概要・あらすじ
勇者達は、瘴気の森でトン助を倒した。トン助は彼らの仲間だったが、「暗黒」に魅入られて体を乗っ取られていたのだ。トン助は元の姿に戻るが、その生命は失われた。こうして「暗黒」は滅んだ。ゆめちゃんをはじめとする勇者達は、トン助の亡骸を土に埋めた。「さあ、帰ろう」というゆめちゃんの言葉に、ハエの王が異論を挟む。ハエの王は「暗黒」によって故郷を焼き尽くされていたため、帰る場所がないのだ。やがて、ハエの王が帰る家について皆が話し始めるが、誰一人彼と一緒に住もうという者はいなかった。自分が汚くて臭い事を自覚するハエの王は、皆と別行動を取る事を決意するが、なぜか、第三者である三杯酢がそれを許さない。三杯酢は「最も不幸で不細工でみじめなハエの王に優しくすべきだ」と主張しはじめた。その言葉に怒ったハエの王は、三杯酢と喧嘩を始め、勢い余って彼を殺してしまう。一瞬、皆が凍りつくが「三杯酢が悪かったので仕方ない」と納得し、その場は丸く収まった。その夜。森で野宿する勇者達の中、ハエの王は一人眠れず、ランプを手に皆の元を去った。しばらく歩くと、どこからかハエの王を呼ぶ声が聞こえる。声を頼りに行き着いた先は、トン助を埋葬した場所だった。