あの人の胃には僕が足りない

あの人の胃には僕が足りない

料理上手な中学生男子の舟次蒔江が恋したのは「ワタリ」と呼ばれる異形の少女、満腹さちだった。やがて自分がワタリを引き寄せる特異体質であると知った蒔江は、さちと協力してワタリの退治を始める。そんな二人が、恋と食に悩みながら仲を深めていく姿を描いた、ファンタジックラブコメディ。モーニング増刊「月刊モーニングtwo」18年4月号から連載の作品。

正式名称
あの人の胃には僕が足りない
ふりがな
あのひとのいにはぼくがたりない
作者
ジャンル
モンスター・異生物
 
ラブコメ
レーベル
モーニング KC(講談社)
巻数
既刊6巻
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あらすじ

第1巻

中学3年生の舟次蒔江は、同じ学校の高等部に通っている、2学年上の満腹さちに片思いをしている。しかし蒔江には、誰にも言えない悩みがあった。蒔江は小学生の頃から、度々不気味な化け物を見るようになっていた。しかしそれは蒔江にしか見えず、その上最近現れたものは、蒔江にしつこくつきまとっているのである。そんなある日、蒔江はさちといっしょにいる時に化け物に出くわす。だが、さちは化け物が見えているらしいうえに、突如魚のような姿に変身すると、あっさり化け物を食べてしまう。この件がきっかけで蒔江はさちから、衝撃の事実を知らされる。それは、蒔江が先ほどの化け物「ワタリ」たちを引き寄せる特異体質であり、ワタリの一人であるさちもまた、蒔江が放つ匂いに強く惹かれているということだった。つまりさちは、蒔江を食べてしまいたいと思っているのだ。しかし、その衝動をこらえて、今後ワタリたちから蒔江を守りたいと考えているのだった。これを了承した蒔江は、一人暮らしの家でさちといっしょに暮らすようになる。さらに、この地域のワタリを管理する女性の管理人さんに出会い、これまでさちが単独で行ってきた、ワタリ退治の仕事を手伝うことになる。

第2巻

舟次蒔江は、満腹さちとの初めてのデートで、さちに食べられそうになってしまう。これを申し訳なく思ったさちはそのままどこかへ行ってしまい、蒔江は仕方なく一人で自宅に戻るが、そこで驚きの光景を目にする。外出前にはあったはずの舟次家と、その隣家である和泉家が、跡形もなく消え去っていたのである。蒔江はこれに困惑しつつも、隣家の住人であり、幼なじみでもある和泉依澄と話し合って、周囲を調べるのだった。しかしそこにさちが戻り、管理人さんお手伝いさんもやって来たことで、さらなる衝撃の事実が発覚する。依澄の正体は「ヒメカブリ」と呼ばれる、人間のふりをする「ワタリ」で、蒔江に偽の記憶を植え付けていた。これによって蒔江は、依澄こそが家を消した張本人であることも知らず、友人と思い込んで接していたのである。こうして正体がばれた依澄は逃げ出すが、家は元に戻らず、さらに蒔江は体の一部を依澄に取り込まれてしまう。しかし管理人さん曰く、依澄さえ倒せば、家も蒔江の体も元に戻るのだという。そこで蒔江は、依澄が持って行ってしまった自分の体の匂いをさちに辿ってもらうことで、依澄の居場所を探ろうとする。

第3巻

舟次蒔江は、和泉依澄の事件がきっかけで、満腹さちと交際を始めた。同時に蒔江が依澄の保護を希望したことで、依澄は管理人さんお手伝いさんの所で、人間として暮らせるようになっていた。こうして夏休みになり、蒔江とさちは「ワタリ」退治をしつつも比較的平和な日々を送っていたが、最近現れるワタリが以前よりも強く、大きくなっていることを不思議に思っていた。そんなある日、二人のもとに、別の地域のワタリ管理チームである武蔵野犬神鬼ヶ島館望の三人が訪れる。武蔵野は、蒔江がワタリを引き寄せる要因に心当たりがあり、一度話をしようとやって来たのである。それは、蒔江が以前何者かから「苗木」と呼ばれるものを植え付けられており、これがワタリの好む匂いを発しているというものだったが、蒔江には心当たりがない。さらに武蔵野は、苗木は今後成長し、ワタリをさらに引き寄せる要因になることを指摘。蒔江にワタリの脅威がない土地への引っ越しを勧める。蒔江がこれを拒んだことで武蔵野は一度引いたものの、その直後の文化祭で、今までにないほど強力なワタリが発生。蒔江の友人であるまことがべだけでなく、管理人さんまでもがワタリに取り込まれ、蒔江たちは危機に陥る。

第4巻

舟次蒔江は、満腹さちお手伝いさん武蔵野犬神鬼ヶ島館望和泉依澄の協力を得て、無事に校内に発生した「ワタリ」を倒した。これによって、ワタリに取り込まれていたまことがべ管理人さんは救出される。さらに、三人よりももっと前に取り込まれていた人間や動物たち、物も解放されて、蒔江たちは突如戻ってきた行方不明者たちとの再会に驚くのだった。こうして事件は解決し、蒔江はその場に居合わせた舟次蒔江の父親も含めた親しい人々に、ワタリについて説明して絆を深める。しかし、ワタリとの戦いでエネルギーを使いすぎてしまったさちは、このところ人間の姿を維持できず、人間の姿のまま急に巨大化したり、突然ワタリに戻ってしまったりと、不安定な状態が続いていた。そんなさちを案じた蒔江は、管理人さんの提案で、さちと共に島根県出雲市に行くことになる。ここはさちの出身地で、ワタリのエネルギー源があるため、さちの回復に最適だったのである。さらに二人は、現地で別件を調査中の依澄と館望に再会。四人で出雲市に入ってからずっと感じられる謎の視線の正体を探るが、そこでハクジャと名乗るワタリに襲われる。

登場人物・キャラクター

舟次 蒔江 (ふなつぎ まきえ)

とある中学校の3年B組に在籍する男子。前髪を目の上で切った刈り上げの短髪で、上の方の髪の毛はオレンジ色、下の方の刈り上げた部分の髪の毛は黒にしている。太眉で八重歯があり、顔は母親似で体型は小柄。和泉依澄には「お兄さん」と呼ばれている。穏やかで心優しい性格の持ち主。舟次蒔江の母親は子供の頃に行方不明になり、舟次蒔江の父親とは離れて暮らしているため、現在は一人暮らし。そのため、家事全般が得意で特に料理がうまい。小学生の頃、遠足中にきんつばに襲われ、お弁当を奪われる。以来、度々自分にしか見えない謎の化け物に出くわすようになり、それが「ワタリ」と呼ばれるものであることも知らないまま、誰にも相談できずに悩んでいた。そんな中学3年生のある日、片思い中の満腹さちに料理でアプローチを始めたところ、いっしょにワタリに出くわす。これをさちが食べてしまったことで、自分がワタリを引き寄せる、いい匂いを放つ特異体質であることと、さちもまたワタリであることを知る。同時にさちから、自分は舟次蒔江の匂いに惹かれているが、蒔江を食べてしまいたいという衝動をこらえて、ワタリたちから守りたいと思っていることを告げられる。これをきっかけに、自分の体質を生かして、さちと協力してワタリの駆除や保護を行うようになっていく。泳ぐことが苦手で、プールに遊びに行っても、ずっと子供用プールにいたことがある。小学生の頃、母親に「苗木」を植え付けられたことで宿主となったが、長いあいだその記憶を失っていた。

満腹 さち (みつはら さち)

とある高校の2年C組に在籍する女子。正体は「ワタリ」で、人間の少女に変身することで日常生活を送っている。前髪を目の上で切り、肩につくほどまで伸ばした黒のストレートセミロングヘアで、髪の毛の左側に赤と白のリボンを付けている。たれ目たれ眉で背が高く、胸が大きい。また首と腕には、本能を抑える力を持つ、ばんそうこうによく似たデザインの「お守り」をいくつも貼っている。ワタリの姿に戻った時は、クジラや金魚に似た大きな魚のような姿になる。管理人さんからは「まんぷくちゃん」と呼ばれている。明るく元気な性格ながら、ワタリであるが故に、人とのかかわりに自信を持てず、弱気になってしまうことがある。以前は島根県出雲市で、人間の老夫婦と暮らしていたが、ある日トラックで現在の地域まで運び込まれてしまう。その際に管理人さんとお手伝いさんに保護されたことにより、ほかのワタリを退治する仕事を手伝うことを条件に、管理人さんのサポートのもと、人間として暮らせるようになった。その後は舟次蒔江と親しくなるが、彼の特異体質に気づいており、蒔江のことを非常においしそうで食べてしまいたいと思いながら、友人として親しくしていた。そんな高校2年生のある日、蒔江といっしょにいる時にワタリに遭遇したことで、正体を明かすことを決意。自分が蒔江をどのように思っているか伝えたうえで、いっしょにワタリ退治をするようになる。

管理人さん (かんりにんさん)

舟次蒔江の住む地域に出現する「ワタリ」の管理を担当している若い女性。メイドのお手伝いさんとつねに行動を共にしており「管理人さん」と呼ばれているが、本名は不明。前髪を目の上で切り、胸の高さまで伸ばした茶色のストレートロングヘアを、頭の付け根の高さで一つに結んで、眼鏡を掛けている。ふだんはラフな服装をしているが、ワタリ退治の時は中華風の服装をしていることが多い。明るくひょうひょうとした性格で、冗談が大好き。そのため、周囲の人物をからかって遊ぶことも多く、何を考えているのかよくわからないが、ワタリ退治においては非常に頼りになる。また、楽天的で精神的に安定しており、危機に陥っても動じない。一方で、言葉巧みに他人を誘導するようなところがあり、特に蒔江に対しては間接的に彼の行動を制限したり、決定したりしようと働きかけることがある。満腹さちとは、ある日お手伝いさんと公園を歩いていたところ、困っているさちを発見したことで知り合った。その後、さちの事情を知って自分たちの仕事を手伝うことを条件に、さちの人間としての暮らしを認めてサポートするようになった。武蔵野とは知り合い。

お手伝いさん (おてつだいさん)

管理人さんのメイドを務める少女。つねに管理人さんと行動を共にしており「お手伝いさん」と呼ばれているが、本名は不明。前髪を目の上で切り、腰まで伸ばした銀色の癖のあるロングヘアを、ナースキャップに似たデザインのカチューシャでまとめている。体型は小柄で、いつもメイド服を身につけている。非常に無口で、ふだんは極端に無表情でほとんど発言しないため、感情はまったく読み取れない。しかし、頭のカチューシャには短文を表示する機能があり、主にこれを使って感情表現や意思疎通を行っている。また、まれに発言するときは語尾に「~ッス」を付けて話す。管理人さんとは非常に仲がよく、あまりベタベタするようなことはしないが、強く慕っている。しかし、管理人さんの言葉巧みに他人を誘導するような一面には疑問を感じており、管理人さんの発言がきっかけで蒔江が和泉依澄を保護した際は、わざとこうなるように仕向けたのかと尋ねた。満腹さちとはある日、管理人さんと公園を歩いていたところ、困っているさちを発見したことで知り合った。

和泉 依澄 (いずみ いずみ)

「ヒメカブリ」と呼ばれる「ワタリ」の少女。本来の姿は、細長い木の枝のような姿をしている。さまざまな生物に擬態することができ、人間のふりをする際は小学生の少女の和泉依澄を名乗っている。また、その時は前髪を目の上で切りそろえ、腰まで伸ばした暗いピンク色のストレートロングヘアをハーフツインにしている。頭にはベレー帽をかぶって学校の制服を身につけ、ランドセルを背負っている。明るく積極的な性格で、見た目よりも大人びており、敬語で話す。ヒメカブリの特性として、訪れた土地に住んでいる人間や動物の集団に、同じ種類の生物に擬態してまぎれ込む。その精度は高く、周囲の記憶まで操作するために擬態された生物だけではなく、ワタリ同士でもヒメカブリの擬態を見分けられないほどである。舟次蒔江たちが住む地域には数十年前に現れ、当時の記憶をベースに人間としての自分をデザインした。そのため、地域に関する知識が当時のまま止まっており、情報が古い。蒔江が中学3年生のある日、蒔江に偽物の記憶を植え付け、蒔江の幼なじみのふりをして近づく。しかし、すぐに満腹さちや管理人さんにバレて逃げ出し、この時に蒔江の体の一部を奪って取り込んだ。だが、これが原因でさちに居所を知られ、危機に陥る。最終的には蒔江の意向で無害なワタリとして認められ、管理人さんとお手伝いさんの所で働くことになった。好きな食べ物は、コロッケとこってり味のラーメン。

武蔵野 (むさしの)

日本の首都圏において「ワタリ」の管理人を務める若い男性。犬神鬼ヶ島と館望の三人でチームを組んでいる。前髪を眉の高さで切った、癖のある刈り上げの短髪にしている。釣り目と釣り眉で、背が高い。舟次蒔江が中学3年生の秋、鬼ヶ島と館望を伴って蒔江のもとに現れ、蒔江が「苗木」の宿主であること、このまま現在のような人の多い地域で暮らしていては蒔江自身だけでなく近隣住民にも危険が及ぶことを指摘する。そのため、ワタリの脅威がない地域への引っ越しを勧めたが、蒔江が拒んだためにこのままではよくないことが起きると忠告して一度引いた。しかし、蒔江自身を嫌っているわけではなく、その直後の文化祭で発生したワタリとの戦いでは、駆け付けて蒔江をサポートした。管理人さんとは知り合いだが、蒔江に必要な情報をあえて教えていない管理人さんに代わって、ワタリや苗木について蒔江に説明することもある。

犬神 鬼ヶ島 (いぬがみ おにがしま)

日本の首都圏において「ワタリ」の退治をしている少女。武蔵野と館望の三人でチームを組んでおり、武蔵野の部下であるが、勤務体系はアルバイトである。前髪を目の上で切りそろえ、お尻まで伸ばしたストレートロングヘアを、頭の高い位置でポニーテールにしてまとめている。明るく元気な性格で、他者に認められたいという気持ちが強過ぎるためにむちゃをしてしまうことがある。舟次蒔江とは、蒔江が中学3年生の秋、武蔵野に連れられてやって来たことで出会った。

館望 (けんもち)

日本の首都圏において「ワタリ」の退治をしている若い男性。正体は大きな鳥のような姿をしたワタリで、武蔵野と犬神鬼ヶ島の三人でチームを組んでおり、武蔵野の部下であるが、勤務体系はアルバイトである。人間の姿のときは、前髪を目の上で切って真ん中で分け、肩の高さまで伸ばしたセミロングヘアに無精ひげを生やしている。三白眼で下まつげが長く、背が高い。非常にクールで寡黙な性格をしている。舟次蒔江とは、蒔江が中学3年生の秋、武蔵野に連れられてやって来たことで出会った。

まこと

とある中学校の3年A組に在籍する男子で、舟次蒔江とがべの友人。前髪を0対10で分けた刈り上げの短髪で、目が大きくぱっちりとしている。体型はやや太め。蒔江の満腹さちへの思いについては知っており、以前から応援していた。そのため、蒔江とさちが親しくなってからは、さちともなかよくなった。中学3年生の文化祭の日、がべと共にさちのクラスの出し物を見に遊びに行った際に「ワタリ」に襲われ、一度は存在を消されかける。しかし蒔江たちによって無事救出され、この時にワタリの存在と蒔江がワタリと戦っていること、さちがワタリであることを知った。女装にはまったく抵抗がなく、文化祭の時も事件解決後にさちのクラスの店を手伝い、堂々とメイド服を着て接客した。

がべ

とある中学校の3年A組に在籍する男子で、舟次蒔江とまことの友人。前髪を眉の上で短く切って、刈り上げている。つねに無表情のため、何を考えているのか今一つよくわからないが、不愛想というわけではない。蒔江の満腹さちへの思いについては知っており、以前から応援していた。そのため、蒔江とさちが親しくなってからは、さちともなかよくなった。中学3年生の文化祭の日、まことと共にさちのクラスの出し物を見に遊びに行った際に「ワタリ」に襲われ、一度は存在を消されかける。しかし蒔江たちによって無事救出され、この時にワタリの存在と、蒔江がワタリと戦っていること、さちがワタリであることを知った。

舟次蒔江の母親 (ふなつぎまきえのははおや)

舟次蒔江の母親で、舟次蒔江の父親の妻。前髪を目の上で切り、肩よりも少し上の高さまで伸ばした、癖のあるボブヘアにしている。釣り目の太眉で、顔立ちは蒔江とよく似ている。蒔江が小学生の頃のある日、「ワタリ」に連れ去られて行方不明になる。しかし、当時の蒔江と蒔江の父親はワタリの存在を知らなかったため、蒔江が中学3年生になり、当時の記憶を取り戻すまでは失踪したと思われていた。またその際、蒔江の首の裏側に「苗木」を植え付けて宿主にしたが、その意図は不明である。

舟次蒔江の父親 (ふなつぎまきえのちちおや)

舟次蒔江の父親で、舟次蒔江の母親の夫。前髪を目の上で切った右寄りの位置で分けた短髪で、眼鏡を掛けている。体型は細め。蒔江が小学生の頃に妻が行方不明になり、蒔江が中学生になる頃に仕事の都合で引っ越しを提案する。しかし蒔江が拒んだため、現在では別々に暮らしていた。その後も蒔江をつねに案じており、蒔江が中学3年生の秋に文化祭に遊びに行く。その時に蒔江が妻によって「苗木」を植え付けられた結果、「ワタリ」を引き寄せる体になり、現在ではそのワタリ退治に取り組んでいることを知った。以来、蒔江の変化に驚きつつも、支えていくようになる。

きんつば

舟次蒔江が自宅で飼っている「ワタリ」。蒔江が初めて遭遇したワタリでもあり、白い仮面をかぶった五本足の猿のような姿をしている。蒔江とは蒔江が小学生の頃、蒔江のお弁当を盗んだことで出会った。その後は隠れて舟次家で暮らしていたが、蒔江が中学3年生のある日、蒔江に見つかる。その際、蒔江が無害であると判断したことから、正式にペットとして舟次家で暮らすことになった。

その他キーワード

ワタリ

これまで舟次蒔江が出会った、謎の怪物たちの総称。島根県出雲市に多く現れ、ここが発生源だとされているが、詳細は不明である。大小さまざまな姿をしているが、動物に似た姿をしていることが多い。「ワタリ」たちは、各々が持つ独自の欲求に従って暮らしており、誰かのものを奪ったり、誰かの体を引き裂いたりしたいといった危険な欲求を抱えるワタリがいる一方で、満腹さちやきんつばのような比較的無害なワタリもいる。基本的には「巣」と呼ばれる異世界に住んでおり、追い払う際は、ワタリを倒してしまうか、あるいはワタリが巣と現実世界を行き来できないように巣を破壊する、巣と現実世界の境界を封鎖するという方法を用いる。ワタリたちは蒔江をはじめとする「苗木」を埋め込まれた人間が放つ匂いに強く惹かれており、苗木の宿主の周辺に現れることが多い。

苗木 (なえぎ)

人間の世界にやって来た「ワタリ」が、まれに物体や人間や動物に埋め込む、謎の小さな木。「苗木」を埋め込まれ、宿主にされたものは、ワタリを引き寄せるフェロモンのようなものを放つようになり、舟次蒔江も苗木の宿主の一人である。苗木は時間の経過とともに成長し、それに伴ってワタリを呼び寄せる力も強くなる。そのため、宿主となったものは長く生きることはできない。

書誌情報

あの人の胃には僕が足りない 6巻 講談社〈モーニング KC〉

第1巻

(2018-07-23発行、 978-4065118979)

第2巻

(2018-12-21発行、 978-4065139813)

第3巻

(2019-06-21発行、 978-4065160206)

第4巻

(2019-11-22発行、 978-4065176597)

第5巻

(2020-05-22発行、 978-4065193686)

第6巻

(2021-03-23発行、 978-4065218679)

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