バーサス

バーサス

『サクラブリゲイド』他で知られる、あずま京太郎の連載作品。『ワンパンマン』『モブサイコ100』で知られるONEが原作を担当し、boseがネーム構成を担当している。天敵である「魔族」の台頭と侵攻により人類が虐げられ続けて数百年が経過した「魔勢界」という世界から物語は始まる。世界中から選び抜かれた47人の「勇者」が魔王軍に対抗すべく準備を進め、人類の存亡を懸けた決死の作戦が開始されるが、半年でほぼ全滅。その後、異世界の人類に助けを求めるため、魔道士隊による異世界召喚を行った結果、「魔勢界」を含む13の世界が一つに融合する事態が発生。それぞれ異なる天敵に苦しめられていることが分かった13世界の人類は、互いの天敵同士を戦わせる作戦を展開する。本作は、13の異世界が融合した世界を舞台にしたバトルファンタジーである。「寄生生物」「ロボット」「巨人族」など、13世界の天敵たちが個性的でそれぞれ異なる能力を持つため、多種多様なバトルが展開される。講談社「月刊少年シリウス」2023年1月号より連載。2024年に「次にくるマンガ大賞2024」コミックス部門第15位、2025年に第49回「講談社漫画賞」少年部門を受賞。

正式名称
バーサス
ふりがな
ばーさす
原作者
ONE
漫画
ジャンル
モンスター・異生物
 
バトル
レーベル
シリウスKC(講談社)
巻数
既刊5巻
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作品の概要

基本情報

『サクラブリゲイド』他で知られる、あずま京太郎の連載作品。『ワンパンマン』『モブサイコ100』で知られるONEが原作を担当し、boseがネーム構成を担当している。

要旨と舞台設定

天敵である「魔族」の台頭と侵攻により人類が虐げられ続けて数百年が経過した「魔勢界」という世界が舞台。世界は「大魔王」とその配下である47体の「魔王」により支配されており、人類は恐怖の中で生活を続けている。この絶望的な状況下で、世界中から選び抜かれた47人の「勇者」が魔王軍に対抗すべく準備を進め、人類の存亡を懸けた決死の作戦が開始される。

ストーリー展開

47人の勇者と47体の魔王の決死の戦いから物語は始まるが、半年後に勇者たちはほぼ全滅してしまう。そんな中、異世界の人類に助けを求めようと、魔道士隊が異世界をまるごと召喚。その結果、「魔勢界」を含む13の世界が一つに融合する。それぞれ異なる天敵に苦しめられていることが分かった13世界の人類は、互いの天敵同士を戦わせる作戦を展開する。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、13の異世界が融合した世界を舞台にしたバトルファンタジーである。人類を追い詰める13世界の天敵たちが個性的でそれぞれ異なる能力を持つため、多種多様なバトルが展開される。

世界観の構築と設定

異世界をまるごと召喚する魔法により、「魔勢界」を含む13の世界が一つに融合した世界が舞台となる。13世界の人類は「魔族」「寄生生物」「ロボット」「巨人族」「宇宙人」「大自然」「大怪獣」「新人類」「神」「呪い」「ゲーム」「人間」「世界樹」という13の天敵により全滅の危機に瀕している。

連載状況

講談社「月刊少年シリウス」2023年1月号より連載。

受賞歴

2024年「次にくるマンガ大賞2024」コミックス部門第15位。

2025年第49回「講談社漫画賞」少年部門。

勇者隊の討伐作戦と魔道士隊の召喚作戦

本作の舞台「魔勢界」は、世界各地にいる47体の魔王と、その上に君臨する大魔王に支配されている。滅亡寸前の人類は47人の「勇者」を育て上げて反撃を開始。勇者たちは、人類最後の希望として47の魔王城を目指した。本作の主人公、第11勇者ハロゥもその一人である。しかし半年後、各地から次々と勇者敗退の知らせが入る。ハロゥは覚悟を決めて第11魔王ジャチの城に乗り込むが、力の差は歴然だった。城から吹き飛ばされたハロゥは、一命をとりとめるも右腕を失う。川辺で意識を取り戻したハロゥは、魔道士である兄のゼイビィと遭遇。じつは、ゼイビィたち魔道士隊は、勇者隊の戦いの裏でもう一つの計画を進めていた。それは星全体を覆うほどの巨大な召喚魔法陣で、別の世界を丸ごと召喚し、その世界の人々に助けてもらうというものだった。ゼイビィたちは別世界を召喚することに成功するが、その世界の人類もまた「天敵」ともいえる存在により滅亡の危機にあり、「魔勢界」の人類に助けを求めていた。

13個の融合した世界と13種の天敵

ハロゥとゼイビィが出会った別世界の人類は「機律界」の人々だった。「機律界」では機械生命体が暴走の末に増殖し、人類の根絶を図っているという。しかし、「魔勢界」と繋がったのは「機律界」だけではなかった。各世界の人類は、偶然にも別世界に助けを求める行動をしていたのだ。その結果、謎の寄生生物により滅亡の危機にある「寄生界」、巨人たちに蹂躙(じゅうりん)されている「巨人界」、宇宙人の侵略を受けている「天鬼界」など、12の世界の難民たちが、それぞれの天敵と一緒に「魔勢界」になだれ込んできたのだ。どの世界の天敵たちも圧倒的に強かった。例えば、「機律界」のロボットは、「魔勢界」の魔法攻撃に初めは戸惑っていたが、すぐに対策を立てるため、まったく通用しなくなるのだ。13世界の人類たちは団結するため会議を持つが、とても勝ち目があるとは思えなかった。

天敵同士の潰し合いを画策する人類

13世界の人類が絶望する中、ハロゥはある提案をする。それは「天敵同士を互いに争わせる」というアイデアだった。「機律界」を召喚した際、ハロゥの行動がきっかけとなり、偶然にも魔族とロボットの戦いが起きたという事実があった。「機律界」の軍事指揮官、ガラスプ少将は、「強大な敵の動きをコントロールするには、多大な犠牲を覚悟する必要がある」としながらも、ハロゥの案の可能性を認めた。そして後日、人類の作戦本部に向かってくる巨人族の群れに「ハロゥ作戦」が実行される。作戦の志願者たちは、巨人族の前に出て降伏の意志を伝え、「新虐界」の天敵、新人類の居住区への誘導を試みた。巨人たちは、面白半分に人間を殺しながらも、新人類の居住区に移動し、彼らと衝突。とりあえず、天敵同士の争いを起こすことに成功する。こうして無力な人類は、多大な犠牲を払いながら、生き残りの道を模索していくことになる。

登場人物・キャラクター

ハロゥ

魔族により支配されている魔勢界の男性。短髪でがっしりした体格で力も強い。背中に「勇気の剣」を携える。魔道士の兄、ゼイビィがいる。血の滲むような鍛錬の末に、47の勇者のうち第11勇者となる。真面目で融通が利かないところがあるが、誰にも負けない芯の強さがある。無謀な性格も欠点。第11魔王ジャチと戦うがまったく通用せず、吹き飛ばされるが命は奪われなかった。戦闘の際、右腕を失い「勇気の剣」も折れてしまう。13の世界が融合し、13の天敵が出現してからは、敵の同士討ちを狙う作戦を提案する。

ゼイビィ

魔族により支配されている魔勢界の男性。ハロゥの兄。水色の長髪が特徴で、杖を携帯している。魔道士隊に所属し、世界各地をめぐり、別世界をまるごと召喚する巨大な魔法陣を描いていた。機転が利きリーダーシップも持ち合わせている。無謀な行動をする弟をたしなめることもしばしばある。

パネパネ

ハロゥの補助妖精。2~3等身で子犬ほどの大きさで、羽根があり空を飛ぶ。尖(とが)った耳、2本の触覚、豚鼻、デベソが特徴。肌はピンク色で、身につけているものは白いブリーフだけ。愚痴っぽくて怖がりだが、嗅覚に優れており、魔族の群れの接近にいち早く気づいたことがある。語尾に「~パネ」をつけるのが口癖。

クレジット

原作

構成

bose

書誌情報

バーサス 5巻 講談社〈シリウスKC〉

第1巻

(2023-04-07発行、978-4065305782)

第2巻

(2023-11-09発行、978-4065335222)

第3巻

(2024-05-09発行、978-4065354483)

第4巻

(2024-11-08発行、978-4065373958)

第5巻

(2025-05-09発行、978-4065393758)

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