まれかけた虎堂烈に、竜胆岳の父親が入力した。
9倍力 (ないんふぉーるどぱわー)
バーコードバトラーⅡから導入された、新しい能力。対戦相手との相性がいいと使用可能になる超必殺技で、これを使用できるバトルでは攻撃が通常の9倍の破壊力を持つ。虎堂烈と御沙吾真の二度目のバトルではこの9倍力による攻撃の応酬となった。
超攻撃力 (すーぱーすとれんぐす)
バーコードバトラーⅡから導入された、新しい能力。対戦相手との相性がいいと使用可能になる超必殺技で、9倍力をはるかに超える究極の必殺技といわれている。これを使用できるバトルでは、攻撃が通常の27倍の破壊力を持つ。