パニュキス

パニュキス

幼い頃からひと時も離れずに育った兄妹の美しくも悲しい物語。タイトルの「パニュキス」とは、フランスの詩人アンドレ・シェニエによる詩で、作中、ネリー・レノルズの読む詩として一部が引用されている。「花とゆめ」1976年24号~1977年1号に掲載された作品で、文春文庫ビジュアル版の『シュリンクス・パーン 自選作品集』に収録されている。

正式名称
パニュキス
ふりがな
ぱにゅきす
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

幼い兄妹、ハリー・レノルズネリー・レノルズは、いつも一緒の仲良し。一緒に暮らす叔母は、学校へ行かず、強すぎるほどの空想力を持つ2人のことを心配していた。しかし、ついに学校へ通うことになった兄ハリーは、妹ネリーと離れて暮らすことに。妹と離れ、外の暮らしにも徐々に慣れていくハリーとは裏腹に、ネリーは恋しい兄との別れを悲しみ、元気をなくしていく一方だった。

やがて、ハリーは結婚し、子供にも恵まれる。しかし、第一次世界大戦が勃発、ハリーのもとにも召集令状が届くのだった。

登場人物・キャラクター

ハリー・レノルズ (はりーれのるず)

茶髪の美しい少年。ネリー・レノルズの兄。学校へは行っていないが、自宅にある本を読みふけっており利口で知能も高い。また、音感が特別に優れており、ロンドンの王立音楽学校に入学する。外の世界で青春を謳歌し家にはなかなか帰ってこないが、ネリーのことは妹として深く愛している。

ネリー・レノルズ (ねりーれのるず)

金髪の美しい少女。兄のハリー・レノルズのことが大好きで、幼い頃からいつも一緒にいる。ハリーとの別れを悲しむあまり、通い始めた学校にもなじめず、兄との再会のみを心待ちにしている。

ハリエット

ハリー・レノルズとネリー・レノルズの叔母で、ハリーとネリーの父の妹。ハリー、ネリー、兄と4人で暮らしており、ハリー、ネリーの面倒を見ている。しつけにはわりと厳しく、空想癖があり世間を知らない2人の将来を心配している。

ハリーとネリーの父

ハリー・レノルズとネリー・レノルズの父親。顎鬚を生やしてパイプをくゆらす、少し太った英国紳士風の男性。ハリー、ネリーに家庭教師をつける際、家計を心配する妹のハリエットに対し、「その分バリバリ書くよわたしも」と発言していることから作家と思われる。子供の世話に関しては妹にまかせっぱなし。

チャールズ・カウデン・ジェニングズ (ちゃーるずかうでんじぇにんぐず)

ハリー・レノルズが通うロンドンの王立音楽学校で出会った学友。校長の息子。黒髪の大人びた風貌で、どこか影のある青年。ピアノ科で主席の腕前。ハリーの実家を訪れた際に出会ったネリー・レノルズに好意を抱く。

クレアモント

チャールズ・カウデン・ジェニングズの妹。父親はロンドンの王立音楽学校の校長というお嬢様。ハリー・レノルズと結婚する。

SHARE
EC
Amazon
logo