釣りキチ三平 平成版

釣りキチ三平 平成版

釣りが大好きな少年、三平三平が、自然豊かな土地を巡り、さまざまな魚釣りにチャレンジする姿を描く。釣りの技術が詳細に描かれていて入門書としても使えるだけでなく、釣りを通して、民話や伝承の検証や自然と共に暮らす人々の知恵、さらに環境保護問題にまで踏み込んでおり、単なる釣り漫画ではなく、社会派漫画としての側面もある。1983年に連載が終了した『釣りキチ三平』(1974年講談社出版文化賞児童まんが部門受賞作)の続編として、2002年に連載が再開された。

正式名称
釣りキチ三平 平成版
ふりがな
つりきちさんぺい へいせいばん
作者
ジャンル
趣味・ホビー
 
釣り
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概要・あらすじ

自然の残る秋田の山間の村に住む主人公の三平三平は、釣りになると目の色が変わる釣りキチ。釣竿職人で三平の釣りの師匠でもあった祖父の三平一平が亡くなった後も、保護者代わりとなった鮎川魚紳や村人みんなに助けられながら、村でのびのびとひとり暮らしをしていた。そんな三平のもとに次々と舞い込んでくる、珍魚の噂。

そんな珍魚たちを釣りあげようと、三平の新たな挑戦が始まる。

登場人物・キャラクター

三平 三平 (みひら さんぺい)

釣りになると目の色が変わる釣りキチで、珍しい魚の噂を聞けば、どこへでも出向いて挑戦せずにはいられない少年。素朴で明るく、素直な性格で、言葉が多少通じない相手でも、釣りを通じてすぐに打ち解けてしまう。亡くなった祖父の三平一平に仕込まれた、一流の釣りのセンスと技術を持っており、地元秋田の鮎の友釣りクラブ、一平会のマスコットとして、大人からかわいがられている。 かつてライバルでもあった鮎川魚紳を、父とも兄ともつかないほど慕っており、祖父亡き後の保護者代わりになってもらっているほか、よく一緒に釣りに出かけている。

鮎川 魚紳 (あゆかわ ぎょしん)

三平三平の保護者代わりとなっている青年。同居はしていないが、定期的に秋田の三平の家を訪れている。豊富な知識と大人の分別を持っており、三平と共に、釣りを通して自然との関わりやそこに住む動物、人間との関わりに思いを馳せ、釣りを楽しんでいる。時々、三平の食事の世話をしに来る女性、愛子と婚約している。

三平 一平 (みひら いっぺい)

三平三平の祖父で、両親のいない三平を男手ひとつで育てた肉親だったが、老衰のため77歳でこの世を去った。一流の釣竿職人であり、仕事道具へのこだわりはもちろん、「床の間に飾る竿など作らない」といった、昔気質の性格。その人柄を慕う人は多く、三平だけでなく、釣り仲間みんなの釣りの師匠でもあった。

加瀬 正治 (かせ まさはる)

三平三平を、釣りだけでなく人生の師匠と仰ぐ少年。三平に珍しい魚の噂などを教えるだけでなく、三平がガールフレンドの高山ユリと喧嘩した時などは、女の子の扱い方について助言するなど、良い友だちになっている。釣りにも挑戦し始め、時々、三平と一緒に出かけることもある。

高山 ユリ (たかやま ゆり)

三平三平の一つ年上の幼なじみで、三平に好意を抱いている純情な女の子。三平を心配してあれこれと口を出すため喧嘩が絶えないが、芯はとても優しい。三平に手ほどきを受け、地元秋田の鮎の友釣りクラブ、一平会に参加することになる。

愛子 (あいこ)

三平三平の家に、時々食事を作りに来てくれる女性。三平の保護者代わりとなった鮎川魚紳と婚約しており、頻繁にメールのやり取りをしているらしい。

丈助 (じょうすけ)

三平三平や鮎川魚紳の釣り友だちで、イワナ釣りの名人。気の良いおじさんで、三平と魚紳と連れ立って、狢沢で釣りをしながら川の源流を目指して遡行する源流行に出かける。三平の祖父の三平一平とも交流があり、幕営(キャンプ)の夕食時には、一平が発明した竹徳利を再現して魚紳とイワナ酒を堪能した。

谷地坊主 (やちぼうず)

かつて三平三平と、北海道釧路湿原でイトウ釣りの競争をした大男。体躯に見合った豪快さの中に、巨大魚を前に身をすくませる繊細さを持ち合わせている、不思議な魅力に満ちた男。鮎川魚紳の友人の誘いでカムチャッカを訪れた三平と再会し、カムチャッカにしか棲んでいない幻のイワナを釣りに行こうと提案する。 実はその幻のイワナを釣るために、カムチャッカにダーチャと呼ばれる簡易別荘を借りて、たびたびカムチャッカを訪れていた。

ミーシャ

カムチャッカの屋根と言われるスレジンヌイ山脈とボストーチヌイ山脈に挟まれた奥地にある山間の村エッソに住んでいる、先住民族エベン人の少年。三平三平と同じ年ぐらいで、トナカイの世話をしている時に、三平と出会う。祖父のワシリは村一番の釣り名人で、ミーシャも大の釣り好き。 三平の目の前でシーズン外れのはぐれキングサーモンを釣り上げたり、一度見ただけで鮎川魚紳の取り込み法を真似してみせたりと、三平の良きライバルとなる。姉のナターシャは、谷地坊主がベタ褒めする美少女。

高田屋 嘉平衛 (たかだや かへえ)

江戸時代後期に、天才的な航海術を駆使して活躍した船乗りで、谷地坊主の七代前のご先祖さま。1800年代の初め頃にロシア艦船に拿捕され、捕虜となって8ヶ月間、カムチャッカで暮らしていた。その間にロシア語を覚えて現地の人々と交流した縁から、子孫である谷地坊主が「カヒ(カヘエ)さん」と呼ばれ、カムチャッカの人に親しまれていることに繋がっている。

国鱒 (くにます)

『釣りキチ三平 平成版』に登場する深湖魚。昔、秋田県田沢湖のみに生息していたサケ科の魚。1940年に、電源開発と農村開拓という国策で、田沢湖に玉川の強酸性水が注ぎ込まれたため、多くの魚と共に国鱒も姿を消し、絶滅したとされている。昭和10年に、山梨県の本栖湖と西湖にそれぞれ10万個の受精卵が送られ、孵化放流されたという記録が残っているが、生きている国鱒は発見されていない。 ヒメマスに似ているが、体全体が真っ黒で斑点がないことから、秋田地方の方言で囲炉裏にくべた真っ黒に焦げた薪の切れ端を意味する「キノシリ」と言う名前でも呼ばれていた。三平三平の祖父の三平一平が、若い頃、玉川温泉へ湯治に出かけた時に食べたことがあり、非常においしい魚だったという。

イワナ

『釣りキチ三平 平成版』に登場するサケ科の魚。日本に棲むイワナは一生淡水で過ごすものがほとんどで、水温が低い川の上流部に生息している。川を遡行していくと、やがてイワナが上れない滝が必ずあって、そこがイワナの生息地の最上端になることから、三平三平たちは「イワナ止めの滝」と呼んで、イワナ釣りの絶好のポイントとしていた。 しかし狩猟を専門とするマタギと呼ばれる人々の間に、非常事態に備えて「イワナ止めの滝」の上流などに釣ったイワナを放流する「移しイワナ」と呼ばれる習慣が伝わっており、「イワナ止めの滝」よりも上流に生息する、幻のイワナがいるという噂がある。

コリチャティ・ガリエツ (こりちゃてぃがりえつ)

『釣りキチ三平 平成版』に登場する幻のイワナ。コリチャイとは、ロシア語で輪、または環を意味する言葉で、その名の通り身体にワッカ模様がある。そのため、三平三平は「ワッカイワナ」と呼んた。

集団・組織

一平クラブ (いっぺいくらぶ)

『釣りキチ三平 平成版』に登場する、鮎の友釣りクラブ。初代会長は、三平三平の祖父の三平一平が務めていたが、一平亡き後は三平のガールフレンド、高山ユリの父が、会長代行としてクラブをまとめている。会員はみな、一平の人柄に惹かれて集まった人ばかりで、三平はクラブのマスコット的存在としてかわいがられていた。 鮎釣りのシーズンになると、毎年大会を開いて腕前を競っている。

場所

秋田県 (あきたけん)

『釣りキチ三平 平成版』の舞台であり、三平三平が暮らす、自然豊かな土地。三平は、祖父の三平一平や自分が生まれ育った土地に愛着があり、地元の渓流でヤマメやイワナを釣るのを楽しみとしている。

ワヒール川 (わひーるがわ)

三平三平が鮎川魚紳と共にフィッシングツアーで訪れた場所で、カムチャッカ半島の原野を流れ、太平洋側に流れ込んでいる大きな川。カムチャツキー市からヘリコプターで北東に150kmほど行った所にある。当局の指示により、釣った魚をそのまま川に帰すキャッチ&リリースが基本で、自然保護の観点からキャンプ設営やゴミの持ち帰りなど細かい規則が定められているため、豊かな自然が残っている。 真夏でも水温が9度と低く、ドリーバーデン、アメマス、カラフトマス、シロザケなど、冷水を好むサケ科の大型魚の宝庫となっている。

ビストラヤ川 (びすとらやがわ)

三平三平と鮎川魚紳が、カムチャッカで再会した友人、谷地坊主の案内で訪れた場所。カムチャッカ半島の西側を流れ、オホーツク海側に流れ込んでいる大きな川で、スティールヘッド(降海型のニジマス)やグレイリング(ベニザケの陸封型)など、サケ科の大型魚の宝庫になっている。 ビストラヤとは、ロシア語で流れが速いという意味で、その名に違わぬ豪快なラフティングが楽しめる。

エッソ

『釣りキチ三平 平成版』の舞台で、カムチャッカの屋根と言われるスレジンヌイ山脈とボストーチヌイ山脈に挟まれた奥地にある山間の小さな村。三平三平が、シンプルな一本竿を握りしめ、深山渓谷を分け入り、イワナ止めの滝でイワナ釣りを楽しみたいと言い出したのを受け、友人の谷地坊主が当たりをつけた、ビストラヤ川の源流部。 谷地坊主は現地に住む先住民族から、エッソを流れるエッソ ビストラヤ川に、幻のイワナであるコリチャティ・ガリエツが棲むという噂を聞いていた。村に近い場所では、ホッキョクイワナやキングサーモンなどが釣れる。

ワシリの滝 (わしりのたき)

カムチャッカの屋根と言われるスレジンヌイ山脈とボストーチヌイ山脈に挟まれた奥地にある山間の小さな村エッソから、さらに奥地に進んだ場所にある渓流の滝。エッソに住んでいるエベン人の釣り名人ワシリが発見したので、ワシリの孫ミーシャがその名前で呼んでいる。どの魚よりも冷水を好む幻のイワナ、コリチャティ・ガリエツの生息場所になっている。

その他キーワード

ミャク釣り (みゃくづり)

『釣りキチ三平 平成版』に登場する、日本古来から伝わる釣りの技法のひとつ。渓流釣りで使われるしかけで、魚がヒットしたことを報せる浮きがなく、最小限のものしかつけない、シンプルなしかけ。道糸(ライン)についたマーカーの動きと、手に伝わる感触、つまり「脈」でアタリを取ることから、「ミャク釣り」と呼ばれているという説がある。 三平三平は、鮎川魚紳にフライフィッシングを教えてもらうまで、ヤマメを釣る時はミャク釣り一辺倒だったが、フライフィッシングの楽しさに触れてからは、もっぱらフライでヤマメ釣りをしている。

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