国際指名手配のスーパーナニー
主人公・フタバ・リード(吏糸双葉)は、英国ノーランド・カレッジ出身のナニーである。ナニーとは、育児や教育の専門知識を持ち、住み込みで子供の面倒を見る実在の専門職。また、ノーランド・カレッジも、イギリス王室御用達の超一流ナニー養成学校として有名な実在校である。双葉は、世界で10人もいないという「スーパーナニー」の設定で登場する。また、日本に戻った双葉は、なぜか国際指名手配犯になっているが、それは、ダナ国王女・クシュリナの悪戯が原因である。ナニーの双葉を独り占めしたいクシュリナは、双葉のカバンにダナ国の秘宝を忍ばせ、彼女を呼び戻そうと画策していたのだ。そんな事情で濡れ衣を着せられた双葉は、警察に追われる身となってしまう。
子供だけではなく、家族の問題をも解決する
国際指名手配犯の双葉は、生活のため、住み込みのベビーシッターとして、さまざまな事情を抱えた家庭を転々とする。例えば、シングルマザー・園田朱莉の家では、泣き止まない生後2週間の男の子・司を鮮やかな手際で落ち着かせる。長い間狭い子宮にいた赤ん坊は、手足が勝手に動いてしまうことが不安で仕方ない。そのため、布で手足を覆ってあげると安心するのだという。こうして赤ん坊のトラブルを解決する一方、双葉は家族の問題も解決してしまう。急死した、司の父親・桐谷高史が、巨大商社の唯一の後継者だったことから、桐谷一族は司を奪おうとする。しかし双葉は、母親不在の教育に異を唱え、凛とした態度で「教育は環境ではなく人です」と言い放ち、桐谷一族を退けた。本作は、育児や教育のノウハウと同時に、家族の問題を解決していく双葉の活躍を描いた人間ドラマである。
スピンオフ作品『グランマの憂鬱』
テレビドラマにもなった人気作『グランマの憂鬱』は、本作に登場する、百目鬼家の大奥様・百目鬼ミキを主人公にしたスピンオフ作品である。第10話・11話は、相続争いに揺れる百目鬼家を舞台にしたエピソード。双葉は百目鬼家の次男の嫁・由真の依頼で、娘の亜子のベビーシッターとしてやって来る。そして、逃げ出そうとする由真を諭し、ミキとの仲を取りもった。また、第15話は、そんな双葉にミキが借りを返すエピソードである。なお、『グランマの憂鬱』ではミキのほか、亜子と由真が主要人物として登場する。
登場人物・キャラクター
フタバ・リード
33歳の英国国籍の日系人女性。母はハウスキーパー、父は執事として英国貴族に仕えている。赤髪のショートヘア、SNの文字がついたフェルト帽、丸メガネ、唇の左下のほくろが特徴。超一流のナニー養成学校であるノーランド・カレッジ出身。育児・教育に関する豊富な知識を持つ、世界で10人もいないといわれるスーパーナニー。ある事情で国際指名手配犯となったことから日本に潜伏。「吏糸双葉」としてベビーシッターの仕事をする。教育は「環境」ではなく「人」であるというのが信条。
クシュリナ
フタバ・リードの教育を受けて育ったダナ国の王女。年齢は14歳。世界のプリンセスの中でも可憐さが際立ち、ティーンの間では彼女のファッションも注目の的。時価30億円の首飾り「クシュリナの夢」をフタバのカバンに入れた犯人。フタバを独占したいという思いから、彼女を窃盗犯に仕立て上げ、呼び戻そうと画策している。
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