概要・あらすじ
幼い兄妹、ハリー・レノルズとネリー・レノルズは、いつも一緒の仲良し。一緒に暮らす叔母は、学校へ行かず、強すぎるほどの空想力を持つ2人のことを心配していた。しかし、ついに学校へ通うことになった兄ハリーは、妹ネリーと離れて暮らすことに。妹と離れ、外の暮らしにも徐々に慣れていくハリーとは裏腹に、ネリーは恋しい兄との別れを悲しみ、元気をなくしていく一方だった。
やがて、ハリーは結婚し、子供にも恵まれる。しかし、第一次世界大戦が勃発、ハリーのもとにも召集令状が届くのだった。
登場人物・キャラクター
ハリー・レノルズ (はりーれのるず)
茶髪の美しい少年。ネリー・レノルズの兄。学校へは行っていないが、自宅にある本を読みふけっており利口で知能も高い。また、音感が特別に優れており、ロンドンの王立音楽学校に入学する。外の世界で青春を謳歌し家にはなかなか帰ってこないが、ネリーのことは妹として深く愛している。
ネリー・レノルズ (ねりーれのるず)
金髪の美しい少女。兄のハリー・レノルズのことが大好きで、幼い頃からいつも一緒にいる。ハリーとの別れを悲しむあまり、通い始めた学校にもなじめず、兄との再会のみを心待ちにしている。
ハリエット
ハリー・レノルズとネリー・レノルズの叔母で、ハリーとネリーの父の妹。ハリー、ネリー、兄と4人で暮らしており、ハリー、ネリーの面倒を見ている。しつけにはわりと厳しく、空想癖があり世間を知らない2人の将来を心配している。
ハリーとネリーの父
ハリー・レノルズとネリー・レノルズの父親。顎鬚を生やしてパイプをくゆらす、少し太った英国紳士風の男性。ハリー、ネリーに家庭教師をつける際、家計を心配する妹のハリエットに対し、「その分バリバリ書くよわたしも」と発言していることから作家と思われる。子供の世話に関しては妹にまかせっぱなし。
チャールズ・カウデン・ジェニングズ (ちゃーるずかうでんじぇにんぐず)
ハリー・レノルズが通うロンドンの王立音楽学校で出会った学友。校長の息子。黒髪の大人びた風貌で、どこか影のある青年。ピアノ科で主席の腕前。ハリーの実家を訪れた際に出会ったネリー・レノルズに好意を抱く。
クレアモント
チャールズ・カウデン・ジェニングズの妹。父親はロンドンの王立音楽学校の校長というお嬢様。ハリー・レノルズと結婚する。